●ローカストに未来は……
「朕の臣民共よ、奮励せよ、邁進せよ! 黙示録騎蝗による勝利を、朕に捧げるのだ!」
ローカストを支配する、太陽神アポロンの叫びが、山の空気に虚しく響く。
周囲に集うローカストの重鎮達は、ローカスト達の窮状を訴え、黙示録騎蝗の中断を願い出るが、太陽神アポロンは聞く耳を持たなかった。
既に限界を迎えたローカストの中には、理性も知性も失い、黙示録騎蝗の軍勢から脱落していくものも出始めている。
このままでは、ローカストという種族すら滅びかねないだろう。
だが、それでも、太陽神アポロンの権威はローカスト達を縛りつけ続ける。
「朕を崇めよ、ローカストを救う事ができるのは、黙示録騎蝗と太陽神アポロンのみであるのだ」
この呪縛は、太陽神アポロンが黙示録騎蝗の中断を命じるか、或いは死ぬまで続くだろう。
或いは、グラビティ・チェインの枯渇によって理性を失うその時まで……。
鳥取県八頭町の郡家駅。
この地にいきなり現れた4体のローカスト達。いずれも、ホタルが人型をとったようなローカスト達だった。
「オアアッ、オアアアアアアアッ!!」
「グ、グアアアアアッ!」
完全に理性を無くしたそのローカストらは、グラビティ・チェインが枯渇したことで、現地の人々へと襲い掛かる。
そいつらは見境なく一般人へと飛び掛かる。そして抵抗できぬ人々へと問答無用でかぶりつく。
がりがり、ぼりぼりと嫌な音を立てて頭から骨すら残さずに喰らっていった。
「ローカストが襲ってきたぞ!」
「助けてぇ、いやああああっ!」
理性があれば、話も出来たかもしれないローカスト。だが、極度の飢餓に見舞われた彼らに、言葉はもう通じない。逃げねば殺されてしまうと、人々はローカストから逃げ出そうとするのだが……。
「ウアアアッ、オアアアアアアッッ!!」
ローカスト達は羽根を羽ばたかせて、次なる一般人を強襲する。そいつらは口元を、体を返り血で真っ赤にしながら、グラビティ・チェインを求めて人々を貪り食っていくのである……。
「皆、ようこそ。いつも、お疲れ様」
ヘリポートへとやってきたケルベロス達。彼らを出迎えたのは、リーゼリット・クローナ(ほんわかヘリオライダー・en0039)だ。
「阿修羅クワガタさんとの戦い、勝利できて何よりだよ」
彼女は作戦の参加者を労う。広島のイェフーダー事件、そして、阿修羅クワガタさんの挑戦を阻止したことで、ローカスト残党の勢力は大きく弱まっているはずだ。
「ただ、ローカストのグラビティ・チェインの枯渇は、悪い影響もあるんだよ……」
この直後から、グラビティ・チェインの枯渇により理性を失ったローカスト達が、人里を襲撃する事件が予知されたのだ。
現れるローカストの数は4体で、いずれもゲンジボタルをベースとした人型をしている。彼らは、食らいつき、飛び掛かりといった攻撃、そして、ホタルということもあって、腹部の後方を光り輝かせて相手を怯ませることもある。
「元々、それほど力の強いローカストではないけれど……、飢餓状態の彼らは予想以上の力を発揮する可能性もあるよ」
現場は、鳥取県八頭町の郡家駅の周辺だ。上空から現れたローカスト達は、すぐにその場にいる人々へと襲い掛かろうとするが、幸い、ローカストが現れたタイミングは、駅周辺には現地の人々はほとんどいない。
「駅で迎撃しようとすると、飢餓状態のローカスト達は、ケルベロスとの戦闘よりも人々の襲撃を優先してしまう可能性があるね」
もちろん、ローカストの目的はグラビティ・チェインの取得。くれぐれも注意したい。
「あと、この地に向かってくる途中のローカストを狙うこともできるよ。一直線にこの地を目指すローカストの発見は比較的容易だけれど……。発見に失敗した場合のリスクが非常に大きいんだよ」
万が一、発見できなかった場合、ローカストは村を襲撃し、多大なる被害が出てしまうことは想像に難くない。
「ただ、だからといって、皆がチームを分けてローカストに立ち向かうのは危険だよ」
