●緋色の灯
賑わう声、あたたかな提灯の光。
涼しい秋の夜風が吹き抜ける神社の境内にて小さな秋祭りがはじまる。
鮮烈な色ながらも何処か温もりを感じさせる紅い灯は甘い林檎飴を思わせた。敷地の中央に据えられた山車は煌びやかな装飾で彩られ、周囲では祭囃子の音色が響いている。
少し離れた屋台通りには様々な屋台が並び、町の人々は思い思いに秋祭りを楽しむ。
そんな中、不可思議な格好をした少女が現れた。
「ふむふむ。綿菓子に林檎飴、たこ焼き、お好み焼き、焼きそばもあるのか! あっちにはチョコバナナと唐揚げと……焼き芋なんてものもあるっ!」
マグロの被り物と浴衣を纏った彼女は目を輝かせ、何処から回ろうかと考え始める。周囲の人は祭りに浮かれた若者だと思っているようだが、少女の背にはシャイターンの証たるタールの翼が生えていた。
「ふふふ、まずは屋台の全制覇だ! そしたらその後はお祭りをぶっこわすよ!」
マグロガールは物騒なことを呟き、屋台に向けて駆け出してゆく。
そして、その数十分後――楽しく穏やかだったはずの会場は破壊の限りを尽くされ、見るも無残な光景が広がることになる。
●屋台の魅力
秋も真っ只中の今、とある町の秋祭りがシャイターンに襲われる。
そんな未来予知が視えたと語り、雨森・リルリカ(花雫のヘリオライダー・en0030)は仲間達に解決を願った。
「現れる敵はマグロガールと呼ばれる女の子の姿をしたものです。彼女は既にお祭り会場にいるみたいなのですが、食いしん坊さんなのでまだ動き出していないようでございます」
敵が祭り会場を狙っている理由は不明だが、お祭りという場を利用して効率よくグラビティ・チェインを収奪する作戦である可能性が高い。
そういった理由であるなら本来すぐにでも暴れてもいいのだが、食欲を優先したマグロガールは食べ物屋台の全制覇を狙って歩き回っているらしい。
「被り物が目立つので敵を見つけるのは難しくないですっ! ですが、境内の中で戦うと周囲の人たちに被害がでちゃうかもしれないです」
そこで何とかして上手く敵を人気のない所へ誘き出す必要がある。
幸いにも相手は食べ物に弱いようなので、たくさんの屋台系の食べ物を持って境内裏の林の方へ誘えば良い。しかし、ただ持っているだけでは屋台の方に向かってしまうので、如何に自分が持っている食べ物が美味しいかを告げてやると効果的だろう。
後は林で戦いを仕掛け、撃破すればいい。
「マグロガールはそんなに強くはありません。それから、ケルベロスを倒すことを一番の目的にしているので逃げることもないです!」
つまり肝心なのは誘き出し。
お祭り屋台の魅力をこれでもかと語ることが被害を防ぐ一番の近道だと話し、リルリカは皆に期待の眼差しを向けた。
「敵さんを撃破した後は、お祭りを楽しむのも良いかもしれないです。おいしいものがいっぱいですからね!」
戦いのご褒美としてそれくらいは許されるはず。
そうして、お土産は林檎飴でよろしくおねがいします、と無邪気に微笑んだリルリカは戦いに赴く仲間達の背を見送った。
参加者 | |
---|---|
ゼロアリエ・ハート(魔女劇薬実験台・e00186) |
シエル・アラモード(碧空に謳う・e00336) |
阿守・真尋(アンビギュアス・e03410) |
ルリカ・ラディウス(破嬢・e11150) |
アニー・ヘイズフォッグ(動物擬き・e14507) |
多留戸・タタン(知恵の実食べた・e14518) |
ティスキィ・イェル(魔女っ子印の劇薬・e17392) |
成瀬・航(凛蒼・e23709) |
●魅惑の夜祭
今夜は楽しく賑やかな秋祭り。
