百奇夜行譚

作者:東間

●本よ、いずこ
 古今東西を巡ったとある僧が、行く先々で遭遇した百の怪異を綴った本がある。
 幽霊、付喪神、悪霊、神、生き霊、獣、人――そこに綴られたありとあらゆる怪異の中は時に恐ろしく、時に得体が知れぬものばかり。しかしそれは。
「ただ『綴った』ものではなく、封じる為に綴った……という話だったな。さて、どこにあるのやら」
 はあ、と零した吐息は白くなり、茜空に消えていく。
 百の怪異を綴った僧は、その本を抱えたまま人里離れた場所に居を構え、生涯をそこで過ごしたという噂だが、僧の死後、書は最初から存在していなかったかのように忽然と消えたらしい。
 この辺りに僧の住居があった、という噂を頼りに調査して回っているが、この時期、空が茜色になったら陽が沈むまではあっという間だ。今の内にテントを張ろうと作業を急ぐが、明日の調査を思うとワクワクが止まらない。
「ああ……一体、どんな怪異が綴られているんだろう? 話の内容を分析すれば、その怪異が生まれた場所も割り出せるだろうか? うーん、文学的価値だけでなく、歴史的価値もありそうだな。実に、実に今日深――」
 男の独り言はそこで途絶えた。
 いや。中断させられた。
「私のモザイクは晴れないけれど」
 背後から心臓をひと突き。貫くのは鍵。後ろに立つのは一人の魔女。
 その事に全く気付かないまま、男は設営途中のテントの上にバタリと倒れる。
「あなたの『興味』にとても興味があります」
 意識を失った男の傍に、新たなドリームイーターが生まれた。
 僧衣を纏い、錫杖を手に瞑目している男。その体に巻き付くようにふわふわと浮く蛇腹本には、モザイクとなり全く読めなくなった文字が綴られていた。
 
●百奇夜行譚
「やあみんな。突然だけど、怖い話は好きかい? 平気? どんと来い?」
 ラシード・ファルカ(赫月のヘリオライダー・en0118)が持ってきた依頼は、強い『興味』から生まれたドリームイーターの撃破だった。
 ドリームイーターの元となったのは、百の怪異を綴ったという存在するかどうか怪しい本。それに強い興味を抱き、在処を探し求めて山に踏み入った男性が抱いていた『興味』だ。
「被害者は襲われた場所で意識を失っているけれど、ドリームイーターが倒されれば目を覚ます。その後は、元気に山を下りる筈さ」
 相手は一体。浮遊する蛇腹本を纏った僧侶で、目は常に閉じられている。
 纏っている蛇腹本は、恐らく男性がイメージしていた本だろう。ただし、その内容はモザイクとなっている為、解読不能だ。画像ソフトでモザイクをかけたような状態なので、どれだけ頑張ってもどれだけ目を凝らしても、読めない。
「ドリームイーターだし……仕方ない、わよね。そう、仕方ないわ」
 花房・光(戦花・en0150)が、とっても残念そうな声を漏らす。
 耳が少しだけへにゃっと伏せられていた。
 ラシードは『読めるなら読んでみたい』と同意した後、ドリームイーターの特徴を告げる。
「相手は誰か見つけると『自分が何者か』訊いてくるけど、君達はケルベロスで、向こうはドリームイーターだ。返答が何であれ、すぐ戦闘になる」
「この手の話だと、正しく答えられないと殺されるパターンよね?」
「そうなんだよ。何も殺さなくても……っと、そうだ。この手の話といえば」
 『興味』から生まれたドリームイーターは、自分の事を信じていたり、噂している人のいる方へ引き寄せられる性質を持っている。戦闘に適した場所を探し、そこで敵の性質を利用するのがいいだろう。
「僧侶が作ったっていう本にどんな怖い話が綴られているか噂話をする、とかね」
 つまりそれは。
 山中で怖い話を。
 僧侶が綴ったという、怪異について語る事。
 光の肩がぴくりと反応した。尻尾の先端もパタッと動いた。
 平静を装う少女にラシードは敢えて触れず、集まったケルベロス達を見て『行こうか』とヘリオンに促し――あっ、と呟いて止まった。
「今からだと到着が日没直前か……この手の話じゃあ、大体日が暮れてからまずい場所に行ってまずい事になるけど……」
 男は笑う。
 君達なら『まずい事』になんて、きっとならない――と。


