●小さな変化
ミス・バタフライより使命を受けたふたりの螺旋忍軍は、傅くように頷いた。
「つまり、その者の仕事を確認し、可能であれば殺せばよろしいのですね」
「その通りです。グラビティ・チェインは好きにして結構です」
螺旋忍軍のひとりは道化師風の様相で、もうひとりはサーカスの団員のような格好をしている。前者の方が格が上らしい。
「かしこまりました。わたくしめには想像も及びませんが、この件が始まりとなって、地球の支配権を揺るがす事態とまでなるのでしょう」
道化師風の螺旋忍軍が恭しく礼をする。
「しかし、ドーナツ屋ですか。さして珍しくないような……」
「ただのドーナツ屋ならばね」
「ただの、ではないと?」
「そう、彼は移動販売型のドーナツ屋なのです」
●環状のせかい
バタフライ効果というものがある。
螺旋忍軍のミス・バタフライはこの効果を利用できる能力を持っているようだ。
つまり、小さな事件を引き金とし、自分たちに有益な大きな効果を得ることが出来るのである。
「た、たいへんです!」
説明の真っ最中にリリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775)が割り込んできた。
「アホ毛がどーなつにささりません!」
何度やっても貫通しないで引っかかってしまうようだ。素直にそのまま食べればいいのに。
さてドーナツ好きのアホ毛が閃いたのは、ドーナツ屋が螺旋忍軍に襲われるということだった。
「その予想に基づいて調べてみたわけです。そしたらまぁ的中しました」
リリウムのことは放置して、ヘリオライダーの茶太が話を進める。
ただドーナツ屋といえば珍しくないだろう。しかして、キッチンを内蔵した車で販売するドーナツ屋となれば、あまり見かけない。
「たまーにいますよね。公園とか大きな駐車場とか。パン屋とかもあるかも」
ちょっと高級感出していて、高めのものが多いイメージ。でもなんだか並んで買うだけでも楽しい。
「今回狙われるのは、ここ最近とある大型家電量販店の入口近くで営業しているドーナツ屋さんですね」
だれも人のいない早朝にやってきて仕込みを始め、電器店のオープンと同時に販売開始。日が暮れる頃に撤収するといった具合だ。
「螺旋忍軍が現われるのは早朝、周りは気にしなくて大丈夫です。ただドーナツ屋さんを守って戦ってくれれば」
しかし、敵の狙いはあくまでドーナツ屋の殺害。執拗に狙ってくるとなれば、守りきるのは難しいかもしれない。
「そこでひとつ、案があるんですよ。敵が現われる日まで数日ほど時間があります」
敵がドーナツ屋を狙うというのなら。自分たちがドーナツ屋になってしまえばいい。
「ドーナツ屋さんに事情を話して仕事を教えてもらえば、螺旋忍軍の狙いをこちらに向けることが出来るかも」
ドーナツいえど職人なのだ。プロ級の能力とは言わないまでも、見習いくらいには言われるようになっておきたい。
そうすれば、自分たちがドーナツ屋だと偽り囮になることが可能だろう。
「どうやってドーナツ屋だって敵に見せつけるかって? それは自分の作ったドーナツをみせるしかないんじゃないかな」
螺旋忍軍は食べないだろうけど。
だが、敵を信じ込ませることが出来れば、敵の注意をこちらに向けるだけでなく、ドーナツ作りの技術を教える名目で有利な状況に持ち込める。
「試してみる価値はあると思いますよ」
ドーナツを作って有利になる。こんな良いことはないのだ。
「放っておけば大変なことになるというのはもちろんですけど、何より一般人の犠牲を見過ごす事はできません。どうかよろしくお願いします」
最後に茶太は頭を下げた。
そうして話が一通り終わったと判断したケルベロスのひとりが尋ねた。
このドーナツ屋の名前は何なのかと。
「円環の理」
参加者 | |
---|---|
結城・レオナルド(弱虫ヘラクレス・e00032) |
ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214) |
ウォーレン・ホリィウッド(ホーリーロック・e00813) |
リリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775) |
ハチ・ファーヴニル(暁の獅子・e01897) |
ラズ・ルビス(祈り夢見た・e02565) |
ピリカ・コルテット(くれいじーおれんじ・e08106) |
アンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974) |
●導かれし者たち
店長に話を通して弟子入りしたケルベロスたち。
「どーなつの平和を守るためにやってきました。わたしが来たからにはもう安心です!」
だいたい最初はそんなノリからはじまった。リリウム・オルトレイン(星見る仔犬・e01775) のアホ毛がびよよんと揺れる。揺れた理由は明白、隣にいた結城・レオナルド(弱虫ヘラクレス・e00032) の方を向いたためである。
「な、なんでこっち向いてるんですかねえ」
「らいおんさーんっ」
「あ、ちょ、やめ、引っ張らないでッ」
らいおんさんのたてがみはひっぱるもの。
「ドーナツまで狙われるなんて、 おちおちリリウムちゃんが買いにも行けないよね」
これは大変とウォーレン・ホリィウッド(ホーリーロック・e00813) が頷く。最初から保護者パワー全開。
「保護者なら注意してくださいっ」
らいおんさんの悲痛な叫びが聞こえるけど何も言わない。子供は自由に生きるべきである。
「そんなことよりドーナツです!」
「ドーナツ! ドーナツ! えいえいおー!」
王者の威厳はそんなことでスルー。ピリカ・コルテット(くれいじーおれんじ・e08106) とアンゼリカ・アーベントロート(黄金騎使・e09974) が並んでテンション高くして腕を振ってる。
きあいはじゅうぶんだ!
といったところでアンゼリカがぽつり。
「……ほんとはこういう風にはしゃぐキャラじゃないのだがね」
「そーなんですか?」
「形からということで」
「じゃあこーしてください!」
ばっ、とピリカが両腕を開き気味に上にあげたのでそれに倣う。
「せーのっ、こんちはー!」
「こんちはー!」
全身全霊満面笑顔の挨拶。特に深い意味はない。ただただ楽しそう。ボクスドラゴンのプリムさんもちっこい両手をがんばってあげて笑顔。
「おおお、気合入ってるっスね。でもこの修行、負けねっス!」
そんな二人を見てハチ・ファーヴニル(暁の獅子・e01897)がぐっと拳を握りこむ。そこでクールに一言加えるのがラズ・ルビス(祈り夢見た・e02565) だ。
「……修行は勝ち負けではありませんが」
「はぁ……修行、ドーナツ屋、修行……っス……」
「……」
変なトリップを始めたのでラズはそれ以上関わるのをやめ、とりあえずミミックのエイドさんの姿を探すことにした。
いた。ラトゥーニ・ベルフロー(至福の夢・e00214) とリリさんとエイドさんで並んで座ってた。
そして左から順に看板も立てかけられていた。
『試食』、『廃棄』、『治療』。
「……」
考えないことにした。
●オンリーワン
お手伝いメインにしよう、ピリカはそう考えた。
「いらっしゃいませーっ、円環の理に導かれたドーナツでーすっ」
プリムさんと並んで笑顔で売り子。誰が見ても天職だった。
「ありがとう、あなたが来てからお客が増えた気がするよ」
「いえいえっ」
店長が感謝を述べながら運んできた焼きたてドーナツを袋に詰めながらピリカは言葉を返す。
「ま、ホントはみんなの試食も手伝ってほしかったんだけどね」
店長が後ろを振り返る。
「一部、地雷が紛れ込んでるからねぇ」
ラトゥーニが倒れ伏して悶絶していた。リリさんは口を開けたまま動かなくなっていた。エイドさんはそんな二人を甲斐甲斐しく看病していた。
「ぇ……ぇんかん、の、おことわり……」
なんかダメそう。
目に見えた地雷なら大丈夫なのだ、あっさり避けるから。ちゃんとかんばってそれなりの形になって、その結果微妙に失敗しているせいでこの始末。
こうなった理由は明白。
「うおー、強力粉ー薄力粉ー!!」
「ちゃんと測りとふるいを使ってください」
どばあ、ばさあ!
