●ハロウィンの魔力を集める為に
福岡県某所。
そこでは、ハロウィンパーティーが催され、たくさんの人々が仮装で賑わっていた。
人々は心からパーティーを楽しみ、互いの仮装した姿を笑い、会場の熱気に盛り上がり、最高潮となるパーティーに心を躍らせ、思い思いの一時を過ごす。
やがて、パーティーは閉幕し、片付けも終わる。静まり返り、その熱気が冷めた会場に、1人の女性が現れた。
「私が失っていた『服従』の心は満たされた。……あぁ、誰かに服従し、その為に働く事の、なんと甘美なる事か」
緑を基調とした衣装を身に纏った魔女。彼女は、パッチワークの魔女の1人だ。手にするバスケットの中身には何か入っているのだが、それがモザイクに包まれている。ケルベロスならば、ドリームイーターだとすぐに判別がついたことだろう。
「魔女の力が最も高まる今夜、第十一の魔女・ヘスペリデスが、その役目を果たすとしよう」
彼女は徐に手にする杖を振るい、言葉を紡ぎ始める。
「ユグドラシルにおられる、『カンギ様』の為に、私の黄金の林檎からハロウィンの日に、相応しい植物を生み出そう」
彼女はバスケットから黄金の林檎を取り出して、投げ飛ばす。それは急激に膨れ上がり、全長3メートルものお菓子型の攻性植物となった。
「さぁ、人間共の夢の残滓と黄金の林檎より生まれし、攻性植物ブラック☆ぷりん・あら・もーどよ。人間どもを喰い散らかすがいい」
「………………」
ヘスペリデスの言葉に応じた攻性植物は、言葉を発することなく会場をのっしのっしと歩き始めたのだった。
「トリック・オア・トリート!」
ハロウィンパーティーに参加していたケルベロス達へと、声をかけたのは、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)だ。
「ハロウィンパーティー、皆、存分に楽しんだのかな。……余韻もあるだろうけれど、話を聞いてほしいんだ」
なんでも、辰・麟太郎(臥煙斎・e02039)が、新たな敵の動きを見つけてくれたらしい。
麟太郎の調べでは、ハロウィンパーティーが終わった直後だというのに、パッチワークの魔女の一人が動き出したようだ。
「動き出したパッチワークの魔女は、パッチワークの魔女の一体、第十一の魔女・ヘスペリデスだね」
この魔女は日本各地のハロウィンパーティーが行われた会場に現れ、会場に残ったハロウィンパーティーの残滓と彼女が持つ黄金の林檎の力で、強力な攻性植物を生み出すようだ。
このままだと、パーティーを楽んだ後に家路につこうという人達が襲われて、殺されてしまうかもしれない。
「楽しいハロウィンを惨劇で終わらせない為に、これからパーティー会場に向かって、現れた攻性植物を撃破してほしい」
現れる敵は、攻性植物『ブラック☆ぷりん・あら・もーど』だ。
「この攻性植物は、自身の体のお菓子を使って攻撃を行うようだね」
ベースとなるチョコプリンを変形させて相手を飲み込んだり、自身の体に盛られたデザートを滅茶苦茶に飛ばしたりしてくる。
「体から発する魔力には、特に注意が必要だね。お菓子を食べたい衝動に駆られて惑わされてしまうよ」
敵は見た目に反してかなり手強いので、注意した上で討伐に当たりたい。
場所は、福岡県某所の商店街だ。中央の広場がメイン会場となっており、攻性植物登場時にはハロウィンパーティーはお開きとなっている。その為、会場の周囲に人の姿はない。
「ただ、会場から帰る人々が少なからずいるはずだから、攻性植物を会場から出ないように戦ってほしい」
リーゼリットは一通り説明を終え、ヘリオンを呼び寄せようとする。
「気になるのは、『なぜ、パッチワークの魔女がこの攻性植物を呼び出したか』……だね」
時期的なものとしては納得してしまいそうだが、ドリームイーターと攻性植物に繋がりがある状況は不自然にも思える。