参加者
黛・繭紗(アウル・e01004)
連城・最中(隠逸花・e01567)
国津・寂燕(刹那の風過・e01589)
ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)
奏真・一十(あくがれ百景・e03433)
哭神・百舌鳥(薄墨の暗夜・e03638)
浅羽・馨(星斗・e05077)
ユグゴト・ツァン(エイクリィと愉快な仲間達・e23397)

■リプレイ

●山中に集う
 暗く、黒く、恐ろしく静か。
 そんな日暮れの山中でやる怪談話の場にと選んだのは、夢喰いに『興味』を奪われた男性から、充分な距離を取った場所だった。
「如何にも出そうですね」
 ――否、誘き出すのですけれど。
 そう呟いた連城・最中(隠逸花・e01567)がライトの電源をカチリと入れれば、その顔が強い陰影をもって浮かび上がる。
 小さく噴き出した浅羽・馨(星斗・e05077)は、自分の心が踊っている理由を少し考え、答えに至った。昔、百鬼夜行の本読んだ事があるからだろう。
「百の怪異を綴った本とは面白いですね。しかし、私のコレクションに加えようにも、噂だけで存在していないのは残念ですね」
 ウィッカ・アルマンダイン(魔導の探究者・e02707)は、声に僅かな落胆を滲ませた。本については噂の領域を出ず、実在するか否かも不明。夢喰いが纏う物も判読不可だという。
 馨と花房・光(戦花・en0150)も彼女に全面同意の様子を見せていた。
「気になる……読めないとわかっていても……」
「何やかんやで読めたらいいけれど、そう都合のいい事は起きないわよね……」
 だが、ユグゴト・ツァン(エイクリィと愉快な仲間達・e23397)はそうでもないらしい。現状を招いた噂と『興味』に対し、自信に満ちた笑みを浮かべている。
「怪奇譚か。私の好む物語だ。脳摘出を容易く行う、我等が種族に怯える事柄など、在り得ない」
「の、脳の摘出……?」
 仲間の口から飛び出した単語に、哭神・百舌鳥(薄墨の暗夜・e03638)は目をぱちぱち。
 奏真・一十(あくがれ百景・e03433)も一瞬目を丸くするが、持参した照明をつけ、『始めよう』と告げた。百の怪異纏った夢喰いを『呼ぶ』のに必要なのは唯一つ、『語る』事。

