●身を隠していたのは子どものため
「探すんだ、この街のどこかにいるサンタクロースを!」
意気揚々と街を歩く小学二年生の少年、セイヤはメモに視線を落とす。
一つ時を超えたなら、世界は優しい煌めきに包まれる。
子供たちの笑顔に満ちたクリスマスが来るのだから!
けれど、中にはおっちょこちょいなサンタクロースがいたりする。クリスマスの遥か前、今の時期にやってくる奴がいたりする。
ソリを引くトナカイは、一年をかけて世界中を巡る力を蓄えるという。一方、プレゼントは不思議な力によって袋の中に生まれていくため、プレゼントを取りに戻る必要はない。……無駄な力を使う訳にはいかない。
補う方法はある。子供の魂を、トナカイに焚べるという方法だ。
サンタクロースはその方法を嫌っている。けれどももしもクリスマス前に子供と出会ってしまったなら、本能がそれを求めてしまうから……子供を害してしまいかねないから、何処かに身を隠している。
クリスマスが来る、その日まで……。
「いるはずなんだよね、この街のどこかに!」
会ったらサンタクロースにお礼を言うのだと、少しくらい取られちゃったって大丈夫、なんなら見つけた後にみんなで分け合えば良いと、セイヤは意気揚々と歩いて行く。
時に横道に入り込み、時に塀に空いていた穴を覗き込む。時に坂の上から街を眺め……。
「……ふぅ」
痕跡すらも見つからず、セイヤは公園のベンチで一休み。持ってきた水筒に口をつけながら、晴れ渡る空を眺めていく。
「……あれ?」
その体に、影が差した。
振り向けば、黒い装束を身にまとった女性が立っていた。
女性はセイヤが大きな反応を見せる前に歩み寄り、鍵を取り出していく。
セイヤの胸を貫いていく。
「……え?」
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの興味にとても興味があります」
女性が鍵を引き抜いた時、セイヤは瞳を閉ざしてベンチの上に倒れ込む。
入れ替わるかのように、出現した。
ふわもこな衣装を身に纏い、白い袋を背負っている……白い髭を蓄えとてもふくよかな体をしたサンタクロースが……否。
それは、心臓の辺りがモザイクと化しているドリームイーターで……。
●ドリームイーター討伐作戦
「っつーわけなんだ」
「なるほど……あ!」
キルシュ・サルベージ(宝石商・e25914)と会話をしていた笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)は、足を運んできたケルベロスたちと挨拶を交わしていく。
メンバーが揃ったことを確認し、説明を開始した。
「街にサンタクロースが潜んでいる……そんな噂を聞いて探していた小学一年生の男の子、セイヤくんが、ドリームイーターに襲われて興味を奪われてしまう事件が起きてるみたいなんです!」
興味を奪ったドリームイーターは既に姿を消している模様。しかし、奪われた興味をもとにした怪物型ドリームイーターが事件を起こそうとしている。
「だから、この怪物型ドリームイーターによる被害が出る前に、撃破してほしいんです!」
この怪物型ドリームイーターを倒せば、興味を奪われてしまったセイヤも目をさますことだろう。
続いて……と、ねむは地図を取り出した。
「ドリームイーターが潜んでいるのはこの街。発生点は、この公園みたいです」
故に、その公園を出発点として痕跡を探し、調査を行うと良いだろう。
また、怪物型ドリームイーターは、人間を見つけると自分が何物であるか問いかけてくる。正しく対応できなければ、殺してしまうという。
そして、自分のことを信じていたり噂している人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質がある。それを上手く利用すれば探索が容易になる上、戦いを優位に進めることもできるだろう。
