月喰島で生まれたモノ

作者:陸野蛍

●冥龍の置土産
 夜の闇が辺りを覆うのが早くなった秋。
 朝が最も忙しいこの漁港には、10人にも満たない人間が居るだけだった。
 ……だが、災厄は突然現れた。
「うわーーーー!! ウオッ……!!」
『グギャ』『グシャ』『ベチョ』と音を発てて悲鳴をあげた漁師の男は、グロテスクな色の肉塊に変わる。
 その光景を見ていた他の男達も、その異様な光景に言葉を失い動けなくなる。
 逃げた方がいいのは分かっていた……だが、突如現れた不気味としか言えない屍肉の集合体の様な化け物の集団を見ると、海の男達の足も竦み上がり動かなかった。
 そして行われる……虐殺。
 屍隷兵『ヘカトンケイレス』は元人間の血肉を踏み躙りながら、更に多くの生を奪いに街を目指すのだった。

●屍隷兵――ヘカトンケイレス
「月喰島から出現した冥龍ハーデスは、ケルベロスによる空中戦で見事撃破する事が出来た。だけど、事件はこれで解決した訳じゃなかった」
 ヘリポートに現れた、大淀・雄大(太陽の花のヘリオライダー・en0056)は、ヘリオライダーの顔でそう話し始めた。
「冥龍ハーデスは、月喰島から既に配下の戦力を進軍させていたらしい。調べていた、灰木・殯(釁りの花・e00496)の危惧が的中してしまったって所だな……。日本各地に『ヘカトンケイレス』という種類の屍隷兵が、次々と上陸してくると予知された」
『ヘカトンケイレス』は、多数の死体を融合させた様な屍隷兵で、高い攻撃力と生命力を持った、4mクラスの大型屍隷兵とのことだ。
「冥龍ハーデスが既に死亡していている為、敵の統率は取れておらず、10体程度の少数で群がり、太平洋側の海岸地帯にバラバラに上陸してくる。みんなには、この迎撃に向かって欲しい」
 屍隷兵は、それ程強力な敵では無いらしく、ケルベロスなら1体1でもいい勝負が出来る程度の強さとの事だが、人間を見かければ無差別に襲いかかり虐殺して回る性質がある為、迎撃に失敗した場合、大きな被害が出ることは間違いないだろうと、雄大は言う。
「みんなに迎撃して欲しいのは、千葉県沿岸の漁港に現れる『ヘカトンケイレス』12体。確実に1体残らず撃破して欲しい」
 漁港には10人程度の人間が居るが、今回は、敵の上陸場所や時間が判明している為、避難を終わらせてから、時間的余裕をもって迎撃を行う事が可能とのことだ。
「敵の攻撃方法は、5指から生えた幾つもの手での握り潰し及び直接打撃。あと喰らい付きだな。ヘカトンケイレスに知能は無いと言っていい。さながら、ホラー映画に出て来るゾンビみたいなものだな。生きている者をただひたすら、殺そうとする化け物って感じだ。だから、相手が完全に動かなくなるまで、油断しない様にしてくれ」
 冥龍ハーデスのコントロールが無くなった為、人間を虐殺すると言う衝動だけが目的として残ってしまったのかもしれない。
「屍隷兵……相手は統率のとれていない化け物の群れだ。冥龍ハーデスさえいなければ生まれなかった命と言う意味では、哀れかもしれない。だけど、倒さなければ多くの人が犠牲になる。だから、みんなの手で冥龍ハーデスと同じ場所に贈って欲しい。頼んだぜ!」
 信頼を乗せた雄大の声が、ヘリポートに大きく響いた。


参加者
陶・流石(撃鉄歯・e00001)
ホワイト・ダイヤモンド(面倒臭がりな妖刀持ち・e02709)
シャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104)
風魔・遊鬼(風鎖・e08021)
ジョー・ブラウン(ウェアライダーの降魔拳士・e20179)
レクト・ジゼル(色糸結び・e21023)
アスカロン・シュミット(竜爪の護り刀・e24977)
ラグナシセロ・リズ(レストインピース・e28503)