●怪異語り
「怪異を封じる為に……か。やはり何か不穏なことが綴られているのであろうか。人食いのモノノケとか……」
「そうですね。封じる為に綴ったというなら、人に害を為す怪異が多いのでしょうか?」
 一十がごく自然に切り出し、最中が続いた『語り』の始め。そういった物の怪ならば、封じられるのも納得だという空気が漂う。
「例えばこういった人が集まる場では、知らぬ間に誰かが欠けたり、或いは増えたり……という話が定番でしょうか」
 ライトの灯りが最中の顔を下から照らし、浮かび上がらせる。
 足音が多い。少ない。今の声は誰だ。あいつはどこだ。
 闇の中で起きるそれの『内』に、己にしか見えない存在が居たら?
 鮮やかな緑眼が静かに周囲を見る。あるのは暗闇と、
「それは恐ろしいな……」
 キョトン顔の幼馴染みと書いて馨と読む。
「……ちなみに、今日ここに来たのは九人ですよね?」
 ハッとした百舌鳥が一人一人確認する。一、二、三――九。
「なんて、冗談ですが」
 定番だからこそ、もしやと思うものだ。ほっ、と一息つく音が幽かにした後、耳を傾けていたユグゴトが口を開く。
「背後からの足音。振り向いた先。誰も在らず――陳腐な怪奇譚だ」
 自分の存在こそが怪奇に相応だと言ったピンク色の目が、妖しく光る。
「脳を摘出された輩の『両腕と頭』を安楽椅子に置くべき」
 くつりと笑う様は確かに怪奇に相応しい。
 音もなく夜風が吹く。揺れた髪を押さえ、黛・繭紗(アウル・e01004)は、ぽつりと語り始めた。
「そうですね、こんなお噺もあったかしら」
 そんな語り口から始まったのは、山菜採りに出かけた若夫婦の噺。
 静かに舞う二匹の蝶。世にも珍しい人面斑のそれを追った二人が見つけたのは、一軒の古屋敷。中に入れば、あったのは二人の両腕使っても余る程の財宝。目が眩んだ若夫婦は金品を抱え出口に向かうが、何故か戸が開かない。
 慌てる夫婦に、屋敷の主は言った。『丁度いい、まえの蝶つがいはいい加減がたがきていたのだ』と。
 ――その山では、時折夫婦が消えるとの噂があった。
 繭沙の隣にぴったりくっついていたテレビウム・笹木さんが控えめに拍手し、静かに目を輝かせていた光もそれに乗る。拍手が終わった後、語り始めたのはウィッカだった。
「図書館の貸出禁止の本の中に、呪われた白紙の本が紛れ込んでいるそうです」
 めくってもめくっても、出て来るのは何もない頁ばかり。だが、そこに浮かび上がったメッセージを読んではいけない。それは霊界からの呼び声。もし、読んでしまったら。
「本から伸びた手に、霊界に引きずり込まれてしまうといいます」
 遭えば二度と戻れないと思わすウィッカの語りが終わり、馨は一息つく。これが夢喰い撃破の為とわかっていても聞き入ってしまった。
「さて私は、森の中らしく人を惑わして食べてしまうという妖怪の話でも……」
 奇々怪々。そんな噺が続く中、国津・寂燕(刹那の風過・e01589)は口に孤を描く。自分も若い頃は朝まで怪談なんて事をやったものだ。
「じゃあ、次はおじさんの番だね」
 上を見れば闇色の空。場所を移せば月が見えるだろうか。しかし、浮かぶ月が朧に霞む夜、足を踏み入れてはいけない竹林があるらしい。
「何故ならそんな夜にだけ姿を現す怪異がいるからだそうだ」
 姿は竹のようで、その怪異が背後に迫ってもわからない。カサカサという葉が擦れる音、それが妙に近いなと思った時にはもう遅い。
「狙われた者は竹にされてしまうと言う……そんな噺が書かれているらしいよ」
 寂燕が締めると同時、ケルベロス達の視線が一斉に動く。その先には、暗闇の中に浮かび上がる剃髪の男がいた。