「最後に、ドリームイーターの戦闘能力なんかについて説明するね―!」
姿は、胸がモザイクで覆われている太ったサンタクロース。
戦いの際は妨害を第一に立ち回る。
技は三種。八頭のトナカイのようなイルミネーションを作り出して敵陣を踏み荒らす、プレゼントの幻影を配り複数人の心を奪う、軽妙なベルで敵陣の攻撃を鈍らせる……といったもの。
「以上で説明を終了します」
ねむは資料をまとめ、締めくくった。
「セイヤくんの事も気になるし、サンタクロースさんも自分の姿をこんなことに使われて……きっと、悲しむと思います。だから、どうかよろしくね!」
誰かが、サンタクロースによって傷ついてしまうことのないように……。
参加者 | |
---|---|
花骨牌・旭(春告花・e00213) |
アラドファル・セタラ(微睡む影・e00884) |
ロイ・リーィング(見兔放犬・e00970) |
リティア・エルフィウム(白花・e00971) |
ベルノルト・アンカー(傾灰の器・e01944) |
皇・絶華(影月・e04491) |
ノチユ・エテルニタ(夜に啼けども・e22615) |
キルシュ・サルベージ(宝石商・e25914) |
●サンタクロースはあわてんぼう
クリスマスに彩られるには少し早い、けれど店やテレビは祭りの日に向けて人々を盛りたてる、十一月中旬を迎えた街。
中心部にある公園を出発点に、ケルベロスたちは行動を起こしていた。サンタクロースの姿をしたドリームイーターが、人々の夢を壊さぬうちに撃破するため。
人々に避難を促しつつ歩く中、リティア・エルフィウム(白花・e00971)はドリームイーターの事を思い浮かべて拳をギュッと握りしめる。
「サンタさんな格好のドリームイーターですかぁ。クリスマス気分を先取りですねぇ。なんて悠長な事も言っていられませんがね!」
がっつがっつと叩きのめす。
気合を入れていく彼女の隣、皇・絶華(影月・e04491)は自分の口元に指を当てながら一人呟いていた。
「サンタクロースは伝説の聖人の一人であったな。ならば神霊として夢と希望を与え続けているのかもしれない。なら意外と……いるのかも知れないな」
結論に至ると共に顔を上げ、満面の笑みを浮かべていく。
キルシュ・サルベージ(宝石商・e25914)はうんうんと頷きながら、クリスマスの日にはサンタクロースが行き交うだろう青い空を眺めて語り始めた。
「今回のドリームイーター違うけど……おれ、本物のサンタとか見てみたいなー。とーってもすごい人なんだろうなー」
そのような形で、ケルベロスたちはサンタクロースを中心に話題の花を咲かせていく。
そんな中でもボクスドラゴンのミコミは花骨牌・旭(春告花・e00213)のシャーマンズゴースト・からしにじゃれついて、キルシュに注意を飛ばされていた。
もっとも、からしが嫌がっている気配はない。
概ね戯れているという光景に優しい眼差しを向けながら、旭は軽く肩をすくめていく。
「しかし、十一月にサンタが来てるってほんとかぁ? おっちょこちょいが過ぎるサンタがいたもんだな」
「……」
そんな光景を、少しだけ離れた場所で見守りながら追いかけているベルノルト・アンカー(傾灰の器・e01944)。
周囲に警戒のアンテナを張り巡らさせながら、地区を示す数字が記されている電柱や人為的な傷のない塀の群れ、すくすくと育っている樹木……平和な街の光景を前に、小さなため息を吐き出した。
痕跡を探し、サンタクロース型のドリームイーターと遭遇して撃破する。それが大まかな目的だが……サンタクロースの痕跡とは、一体どのようなものだろう?