「ともあれ、折角のパーティーの余韻を台無しにしないように、攻性植物の討伐を。よろしく頼んだよ」
参加者 | |
---|---|
ヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128) |
凪沢・悠李(想いと共に消えた泡沫の夢・e01425) |
毒島・漆(眼鏡で強さが変わる・e01815) |
レイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510) |
矢武崎・莱恵(オラトリオの鎧装騎兵・e09230) |
クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545) |
豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077) |
甘井・百々(南瓜のてんぷら・e31767) |
●パーティーの後に……
福岡県某所。
夜になって、この地へと降り立つケルベロス達。すでに、ハロウィンパーティーは終わり、人々が会場を後にしているところだった。
「何というか……うん、普通にお菓子食べて過ごしたかったかな」
凪沢・悠李(想いと共に消えた泡沫の夢・e01425)は静まり返る街中を見回し、ぼそりと呟く。
「パッチワークの魔女もまた、めんどくさい事をやってくれますね……」
「今年は終わった後の残滓を使うとか、ドリームイーターもしつこいヤツ等だな……」
煙草を吹かす白衣に眼鏡という出で立ちの毒島・漆(眼鏡で強さが変わる・e01815)は、大儀そうに頭を振る。レイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510)もまた、ドリームイーターの所業に呆れ顔だ。
「去年出て来たドリームイーターは、確かハロウィンパーティーに乗り込んで来てたんだったな~」
「ドリームイーターとは、ハロウィンが好きなのか?」
去年もこの時期、夢喰いが騒がせたことをレイは思い出す。ヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128)は今年ももしやと警戒していたようだ。折角のハロウィン。彼は黒基調のシスター服で仮装した上での参戦である。
「奴らの思惑はわかりませんが、みすみす見逃すわけにもいきません。きっちり潰すとしましょう」
「折角のハロウィンだから、敵の思い通りにさせないんだからね!!」
漆の言葉に、海賊船の船長のコスプレをする矢武崎・莱恵(オラトリオの鎧装騎兵・e09230)は、宝箱に入れたボクスドラゴンのタマを抱えつつ元気な声で叫ぶのである。
さて、商店街中央にある広場にケルベロス達がやってくると、それはすでに姿を現していた。
甘い匂いを漂わせる、攻性植物『ブラック☆ぷりん・あら・もーど』。チョコプリンがベースのお菓子のようなデウスエクスである。
「……ところで、あんな外見だが、コイツ、食えるのかねぇ……?」
「甘いものは嫌いじゃないけど、こうも大物だと……見てるだけで胸焼けしそうだね」
レイがその体躯を見上げて、疑問を抱く。事前の情報では、甘い匂いで相手を虜にすると言う話もある。豊田・姶玖亜(ヴァルキュリアのガンスリンガー・e29077)は食べたら体に悪そうだと口にしていた。
「随分と甘い敵が現れたものだな」
ヴィンチェンツォはふと考える。そういえば、ヘリオライダーも言っていたが、なぜ、ドリームイーターが呼び出したのが攻性植物なのか……。答えを出すことが出来ず、彼はそのまま構えをとる。
現れたケルベロスに対し、攻性植物は狙いを定めてゆっくりと近寄ってくる。メンバー達は揃って戦闘態勢を整えていた。
(「出来るだけ、敵の攻撃は食らわないよう気をつけますか……」)
わざわざ、手強いから気をつけろと言われたこともあり、防具で対策はしているものの……。漆は吹かしていた煙草の火を、携帯灰皿で押し潰す。