●其処に在れども
 ケルベロス達の持つ灯りに照らされながら、僧が一歩踏み出す。それに合わせるように、判読不可の字を浮かべた本がずるると動いていた。
「私が何ナのか。ご存知でスか」
「僧侶の霊だ、霊が出たッ!」
 叫ぶ一十だが、大きく開けた口をにやりと笑みに変える。
「――なんてな」
「お前が何者なのか……そんなものは私がわかるわけないだろう」
 適当さ滲ませた馨も答えれば、僧の纏う本が蛇のようにずるると動いた。
 直後、僧が地面を蹴る。下から上へ。跳ね上がるような錫杖の一撃が繭紗を斬った。
 誰がどう返答しても、『興味』から生まれた夢喰いには関係無いらしい。それを感じながら、繭紗は己を中心に光の粒子で包む。一十もすかさず後衛のもとへ黒鎖を巡らせ、前衛には光の黒鎖が向かった。
「サキミ。繭紗くんを」
 一十の言葉に箱竜・サキミが、すまし顔でくるり舞う。降ろした属性はその毛並みを思わす清らかな水の力。
 笹木さんが力いっぱいジュラルミンケースで殴り付けた一瞬、寂燕は僧の纏う本を見た。モザイク文字でどうせ読めないのなら、
「ちゃっちゃと倒すとしようか」
 僧を巻き込む勢いで礫の雨が降り、それを最中の放った峻烈な煌めきが照らした。
「俺も本物ならば読みたいですが、偽物の本と怪異に用はありません」
「容赦ないな、もっくん」
 笑った馨が輝く左手で僧をぐん、と『掴む』。一気に距離を詰め、漆黒纏った左手を叩き込めば拳が深くめり込んだ。
「どっちが容赦ないんでしょうね」
「?」
 二度目のキョトン顔。
 直後、ふわり飛んだ白い影は百舌鳥だった。手にした大鎌を一閃。刃は本も僧も斬り裂き、ほぼ同時に空気を震わす轟音が響く。
「本当に残念ですね」
 憂いは竜槌を振るったウィッカから。その目は僧の纏う本に向けられていた。
「僧侶が持つ物もドリームイーターの作った紛い物ですし」
 叱責が続いたのは、ミミック・エイクリィが電気鋸や注射器を手に飛び出した直後。
「夢とは脳の副産物。貴様も保管すべき。生きた状態で、永久なる束縛を齎すべき」
 お仕置きだ。ユグゴトの紡いだ竜語魔法が僧を呑み、生まれたばかりの夢喰いを戦場と共に赤く染め上げる。
 その時、炎の中から念仏が聞こえ始めた。これが戦いの真っ只中でなければホラーだろう。怪談の季節ともいえる夏であったなら、より『らしい』だろうか。
(「秋冬のそれにも趣があるものでしょうか」)
 繭紗は、見目も色も相反する鋼の刃を手に一瞬だけ考えた。だが、日々真冬へと向かう日常において、あまり歓迎したいこころは無く。
「抉るのは夢。眠るのはあなた――」
 甘い甘い喪失に溺れるのは、この星にわたしひとりでいいの。
 唄うような言葉と共に己の心身を引き裂き、縛りながら、神憑りの一刺しを繰り出した。
 笹木さんもその顔から一際強い閃光を放つが、僧は本と衣をはためかせ躱す。
 だが攻撃を躱し、その傷を僅かでも癒そうとも、それを呑み込む呪や攻撃でもって挑んでいたのがケルベロス達だった。
 ぱちり、と一瞬だけ弾けた紫電の閃光。最中が居合いから繰り出した一閃を僧が認識出来たのは、恐らく斬られたと気付いた後。そして気付いた時には馨の蹴りが迫っていた。
「……!」
 声なき悲鳴が一瞬。だがケルベロス達は、僧に休む間など与えない。
 戦場を駆けた爆ぜる雷光は一十が振るう神造の槍。降り注いだ流星はウィッカの蹴撃。寂燕の放った銃弾は僧の錫杖を撃ち抜き、鋼の音と銃声を響かせた。
 サキミの癒しが百舌鳥に降る、その一瞬の間に決まった彼らの攻撃は精度を増しており、避けるのは今回の夢喰いでも難しいだろう。
「今のでまた、だいぶ動きが鈍ったんじゃありませんか?」
 着地し笑んだウィッカの赤いツインテールが、一拍遅れてふわりと落ち――百舌鳥の拳が僧の腹に深く刺さる。盾である自分の攻撃、その感触に百舌鳥は小さく頷いた。
「……うん……確かに……」
 僧に与えた呪だけでなく、自分達に重ねられた光輝の粒子も影響しているだろう。
 目に見え始めた変化を前に、ユグゴトは両手で僧の頭を掴んだ。作るのは笑顔。与えるのは頭突きに頭突き、また頭突き。自分の頭もくらりとするが、これは莫迦な仔に与えるお仕置き――躾。
 だが、僧は現状をそのまま受け入れる気は無いらしく、エイクリィの牙を何とか躱すと、地面に錫杖を突き立て指を組む。
 ぶわ、と吹き上がったモザイクに浮かんでは消える無数の場面。恐らく本に綴られたという怪異の塊だろう。それが、繭紗目掛け巨岩のような勢いで落ちてくるが、飛び出した銀の円筒――エイクリィが盾となって守る。
「ありがとう、ございます」
 感謝と共に放出した桃色の霧がエイクリィを優しく包んだ。
 そこに一瞬、煌めきが映る。
「闇夜に舞う朧の桜もまた妖しいとは思わないかい?」
 寂燕が『死天八重桜』を抜きながら問い掛けても、僧は答えない。錫杖を支えにケルベロス達を見、瞑目したまま何事か考えているのだろう。ケルベロス達を倒し、そして次に誰を手にかけるかを。だが。
「怪談話の登場人物は成す術なく手にかかるが、俺達はそうはいかないよ?」
 空の霊力纏った刃が空を、蛇めいた本を――僧を、裂く。
 夢喰いの全てに傷が奔った次の瞬間。どう、と風が吹いた。それが、一人の男が抱いた『興味』から生まれた夢悔いの最期となる。

