こわれたおもちゃの

作者:さわま


「この街に、使い物にならない壊れた玩具の修理を生業としている者がいるようです。その人間と接触し、その仕事内容を確認・可能ならば習得した後、殺害しなさい」
 螺旋忍軍ミス・バタフライがその部下とおぼしき2人組に新たな使命を与える。
「了解しました、ミス・バタフライ。一見、意味の無いこの事件も、巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのですな」
 部下の返答に満足したミス・バタフライはその場を去っていった。
「しかし、使い物にならないものをわざわざ修理するなど理解し難い話よ。壊れた物など棄て、もっと良い新しいものを見繕えばいいではないか」
「全くのう。壊れしもの、使えぬものに価値など無し。その道理も分からぬとはな」
 残された部下たちの嘲笑が闇の中に消えていった。
 

「野々宮・イチカ(ギミカルハート・e13344)殿の予想通り。螺旋忍軍ミス・バタフライの新たな作戦を察知した」
 山田・ゴロウ(ドワーフのヘリオライダー・en0072)が集ったケルベロスに告げる。
「ミス・バタフライには一見無関係な出来事が巡り巡って大きな影響を及ぼすバタフライ効果を引き起こす力があるといわれている」
 バタフライ効果。『風が吹けば桶屋がもうかる』『北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる』などといった例で有名なものである。
「今回は、とある街の壊れたおもちゃの修理と販売を営んでいる老人のもとに部下を遣わし、その技術を習得させた上で老人を殺そうと企んでいるようだ。どうかこの企みを阻止しして頂きたい」
 ゴロウがぺこりと頭を下げた。
 
「ミス・バタフライの部下は2人組で、人間を装い老人に接触し弟子入りを志願する」
 さらに詳しい説明をゴロウが始める。
「今回、単純に事前に老人を避難させ敵を待ち伏せる……といったような作戦を取ってしまうと、待ち伏せを察知され失敗に終わる可能性が高い。しかし、部下が接触する時点で貴殿らが老人の関係者を装えるようであれば、敵は警戒しないはずだ」
 ひと呼吸おいてゴロウが口を開く。
「つまり、貴殿らが先に老人に弟子入りし技術を習得。兄弟子という形で敵と接触すれば老人を避難させても問題無いという事だ」
 今回、敵が接触する3日くらい前から老人への接触しても予知は問題無いという。老人の仕事は定年後、趣味半分で始めたものなので、その技術の習得は難しいものでは無い。3日間で技術を習得しケルベロス自身が囮になる事は十分に可能だという。
 上手く囮になれれば、こちらが主導権を握った状況で戦う事も出来るだろう。もちろん、そんな回りくどい事をせずに老人を護衛しつつ敵を撃退する作戦も可能だ。
 どうするかはケルベロスたちの判断に任せるとゴロウはいう。
「敵は螺旋忍軍の標準的なグラビティを使用する。敵2人で貴殿らと互角といった強さだ」
 強敵というわけでも無いが、油断して良い相手でも無い。
 
「貴殿らであれば大丈夫だと信じている。どうかよろしくお願いしますだよ」


参加者
藤咲・うるる(ひだまりフォークロア・e00086)
レカ・ビアバルナ(橙の射手・e00931)
神乃・息吹(楽園追放・e02070)
若命・モユル(ケルベロスいちねんせい・e02816)
隠・キカ(輝る翳・e03014)
野々宮・イチカ(ギミカルハート・e13344)
保村・綾(真宵仔・e26916)
アリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)

