●第十一の魔女、来たりて
全国各地でハロウィンの催しが行われた、その後のことだった。
とある小学校の体育館でも放課後にパーティが行われ、子どもたちはちょっとしたゲームなどを先ほどまで楽しんでいた。
パーティが終わっても、壁にはこの日のために子供たちが頑張って作ったのであろう飾りがまだ残っている。
端のほうにはイスが積み上げられていたり、やはり手製らしき厚紙のジャック・オ・ランタンが並んでいるスペースがある。
とりあえず寄せておいて、本格的な片づけはまた明日といったところか。
そんな体育館に、魔女は現れた。
緑色の魔女は黄金色のなにかが詰まった籠を手にしている。
「ああ、私が失っていた『服従』の心は満たされた」
感嘆の息とともに、魔女の口から声が漏れた。
「誰かに服従し、そのために働くことのなんと甘美なことか。今宵、魔女の力がもっとも高まる夜――第十一の魔女ヘスペリデスは役目を果たすとしよう」
杖を床に立て、籠の中から彼女は黄金の果実を取り出す。
「ユグドラシルにおわす『カンギ様』のため、私の黄金の林檎からハロウィンにふさわしい植物を生み出すとしよう」
天井を、いやその向こうへと祈りに似た声を放つ。
「さあお前達、ハロウィンの魔力を集めて私に捧げよ」
魔女の声が熱を帯びていく。
「さあ人間の夢と黄金の果実より現れしぱんな・こったよ、人間どもを食い散らかせ! すべては『カンギ様』のために!」
青白いその手を離れた林檎は見る間に巨大な苺となり、その下に赤いジャムでコーティングされたパンナコッタを生み出し、さらにはパフェのグラスまでもが形作られる。
全高3mもの巨大なパフェは、寝息を立てながらゆらゆらと動き出した。
●ヘリオライダーの依頼
「すまないな、祭りの後だというのに。皆は此度のパーティは楽しめただろうか?」
ザイフリート王子は集まったケルベロスたちに問いかける。
「私から改めて伝えるまでもないだろうが、今回のハロウィンなる祭は皆だけでなく一般の人々も多く楽しんでいたようだ」
だが、そんな楽しい時間を過ごした場所にドリームイーターが現れるのだと王子は告げる。
「敵の名は第十一の魔女ヘスペリデス。彼女は各地で行われたハロウィンパーティの会場に姿を見せる」
とはいえ、パーティそのものを襲うわけではない。終了し、人がいなくなった会場に現れた魔女は、パーティの残滓と彼女の持つ黄金の林檎の力を使って強力な攻性植物を生み出すという。
「放っておけば、家路の途中に襲われる者が出てしまうことだろう」
楽しいパーティを惨劇で終わらせないよう、急ぎ会場へ向かって欲しいと王子は告げた。
それから、王子は自分が予知した事件について説明を始めた。
事件が起こるのはとある小学校の体育館らしい。
その小学校では、教師と子どもたちが協力して放課後にパーティを行ったらしい。
ヘスペリデスはその体育館に現れて、攻性植物を呼び出すのだという。
残念ながらヘスペリデス自身はケルベロスが到着する頃にはもう姿を消しているはずだ。
「皆には暴れだそうとしている攻性植物を撃破してもらいたい」
体育館にはイスなどが残っているが、端に寄せてあるので戦闘に影響はない。
敵は巨大なイチゴパフェに似た姿をしているという。
「一番上には目のついた大きなイチゴが乗っているが、これは普段目を閉じている」
一瞬眠って体力を回復することができる他、目を開いて催眠光線を飛ばしてくる。
また、回転して赤いソースを飛ばして攻撃することもできる。この攻撃を食らうと、いい匂いが気になって動けなくなることがあるらしい。範囲攻撃だ。
「見た目は冗談のようだが、その強さは侮れない。どうか気をつけて欲しい」
王子は真面目な声で告げる。
「ハロウィンは収穫を祝う催しらしいが、攻性植物に収穫されるのでは笑い話にもならん。ドリームイーターが攻性植物を使っているのが少し気になるが……」