戦力を分けると、返り討ちに遭う危険も高まる。基本的にはどちらかの作戦を取るかを決め、ローカストから人々を守るように立ち振る舞うよう戦いたい。
説明は以上だよと話すリーゼリット。彼女は少しだけ言葉を溜めてから、さらに口を開く。
「ローカスト達には、もう言葉が届かない」
ケルベロス達にも思うことはあるかもしれないが、それが現実。危険に晒された人々を救う為にはもはや倒す他ない。
「……だから、全力でローカスト達を撃破してほしい」
リーゼリットはケルベロス達へとその討伐を託すのだった。
参加者 | |
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シアライラ・ミゼリコルディア(天翔けるフィリアレーギス・e00736) |
ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584) |
湯島・美緒(サキュバスのミュージックファイター・e06659) |
アクエリア・アップルゲイト(咲き誇る命の花・e13812) |
アム・クローズ(漆黒の救済美少女・e24370) |
アーシィ・クリアベル(久遠より響く音色・e24827) |
アスカロン・シュミット(竜爪の護り刀・e24977) |
シェーラ・エクリプス(暴走銀拳・e30827) |
●ヘリオンで現場へ……
現場に向かうヘリオン内。
ケルベロス達は戦いの為の準備を行う。湯島・美緒(サキュバスのミュージックファイター・e06659)は大事なギターのチューニングをしっかりと行っていた。
「それにしても、全く勝てる見込みもない状況で部下を追い込むっていうのは、上に立つ者として如何なものと思うな」
豪放磊落な印象のシェーラ・エクリプス(暴走銀拳・e30827)は素直な感情を口に出す。アポロンという奴はさぞかし無能なのだろうと。
「アポロンも酷いことするねー……」
「アポロンも……もはや己が臣民の声にさえ、聞く耳を持たぬとは……。只の暴君と成り果てましたか……」
太陽神と呼ばれるアポロンの独裁。アーシィ・クリアベル(久遠より響く音色・e24827)は部下達に同情を見せる。ミルフィ・ホワイトラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・e01584)も、アポロンに怒りすら覚えるが。今は理性を失って襲い来るその部下のローカストを対処するのが先だ。
「理性が消失した蟲達による襲撃……。彼らに後はもうないのね」
ならば、私が最後まで導いてあげようと、アム・クローズ(漆黒の救済美少女・e24370)は意気込んで見せた。
そのそばで、仲間達の会話を聞いていたのは、チーム唯一の男性、アスカロン・シュミット(竜爪の護り刀・e24977)だ。
(「彼の妹2人は昔、デウスエクスの襲撃で滅んだ村の孤児」)
アスカロンは自らの過去を思い出す。その時は、父が2人を守ってくれた。
今度は自分達が頑張る番。アスカロンは傷跡のある右腕を見て、その拳を握り締めるのである。
●ローカストはいずこに……
鳥取県八頭町。
この地に降り立ったメンバー達は、郡家駅を目指すローカストの姿を探す。
シェーラは双眼鏡を使って周囲の警戒をしていた。美緒も出来る限り迎撃が出来るようにと、肉眼、時に双眼鏡と交互に索敵を行う。その際、隠された森の小路も使って歩きやすくするよう心がけていた。
今回参加のメンバーは、シャドウエルフのシェーラを除き、いずれも翼を持つ種族ということもあり、半数以上のメンバーが空を飛んで散開しつつ敵影を探す。
アムは駅までの道程を光の翼で舞いながら辺りを見回していた。同じヴァルキュリアのアーシィも双眼鏡で遠くを見渡す。
天使の翼で羽ばたくのは、シアライラ・ミゼリコルディア(天翔けるフィリアレーギス・e00736)だ。索敵を行いながらも、シアライラは携帯電話を気にかける。一応、全員が目視で確認できる距離にはいたが、有事の際の連絡はこれで取り合う手はずとなっている。