「デザートでも悪者なら、タマと一緒に懲らしめるんだからね!」
「皆様は、ボクが護るであります!」
莱恵はタマと一緒に、悠然と敵の前に出向き、ドラゴニックハンマーを突きつける。重鎧で身を固め、大きな盾を構えるクリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)も仲間を護る為に前へと飛び出した。
「ふっふっふー、ハロウィンのお菓子食べ過ぎたから、今はおなかいっぱいなのよー!」
突然、とある店の屋上から響く笑い声。そこには、団子片手に、マントをはためかす甘井・百々(南瓜のてんぷら・e31767)の姿がある。事前のパーティーでたらふく食べてきた彼女は、ふっふっふーと得意げに笑う。
「今なら食いしん坊の私でも、おばけプリンの精神的な攻撃には騙されないのよー!」
彼女は団子の串から召喚した氷苦無を手にし、手近な高台へと飛び降りてくる。
「あはっ、ピークは過ぎたけど、目いっぱい盛り上げようかな……♪」
襲い来る攻性植物を前にした悠李は、戦えるのであればこれはこれで楽しめそうだと、瞳を怪しく輝かせるのだった。
●美味しそうな敵だけど……
攻性植物『ブラック☆ぷりん・あら・もーど』が向かい来る間に、姶玖亜は広場の入り口を封鎖するように立ち塞がる。
(「周辺には帰途につこうとしてる人達が居るようだし、敵を会場の外に出さないことを優先しないとね」)
この場にはすでに、一般人の姿はない。だが、まだこの近辺にいるであろう人々を、攻性植物に狙わせるわけにはいかない。
「俺の弾丸からは逃げられねぇ。魔弾魔狼は伊達じゃねぇんだ」
そして、レイが素早く魔狼銃『フェンリル 【The Second】』を抜き、発砲する。
プリン上部の目を狙った一発。敵もそう簡単には射抜かれぬと身を反らす。それでも、弾丸はプリンの頭部分を貫いていた。
「それじゃあ、遅れて来たハロウィンナイト――心行くまで楽しませて貰おうか♪」
悠李は戦場内の仲間の状況を確認しつつ、自らに分身の幻影を纏わせる。頬を上気させる彼は口元を吊り上げてニヤけ、高く跳躍した。
地上では漆も攻性植物へと迫り、自らの腕から攻性植物を飛ばす。「怨樹」と名づけられたそれは、ブラック☆ぷりんへと伸びていき、敵の体へと絡みつき締め上げていく。
「Dolcetto o scherzetto. ……だが、悪戯も菓子も、お前には不要だ」
イタリア語で、「トリックオアトリート」と攻性植物に語りかけるヴィンチェンツォ。彼もリボルバー銃を抜き放ち、弾丸をばら撒く。
(「死に際に種子の一つでも残そうとしないか、……気をつけてみるか」)
あんなナリをしていても、相手は攻性植物。ヴィンチェンツォは絡め手メインで攻めることにする。
同じく、敵の行動阻害に動く百々。
「青の衝撃ッ! えいやー!」
彼女はタイミングを見て、手にしていた氷の苦無を投げ飛ばし、貫いた攻性植物の体を一部凍りつかせた。
そこで、攻性植物もまた攻撃を繰り出してくる。自らの体というか、皿に盛られた果物やデザートを滅茶苦茶に投げ飛ばしてきたのだ。
(「涎が出そうだけど、我慢ー!」)
かなり食べてはいたはずの百々だが、美味しそうなスイーツが前にあれば、黙っていられない。ただ、それがデウスエクスであることが唯一、そして、最も残念なところ。百々は食欲を我慢し、戦況を見定めようとする。
一方、飛んでくるデザートは前列で壁となるクリームヒルトや莱恵が率先して受け止める。
「美味しそうな見た目なのに、戦闘力が高いのはちょっとずるいでありますね」
飛んで来るデザートはなんとも食欲をそそるが、しっかりとこちらにダメージを与えてくる。クリームヒルトはドローンを展開し、少しでも盾を増やして攻性植物の攻撃に耐えられるように防御を固めていた。