■リプレイ


 店の裏手、そこに壊れたおもちゃを直す為のガレージがあった。
「ここがおじいさまの仕事場なのじゃな。とっても大きいのじゃ!」
「スッゲー! アレはなんに使うんだ? コッチのは?」
 大小の作業机、様々な工具や見たことも無いような部品が置かれた棚。
 湧き上がる好奇心を抑え切れなくなった保村・綾(真宵仔・e26916)と若命・モユル(ケルベロスいちねんせい・e02816)があちこちを眺め歩きまわっていた。
 6歳の綾、7歳のモユル、色々な事に興味津々のお子様ケルベロスたちだ。
 野々宮・イチカ(ギミカルハート・e13344)がそんな2人に優しい目を向ける。
「ふたりとも勝手にさわっちゃだめだよ」
「はいなのじゃ、イチカ姉さま!」
「はーい!」
 素直に頷く2人にイチカの顔に自然と笑みがこぼれる。
「しっかりお姉さんしているわね」
 背中からの声。イチカが振り向くと神乃・息吹(楽園追放・e02070)の姿があった。
「イブも今日はイチカお姉さま、って呼ぼうかしら?」
 冗談めかしクスリと笑う息吹にイチカはくすぐったそうに苦笑した。

「あら?」
 藤咲・うるる(ひだまりフォークロア・e00086)が落ち着かない様子のレカ・ビアバルナ(橙の射手・e00931)の姿を目に留めた。
「どうかしたの?」
 うるるに声をかけられたレカが答える。
「心配をお掛けしてしまって申し訳ありません。こういった事は初めてなので」
 レカは今回が初めての任務となる。その顔には若干の緊張と気負いが見えた。
「何にしても初めては怖いものよね。でも『まずは恐れず一歩前に、後は習うより慣れよ』よ。何事も経験は必要なのよ、ってママも言っていたわ!」
 うるるがレカにニッコリと微笑む。
「それに、おもちゃの修理なんて私もやった事は無いわ。初めてなのは私も一緒ね」
「ふふっ、そういわれてみればその通りですね。うるるさん、ありがとうございます」
 そう言ったレカの顔にはうるると同じ柔らかい微笑みが浮かんでいた。

「アリシアは手先の器用さに自信があります。その技術、必ずものにしてみせます」
 おもちゃを分解してみせる老人の一挙手一投足を見逃すまいとアリシア・クローウェル(首狩りヴォーパルバニー・e33909)の真っ赤な瞳は輝いていた。
「あのね、この子をなおしてあげたいの」
 隠・キカ(輝る翳・e03014)の机の前にブリキ製のうさぎのおもちゃが置かれていた。
「きぃにもなおせる、かな?」
 老人がコクリと頷くと、キカは「良かったね、キキ」と手に持ったおもちゃのロボットに優しく微笑む。
「オイラはこのロボットを直したい! すごく格好良く変形するんだ!」
 モユルが持参したおもちゃを掲げ、期待の眼差しを老人へと向ける。
 老人から指導を受けケルベロスの少年少女たちは楽しそうに作業を進めていった。
「この後はどうしたら良いのかしら? 教えて、お爺ちゃん」
 息吹が自分で分解したねじ巻きロボットから、傍の老人へと視線を上げる。
「じいちゃん、こっちも教えてよ」
「おじいさま、おしえてなのじゃー」
 すると方々から老人を呼ぶ声が。
「あら? お爺ちゃんは人気者なのね。でもイブが先よ」
 彼らの訓練の様子はまるで祖父を取り合う孫のようであった。


「紅茶いれたから、すこし休憩しよ」
 イチカの声に作業をしていたレカが顔をあげる。
「ありがとうございます」
 カップに口をつけ美味しそうに紅茶を飲むレカ。そんなレカを満足そうに眺めていたイチカだが作業机の方に目を向け小さなため息をつく。
 机の上には分解されたおもちゃの部品が所狭しと置かれていた。
「……なおるといいね」
 レカが修理をしているものは電池で光ったり音を出したりするコンパクトであった。
 この手のものは電子部品そのものが壊れていた場合は、代用がきかず直すのが難しいと事前に言われていたのだ。
「はい。部品の故障ではなく金属が錆びて電気が流れなくなっただけという場合も多いそうなので、やれるだけやってみようと思います」
 レカは分解した部品ひとつひとつの汚れや錆を落とす作業を延々と続けていた。
 曇った顔のイチカにレカは明るい顔を向ける。
「それに元の持ち主の子の事などを考えながら作業をしていると、とても楽しくって」
「そっか。頑張ってね、レカちゃん」
 飲み終わったカップを受け取りイチカが笑顔を見せた。