(「人々の集まる駅前まで、到達させる訳には参りません。その前に必ず見つけ出します」)
こちらも、オラトリオのアクエリア・アップルゲイト(咲き誇る命の花・e13812)。即座に着地できる体勢をとりながら、彼女は探索を行う。相手も飛行している可能性がある為、アクエリアは真下だけではなく、正面、左右も確認して飛んでいた。
悪魔の翼を広げていたのは、ミルフィだ。彼女はスーパーGPSで自己の位置を把握しつつ、地上と上空にそれぞれ気を配る。
アスカロンは竜の翼で舞っていた。スナイパースコープを使って見回していた彼は、何かを発見する。尾を光らせて地上近くを飛び、駅へと近づいてくる集団。アスカロンはすぐに天聞の籠手で仲間と連絡を取り合う。
少しして、集まるメンバー達は敵の進行方向に集まり、半円状に布陣していく。
そこに向かって地面近くをホバーしながら飛んできたのは、ゲンジボタルのローカストだ。彼らは飢餓の為か、目を血走らせて正面に立ち塞がる襲い来る。
その真横から、アクエリアが日本刀で撃ち落そうとした。
「自らの飢えを満たす為に罪も無き人々を襲うとは……。恥を知りなさいッ!」
だが、敵は奇襲にはしっかりと対応して避けてみせる。そして、そいつらは大きく口を開いて食らいつこうとしてきた。
「ウアアアッ!」
口からよだれを垂らし、狂った様な叫び声を上げるローカスト。
「敵だけど、ちょっと可哀相かも……」
「名を尋ねても……もはや、応える事もままならぬのでしょうね……」
アーシィはそのローカストの姿に、憐憫の情すら抱いてしまう。ミルフィも悲痛な面持ちを浮かべていた。
「生命の危機に立てば、何が何でも抗おうと凶暴化するのは本能かもしれません」
シアライラもまた、彼らの状況には一定の理解は示していたが、手にするファミリアロッドをローカストへと突きつける。
「ですが、私達も守らなければならない命があります。残念ですが、倒させていただきます」
「ええ、こうなってしまっては……、『止める』他ございませんわ……」
「ゴメン! 私達も負けるわけにはいかないんだっ」
ミルフィも表情を沈ませたまま、主砲『アームドクロックワークス』をローカストへと差し向ける。アーシィも鉄塊剣を携えていた。
腹をすかせて正気を失う敵。自らも食べることを好むシェーラも、彼らに多少の同情を示してはいる。
「可哀想だが、腹一杯に食わしてやる訳にはいかない。ここで終わらせる」
医療補助型ライトニングロッドを左右の手で構えたシェーラもまた、戦闘態勢を取ってローカストに立ち向かうのである。
●飢えに狂う昆虫人間
飛びつき、食らいついてくるゲンジボタルのローカスト達。
ともあれ、ローカストの注意を自分達に引き付けねばならない。ケルベロスの包囲網から逃してしまえば、グラビティ・チェインを求めるローカストが人の集まる駅へと直行してしまいかねないのだ。
時に強烈な光を発する敵に若干怯んでしまうが、アーシィは仲間の前に立ち、握り締めた鉄塊剣を振り上げる。
「重たい武器はあんまり好きじゃないけど……、せりゃ!」
アーシィは渾身の力で鉄塊剣を叩きつけて行く。重厚な一撃に、爛々と目を輝かせる敵は彼女へと狙いを定める。
逆側では、美緒がバイオレンスギターを手にして演奏を始める。
「今 最後の望みが絶え 虚空の彼方へと消えてゆく……」
絶望しない魂を歌い上げた美緒は、手前のローカスト達を興奮させて自身に狙いを定めさせていた。
「巧くいってくれよ……!」
縛霊手からひらひら舞う形代。アスカロンは一つをローカストに、そして、もう一つを掌……祭壇の上に置き、一閃して二つに寸断した。呪いによって、その痛みは人形を介して相手へと伝わる。思わぬ痛みに、ローカストは苦悶の声を上げた。
「飢餓にあえぐ相手に、このような技を打ち込むのは非道かもしれませんが、仕方ありませんね」