夜の色は暗くとも境内を照らす提灯の灯りはやさしく、行き交う人々の笑顔は明るく輝いていた。だが、そんな幸せな光景を壊そうとしている者がこの中に紛れている。
「噂には聞いておりましたが確かに目立つお人ですわ!」
シエル・アラモード(碧空に謳う・e00336)は前方を見据え、魚型の被り物と浴衣を着ている少女の姿を捉えた。あれが予知で発見されたシャイターン、マグロガールだ。
敵は興味深そうに屋台通りを見渡し、何を食べようか迷っている様子。成瀬・航(凛蒼・e23709)はシエルをはじめとした仲間達と目配せを交わしあい、作戦の実行に移る。
マグロガールの前に回り込み、まず誘き寄せを実行するのはゼロアリエ・ハート(魔女劇薬実験台・e00186)とティスキィ・イェル(魔女っ子印の劇薬・e17392)のふたり。
ゼロアリエが綿菓子を、ティスキィがチョコバナナを持って並ぶ姿は名実ともに甘々な恋人同士そのものだ。
「ふわっふわでカラフルな見た目、一口食べればとろける甘さ……!」
「たっぷりかかったチョコ、スワロフスキーのようにキラキラトッピング……」
見て幸せ。食べたらもっと幸せ。
ふたりは息の合った調子で綿菓子とチョコバナナの魅力について語っていく。様々な祭り屋台、制覇するなら絶対に欠かせない甘味の話にマグロガールは目を輝かせた。
「わあ! いいなーっ!」
だが、まだまだそれだけでは留まらない。相手の様子を窺いながら一歩踏み出した阿守・真尋(アンビギュアス・e03410)は手にした焼きとうもろこしを軽く掲げる。
はっとするマグロガールの前で、真尋は上品にそれを口にした。
「とうもろこしの甘味と、醤油の香ばしい香りが合わさって……たまらないわね」
屋台くらいでしか馴染みが無い焼きとうもろこしは特別な雰囲気。真尋に続き、ルリカ・ラディウス(破嬢・e11150)が唐揚げの魅力をアピールしていく。
「こっちは揚げたてほやほやのあつあつ唐揚げだよ。醤油味にチーズ味、塩唐揚げもあって色々素敵だよね!」
「おお、本当だ。良い匂いがしておいしそう!」
ぱくっと一口、唐揚げを自分の口に放り込んだルリカは美味しそうに顔を綻ばせる。その間、マグロガールはわくわくした様子で真尋達を見つめていた。
だが、ルリカはマグロガールには一口たりとも分ける気はない。しかし今それを言ってしまうと敵が誘き寄せ場所についてこないかもしれない。
そこへ航が手にしたじゃがバターの湯気を燻らせ、敵へと差し出した。皮付きのまま蒸した、あつあつほくほくのじゃがいも。
「バターがじんわり溶けて……こんなの間違いないに決まってる。食べたい?」
「むむむ、たべたーい!」
敵の食い付きの良さに頷きながら、航はバターの風味とじゃがいもの味をの良さを語っていく。食べ進めていくうちに溶けきったバターに浸かったじゃがいもはひたひたに染みて味が濃くなる。しょっぱいがこれがまた美味しい。
アニー・ヘイズフォッグ(動物擬き・e14507)はすっかり此方に釘付けになっている敵の様子を感じ、今こそ誘うべき時だと察した。
「ほら、かき氷もあるよ。かき氷はいちごだけって思われがちだけどかけるシロップは何でも合う! 練乳、アイス、白玉みたいなトッピングからレモン、ソーダ、抹茶とかとか」
たまにキーンと頭が痛くなるがそれも醍醐味。
アニーはこっちにおいでよ、と敵を招く。既に食べ物に興味津々な敵はゼロアリエとティスキィに導かれるままに林の方についていった。
そして、其処で待ち構えていた多留戸・タタン(知恵の実食べた・e14518)はミミックのジョナ・ゴールドと一緒に焼きそばを味わう。
「んーこのちょっぴり焦げたソースがたまらんですね!」
「……!」