■リプレイ

●日暮れの漁港
「俺達はケルベロスだ。今より少し先、海より巨人の群れが襲撃してくると報告があった。速やかな退避を頼む」
 千葉県沿岸の漁港に駆けつけると、アスカロン・シュミット(竜爪の護り刀・e24977)は、漁港の人々に、何よりも先にそう言った。
「安心して下さって、大丈夫でございますよ。現れる敵は、僕達が退治するでございますから。速やかに避難をお願い致しますでございます」
 漁港に残っている人々を安心させる様に、独特の言葉使いで、ラグナシセロ・リズ(レストインピース・e28503)が柔和な笑顔で人々に言う。
「ラグナさん、隅々まで残っている人が居ないか確認しましょう。誰一人として、犠牲を出す訳にはいきませんからね」
 人々の避難誘導を担当していた、レクト・ジゼル(色糸結び・e21023)が、大切な弟分に向かってそう言えば、弟分のラグナシセロは信頼した瞳を兄貴分に向ける。
「そうでございますね。誰も傷つけさせない為に僕達が居るんでございますからね。頼もしい皆様と御一緒でございますから……虐殺は必ず阻止致しますでございます! 急ぎますでございますよ、ヘル」
 相棒のボクスドラゴンの『ヘル』に声をかけながら、ラグナシセロは闇が支配し始めた漁港で、レクトと共に人々に声をかけ続ける。
「今日の相手は数が多いとさ。 ま、いつも通りやればいいかな」
 光を灯さない瞳で『ヘカトンケイレス』が現れると言う海を見ながら、大した興味も無さそうに、ホワイト・ダイヤモンド(面倒臭がりな妖刀持ち・e02709)が呟く。
「冥龍ハーデスの置土産……『ヘカトンケイレス』……ね。気味悪い敵ではあるけれど、力試しに丁度いいかもしれないわね。……新たなデウスエクスが生まれて良かったとは、決して思わないけどね」
 そう、ため息交じりに言うのは、シャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104)だ。
(「冥龍ハーデス、私が会う事は無かったけど、このままドラゴンとの攻性が続けば、言葉を交わす事の出来るドラゴンと対峙する事もきっとあるわよね。……消えてしまった師匠、そして夢に見たドラゴン……。何か分かる時が来ればいい」)
 シャルロットがそんな事を考えていた時だった。
「ヘカトンケイレスってのが現れたみたいだぜ」
 海に向かって、視線を凝らしていた、陶・流石(撃鉄歯・e00001)が敵が現れた緊張よりも、ようやく現れたターゲットに対しての攻撃性を言葉に乗せて、仲間に伝える。
「さて……ハーデスも厄介な置き土産を残してくれましたね。 負けるならば負けるなりの美学を持ってほしい物ですね」
 その一言だけを言うと、風魔・遊鬼(風鎖・e08021)は、赤い瞳に敵を殲滅すると言う意志だけを乗せ、両手に螺旋手裏剣を握り、口を噤む。
「冥龍ハーデスの置き土産か……また厄介なものを……」
 実際に両の瞳で、ヘカトンケイレスを見ることで、ジョー・ブラウン(ウェアライダーの降魔拳士・e20179)は、心の底からやれやれと言う、気分になる。
 死肉で作られた巨人……説明は受けていたが、見ていて気持ちいいものでは無い。
「まあ、今回の俺の役割は仲間のカバーだ。マリア、お前も出来る限り頑張ってくれよ。あんな奴らに仲間が潰されるとか、寝覚めが悪いにもほどがあるからな。頼んだぜ」
 相棒のビハインド『マリア』に軽口を叩きながらもジョーの相貌は、ヘカトンケイレスから離れない。
『ベチョベチョ』『グチャベチョ』気味の悪い足音を発てながら、『ヘカトンケイレス』はゆっくりと、ケルベロス達に迫って来ていた。