シアライラがグラビティを発動させようとすると、そばにいたボクスドラゴンのシグナスが期待するような目で彼女を見つめた。
「……シグナス、貴方は期待する眼で見ないの」
悪食傾向のあるシグナスを制しつつ、シアライラは頭を抱えて蹲る。すると、周囲に珍味とでも言うべき飴やグミ、サイダーなどが降り注いでくる。シグナスが期待していたのはこれだ。
その異様な味の食べ物は、ローカストの口の中へと入っていくが、地面へと落ちそうになった物は爆発してしまう。
それでも、多少食べ物を口に入れたローカストが満たされることはない。
「貴方達は……、仕える王を……違えてしまわれたのですわ……」
ミルフィはその姿を哀れみながら、空から無数の刀剣を召喚し、ローカスト達の体へと解き放ち、敵の体を乱舞する。
別の敵には、アムがマインドリングから素早く戦輪を飛ばす。さらに、呼び出した氷河期の精霊の力を借りてアクエリアが刃を振るい、ローカスト達の体を氷に閉ざそうとしていたようだ。
だが、ローカスト達は抵抗を続け、己の食欲を満たそうと、狙ったケルベロスを喰らってくる。
シェーラはそれに憐憫こそ覚えはするものの、戦いとならば手を抜くわけにも行かない。
「我が左手は盾! 我が左手は全ての攻撃を防ぐ!」
彼女は自身の左手を盾として展開し、ローカストの猛攻から仲間達を守るのである。
●本能だけで動くローカストを……
ケルベロス達はローカスト達を抑えつつ、攻撃を続ける。
今のところ、美緒、アーシィ、アスカロンの3人がメインとなり、敵を引き付ける。特攻し、かぶりついてくるゲンジボタルのローカスト。その威力はかなりのものだ。
同時に、敵が腹の先から発する光。これが通常のホタルとは違い、眩い光を発してケルベロス達の目を眩ませる。
これに少しでも耐性をつけようと、アスカロンは先ほどと同様に形代を介することで出現させた紙兵を散布し、自分達を守らせようとしていた。
シェーラも敵の攻撃が面倒だと思ったようで、雷の壁を構築することで、攻撃に耐える仲間達を援護していたようだ。
後からはアクエリアが高く飛びあがり、狙いを定めたローカストに流星の蹴りを喰らわせる。続けてシアライラが飛ばす火球を浴び、ローカストは肩を引火させてしまう。
その敵へと、ミルフィも狙いを定めていた。
「貴方を討つには……この腕一本で、事足りますわ……!」
ミルフィは自身の艦載兵器の一部のみを構成し、腕に装着する。そうして狭い場所での戦いでも運用できる形態とした彼女は、伸ばしたドリムアームでそのローカストの体に穴を開け、さらにロケットパンチを撃ちこむ。
連続してミルフィの兵器を味わったローカスト。完全に目と腹の先から光を失い、卒倒してしまったのだった。
なりふり構わず襲ってくるローカストは非常に厄介だ。
それにより、盾となるメンバーの傷が深くなるのをシェーラは冷静に観察し、癒しの雨と緊急手術を使い分けていた。
前方でローカストに飛び掛かられ、美緒が全身に傷を負って息を荒くする。シェーラはすかさず、美緒に魔術切開を行うことで、彼女の傷を出来る限り塞いでいた。
幾分か体力を取り戻した美緒。気づけば、傷も重なっており、仲間の回復の効力が薄れてきていた。それでも、彼女は御業の力でローカストを鷲掴みにし、そいつを押さえ込もうとする。
マインドソードで一度切りかかっていたアムは、そのローカストがひるんだ隙を見計らい、握り締めたロッド、『ファミリア【エキドナ】』の尖端から大量の魔法の矢を発射していく。
(「決まった……!」)
攻撃の度にポージングをするアム。ぐらりと倒れる敵を背に彼女はドヤ顔をしてみせた。
アスカロンも深く息をしながら、食らいつくローカストに母親の形見の籠手、呪具『家守』で殴りかかり、そこから発する霊気の糸で縛りつけようとする。
もがくローカストは、生に縋り付く。それも本能的なものなのだろう。アスカロンはそこで手を上げ、天空から刀剣を召喚し、そのローカスト目掛けて降り注がせる。