「こねるっスー!」
「叩きつけないでください、車壊れそうです」
どったんばすんっ!
「揚げるっス!」
「きつね色になるくらいでさっと揚げます……あっ、早すぎ」
ざばしゃー。
「できたっス、試食っス!」
「生焼けです」
という悲しいことがあったのである。というわけで、現在ハチはじっくりレシピを勉強してたラズの指導を受けながらドーナツ作りをしている。弟子が弟子に教わる現状。
「……学ぶことは、良いのです。しかし……そのような悲劇を、作り出させるわけにはまいりません」
とは彼女の言。
「セリフの使いどころが間違ってる気がする」
それはさておき、参考になる部分は多々ある。早速実践してみるアンゼリカ。
「思ったほど力を入れるものではないようだな」
軽くトントン、ゆっくりまぜまぜ、ていねいにこねこね。
「……これ、かえって筋力がつきそうな気がする」
勢いはつけずにゆっくりと力をかけていくのだから。
「さて、皆の様子は……」
手順はだいたいOK。改めて周りを見る。
ドーナツの穴にアホ毛が通してあった。
「頭にドーナツを乗せましょう」
「はいです!」
レオナルドの言葉に従い、ドーナツを頭に乗っけるリリウム。
ドーナツはかぶるものではない。
「ひとつ、ふたつ……みっつ! いまです、一気にドーナツを仕上げるのです!」
「はいですー!!」
頭の上にドーナツ3個、そこからひょこりとアホ毛が突き抜けてる。
微笑ましく見守っていたウォーレンではあるが、ラストが心配。揚げるから。
「リリウムちゃん、油がハネるかもだから注意してね」
「はねました!」
「ええっ!?」
「アホ毛が!」
「えええええっ!」
ぴんぴんーと跳ねるように舞うアホ毛が飛び散る油を弾く。
「というか、そんなに油を弾いたら……」
ぼっ、と嫌な音がした。
「お店が火事になってしまうかも……って燃えてるよ!?」
「消火消火!」
すばやくレオナルドが鎮火し、ウォーレンがリリウムを抱え込む。
「ふぅ……気を付けないとね。大丈夫?」
「た、たいへんなことに……どーなつこげちゃいましたー!」
怪我はなかったようである。
それでも、件の日の前日夜にはそれぞれのドーナツが仕上がった。
「みんな、今日までよく頑張ったね……」
店長の前に並べられたケルベロスたちの力作の数々。ひとつひとつを味わった店長の表情が引き締まる。
「結果は……」
ごくり、と誰かが固唾を飲んだ。
「全員合格だよ!」
わあと小さな歓声が上がった。そこで手を挙げるピリカ。
「はいっ、てんちょー!」
「なんでしょう?」
「合格とかそんな話でしたっけ?」
「気分だよ!」
「なるほどっ」
納得。
これで準備は整った。あとは螺旋忍軍を待ち受けるのみ。
●螺旋は巡らない
あからさまに怪しげな二人組が現れたと聞いて、レオナルドは店長を下がらせて立ち上がった。
「導かれて来ましたね、円環の理に……」
そして二人組を案内する、彼が用意した風雲ドーナツ城(屋台)へと。
「ここで修行を行うことでドーナツ技術が身につくということですね」
「んごー、ふごー」
どんな修行でも耐えてみせようという意気込みの道化師と火吹き男。そこへレオナルドがさらに続ける。
「先ずはドーナツの気持ちになるために頭にドーナツを乗せて修行をして貰います」
「えっ」
「ほら、先輩もそうしてます」
示した先にいたのはリリウム。ドーナツが頭に乗りっぱなし。
「えっ、ほんとに?」
「どーなつの秘伝、それはどーなつはぱわーです!」
「は?」
「てくにっくなどーなつもあります!」
そうるなどーなつもあるのだろうか。
「……」
「確かに、ドーナツ作りを学ぶならばそこは抑えておくべきですね」
神妙にラズが頷く。ならば仕方ないとドーナツを頭にかぶる道化師たち。
「それで、何から始めればいいのでしょう?」
「えっ、えっと」