「これで完成。ノラせんぱいも喜んでくれるかな」
「ノラせんぱい?」
 首をかしげる綾にイチカが慌てて付け加える。
「えっと、家にいる三毛猫なんだけどね」
 イチカの手には修理を終えたネズミのおもちゃがあった。
「このおもちゃ、ノラせんぱいのお気に入りだったんだ。おっかけすぎて自分で壊しちゃって、しょんぼりしてたなぁ」
「わらわと同じじゃな! のぅ、かか様」
 うんうんと頷きウイングキャットの文へ目を向ける綾。綾もまたイチカのものとよく似たネズミのおもちゃを修理していた事を思い出す。
(「あのおもちゃ、文ちゃんのなのかな?」)
 おしとやかそうに見えるけどなぁ、とイチカが澄まし顔の文の方をチラリと見る。
「かか様、はようなのじゃ!」
 綾の弾んだ声。
 するとハァとため息をついた文が器用にネズミのおもちゃのねじを巻いてみせた。
「もうこわしたりせんからの!」
 バッと動き出したネズミを綾が楽しそうに追いかけ回す。
「なるほど……綾ちゃんのおもちゃだったんだ」
 イチカの声に文が顔を上げる。
 その目は「お互い大変ね」とでも言いたそうな感じであった。


「しかし、全くお客様が来ませんね」
 アリシアがため息をつく。老人が指導の為に店に入れない事もあり、アリシアたちは順番で店番をする事にしたのだ。
「昨日から1人も来ないもんなー」
 同じく店番のモユルがつまらなそうに足をブラブラさせる。
「2人とも、サボってちゃだめだよ」
 おやつを運んできたイチカと老人に、慌てて背筋を伸ばす2人。
「おじいさまはどうしてこの仕事を? おもちゃに、何か特別な思い入れが?」
 4人でおやつを食べている途中、アリシアが素朴な疑問を口にした。
「必要とされなくても……ここにいていい? 分かるような分からないような……」
 老人の答えにモユルが首をかしげる。曰く、ここにあるおもちゃは誰からも必要とされなくなり捨てられたもので、老人はそうしたおもちゃを見るのが嫌だったという。
「世界はもっと優しいんだよって、おもちゃに教えてあげたかった?」
 恥ずかしそうにボソボソと語る老人の言葉をイチカは心の中で反芻する。
「うん、おじいさんみたいな人がいるから、世界は優しいんだよ。おもちゃの子たちも、ありがとうって言ってるよ」
 愛しげに店の中を眺めるイチカ。
「じいちゃん、ここのおもちゃ買っていっていいかな? オイラ、絶対大切にする!」
 モユルの言葉に老人は嬉しそうに頷いた。


「うで……ちゃんと動くようになったよ、それにブローチも可愛いよね」
 机の上に腰掛けたおもちゃのロボットに見せるように、キカが修理を終えたブリキうさぎの腕を動かしてみせた。
「キキがこわれた時も、きぃがなおすからね」
 おもちゃのロボットと視線を合わせたキカの瞳にロボットの顔が映り込んだ。
「斬るのはとても得意なアリシアですが、縫うのはとても大変でした」
 そう言ったアリシアが持っているのは、愛らしいクマのぬいぐるみだ。
「まるで新品みたいだ!」
 ぬいぐるみを見たモユルが素直な気持ちを口にする。
 モユルの手には修理に成功し変形したロボットがあった。
「わあ、すごい! ありがとう、おじいさん!」
「お爺ちゃんの指は、魔法の指ね」
 オルゴールの箱の上で人形が動き出すのを見てうるると息吹が嬉しそうな声を上げた。
 そして、息吹は腕の中のネジ巻きロボットへと目を落とし、優しい目を向ける。
(「めーくん、直ったよ」)
 レカが新しい電池をセットし蓋を閉める。そして、おそるおそるスイッチを押した。
 コンパクトのライトが光り、軽快な電子音が流れ出す。
「この曲、ひょっとすると昔やってた魔法少女アニメのじゃないかしら?」
 コンパクトから流れるメロディにうるるが小首をかしげる。
「それ、オイラも見たことある。魔法の弓が出てくるやつだ!」
「魔法の弓、ですか?」
 レカに目を向けられモユルが頷く。
「アニメだとそのコンパクトから魔法の弓が出てきて、弓使いに変身するんだ。すごく格好良いんだぜ!」
 レカが光り輝くコンパクトをじっと見る。ひょっとすると元の持ち主も弓使いに憧れていたのかもしれない……幼い頃の自分のように。
 嬉しそうに微笑むレカの姿がそこにあった。