その敵の正面では、ミルフィが突きつけたアームドクロックワークスから主砲を叩き込んでいた。いくら生にすがり付こうとしても、さすがにローカストにも限界が近づく。
「一気に勝負を付けます!」
アクエリアは手にする日本刀に全霊力を集中させ、巨大な刃を形成する。それは、彼女が小さく思えるほどの刃だ。
「懺悔すら出来ぬのなら……、ここで散りなさいッ!」
アクエリアはその刃を上段に構え、そのまま縦に振り下ろす。ローカストは中央から真っ二つになり、崩れ落ちていった。
残るは1体。なんとか堪えていた美緒も仲間の援護を受け、バイオレンスギターを素早く爪弾く。
「歌うだけじゃありません!」
それにより、発生する衝撃波。ギターの弦の痛み以上に、ローカストの体が傷ついていく。
それでも諦めないローカストが飛び掛かってくるが、前に出たシグナスが代わりになって受け止め、ブレスを吹き付ける。
すぐ後ろに布陣するシアライラは、物質の時間を凍結させる弾丸を生み出し、飛ばしていく。
「私は差別しない。すべて導いてあげる。そして、分けてあげるの!」
凍りついたそいつに、アムが負の流れを分け与える。トラウマを発生させたそいつは虚空に向けて食らいついていた。
冥府深層の冷気を腕に纏わせてローカストを攻め立てていたアーシィも、なんとか、最前線でローカストの猛攻に耐え切っていた。
「ほらほら、よそ見してると危ないよ!」
日本刀『星河』の刀身を雷の霊力で満たしたアーシィは、虚空を見つめるローカストの胸を貫く。
それが最後の一撃となり、全身の装甲が砕けたローカストは前のめりに倒れていく。
「ふぅ……」
アーシィは滴る汗を拭い、小さく息をついたのだった。
●太陽神を止めねば……!
ローカストを撃破したケルベロス達は、戦場となった街の修復に当たる。
アーシィは光の翼から癒しの奔流を放つことで、破壊された壁を幻想で埋めていく。シェーラも電気ショックを飛ばすことで、穴の開いた道路を塞いでいたようだ。
街の補修に当たりながらも、美緒、シアライラは集落への被害、そして住民の安否を確認していた。
「良い巡りに導かれますように」
倒れたローカスト達へと、アムは涙を流す。
共に歩めなかったことは心残りではあるが、その存在は心に留めて。
「私は私が導いたものを忘れはしない。また逢いましょうね」
アムはそう告げ、祈りを捧げる。
気力を撃ち出していたアスカロンも、徐に目を閉じていた。
「ルルエル……、お前は今無事なのか……?」
ルルエルとは、阿修羅クワガタさんの仲間の1人。とある依頼にて遭遇したアスカロン達が説得したことで、定命化の道があると仲間に伝えてくれているはずなのだが……。
「こんなこと、早く止めさせなきゃね……」
「敵にも味方にも不幸をまき散らすとは。一刻も早く、諸悪の根源を撃たなければなりませんね」
それを目にしたアーシィが、ぽつりと呟く。アクエリアもこの事態を生み出した敵の打倒を誓う。
「色々と手を尽くして、アポロンとかいうアホを叩き潰さないとな」
シェーラの言う通り、太陽神アポロンを倒さねば、この悲劇は続いてしまう。
その為に、ミルフィは他の依頼に当たっているチームと情報共有を図り、太陽神の潜伏先を割り出そうと考える。
「あの暴君を放っておいては……、今回の様な者が増えるばかりですわ……。何とか潜伏先を……」
「んーっと……。たしか、こっちから来たんだよね?」
ミルフィへ、アーシィが地図を眺めながら助言を行う。
うまく、敵を発見できるとよいのだが……。ミルフィは作戦の成功を祈るのである。
作者:なちゅい |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年10月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 8
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