だが、まず事件を防ぐのが先決だ。
よろしく頼むとザイフリートは言った。
参加者 | |
---|---|
フィオリナ・ブレイブハート(インフェルノガーディアン・e00077) |
クリス・クレール(盾・e01180) |
レーン・レーン(蒼鱗水龍・e02990) |
鈴木・犬太郎(超人・e05685) |
浅葱・ミク(クルーズナビゲーター・e16834) |
エストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843) |
黒岩・りんご(禁断の果実・e28871) |
川北・ハリ(風穿葛・e31689) |
●夜の学校
小学校に集まったのは8人のケルベロスだった。
「パーティは終わったのに、まだ騒ぎたいとは」
淡々とした声を響かせたのは、黒い肌の少女だった。
「お呼びでない迷惑なお客さんは速やかに排除しましょう」
肌寒い季節でも、川北・ハリ(風穿葛・e31689)は露出度の高い衣装のまま、サキュバスの尻尾を垂らしている。
「だが、敵の出現がハロウィン祭りの途中でないだけ良かったよな」
鈴木・犬太郎(超人・e05685)は不敵な表情で薄暗い行く手を見据えていた。
「そうかもしれませんけど……でも、みんなで楽しんだハロウィンの後を汚すようなことは許せません!」
緑のツインテールを揺らして、浅葱・ミク(クルーズナビゲーター・e16834)は力強く声を上げる。
「許す気はないさ。犠牲者が出る前に対処っと、毎回ヘリオライダーの予知には頭が上がらないぜ」
ミクにうなづいて、犬太郎は両の手に2振りの刃を構えた。
体育館の扉を勢いよく押し開けると、そこにはすでに敵が姿を現していた。
巨大なグラスに入ったパンナコッタに、イチゴと赤いソースがかかっている。
「パンナコッタの苺ソースがけか。冗談みたいな攻性植物だな」
真紅のコスチュームを、フィオリナ・ブレイブハート(インフェルノガーディアン・e00077)の燃えるような真紅の長髪が彩る。
イチゴについている瞳は閉じられており、まるで眠っているように見える……が、眠ったままでゆっくりと体育館の出口に近づいてきていた。
行く手を阻んだのは1人の少女だった。
「ティアクライスのエストレイア、参上です! このメイド騎士がこれ以上好きにはさせません!」
メイド服に装甲を重ねた防具に身を包み、エストレイア・ティアクライス(さすらいのメイド騎士・e24843)が高らかに名乗りを上げる。
「ぱんな・こった、美味しそうですわね。倒したら食べられるのでしょうか?」
大食いレプリカントのレーン・レーン(蒼鱗水龍・e02990)が、地獄化した左目で敵を見上げて唇を湿らせる。
「いや、無理でしょう。私もいちごは好きなんですけどねぇ。さすがにこれは食べられないので残念です」
息を吐いた黒岩・りんご(禁断の果実・e28871)は花柄をあしらった赤い袖でゲシュタルトグレイブをかまえる。
「食べられないスイーツなんて、パーティーには必要ありませんから、さっそと掃除してしまいましょう♪」
「食べられないのでしょうか……」
まだ諦めていなさそうなレーンの体が、体内のグラビティ・エンジンから生まれ出る青白いエネルギーで包まれた。
他の者たちもそれぞれ武器を構える。
ひときわ小さな少年が、禍々しい黒いオーラをまとって立ちはだかった。
いや、見た目こそ少年に見えるが、彼はドワーフだ。
「俺達が相手だ。楽しく過ごした子供達の笑顔は俺が守る!」
紅蓮の双眸に不屈の闘志を宿し、クリス・クレール(盾・e01180)が宣言した。
●甘い猛攻
眠っていたぱんな・こったの瞳が開くと、そこから七色の光が放たれた。
フィオリナはとっさに両手のナイフで光を受け止めようとするが、それをすり抜けて光は彼女の体を包み込んだ。
おもちゃのような光に包まれた瞬間、強い衝撃が走った。