プレゼントを落としているといったことがあれば、とてもわかり易いのだけれども……。
楽しげに語りながら歩く中、話題はドリームイーターの元となった少年……セイヤへと移行していた。
もちろんサンタクロースに関するお話を絡めながら、ノチユ・エテルニタ(夜に啼けども・e22615)は語っていく。
「会ったら礼が言いたいなんて……サンタがプレゼントをあげるのも、わかる気がする」
自分は、いつまでサンタクロースを信じていただろう。
ふと浮かんできた疑問を浮かべながら、曲がり角などには注意して街中を練り歩く。
一方のアラドファル・セタラ(微睡む影・e00884)はどことなくはしゃいでいるようにも思えるキルシュを見守りながら、目を細めた。
「ほんと、クリスマスの前にサンタ探しとは、微笑ましいものだ。少年が楽しいクリスマスを迎えられるように、戦おう」
小さな決意が風に運ばれていく中、視界の中ではロイ・リーィング(見兔放犬・e00970)もまた額に手を当てて探す様子を見せていた。
「サンタさんが公園の近くにいるってきいたけど、どこかなー?」
時には電柱の影、時には空き家と思しき建物の中、時には後ろを振り返り、サンタクロースの痕跡を探していく。
公園を出発してから、おおよそ十分ほどの時が経った頃だろうか。不意に、リズミカルなベルの音色が聞こえてきた。
「……」
アラドファルは立ち止まり、斧を引き抜いていく。
同様に立ち止まった仲間たちと共に発生源を探り、丁字路の右手側だと判断して向き直っていく。
袖や裾に白いフワモコが施されている赤い服、同様の帽子に大きな袋、ふくよかな体。優しそうな微笑みを浮かべている瞳の下、口中を多いか尽くすかのように蓄えられている白い髭。……胸元を飾る、歪なモザイク。
サンタクロースは……ドリームイーターは、ケルベロスたちの間合いに踏み込むなり口を開いた。
「さて、わしは何者かね」
「……やれやれ、見ていたらクリスマス気分になってきた」
返答せず、アラドファルは懐へと飛び込んだ。
緩慢な動作で視線を落としてきたドリームイーターから逃れるかのように身をかがめ、下からすくい上げるかのような蹴りを放っていく。
「一つ、派手にやり返そうか」
「サンタさんがこんなことしたいなんて、絶対思ってないよね」
蹴りが袋に阻まれた時、ロイは己を含む前衛陣に加護を与えるために花のような形をした霊力をいくつも作り出して解放した。
「咲き、乱れ、その身を守る盾とならん」
悪しき力に抗うための加護を受け取りながら、キルシュもまた無人の小型治療機を展開。指示を出しながら、ミコミにも視線を向けていく。
「みんなの回復宜しくなー。ミコミ、ちゃんとおれの言うこと聞くんだぞ! 回復のカナメだからな、よろしくな!」
頷き、身構えていくミコミ。
加護は施された。
反撃に対する備えもある。
憂いはないと、絶華は高く、高く飛び上がった。
「すまないな、だが……せめて人を殺める前に大人しくなって貰おう」
清らかなる色を穢させる訳にはいかないから、太陽を背負う形でサンタクロースに向けて蹴りを放った。
振り回された袋によって、絶華はケルベロスたちのもとへと打ち返される。
よろめくこともなく袋を背負い直したサンタクロースが前衛陣に向けて手を伸ばす仕草を見せたから、ノチユは即座に踏み込んだ。
縛霊手をはめた拳を握りしめ、伸ばされた腕を下からぶん殴る。
腕を跳ね上げられ仰け反るサンタクロースを見つめながら、低い声で言い放つ。
「何者か? そんなのわかってる。偽物のサンタクロースだろ」
僅かに瞳を細めながら、サンタクロースは姿勢を正した。
改めて腕が伸ばされた時……虚空から、八頭のトナカイという形をしたイルミネーションが飛び出してきて……。
●夢を叶える姿をした夢喰らい
人々を心を躍らせる、目にも鮮やかなイルミネーション。
決して、人を傷つけるためのものではないと、リティアは拳を握り示す。
「夢を運ぶサンタさんな格好をしておきながら、攻撃的とか最低ですー! というか、問われてサンタ以外に答える人っていましたか?」