 男が修理を終えたおもちゃを無造作に籠の中に放り込む。
 すると、指導役のうるるが凄い剣幕で男に詰め寄った。
「なんてことをするの。もっと大切に扱わないとダメじゃない!」
「……済みません」
 不服そうに男が頭を下げる。
 ここでの仕事は男にとって大したものでは無かった。
 玩具を分解、解析。動作不全の箇所を特定し、できる限りの機能の回復に務める。
 先ほどの仕事も完璧だった。あの程度の衝撃で再び壊れるはずが無いのだ。
「雑に扱うのは……めっ、だよ」
 同じく指導役のキカに怒られる相棒を見て、男はため息をつく。
「修理の為の素材が足りないので、買い物に付き合ってください」
 アリシアに声をかけられ男が振り向く。
「きぃ達と、おとうと弟子さん達だけでだいじょうぶだよ……おじいちゃんは待っててね」
 立ち上がったキカが老人の方を見てコクリと頷いた。


「残念でした、ケルベロスだよーん!」
 空き地に誘導された男2人にモユルがあっかんべをする。
 彼らを取り囲んだケルベロスたちがそれぞれに武器を構えるのが見えた。
「ケルベロスだと!?」
「おのれ、ならばお前たちを血祭りに上げ、老いぼれから仕事の情報を聞き出すまでよ!」
 変装を解いた螺旋忍軍も武器を構える。
 すると敵へと歩み出たイチカが口を開く。
「それじゃ、おじいさんの仕事を分かる事は出来ないよ。絶対に」
「何をいうか。あの程度の仕事、1日もあれば完璧にモノにしてみせるわっ!?」
 叫ぶ螺旋忍軍。と、その目の前に突き出される刃。
「そもそもここで死んでもらうので、それは無いです。その首、アリシアが頂戴します」
 咄嗟に一撃を避けた敵に、さらにアリシアがナイフを振るっていく。
 恐ろしいまでの冴えをみせる斬撃。敵の腕からパッと鮮血が飛び散る。
「大丈夫、痛みは一瞬です。ですから……その最後の時の一瞬までの恐怖……いい声で鳴いてくださいね?」
 アリシアの大きく見開かれた瞳が、空中を舞う血よりも赤い輝きをみせる。
 執拗に追いすがる殺人兎から何とか距離を取り、体勢を立て直す螺旋忍軍。
 と、上空に影が差す。
「にゃっ!」
 敵が顔を上げると、四つ足で飛び掛ってくる綾の姿が。
 綾は覆い被さるように頭部に飛びつき、両手の爪で一気に顔面を掻き立てる。
「クッ……ガハァッ!!」
 綾を引き離そうとした敵の背中に突然重い衝撃が走った。
「あなたたちが倒れるまで、何度だって殴ってあげる」
 堪らず膝をついた敵を、その背中に強烈な回し蹴りを叩き込んだうるるが見下ろす。
「恋もケンカもチャンスに畳み掛けるものよ、ってママも言っていたわ!」