実においしそうに食べるタタンは訪れたマグロガールをちらりと見遣るとそうっと焼きそばを隠してしまった。あげませんよ、と告げたタタンは隠れながらも更にもう一口。
「これはいっとうオイシー屋台で買ったタタンの焼きそばですから! ああオイシー!」
人は手に入らない物がおいしそうに見える。婆っちゃが言ってたですから、と心の中でほくそ笑んだタタン。そして、シエルが追撃とばかりにたこ焼きを頬張る。
「見ているだけでも美味しそうですが……頬張れば、カリカリとした外側とは対照的に中身はフワフワとした触感! そしてぷりぷりの大きなタコ!」
魅力をこれでもかとアピールしながらシエルは幸せそうな微笑みを浮かべた。対するマグロガールはそわそわして我慢できない様子。
「こらー! くれるのかくれないのかはっきりしろっ!」
「え? 貴方も召し上がりたい? いえいえ、これは差し上げれませんわ! だって……」
我慢の限界に到達した敵にシエルが首を振り、ルリカが言葉を次ぐ。
「食べ物独占して、お祭りに来た皆を殺して屋台メチャクチャにしようとするヤツにあげるものなんてひとつもないんだからねっ」
そして――秋祭りの裏にて、ひっそりと激しい戦いが幕開けた。
●食べ物の恨み
祭り会場を背にしてケルベロスが布陣して身構えるとマグロガールがはっとする。
「お前ら、ケルベロスか。よくも騙したなー!」
「あら、誰が貴方に差し上げるなんて言ったかしら?」
対する真尋は双眸を鋭く細め、まんまと誘き出された敵を見据えた。悔しげに地面を踏み締めたマグロガールはもう怒ったぞ、と言いたげに構えてゲヘナフレイムを放つ。
真尋に向けて放たれた一撃を素早く察知したライドキャリバー、ダジリタはその身を以てして炎を受け止めた。
その連携に見事さを感じながら、ルリカは己の感覚を増幅して次手に備える。
ゼロアリエも鉄塊剣を構えて自らの力を引き出していった。
「お祭りは破壊するもんじゃなくて楽しんで想い出作るもんだよ! 邪魔するヤツはぶっ飛ばすからね!」
地獄の力が注がれ、蹂躙形態となった刃の切先を差し向けたゼロアリエは凛と宣言する。たとえ甘いモノ好き仲間だとしても、楽しい場所を壊すのは言語道断。
ゼロアリエが敵の動きを警戒する後方、ティスキィも黄金の果実を放り投げて中前の援護に回った。聖なる光が皆を包み込んでいく最中、ティスキィは思いを言葉に変える。
「お祭りは暴れちゃダメ、だよ。傷つけるのは許さない」
「どうせ食いしん坊さんなら、オイシーもの食べて満足してくれると良いですのに」
其処に続き、タタンが地面にケルベロスチェインを展開して守護の魔法陣を描いた。本当は一緒に祭りを楽しめればいいのだが、グラビティ・チェインを狙っているならば野放しにはできない。
タタンの援護に合わせ、ジョナ・ゴールドが敵にがぶっと噛みつきに向かう。
更にシエルが竜槌を砲撃形態に変形させ、竜砲弾を解き放っていった。マグロガールがその攻撃に備えて身構える中でシエルは唇を強く噛み締める。
「平和を壊すつもりなら、何が何でも成敗ですの!」
シエルと敵の視線が交差し、敵意の火花が散った。相手が命令によって力を集める使命があるのと同じように此方も地球を守る使命がある。
アニーは敵の横手に回り込み、しなやかな動きで以て己の力を解放した。
「いくよ! じゃんじゃん攻撃して動けなくしてあげる!」
敵の攻撃を妨害する為に放たれた大量のミサイルは羽搏く鳥の如く、幾重もの衝撃となって敵を貫いた。だが、列攻撃は敵に対して痺れの付与率がかなり低くなっている。
それも織り込み済みではあるが、アニーは改めて身構えた。
航は相手の出方をしっかりと見つめながら得物を振り翳す。