だが、フィオリナを一撃で倒すほどのものではない。白銀と白金のナイフを構えて前進する。
「パンナコッタとか言っても所詮はプリンの亜種みたいなものだろ!」
剣を掲げて祈りを捧げ、彼女は聖蒼玉の力を解放した。
灼熱のエネルギー波を一閃した刃から放つ。敵を粉砕するエネルギーは、ぱんな・こったの下部にあるグラスにひびを入れた。
フィオリナの攻撃に続いたのはミクだ。
「プロデューサーさん、フィオリナさんを回復してあげてください。ぱんな・こったは私の歌で斬り刻みます♪」
猫耳型のインカムへとミクは軽快なメロディーを口ずさむ。
「魔法の言葉 星3個分 革命的なプライスダウン」
思わず自らの懐を攻性植物は探ろうとした。だがしかし、ぱんな・こったには手がなかった。刺激された購買意欲が行き場をなくして敵の懐を斬り刻んだ。
その間に、フィオリナはテレビウムのプロデューサーに応援動画を見せられていた。
「見た目はスイーツだが、腐っても攻性植物か。やはり油断はできんな」
動画に癒された彼女は改めて二振りの刃を構えなおした。
ケルベロスたちの攻撃は続く。
「目標単体、欺け」
クリスのまとった禍々しいオーラが敵を包み込んだかと思うと、犬太郎が地獄の炎をまとった剣を叩きつけた。
「喰らいなさい……!」
レーンの生み出したエネルギー球が飛ぶ。
巨体に似合わぬ動きで攻性植物は攻撃を回避しようとしたが、エネルギー球は敵を追ってぱんな・こったに焼け目をつけた。
攻撃一辺倒ではなく、支援に回る者もいる。
星の守護陣が傷ついたフィオリナを含めた前衛たちの足元に描かれていく。
「私が皆様を守ってみせます!」
牡牛の角の形の柄を持つ長剣を手に、守護陣をはったエストレイアが叫んだ。
「撃たれたいなら、仕方ありませんね」
ハリの放つ淡緑の魔力弾がぱんな・こったのグラスを破損させた。
「サクサク切り分けて……もとい、倒してしまいましょう」
りんごの地獄化した翼が暴走して彼女の全身が光の粒子へと変化し、突撃する。
「どうせなら、巨大なフォークでも持ってくればよかったかしら?」
敵から素早く離脱しながら彼女は呟いていた。
だが、フィオリナの言う通り、見た目は面白くとも油断できる相手ではない。
回転していい匂いのするイチゴソースをまき散らしたかと思うと、さらにケルベロスたちの合間を縫って再びぱんな・こったの瞳が開かれた。
レーンは敵の背後――目がついていないほう――にいたが、とっさにライドキャリバーのグランスティードを駆って敵の巨体を駆けのぼった。
人騎一体の動きを見せたレーンは攻性植物の眼前に飛び出して、狙われた犬太郎を虹色のビームからかばった。
「助かるぜ、レーン。だが、無理はしないでくれよな?」
言葉とともに、横をすり抜けて前進した犬太郎の刃が緩やかに弧を描く。そして一瞬のうちに幾度も敵を切り裂いていた。
だが、レーンの目には虹色の光が目に残っていて、仲間の姿がにじんで見えた。
「もちろんですわ、犬太郎様。食べ物に食べられる趣味はございません。……食べるのはこちらのほうです……ものっ!」
グランスティードの加速で炎が起き、暗くなった体育館を照らす。
その背で気合を入れ直し、レーンは自らを惑わす虹色を振り払った。
戦闘の最中、ぱんな・こったの目のついたイチゴが突然寝息を立て始めた。
見る間に傷ついたグラスと歪んだパンナコッタが元に戻っていく。
フィオリナが舞うような動きで攻撃をしかけたが、攻性植物は薄目を開けて攻撃を回避する。さらにはクリスの巨大なドラゴニックハンマーも。
とはいえ、ミクやりんご、後衛から狙いすましたグレイブの刺突は避けられなかった。
エストレイアはアスティリアという名しか覚えていない剣を敵に向けた。
回復役を引き受けている彼女だが、敵が自らを回復に回ったことで、今なら攻撃に回る余裕がある。
「それじゃ、皆様が敵を倒す手助けをさせていただきますよ!」