莱恵もデザート乱舞を受け止める。重い攻撃ではあったが、彼女は比較的平然と構えていた。
「重厚な鎧だけど、重さがないなんて!!」
海賊服の下に、莱恵はオウガメタルを纏っている。その丈夫さを実感する彼女は、傍にいるタマへと呼びかけた。
「行くよ、タマ! 融合だぁ~!!」
すると、タマは莱恵の肩に乗る。その上で、彼女は攻性植物へと特攻していき、振り回したドラゴンハンマーを攻性植物に叩きつけて行く。その間にタマが可愛らしい鳴き声を上げることで挑発し、敵の注意を引いていたようだ。
そうして、盾役メンバーが引き付けてくれるおかげもあり、後方のメンバー達も全力で支援、効果的な攻撃に当たる。
黄金の果実を前線メンバーに向け、光り輝かせる姶玖亜。その最中、敵が飛ばすデザートにも彼女は注意を払う。
「おっと危ない。一張羅の帽子を汚されちゃかなわないね」
乱舞されたデザートはほぼほぼ前衛が受け止めてくれていたので、姶玖亜に被害が及ぶことはなかったが、彼女は大切なウルフズハットを庇い、再び黄金の果実から光を放つ。
姶玖亜を含めた後方メンバーを包む光、それを浴びたレイが弾丸をばら撒き、地面や壁を利用し、敵の死角から跳弾で狙って撃ち抜く。
「ほらほら、どこ見てるのかなぁ……!」
四方八方から飛んでくる跳弾に気を取られる攻性植物の頭上から、完全に精神状態がハイになった悠李が迫る。
「さーて、君はどこまで付いて来れるかなっ♪」
日本刀『魔天狼』を一度は敵に投げつけた悠李。彼は突き刺さったその柄を握って刃を引き抜き、基本の形を織り交ぜながら捉え所のない斬撃で強襲する。
思わぬ攻撃に攻性植物も怯んでしまうが、ケルベロス達はなおもそいつに攻め込み、この場での撃破を目指すのである。
●畳み掛けて撃破を!
攻性植物……というには異様な見た目にも見えるが。いかにも柔らかそうな見た目の敵へ、漆は無銘刀でざっくりと切り裂いた敵から体力を奪い去る。
対する、お菓子のような見た目の『ブラック☆ぷりん・あら・もーど』は、自らの甘い匂いを周囲に振り撒く。
「ふむ、これが妹の持つ衝動か……確かに、ドルチェを欲してしまう、な」
その香りは前衛メンバーをすり抜け、ヴィンチェンツォに届いて彼の思考を奪おうとする。
「あの香りは危険だね……」
「ああ……」
姶玖亜がオウガメタルの粒子を飛ばすと、やや惑わされかけていたヴィンチェンツォは正気を取り戻して敵へと近づき、直接その体に拳を叩き込もうと動いていた。
自身に意識を集中させたい莱恵としては、それは面白くないところ。彼女はハンマーを振るうことで、相手の時間を止める弾丸を撃ち出し、攻性植物の体の一部を凍りつかせる。
クリームヒルトも仲間の状況を確認し、敵の猛攻に耐える仲間が傷ついていると判断すれば、彼女は光の翼を広げる。
「翼よ、治癒の光を纏うのです」
その翼がクリームヒルト自身と同列の仲間を包み込み、敵の甘い攻撃を受ける仲間を癒していく。
攻性植物はその後も、自らの姿と素材を存分に生かして攻撃してくる。プリンの体を飛ばしての捕縛などは実に厄介だ。
とりわけ盾となり、敵の気を引く莱恵の負担は大きいが、サーヴァント達もまたケルベロスのフォローを行う。
代わりとなってライドキャリバーのファントムがプリンの飲み込みを受け止めてくれていたし、ボクスドラゴンの甲竜タングステンは痛みに苦しみつつも、自らの属性のインストールでケルベロスの手当てに当たる。
威力もさることながら、攻撃の手を鈍らせるような絡め手が中心の攻性植物のスイーツ攻撃。
だが、数で押すケルベロスが徐々に優勢へと戦況を運ぶ。
「チョコレート色も素敵だけど、ボクはキャラメル色の方が好みなんだ」
姶玖亜は回復の合間を見て、漆黒の軌跡を描く弾丸で敵を狙い撃つ。
「かと言って、カラメル掛けカスタードプリンおばけのおかわりはいらないよ?」
