どうあがいても絶望のオサムシ

作者:あき缶

●変わらぬアポロン
 山中にローカストの支配者の声が響く。
「朕の臣民共よ、奮励せよ、邁進せよ! 黙示録騎蝗による勝利を、朕に捧げるのだ!」
 太陽神アポロンのまわりを取り囲み、ローカストの重鎮たちは状況の変化と窮状を必死に訴えていた。
 ローカストは窮地に立たされている。グラビティ・チェインが枯渇し、既に限界に達しているローカストもいるのだ。
 限界を迎え、理性も知性も失ったローカストの中には、黙示録騎蝗の軍勢から脱落していくものも出始めている。
「このままではローカストが滅びまする!」
 懸命な重鎮の叫びも、太陽神アポロンには届かなかった。
「朕を崇めよ、ローカストを救う事ができるのは、黙示録騎蝗と太陽神アポロンのみであるのだ」
 太陽神アポロンの権威という呪縛は、太陽神アポロン自身が黙示録騎蝗の中断を命じるか、或いは死ぬまで続くだろう。
 もしくは、グラビティ・チェインの枯渇によって理性を失うその時まで……。

●岡山県津山市
 黙示録騎蝗から脱落した五体のローカストの家族が、唸りながら森を進んでいく。
 皆、グラビティ・チェインが枯渇し、飢えきった上に理性も知性も失った。発狂したローカストが求めるのは、『飢えを満たせるモノ』それだけである。
「ぐばあああああ」
「うぶるうぶるう」
「ぎゃべばべばべ」
「んぎいいいいい」
「げべれれれれえ」
 意味の分からない声を上げ、ローカストは目についた集落へと駆けていく。
「ぎゃああ?!」
 驚く人間たちを力ずくで押さえつけ、ローカストはその牙を人間の柔らかな皮膚へと突き立てた。そして肉をむしり取っては飲み下していく。もはやグラビティ・チェインなどという単位ではなく、人間の肉を血を直接口にしているのだ。
 聞くに堪えない音と悲鳴、そしてローカストの狂気の唸り声が響き渡る。
 一瞬で津山市のとある集落はこの世の地獄と化したのだった。

●追い詰められたローカスト
 阿修羅クワガタさんの企てを粉砕したケルベロス。広島のイェフーダー事件も解決し、ローカストの残党勢力はかなり弱まっていると想定された。
「ローカストを追い詰めてるっていうのは、ええ兆候なんやろうと思うんやけどな……。でも窮鼠猫を噛むというか、追い詰められたローカストは大人しくでけへんのやね。飢えて苦しんだ挙句、発狂したローカストが集落を襲うんよ」
 香久山・いかる(天降り付くヘリオライダー・en0042)が予知した事件。それは、理性を失ったローカストが、人を喰らうために襲撃してくるという凄惨な事件であった。
「場所は、岡山県津山市の山間部にある集落や。お年寄りが多い地域やね」
 襲ってくるローカストは、オサムシ型の家族らしき五体。すべて理性も知性もなく、ただ食欲のみで特攻してくる。
「普通なら、そう強くもない個体やねんけど。みんな発狂してるわ飢えてるわで火事場の馬鹿力を発揮してくるかもしれん。油断せんといてな」
 ケルベロスの現場到着予定時刻は、オサムシローカストによる事件発生時刻よりも早い。
「集落で迎え撃つか、向かってくる途中のローカストを見つけて倒すか、二者択一やね」
 集落で迎え撃つ場合、ローカストはケルベロスとの戦いよりも、住人を貪り食うことを優先する。しかし、老人を別所に避難させるだけの猶予はない。
 一方、向かってくる途中のローカストを発見して倒す場合、一直線にやってくるであろうローカストを見つけるのはそう難しくはないはずだが、仮に失敗すれば、集落に甚大な被害が出るだろう。
「あ、二手に分かれるのはアカンで」
 いかるは老婆心ながら忠告する。
「相手はケルベロス八人で互角の強さや。二手に分かれた場合、合流する前に各個撃破されてオシマイやで」
 連絡して救援を呼んでも、仲間が駆けつける前に玉砕してしまうことは想像に難くない。八人は固まって行動すべきだ。
「可哀想やけど、こうなってしまうと倒すしかあらへん。……せやけどこんなに飢えて発狂してまう脱落者ばっかり出たら…………ローカストっちゅう種族の行く末も長くはないんかもしれんな」
 いかるはどこか悲しげな目をするのだった。