●百奇の終わり
 意識を取り戻した男性は、ケルベロス達に介抱されながら肩を落としていた。わざわざ冬の山中を訪れた結果が結果だ。無理もない。
(「彼の気持ちがわからないでもないなぁ」)
 陰から見守っていた馨は、うん、と頷く。自分も読めるものなら読みたかったくちだ。
 はあ、と何度目かわからない溜息を聞いて、一十は男性の肩を叩き慰める。
「今回ばかりは引き返されるがよかろう」
「ううむ……しかし……」
 と、そこに別の手を差し伸べたのはウィッカだった。
「良ければ本について聞かせてもらえません?」
「え?」
「うむ。もう少し詳しく話を聞きたいなあ。僕も僧侶の足取りを辿ってみたく……」
 同意した一十だが、被害者にかける言葉ではなかったか、と言葉を切る。だが、男性は同好の士が二人もと目を輝かせていた。わざわざ冬の山中を訪れるタイプだから、意外とタフなのかもしれない。
 そんな男性が追い求めた、百の怪異を綴った本。出所が噂だった事もあり、内容は不明のままだが、もし――もしも。
「怪奇譚の内容が犬だった場合は」
 恐ろしい、とユグゴトは呟き、一足早く退散した。
 男性の話をお供にした下山が繰り広げられる中、最中も『最後にとっておきの怪談を』と口を開く。
「今、花房さんの後ろに……」
「!」
 言われた当人が背後を振り返った。
 ピンと動いた耳と斬霊刀にかけられた手に最中は敢えて触れず、自分の前を行く男を見る。
「ではなく、前にいる幼馴染の料理は、」
「あら? 料理?」
「はい。レシピ通りに作っても何故か劇物になるのです」
「え、もっくん?」
「まあ、劇物に……」
 感嘆混じりの『不思議ね』と、急に振られた話。何だと首を傾げたその頬に、にゅ、と手が伸びた。
「……恐いでしょう?」
「いたたた。何故つねるのだもっくん」
 恐いって何が、と男性も興味を持った様子で、夢喰い退治後の下山風景はすっかり日常の色を帯びていた。
 それを眺めていた寂燕は、くわえていた煙管から口を離す。
「こうして僧侶の夢喰いは退治されました、とっぴんぱらりのぷう」
 蛇腹本を纏った僧侶はもういない。
 百の怪異を綴った本も、残念ながら無い。
 だが――今宵語った物語は、今もどこかで眠り続けているのかもしれない。それが、奇妙で、不思議で、恐ろしい噺というものだから。

作者:東間 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年11月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 3
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。