 ケルベロス達の怒涛の攻撃をかいくぐった敵がイチカへと接近する。
「喰らえぇえ!」
 螺旋渦巻く拳が炸裂し、衝撃が地面を抉り大きな土煙がイチカを包む。
「イチカ……」
 キカがギュッと片手に抱いたキキを強く握る。
 即座に動いたのは回復役のレカと息吹であった。
「イチカさん、すぐに回復いたします!」
「甘ぁい虹色林檎を召し上がれ――『禁忌の罪(フォビドゥンクライム)』」
 癒しの矢と虹色に輝く銀林檎が土煙の中へと吸い込まれていく。
「レカちゃん、イブちゃん、ありがと。キカちゃん、わたしはだいじょぶだから」
 土煙の中から元気な顔を見せたイチカを見て、キカは敵へと目を移した。
「きぃの友だちを傷つける人は……ゆるさない」
 キキを抱いた手とは逆の掌を敵へと向ける。
 浮かび上がった魔法陣から出現した幻影の竜が敵を炎に包み込んでいった。
「忘れていいわ、私が覚えていてあげる」
 うるるの体内から湧き出た光を放つ何かが、その右拳へと集う。
「あなたの全てを押し流す――『愛は忘却(オブリビオン・オブリビエイト)』」
 突き出した拳から堰を切ったように溢れ出す光の奔流。それは敵の体を飲み込み空へと押し流していった。
「全武装、業火合体!」
 モユルの鉄塊剣が炎を吹き上げ変形、他の武装と合体し巨大な剣へと姿を変える。
「全力でぶった斬ってやるぜ!」
 その声に応えジェット噴射を上げ、剣がモユルごと空中へと飛び出していく。
「『業火大斬剣(ブレイズブレイド・フュージョン)』!」
 剣は一直線に空中の敵へと迫る。
 そして盛大な爆炎を上げ敵を叩き斬るのであった。


「逃がしません!」
 声と同時、何とか隙を見て逃げ出そうとした敵の眼前を矢が通り過ぎた。
 敵が矢の飛んできた方を向けば、既に次の矢をつがえたレカの姿があった。
「みすみす逃したりはしないわ……観念なさい」
 敵の前方に立ちはだかる息吹とうるる。
「にゃにゃにゃっ!!」
 背後から威嚇する綾と文。さらにモユルとキカも取り囲むようにその左右に立つ。
 と、イチカが敵へとゆっくり近付いていった。
「捨てられた子たちにも、こころがあるんだよ。教えてあげる」
「? 何を……」
「『哭き火(ハートエイク) 』」
 イチカの胸からドクン、ドクンと鼓動を撃つ炎が噴き上がる。
 そして驚愕する敵の身体をジワジワと炎が覆っていく。
「アリシアに斬れぬものはありません。その首を貰い受けます」
 敵の背後に立ったアリシアが素早くナイフを走らせる。
 スッと敵の首が胴体から切断され、やがてその全ては燃え尽きていった。


「大勝利だぜ!」
「かか様、わらわがんばったのじゃ!」
 喜びをあらわにするモユルと綾。
「お疲れさま、初めての任務。バッチリだったわよ」
 うるるの声にレカは笑顔で答える。
「ありがとうございます。店主さんが無事なのが何より嬉しいです」
「うん、おじいちゃんが助かって良かったよね、キキ」
 キカも嬉しそうにキキを抱き上げる。
「アリシアはちょっと斬り足りない感じもありますが……でも、めでたしですね!」
 アリシアが喜ぶ仲間たちを見て頷いた。

「お爺ちゃん有難う、勉強になったのだわ」
 大事そうに修理したロボットを抱えた息吹が老人にお礼をいう。
 他の仲間たちも老人に感謝と別れの挨拶を告げて去っていった。
 最後に挨拶をしたイチカが、一度振り返り店のおもちゃたちへと目を向ける。
「みんなも元気でね」
 店を出るイチカの後ろでおもちゃたちの明るい声が聞こえたような気がした。

作者:さわま 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2017年1月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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