派手な活躍を見せるのはメイド騎士である彼女の性には合わない。仲間たちを支援することが彼女の役目だ。
「星厄の光、満ちたり。儚き者よ、燃え尽きろ」
攻撃すると決めた瞬間、口から自然と言葉が漏れた。
構えた剣から黒い光があふれ出る。
刃を光に重ね合わせ、そのまま薙ぎ払う。漆黒は光の速度で敵を捉えた。
あの光がなんなのかはエストレイア自身にもわからないが、光が敵の回復を阻害することは間違いない。
「もっともっと皆様をサポートしないと! 頑張ります!」
エストレイアは気合を入れて、敵が再び動き出すのに備えた。
ハリは中距離からイチゴの目のあたりへ向けて素早くリボルバーを撃った。
だが、特定の場所に攻撃を当てるなら、後方からしっかり狙わないと無理そうだ。とりあえず命中はしたが目には当たらない。
「気持ち悪い目は撃ち抜いてやりたかったんですが……。甘いのは嫌いじゃありませんが、あのイチゴはダメですね」
目のついたイチゴがなくなれば、少しはまともな見た目になりそうだったが。
なにか魔女についての手がかりがないかと観察していたが、残念ながら今のところこれといった情報は見つからない。
ただ、後からゆっくり思い返せば考えつくこともあるかもしれない。
(「植物というより大きなスイーツそのものみたいな形状ですし、イチゴの部位以外は攻性植物じゃない別の何かだったりするのでしょうか」)
降ってくるイチゴソースの甘い匂いを、ハリは飛び退いて避ける。
反撃する仲間たちに合わせて、巫術を用いて精度を向上させた愛用のリボルバーから、彼女は再び淡緑色の魔力弾を撃ち出した。
●祭の終わり
戦いは続き、ケルベロスたちはデウスエクスの体力を削り取り続ける。
ときおり狸寝入りをして回復しようとする敵だが、エストレイアの厄災剣の力がその効果を抑えているようだ。
もちろん抑え続けられるわけではなく、余裕のある時に攻撃しなおす必要があったが。
攻撃の多くは前衛、特にクリスに集中していた。
クリスは禍々しきオーラで敵を包み込み、自分への敵対感情を増幅させていた。
狸寝入りで感情を抑えようと、さらに敵意を植え付けるだけだ。
虹色の光線がクリスをとらえる。
心を惑わす光線だが、仲間を守ろうとするクリスの意思までくじくことはできない。
「好きなだけ攻撃して来いよ。仲間を守れるんだったら、いくらでも受けてやる!」
叫ぶクリスの前面に光の盾が出現した。
エストレイアがマインドシールドを展開してくれたのだ。
「私、頑張って支えますから! 存分に攻撃を食らってください!」
「ああ、最後まで仲間を守ってみせる」
支援することにこだわるエストレイアの手助けを受けながら、クリスはひたすら仲間の代わりに攻撃を受け続ける。
前衛が攻撃を受ける頻度は高かったが、後衛に攻撃が飛ばないわけではない。
いい匂いのするイチゴソースがミクとりんご、エストレイアに降り注ぐ。
「ふえーん、べたべたして気持ち悪いです」
ミクは緑色の髪を赤く染められて、思わず泣き声を上げていた。
「まったく……いちごは好きですけれど、自分がいちご味になる趣味はありませんわ」
りんごの黒髪にも色がつき、赤い着物にも染みができている。
だが、文句を言ってばかりもいられない。前衛、特に仲間をかばうクリスやレーン、プロデューサーはもっと赤く染まっているのだ。
それに、フィオリナも。
剣舞で敵を切り刻む彼女に続くべく、ミクは息を吸い込んだ。
歌唱の女神アオイデーの神衣を具現化したデバイスをひるがえし、ミクは歌う。
歌声で敵を切り刻むミクの隣からりんごが飛び出し、稲妻を帯びた白銀のグレイブでぱんな・こったを突き刺した。
見た目には弱っているかどうか判断しがたい敵だが、グラス部分に残るひびが刻んでいるダメージを証明していた。
だが、ダメージが蓄積しているのはケルベロス側も同じだ。