それを受けてトラウマを発症したらしく、虚空を見つめ出す。その足元へと百々がゲシュタルトグレイブで高速の回転連撃を繰り出すと、攻性植物の体勢が崩れる。
「"儀式闘術"……漆業罪架」
今が畳み掛ける時と判断した漆が最初に仕掛ける。彼は武器を操るだけでなく、直接自らの拳や蹴りも駆使し、打撃と共に魔術式を発動させ、強力な一撃を叩き込んでいく。
回復メインで動いていたクリームヒルトもサポートすべく、稲妻を帯びた高速の突きで敵の体を痺れさせる。
「敵をここから、出してはならないのであります」
一挙に攻め入るケルベロス。レイは敵のスキを見て、地面をエアシューズで疾走してくる。
「燃えて焼きプリンになっちまいな!」
摩擦で燃え上がる靴で、レイは攻性植物の腹に当たる部分を深く蹴り込む。
仲間の状況を見て、追撃したヴィンチェンツォが銃を突きつける。その銃口は、攻性植物の頭へと向けられていて。
「Addio」
彼が引き金を引くと共に、その頭が破壊される。
だが、それでも動きを止めぬ敵へ、武器を一度鞘に収めた悠李が側面から躍りかかる。
「あはっ、ハロウィンナイトはこれにてお開き……一夜の夢は断ち切られ、幕を下ろしてさようなら!」
悠李は抜いた刃を真横に一閃させる。次の瞬間、攻性植物の体が斬撃に合わせて、左右にズレていく。
そいつは地面へと落ち、体を構成していたプリンやデザート、皿がぶち撒けられたのだった。
●お腹も減ったし……
現れた攻性植物を討伐したケルベロス一行。
戦闘によって荒れた会場跡に、姶玖亜が御業の力で破壊された地面や街灯などを修復していく。
「ふーんふんふん、ふーんふんふん? 天神様のいるところかな?」
何かを口ずさむ莱恵。彼女は頭の上にタマを載せててくてくと歩き、光り輝くオウガ粒子とタマの属性注入で街を少しずつ直していく。
百々も破損状況を確認し、黄金の果実を輝かせて破壊箇所を幻想で埋めていた。
深呼吸して落ち着きを取り戻していた悠李も、分身の力で周囲を幻想交じりの姿とし、道として機能するように補修する。
「うん、周りがファンタジックに変わっていくのも、こう……中々らしくて良いんじゃないかな」
そんな街に、目を細める悠李である。
ヒール作業の手伝いをしていた漆は一息つき、白衣農地から煙草を取り出し、火を点けて一服する。タイミングが良かったのか、ヴィンチェンツォもその火を借り、紫煙を味わっていたようだ。
「甘いものが食べたくないか? 用意はしてあるさ」
ヴィンチェンツォは作業に当たっていたメンバーへ、アマレッティというイタリアのお菓子を振舞う。クッキーに近いのだが、中はしっとりとした軽い触感をしたものである。
それに飛びつくのは、女性メンバー達。姶玖亜はもぐもぐと食べながら、ややげんなりとしていた。
「やれやれ、こうもプリンごり押しだと、しばらくプリンはみたくないよ」
だが、百々やクリームヒルトは、アマレッティを食しつつも真逆の異見だったりする。
「おなかすいたのよー……。おばけプリン食べちゃえばよかったのよー」
百々などはどこから取り出したのか、自前で持ってきた焼き芋をもぐもぐ食べ、コーンスープをごくごくと飲んでいた。
「……帰りに、プリンを買って帰ることにしたであります」
クリームヒルトも、どうしてもプリンを食べたいという気分になってしまったようである。
「……あんな外見のヤツと戦ってたら、腹減ったな……。みんなでメシでも食いに行かねぇか?」
レイが祝勝会にと仲間を誘う。腹ペコなケルベロス達はそれに賛同し、近場のファミリーレストランへと向かっていったのだった。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年11月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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