いきなり話を振られて動揺するピリカ。ここで下手なことを言っては怪しまれる。どうしたものかと思い巡り巡らせる。
「そ、それではですね、その……」
おろおろおろおろ。
「うわあん、ごめんなさいっ!」
「え、ちょ!? なんで泣くんだ!?」
いきなり落ち込みだしたので、慌ててアンゼリカがなだめる。ドーナツあげたら落ち着いた、よかった。
「ええと、それで?」
道化師も困惑。
「とりあえずうさぎ跳びから、どうぞ」
「は?」
ウォーレンの言葉に耳を疑う。だがしかし。
「うおおおおおドーナツっス! 修行っスぅぅぅぅ!!!」
全力でうさぎ跳びしているハチの姿があった。
「……」
「一理あります」
ラズが頷くので道化師たちはうさぎ跳びを始めた。
数時間ほどたったろうか、突然物陰から箱が飛んできた。ガゴンっと道化師の顎に直撃する。
「な、なにごと……はっ、これは!」
リリさんだった。すでに戦闘準備はOK。変なものでも食べたのかちょっとエクトプラズムの色が不健康だけど。
「アンブッシュは1回まで……」
姿を現すラトゥーニ、奇襲に対応できないほうが悪いのだ。
「貴様ぁ……そうか謀ったな!」
「ここから、は正面対決……ゎたしも、得意技」
ケルベロスと察したのだろう、道化師がすぐさま態勢を整え、攻撃に備える。
「やらない」
ラトゥーニは座り込んだ。
「……は?」
「隙アリっスーッ!!」
腰に手を当てて、居合抜きで振り抜こうとするハチ。なのだが今日は刀を置いてきてしまったので、思いっきりスカった。
「と見せかけて爆破っス!」
道化師が爆発した。遠隔じゃない気がするけどまあいい。
「騙しましたね……許しませんよ!」
たぶん本当にうっかり。しかしだましたというのはドーナツの件も含まれているだろう。
「こうなればこのリングで全員を皆殺し……ああっ」
一歩を踏み出そうとした道化師だが、身体を支えられずに膝を曲げてしまった。
「足に力が……まさかこれを狙ってうさぎ跳びを!?」
「いや、鍛え方が足りないだけだ」
アンゼリカの放った光が道化師を襲い、その身体を石へと変えていく。動きが抑えられたところで、道化師を大きな影が覆った。
「はああ!?」
「巡る運命より来るもの、それがドーナツというものだッッ!」
レオナルドが風雲ドーナツ城を力ずくで持ち上げて、叩き落す。壊れはしない。だってグラビティだもの。
「だが、この程度では……我らが主のために!」
力を振り絞り道化師がリングを投げつける。敵を斬り刻むべく飛来した円形の刃がリリウムの身体を斬り刻まんと迫る。
すぽん。からころ。
輪投げのようにリングがアホ毛に引っかかって止まった。
「……」
「……」
「きょうのえほんはこちらです!」
いたたまれない空気をなかったことにしてリリウムが絵本を開いた。今回現れたのは、小型のぶたさん。ペットなのだろう、鮮やかなおべべを身にまとい、大事にされている様子が見て取れる。
でも、目が死んでる。
飼い主の愛に縛られ、人生もとい豚生を達観してたりなんだったり。
「かなしみをまとうごとに、そのからだはおおきく、彼女は巨大ミニブタに……」
ずんずんと膨らんでいくぶたさん、その前で道化師はすでに動かなくなっていた。
「……あ」
ラズの指示で、エイドさんが道化師をめちゃくちゃがぶがぶしてた。
ぶたさんは消えた。
怒涛の勢いで道化師が倒された事実に動揺する火吹き男だったが、すぐに気を取り直したようだ。
「んごー!」
燃え盛る炎がウォーレンを覆う。手にしていたドーナツが焼ドーナツになってしまった。
「螺旋の力と円環の理は相容れない存在だよ……」
「それでいいんですかっ!?」
慌てて癒しに来るピリカ。ウォーレンの傷は塞がったが、焼ドーナツは元に戻らなかった。
「プリム、攻撃とか防御とかヒールとかがんばってねっ」
「!?」
曖昧すぎる命令にプリムさん困惑。でも取り合えず火吹き男に向かっていった。