●意思の無い敵
「奴らの攻撃は俺が止める! 攻撃は任せる!」
 ジョーは戦場に響く声でそう言うと、紙兵を仲間達に降らせると、彼等を守る加護とする。
 次に動いたのは遊鬼だった。
 何も言葉を発さず、その両手の得物に殺意だけを乗せて、高速回転させた二つの螺旋手裏剣で大竜巻を生み出し、ヘカトンケイレスを捩じ切ろうとする。
「本当に意志を持たない機械人形の様な兵士みたいだな……面白くない」
 先程までとは別人の様な鋭い瞳でヘカトンケイレスを見定めると、シャルロットは御業を生成し炎を成すと、強烈な炎の砲撃として、ヘカトンケイレスの群れに撃ち込む。
(「戦いの中にある熱さこそ心地よいのにな……私の求めるものは得られないか……」)
「自分の意思も何にもない敵の相手とか……だる……」
 言いながらも、動きだけは疾風の如く、振り上げる右足を刃の切れ味に変え、ホワイトがヘカトンケイレスを切り裂く。
「……冥竜ハーデス……一体何人『実験』に使ったんだ……」
 星の力で聖域を作り出しながら、アスカロンが忌々しげに呟く。
(「もう言葉は届かないだろうが……」)
 不完全なデウスエクスとなってしまった、人々の魂……『モノ』となってしまった彼等に言葉が届かないであろうことは、アスカロンにも分かっていた……けれど言葉にせずには居られなかった。
「お前達を創った主は奈落に墜ちた。ヘカトンケイレス……神話でのその名の通り、元居た『奈落』に還るんだ……」
 アスカロンの苦しみすら感じる言葉にもヘカトンケイレスは何も反応しない……いや、ただ『餌』がそこにあると言う認識は持ったのかもしれない。
 全てのヘカトンケイレスの足が前へ前へと進む。
「数多の戦術を識る神々よ、この地に鬨の声を響かせ給え」
 神話の時代の北欧の神に奇跡の力を借り受ける為に、ラグナシセロの言葉が戦場に響けば、一陣の風が吹き仲間達に力を与える。
「ヘル、皆様の盾となるのが今回の君の役目ですよ。頑張って下さいね」
 ラグナシセロの言葉を受ければ、ヘルは前線へと踊り出し、流石に自らの属性をインストールする。
(「知能のない敵は知恵と連携で倒してみせますでございますよ。虐殺など、此処で防ぎますでございます!」)
「黄金の果実よ、聖なる光を皆さんの力に変えて下さい」
 レクトが掲げた金色の果実は、仲間達を聖なる光で包みこむ。
「イード、君の役目は分かるよね。君は賢い子だ。ターゲットは、ラグナに合わせればいい。頼んだよ」
 金髪の幼いエルフのビハインドの髪をクシャッと触りながら、レクトが言えば、イードは自身に流れるグラビティ・チェインを敵を縛るエネルギーに変えて放つ。
(「ドラゴン連中も、ここで生き抜くことを考えてるんだろうけど、共存してくれりゃこちらもわざわざ殴り合う必要はねぇんだがねぇ」)
 ヘカトンケイレスのパンチを身体半身ずらす事でかわしながら、流石が心の中でぼやく。
(「寿命の概念が理解出来なかったり、力の差があり過ぎるのも一因だろうけど……」)
 そこまで考えると流石は右の拳に魔を降ろす。
「とりあえず……細かいことは、目の前の化けモン、はっ倒してから考えるか」
 流石の放ったストレートパンチは、攻撃を集中されていたヘカトンケイレスの息の根を止める。
「とにかく数が多いんだ。攻撃の手を止める事無くボコって行くぜ!」
 流石の女性らしからぬ荒い言葉がケルベロス達の、士気を上げていくのだった。