参加者
フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)
メイザース・リドルテイカー(夢紡ぎの騙り部・e01026)
揚・藍月(青龍・e04638)
シャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104)
サイファ・クロード(零・e06460)
リミカ・ブラックサムラ(アンブレイカブルハート・e16628)
八島・トロノイ(あなたの街のお医者さん・e16946)
白銀・夕璃(白銀山神社の討魔巫女・e21055)

■リプレイ

●救えない連中
 ヘリオンで降下したケルベロスは集落から森を見渡していた。
 飛べるものは行けるギリギリまで高く、飛べないものは住民に家から出ないようにと叫ぶ。
 おもったより集落は広い。一軒一軒回って自宅待機を訴える余裕はないから、集落の入口でメガホン越しに声を枯らすしか無い。
「ご近所さんにも教えてあげてください!」
 と白銀・夕璃(白銀山神社の討魔巫女・e21055)が言うまでもなく、集落特有の連帯で早々に老人たちは屋内に引きこもった。
 一方、索敵する三人が滞空する地上五十メートルの視界はかなり広い。周囲は木々に囲まれ、地表は見えないが。
 メイザース・リドルテイカー(夢紡ぎの騙り部・e01026)は飛行仲間に、範囲を分担しようと提案した。
 三人もいれば、辺り一面をカバーすることが出来る。異を唱える理由はない。全員が背中合わせに注意深く山を睨む。
 ふとシャルロット・フレミス(蒼眼竜の竜姫・e05104)は、前方の木から鳥が大量に飛び立つのを見た。鳥はまた木に戻ろうとしては飛び立つ。一直線の軌跡。
「……いたわ」
 彼女の指差す先を視認し、メイザースと揚・藍月(青龍・e04638)は頷き合うと、地上の仲間に敵接近を知らせた。
「行こう」
 サイファ・クロード(零・e06460)が硬い声で言う。
 ケルベロスはシャルロット達が飛んでいく方角へと走る。森の上で徐々に高度を下げるのは困難だ。シャルロット達はさっさと高度を下げ、森を走るケルベロスに合流した。
 相手は直線的に走ってくるという。鳥が騒いだ方角へこちらも一直線に走れば自ずと会敵できるはずである。
 八島・トロノイ(あなたの街のお医者さん・e16946)の狩猟服の力で、木々が避けてくれるからケルベロスの速度はそこまで落ちはしなかった。
 ぐるるる……と前方より獣じみた唸り声が聞こえてくる。
 サイファの動物知識は、この唸り声は地球上の獣のものではないと告げている。
 つまり、理性の欠片もない唸り声の主はローカストだ。
「近いぞ」
 ガサッと茂みが揺れ、オサムシ型ローカストが遂に姿を現す。
 邪魔者に、ローカストは絶叫する。
「ぐがあああああああああ!!!!」
 フラッタリー・フラッタラー(絶対平常フラフラさん・e00172)は呟く。
「物言えば唇寒し秋の風」
 相手の境遇を哀れとは感じつつも、半端な同情は返って侮辱にあたるとフラッタリーは思う。
 故に、吠えることを選んだ。
「サァ、吠エラレバ吠ヱ返シ……ァ嗚呼AaAAAアア!!!」
 咆哮が混じり合い、双方ここで相対する――はずだった。ローカストが通常であれば。
「止まらないロボ!?」
 リミカ・ブラックサムラ(アンブレイカブルハート・e16628)はケルベロスを押しのけ、もしくは迂回してでも集落へと向かおうとするローカストの反応に驚愕する。
「止まるロボ! ここから先にはいかせないロボ!」
 リミカの制止もローカストは聞こえていない様子である。
「声も心も、もう届かないロボか……!」
 フラッタリーやトロノイは自らを軽く傷つけ、血の匂いをまとわせていたが、少量の血の匂いでは、五十人あまりいる集落から漂うグラビティ・チェインの気配には負けるのだ。
「存在が罪……害虫ね。早く絶滅させてあげるわ。」
 青白の光る剣を構え、シャルロットが超加速で飛び出す。ローカストを蹴散らす突撃に、敵が飛ばされ、体勢を整えるために速度を落とす。
 ローカストは一列で蹴散らされた。すべて前衛、すべて攻め手……前のめりの布陣である。
「……悲しいね。共に往かせてやるのがこの場合は慈悲になるのか」
 殺して止めるしか無い。
 藍月は爆破スイッチを悲しげな顔で押す。
 爆炎と共に、金眼見開きフラッタリーが紙兵をばらまく。
 きゅあっという声と共に、ボクスドラゴンはブレスを吐いた。
「空翔る者、地駆ける者、等しく重力の枷を――さあ、行っておいで」
 メイザースのオウガメタルが地を這い、ローカストの足を捕らえる。
 サイファも爆破スイッチを押す。
(「助かる方法を必死で考えたけど……間に合わなかった。だから、死んでくれ…………は、ひどい話だよな……」)
 サイファの表情は浮かない。
 リミカの足が音速でローカストの顎を砕く。
「やりますよ、大天田、花筵っ……!」
 白銀山神社の御神刀、大天田元真に、悪霊祓の短刀、花筵藤四郎。二振りの愛刀に声をかけ、夕璃は空をまといながら抜刀、ローカストを斬りつけた。
「ここで止めないと……もっと苦しい人が出るからっ……!」
「ついに理性を失ったか」
 ただ唸るだけのローカストにトロノイはため息をつく。どうにか出来るならしてやりたいが、どうにもできない。
 トロノイは無念を胸に懐きつつ、オウガメタルを輝かせた。彼のオルトロス、ベルナドットが瘴気を吐き、ローカストを毒で浸す。
 移動を優先していたローカストだが、絶え間ない邪魔者からの妨害に、理性なく本能的に排除を選択した。
 グバアッとあぎとが大きく開き、ケルベロスに食いついていく。
「オレの腕でも腹でもどこでも食べていいから、向こうには行かせない……!」
 サイファがその身を投げ出すように両手を大きく広げた。