とはいえこの勢い。集中攻撃で火吹き男を倒すまでそう時間はかからなかった。
●おちる青
無事敵も倒しきったあと、店長からはたくさんのドーナツと暇をもらってしまった。曰く。
「教えることはもう何もないよ」
というわけで、各々の作ったドーナツやお土産ドーナツを楽しむことにした。
「チョコレートドーナツかとおもったら意外に苦いですね」
「コーヒーをどばーっと混ぜたからな」
こげ茶色で強張った感じのドーナツをたべたレオナルドを前にアンゼリカが胸を張る。
「でも、可愛らしくかざってあるじゃないですか」
「このコンデンスミルクと……あれ、これマヨネーズ?」
「……」
「よし、生卵も落とそう」
「やめてください」
全力で拒否。
「レオナルドはもちもちのリングなんだな」
「それだけではありませんよ」
アンゼリカの言葉に笑いながら猫顔のメロンパンを差し出す。
「これをもちもちリングにはめると……」
「らいおんさんですー!」
「ぐわーっ」
横からすっ飛んできた子犬がたてがみポンデを食いちぎってしまった。
「おいしいですー」
「あ、リリウムさんはオールドファッションなんだねっ」
ドーナツをもらってパクリとしつつ、ピリカが荒ぶるアホ毛に語り掛ける。プリムさんもほくほく顔でドーナツ頬張ってる。
「はいです。そのまま食べてもおいしいですし、チョコとか、ストロベリークリームをつけてもおいしいんですよー」
「うんうん」
「原点にして万能! 時代を超えて愛されるどーなつなのです!」
「うん、最後は何言ってるかちょっとわかりませんっ」
「わたしもわかりませんっ」
おいしいからなんでもいい。
「これはドーナツだけど、メロンパン生地?」
デフォルメされたヘビさんが輪を描いて自分のしっぽをかじってるデザインのドーナツ、これはラズのものだ。
「……蛇、緑、メロンという連想です」
「ラズベリーが練りこんであるね」
「私の名前がラズだからです」
ウォーレンの言葉に即答。お堅そうに見えて、言葉遊びをするユーモラスさを持ち合わせている模様。
「ウォーレン様のは……オレンジでしょうか?」
オレンジピールを練りこみ、オレンジのアイシングをかけたオレンジドーナツ。
「……なぜでしょう、どこか懐かしい……」
「ぉふくろの、ぁじ」
「……そう、それです」
突然のラトゥーニの出現にもかかわらず頷くラズ。ウォーレンは嬉しそうにしてるので問題ない。
「これがリリのどーなつ」
ラトゥーニが言うとリリさんがドーナツを差し出してきた。
「リリさんがつくったっスか!?」
「せかぃはつ、のりょーりさーばんとだー」
世界初かはともかくなかなかおいしいサーターアンダギー。エイドさんやプリムさんも満足の様子。
「自分よりもウマいじゃないっスか!」
ちなみにハチもちゃんと作ることはできた。普通においしそうだし、実際おいしかった。ただ普通すぎて話題にしづらいだけ。
「あ、そうだ。これ食べてみたかったんスよねぇ」
そういってお土産からひとつのドーナツを取り出した。
ミントソーダクリームドーナツ。なんか妙に青い。
食べてみる。
「お、意外といけるっスね……ん?」
するとドーナツの包み紙の奥にメッセージが書かれていることに気づいた。
読み上げてみる。
「――あたしって、ほんとバカ」
なんのことだかさっぱりわからなかった。
作者:宮内ゆう |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年11月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 8/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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