●不死では無い腐屍の終わり
「溶け込むように空へと唄え」
 レクトの言葉は、冬の藍色の空に吹く清浄なる風を起こすと仲間達の視界をクリアにしていく。
「アスカロンさん、ここまで数を減らせばヒールは僕だけで、大丈夫です。一刻も早く脅威を無くす為に、攻勢に移って下さい」
「分かった。盾役のジョーの負傷に注意を払いながら、俺も攻撃する事にする」
 レクトの言葉を受けると、アスカロンは本来なら妹の愛剣である、蒼い刀身のレイピアを腰から引き抜き、星の力を開放しヘカトンケイレスにダメージを与える。
 戦闘開始から7分が経過し、残るヘカトンケイレスは4体になっていた。
 雄大の言っていた通り、ヘカトンケイレス1体の戦闘力は完全な力を誇るデウスエクスに比べれば、幾分劣っておりケルベロス達優位で戦闘は進んでいた。
 ただ、何よりも数が多く、ヘカトンケイレスの数がケルベロス達より勝っている間は、仲間達の盾に徹していた、ジョーの負傷度が目に見えて酷かった。
 マリアとヘルもケルベロス達を守ることに専念していたが、2体はサーヴァント。
 グラビティ・チェインが枯渇してしまえば、その身体を保てなくなってしまう。
 一時的だとしても、主人の前から相棒が消えてしまう事を、ジョーの心の根幹が拒絶していた。
 だからこそ、誰よりも傷つき、それでも地面に足をしっかりと根を張った。
「俺が立っている間は、そう簡単に味方には攻撃は届かせねぇ。味方をやりたいなら、まず俺を倒すんだな!」
 己が矜持を裂帛の叫びに変えて、ジョーが自身のグラビティ・チェインの歪みを正常に戻す。
 そのグラビティ・チェインの増大が更にヘカトンケイレスの攻撃をジョーに集めるが、ジョーはニヤリと笑う。
「どうしたお前達の力はその程度か! そんな攻撃じゃ俺の命は奪えんぞ!」
「早く刈り取らないと……だるい。熱くなっても仕方ない……」
 小柄な体で一気にヘカトンケイレスの間合いに入ると、ホワイトは莫大なグラビティ・チェインを身体中に張り巡らす。
「耐えてみれば?」
 疑問を投げかけた瞬間には、ホワイトの両の腕が、右足が、次々にヘカトンケイレスの急所……いや、接合部を破壊していく。
 怒涛の連撃が終わった時には、ヘカトンケイレスはただの腐った肉塊へと姿を変えていた。
 ホワイトが一瞬だけ、視線を外した時だった。
 ホワイトに向かって傷だらけのヘカトンケイレスが、その長大な腕を伸ばして来たのだ。
 だが、その腕がホワイトに触れることは無かった。
 ただ静かに、夜闇に溶ける様に、物言わず、氷結の螺旋を遊鬼が放ったのだ。
 遊鬼の放った氷結の力は、ヘカトンケイレスの腕から身体に伸び全身を包み込むと『パリン』と音を発ててヘカトンケイレスの全身を砕いた。
「雑魚がいくら居ても、あたしらには勝てねぇよ。あの世に行ったら、冥龍に伝えとくんだな」
 流れる星の様に宙を舞うと、強烈な蹴りをヘカトンケイレスに与えて流石が言う。
「ヘル、よくここまで戦線を維持してくれたね。僕も頑張るでございますよ!」
 アスファルトとの摩擦を利用して、右足に炎を纏うとラグナシセロは、その紅く燃ゆる足で、ヘカトンケイレスを激しく蹴り上げ叫ぶ。
「ゾンビはホラー映画の中だけで十分でございます!」
(「 ローカストといい、ヘカトンケイレスといい、暴走ばかりね。力のぶつけ合いってシンプルだからいいけど、複雑ね……。一般人や作戦を優先させる事が多いのも、ケルベロスの辛いところよね」)
 心の中での呟きは、あくまでも普段のシャルロットとして、だが戦場で見せる表情は戦いを好む勇ましい竜人として、シャルロットは刀を頭上高くに掲げる。
「私の瞳に映る敵は全て糧とせん。刻め!」
 シャルロットは瞳に映るヘカトンケイレスを睨み据え、ただ真っ直ぐに青と黒が混じった斬撃を力強く振り下ろす。
 シャルロットの刀の切っ先が完全に地を向けば、ヘカトンケイレスは両に切断されてそれぞれ『ベチャッ』と言う不快な音を発てて崩れる。
「イード! 最後の1体だよ。動きを止めるんだ!」
 レクトの言葉に、金の髪の少年は穏やかに頷き、ヘカトンケイレスの動きを縛る。
「ジョー! 俺の家族が極めた回復術で完全回復させる、決めてくれ!」
『家守』と言う名の呪いの籠手を依代にして、アスカロンは霊の力で気を高めて行く。
 更にアスカロンは、『気』の流れを『龍脈』と呼ばれる力を操る為に行使する。
「邪を討ち払う力を貸してくれ……『尋龍点穴』!』
 アスカロンの造った気の流れは、ジョーの傷ついた両足をも一気に癒して行く。
 両足の完全回復は、カンガルーのウェアライダーであるジョーの真骨頂である足技を必殺のものに変える。
「そこで震えて止まってな!!」
 ジョーが力強く、大地を踏みつければ、その振動は地面を伝い、グラビティの衝撃となって最後のヘカトンケイレスを襲った。
 足元からのエネルギーでズブズブと崩れて行く、ヘカトンケイレス。
「……震える暇も無かったな。お前らが奪える命は無抵抗な一般人だけ……それも、俺達が居る限り出来ねえ事なんだがよ」
 腐臭が漂う夜の漁港に、ジョーの声が低く響いた。