「美味しい物に惹かれる気持ちはわかるけど、やろうとしてることは見過ごせないね」
お祭りも、楽しんでいる人達も、私達で守りたい。
そんな思いの込められた一閃が蒼の花弁を咲き乱れさせ、斬撃は風となり舞い遊ぶ。衝撃に耐える少女は頬を膨らませて更なる怒りをあらわにした。
「ついでにおいしいものが食べられると思ったのに! お前達は絶対に許さない!」
「許さないのはこっちだよ。お仕置きしてあげる!」
ルリカは自分勝手な敵の言い分に眉をひそめ、月照丸の柄に手を掛ける。刹那、線を描いた居合の一閃が相手を斬り裂いた。
マグロガールは痛みに顔をしかめ、数歩下がる。そして生命の糧食によって自らを癒した敵は同時に守りを固めた。
だが、それを察したゼロアリエが加護を剥がしにかかる。
「被害が出るのはイヤだからキミはココで退場ね」
即座にゼロアリエが放った蹴りは破剣の力を帯び、敵に痛みを与えた。流星めいた軌跡が止まぬ間にシエルが駆け、影の如き一閃で更なる衝撃を加える。
其処から何度か攻防が巡り、徐々にではあるが勝機が見えてきた。
「この勝負、わたくし達に分があるようですわね」
「くぅ……っ、まだまだぁ!」
シエルは敵が弱ってきていることを感じ取り、小さく微笑む。最初に実力の方は大したことはないと聞いていた通り、全員が協力しあうことで戦いは上手く巡っていた。
真尋はダジリタに呼び掛け、間髪入れぬ攻撃を行うように指示する。その言葉通り、タジリタはガトリングを掃射して隙間のない衝撃を与え続けた。
「早く終わらせてしまいましょうか」
相棒が敵を翻弄していく中、真尋は達人の一撃で以て敵に冷たい衝撃を付与していく。苦しそうに呻いた敵に対し、アニーが爆炎の魔力を込めた弾丸を放った。
氷と炎に塗れた相手を少し可哀想思いながら、アニーは仲間に合図を送る。
「見て、今がチャンスだよ」
「はいです! いくですよ、ジョナ!」
その声に応えたタタンは駆け出し、敵の懐まで飛び込んだ。そのまま突撃すると思いきや、タタンは一度屈んでから一気に飛び上がり、素早い回転頭突きを見舞う。更にはジョナ・ゴールドが林檎飴型のこん棒を具現化して殴り掛かった。
航は終わりが近付いていることを感じ、斬霊刀で今一度斬りかかりにゆく。対する敵も炎を以てして反撃に移った。
「なるほど、シャイターンは炎を司る、か。でも、そろそろ終わりにしよう」
航が斬撃を放てば、相手からも激しい焔が迸る。だが、その炎はタタンが庇う事でカバーされた。されどその痛みはかなり大きいと察し、ティスキィは来花の領域を広げる。
「苦しみも傷の痛みも全力で癒すから、頑張って、負けないで」
花を象った魔法陣から温かく包む香りが拡散し、癒しとなって仲間を支えた。花の香りに合わせるようにしてルリカが手を掲げ、敵を狙い打つ。
「花よ! 力を――」
真紅の花弁めいたオーラが敵に纏わりつき、見る間に動きを麻痺させた。シエルはその隙を狙い、魔導書に綴られた詩を読みあげる。
「妖精さん、妖精さん。どうか、わたくしに教えてくださいませ」
そして、主の迷いを打ち砕いた囁きは真っ直ぐな魔力となって迸った。ふらふらとよろめいたマグロガールは既に虫の息。ゼロアリエは武器に炎を纏い、終わりを齎す為に駆けた。
「これで最後。――焼き尽くせ!」
次の瞬間、渾身の力で振るわれた刃が悪を斬り捨てる。
「ああ、おいしいもの……食べた、かった……」
そして、倒れ込んだマグロガールは悲痛な最期の言葉を残して消滅した。
●祭りの夜に
日常を壊す敵は消え去り、本当の平穏が訪れる。
静けさが満ちた事で林の向こうからは賑わう人々の声が微かに聞こえてきた。ルリカはほっと胸を撫で下ろし、シエルも笑みを湛える。