犬太郎は虹色の催眠光線の直撃を食らうが、床を踏みしめ足に力を入れ直す。
「男の俺が倒れたんじゃ格好がつかないからな」
それに、守ってくれている仲間に申し訳が立たない。
「山吹、橙、藍、紫、翡翠、群青、真紅、仇なす者を染めるは七の獄炎!!」
犬太郎は山吹の炎をまといながら敵を爆破した。
攻撃ごとに異なる色の獄炎をまとい、犬太郎の連撃がぱんな・こったを捉える。
群青の炎と共に蹴りが敵を切り裂いて、ドラゴンの牙から作った剣にまとわせた真紅の炎が連撃の最後を彩る。
七色の炎に身を包んだ犬太郎は敵の力を奪い取り、自らを癒していた。
背後にいるという新たなパッチワークの魔女に、『服従』というキーワードも気になるところ。だが、なんにしても目の前の敵だ。
「こいつをブッ倒してそれで終わりだ」
負った傷にひるむことなく、犬太郎は敵に肉薄する。
そして、戦いの終わりは訪れる。
「この一撃に全てを賭ける!」
弱った敵にフィオリナがエネルギー波を叩きこみ、ミクも煌めく戦乙女の槍に稲妻を宿して敵を貫く。
クリスのハンマーが今度こそ敵を打ち、犬太郎トレーンが武器にまとわせた炎が攻性植物を焼き上げる。
ハリの放つ魔力弾がグラスに開けた穴を広げる。
りんごは地獄の紫炎で形成した翼の力を全開にする。
流れるような足さばきで、戦闘で傷ついた体育館の床を滑るように加速する。
燃え上がる光の粒子と化した彼女は、流れ込むようにハリの開けた外装の傷を貫く。
「焼きパフェは……美味しそうではありませんね?」
燃え上がる炎の中、動きを止めた敵を見やってりんごは呟いた。
●これは食べられますか?
炎はすぐに消えて、後には巨大ぱんな・こったの残骸だけがあった。
「片付いたな。悪いが、回復できる者は体育館の修復を頼めるか?」
「はい、もちろんです!」
フィオリナの呼びかけに、迷わず応じたのはエストレイアだ。
「俺も手伝おう。だいぶ壊れてしまったようだな」
「ありがとうございます、クリス様! ハロウィンも大事ですが、その後片付けも大事です! 綺麗に片付けてしまいますよ!」
元気良く動き出したエストレイアと手分けして、クリスも体育館の修復に回る。
ぱんな・こったの前にまっすぐ近づいたのはレーンだった。
「ちょっと焦げてしまいましたけれど……食べられますかしら。挑戦してみましょう」
「本当に食べるなら止めはしないが、腹を壊さないように気をつけろよ」
声をかけた犬太郎も残骸を見下ろしている。
彼にはドリームイーターと因縁があった。……だが、探しているのはこいつではない。
「食べる前に、できれば調査させてもらいたいが。『黄金の林檎』の力の残滓や、ヘスペリデスの手掛かりが残っていないか調べたい」
「ドリームイーターと攻性植物の関係性が気になりますね」
レーンを制したのはフィオリナやミクだった。
「……食べられなさそうな部分は回収してもいいですか?」
ハリも興味があるようだ。無表情のままレーンに問いかけた。
調査が終わるのを、レーンは瞳を輝かせて待っている。
残念ながら、りんごにはやはりそれが美味しそうには思えなかった。攻性植物も植物の一種なので、食べて食べられないことはないだろう。美味しい可能性もゼロではないが。
「なんだか普通にいちごを食べに行きたくなりますねぇ……」
いちごもパンナコッタも、やはり本物のほうがいい。
仲間の女性陣を誘って、スイーツパーティでもしに行こうとりんごは思った。
ハロウィンはやはり、いたずらするよりお菓子のほうがいい。
作者:青葉桂都 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年11月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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