●残滓
「……帰る」
 ホワイトは、全てのヘカトンケイレスが肉塊に変わったのを見ると、既にそれに全く興味のない様子で、その場を去って行く。
「では、自分は人々に危険が去った事を伝えて来ます」
 戦闘中、一切開かなかった口から、それだけを言うと遊鬼は人々の避難先へと歩いて行く。
「レクト様、ヒール作業を手伝うでございます」
「ありがとう、ラグナさん。大きな被害も出ていないし、すぐに終わるでしょう」
 ラグナシセロが申し出ると、レクトは微笑みながらヒールグラビティの力を広げて行く。
「ヒールが終わり次第、ヘリオンに戻る?」
「いや、もう少し待とうぜ。アスカロンが何か調べてっから」
 穏やかな口調でシャルロットが聞けば、流石がアスカロンに視線を流しながら言う。
「どうだ? こいつ等の肉塊で何か分かることはあるか? もう形状を保てなくなり始めてるみたいだが」
 ジョーがヘカトンケイレスの死骸を入念に確認している、アスカロンに問う。
「幾十幾百の魂の残滓が集まって……これ程の力を引きだしたんだ……ドラゴンに一矢報いる何かが見つかれば……」
 アスカロンが、そう口にした時だった。
 ヘカトンケイレスの肉塊から、ほんの少しのグラビティ・チェインを宿した、命の残滓が淡く光った。
「……力を俺に預けてくれるのか? ……こんな形でしか『お前達』を救えなかった俺に。……その遺志……確かに受け継いだぞ。これが何かの手がかりになるかもしれない……いや、ならなかったとしても……お前達を忘れない為に、俺はこの残滓を持ち続けよう……だからどうか安らかに……」
 言葉を紡いだアスカロンが瞳を閉じると、ヘカトンケイレス達の肉塊は霞の様に空に吸い込まれて行く。
 アスカロンが手にした、ほんの僅かな残滓だけを残して……。

作者:陸野蛍 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年11月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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