恐らくはいなかっただろう問いと共に駆け出せば、ボクスドラゴン・エルレの吐いたブレスが横に並んでくる。
リティアを追い抜いたブレスを避けるため、サンタクロースは右へ飛んだ。
すかさずリティアは追いかけて、思いっきり殴りかかっていく。
避ける暇がなかったのだろう。サンタクロースは腕をクロスさせ、リティアの拳を受け止めた。
衝撃を殺しきれなかったか後退していくさまを眺めつつ、旭は脚に炎を宿しながら猛追する。
「……サンタってもっとファンシーなもんだろ。子どもの魂を食うとか、ちょっとショッキングすぎるだろ……」
早くに来すぎたサンタクロースは、クリスマス前に自分の家へと帰るためには、子どもの魂をトナカイたちに焚べなければならない。そして、それは本能であり抗えない……そんなお話をもとにした、ドリームイーター。
ならば、このサンタクロースも子どもの魂をトナカイたちに焚べてしまうのか。
何れにせよさせないと、旭はからしが放つ炎に合わせて蹴りを放つ。
炎は蹴りは避けきれなかったサンタクロースが焔に抱かれていく中、ベルノルトは前衛陣に薬液の雨を降り注がせた。
直後に鳴り響き始めたベルの音を聞きながら、戦況分析を開始する。
力量差故か、少しずつ体力を削っている手応えはあるものの有効打と呼べる一撃を与えられる機会は少ない。
一方、人数差故かサンタクロースの放つイルミネーションもベルの音も、、プレゼントの幻影も、後に残さぬ形で対処することができている。
今のところは問題ないと、ベルノルトは幻影に合わせて薬液の雨をもたらした。
受け取り、ロイは幻影を打ち破る形でサンタクロースの懐へと入り込む。
「こんなことで、惑わされたりなんてしないよ」
逃れる事許さぬと更に一歩踏み込んで、鋭いフックを放っていく。
脇腹へと突き刺した時、からしと共に多くのプレゼントを受け取っていた旭が幻影を振り払った。
「はっ、この程度で答える俺たちじゃねぇ!」
頷くからしが炎を放つ中、旭は剣を横に構え懐へと入り込む。
体をくの字に折りながらも袋を振るい炎を打ち消したサンタクロースに、一閃。
両肩に痛みも感じさせぬほど鋭き傷跡を刻み込み、氷結させていく。
声を上げる事なく、サンタクロースはケルベロスたちから距離を取った。
一呼吸の間を置いた後、楽しげにベルを奏ではじめていく。
すかさず、ベルノルトは薬液の雨を降らし打ち消した。
「大丈夫、問題のない状態を保てています。この調子なら……」
きっと、倒すことができる。
子供たちの夢がこわれてしまわぬうちに……。
形がある、彩りもある、重さもある、袋から取り出されたプレゼント。
受け取りながらも、キルシュが表情を変えることはない。
「ははっ、このていどで惑わされたりなんてしないぜ。行くぞ!」
幻影を打ち消し、大きく息を吸い込んだ。
更にはミコミが飛びついて、キルシュの治療を始めていく。
常に万全が整えられていくケルベロスたちとは対象的に、サンタクロースの動きはどんどん鈍っていった。
振り回される袋にも勢いがない。
ゆうゆうと間合いの内側に入り込みながら、絶華は告げる。
「随分とおとなしくなったじゃないか」
ならば、そろそろ終わらせる。
サンタは偉大な聖人の一人。
人の幸せを願った者が人に害成す事などありはしないのだから。
「さあ、覚悟したまえ」
更に一歩踏み込んだ後、炎を宿した右足での回し蹴り。
電信柱へと蹴り飛ばし、サンタクロースを包む焔の火力も足していく。
すかさずアラドファルが距離を詰め、斧を高く高く振り上げた。
「早く終わらせて帰って眠りたい。あと、プレゼントは実物で頼む」
返事は聞かずに振り下ろし、サンタクロースの袋を断ち切った。
霧散していく袋を横目に、リティアは塀を駆け上がる。
電信柱を壁代わりに、サンタクロースへと向かっていく。
「そいや! そいや!」
一発、二発と張り手を放ち、サンタクロースを後退させていく。
背が塀にたどり着いても勢いを緩めることなくぶちかまし、肩を膝を打ちのめした。
今だ、とでも言うかのように、からしが炎を放っていく。
頷き、旭は踏み込んだ。
新たな炎を宿したサンタクロースを正面から見据えつつ、一閃!