自分達が守りきった平穏を感じ、航は安堵の気持ちを抱いた。
「ご褒美、行こうか。皆の語りを聞いたりしたら、すっかりお腹空いちゃった」
仕切り直しのじゃがバター、それに焼きそばやたこ焼き、クレープも食べてみたいと航は語った。その様子にくすりと微笑む真尋は頷き、仲間と共に歩き出す。
「私は……そうね。誘き出しの時とは別の物を……たこ焼きを買おうかしら。タタンは林檎飴、食べるかしら?」
「はっ! タタンうっかりしてたです! 林檎飴を! 食べなくては!!」
真尋の問いかけにタタンがはたとして駆け出し、ジョナ・ゴールドもぴょこぴょこと跳ねてその後についていった。そうして、一行は其々に秋祭りを楽しんでゆく。
「見て、こっちこっち! かき氷食べよう!」
アニーはタタンと真尋を呼び、屋台の前で大きく手を振った。
語った以上はちゃんと食べるのが更なる醍醐味。皆で違うものを頼んで分け合い、様々な味のかき氷を食べるのもきっと楽しい。航もおいで、とアニーが人懐っこく笑って手招く姿はまるで好奇心旺盛な小動物のよう。
航も輪に加わり、皆で屋台の食べ物をシェアしようと話す少女達。
和やかで賑やかな光景に真尋は目を細め、まだ記憶に新しい別の祭りについて思い出した。あつあつのたこ焼きを少しずつ口にしていく彼女は何処となく嬉しそうで、タタンもつられてにっこりと笑う。
「タタン、お土産も見ていきたいですよ!」
「そうしよっか。お祭りをいっぱい楽しんで行こう!」
タタンとジョナ・ゴールドがはしゃぐ中、アニーも一緒になって屋台を見渡した。
そんな賑やかさから少し離れ、ティスキィとゼロアリエは石階段の方へと向かっていく。その手には綿菓子とチョコバナナ。ゼロアリエは隣に座った彼女に笑いかけ、賑やかさと静けさの間の感覚を楽しむ。
「ようやくゆっくり綿菓子食べられるね。それにお祭りのキィは一段とカワイイ!」
「ゼロのわたあめ、欲しいな。チョコバナナもあげるから。ね、おいしいでしょ?」
甘いものを食べさせ合う二人は仲睦まじく、傍らには先ほど手に入れた水風船が提げられていた。おねだりして良かった、とピンク色の水風船を眺めたティスキィは祭囃子を聴きながらゼロアリエに寄り掛かる。
「林檎飴、ゼロも食べる? でもね、今度はあーんじゃなくて……」
甘い味をキスで伝えて。そして、大好き、と伝えられた言葉と一緒にふわりとした甘い感覚が二人の間に巡った。
そうして、夜は更けていく。何となく二人で一緒に回っていたルリカとシエルはまだまだ賑わう屋台通りの中で改めて平和を感じた。
「これは、何ですの? どれもこれも美味しそうですわ!」
「あれは林檎と葡萄飴。あっちは飴細工で鳥を作ってるみたいだね」
きょろきょろと屋台を物珍しそうに見るシエルにルリカがひとつずつ説明をしてやる。するとシエルは飴細工の鳥と林檎飴をお土産にしたいと話し、二人は屋台の前で形作られていく飴を楽しく眺めていた。
そうして、美味しい食べ物やお土産を手にしたルリカ達は通りを歩く。
「屋台は美味しいものの宝庫だよねっ」
「見て、食べるだけで幸せになれるってとても素晴らしいことだと思いますの!」
見渡す限り、祭りの中は笑顔と活気で溢れている。
祭囃子は賑やかに、人々は楽しげで――其処には、何にも代え難い幸せが見えた。
作者:犬塚ひなこ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年11月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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