「……お前みたいな怖いサンタがいたら晴が悲しむだろ! だから、ここで倒れてもらうぞ」
髭ごと胸元を切り裂いて、傷口を氷で塞いでいく。
熱と冷気、相反する力に蝕まれながらもサンタクロースは腕を伸ばした。
虚空より現れし八頭のトナカイ型イルミネーションが、前衛陣へと――。
「そこだ!」
――襲いかからんとした時、遥かな空よりキルシュが振り下ろした拳がイルミネーションを打ち砕いた。
光の粒子と化して戦場を飾っていくイルミネーションの中、キルシュはミコミへと視線を向けていく。
「さあ、終わらせようぜ!」
頷き、ミコミは飛んでいく。
サンタクロースに小さな体をぶちかまし、再び電信柱へと叩きつけていく。
総攻撃に移っていく仲間たちの輪に混じり、ベルノルトも懐へと入り込んだ。
「せめて醒めないまどろみの中で、眠るように崩れてゆけ」
引き抜いた大鎌を横に薙ぎ、サンタクロースを反対側の塀へと叩きつける。
即座にリティアが踵を返し、跳躍。
「さあさあ、本物のサンタさんをお迎えするためにも、ちゃちゃっとやっつけてしまいましょう! うらららー!!」
錐揉み回転を加えた蹴りを胸のモザイクに叩き込み、サンタクロースの体をのけぞらせる。
エルレが大きく息を吸い込む中、絶華が体をのけぞらせ空を仰いだ。
「我が身……唯一つの凶獣なり……四凶門……窮奇……開門……! ……ぐ……ガァアアアアアア!!!!」
ブレスに合わせる形で大地を蹴り、次の刹那にはカタールを突き出した状態のままサンタクロースの背後にて静止する。
炎を浴びたサンタクロースの体に、幾本もの爪痕が浮かび上がっていく。
それでもなお体を支えんというのか両足に力を込めたサンタクロースのもとに、ノチユが歩み寄る。
見下ろすかのように見つめながら、光り輝く剣をモザイクに突き立てていく。
「……」
呼吸を紡ぐ間も与えずに貫いて、力そのものを打ち砕いた。
くぐもった悲鳴と共に光の粒子と化していくさまを見つめながら、静かな声音で告げていく。
「返してもらったぞ。セイヤの、興味を」
刃を引き抜き納めた時……すでに、そこにサンタクロースは存在せず……。
●少年の夢
戦闘終了後、速やかに各々の治療や修復と言った事後処理が始まった。
作業が進められていく中、アラドファルは大きく伸びをする。
「ん……」
あくびをはさみながら、空を仰いだ。
「……今年のクリスマスもよく眠れますように……間違えた、皆楽しいクリスマスになると良いな」
「……セイヤくん、大丈夫かな」
一方、ロイは公園に残してきたセイヤへ思いを馳せていく。
ノチユは公園へと視線を向けながら、静かな息を吐き出した。
「んじゃ、終わったら見に行くか。なんなら、一緒に探してやったって良い」
仮に見つからなくても、お礼がしたい気持ちは、きっと伝わっているはず。
語りながら、ノチユは荷物に手を伸ばした。
誰にも見られないよう、コートの内側に取り出したものをしまいこんだ。
少年の夢を壊さぬよう、少年の思いを叶えることができるよう。
街中に、サンタクロースがいた痕跡を。
セイヤのもとへと向かう中、草むらの中に落としたそれが……赤い帽子が、その証になると信じて……。
作者:飛翔優 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年11月19日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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