●誰かの犠牲
 しかしサイファの前に、額からの地獄を翻してフラッタリーが割って入る。群がるようにフラッタリーの全身にローカストは食いついた。
「あ……」
「血ヲ血デ洗ヰmAセウ……ァ亜嗚呼AAAaa!」
 呆然とするサイファの方を見向きもせず、体のあちこちが欠けて血まみれのフラッタリーは、狂戦士然とした咆哮と共に、縛霊手で巨腕と化した手に握る鉄塊剣を猛々しく振るう。
 剛直を叩きつけられ、ローカストの硬い体がメキバキと軋んだ。
 各個撃破を狙うケルベロスだが、一体を狙うとその他への注意が疎かになる。敵は戦うことよりも、包囲を抜けて『餌を食う』ことを選ぶ者だ。故に、与えるダメージは少なくとも、列で攻撃することで牽制するフラッタリーの策は良案であった。彼女は一見狂っているようで、誰よりも冷静だ。
 夕璃が飛びつくようにフラッタリーに寄り、手術を施した。
「我招くは生命生まれし原初にして今を生きる者の来訪を拒みし暗闇……深淵招来! 急急如律令!」
 藍月の詠唱によって現れた結界が、ローカストごと藍月を包む。水球に閉じ込めた敵を、藍月は切り下す。
 ボクスドラゴンは封印箱に収まるなり、結界が晴れた直後のローカストへと飛び込んで外骨格を凹ませた。
 メイザースが駆る鋼の鬼が、ローカストの腹を砕く。
「哀れね。だからといって、手心を加えるつもりはないわ」
 シャルロットのブレイドブーツが地面を蹴ると、ゴウッと火柱が上がった。肉が焼ける嫌な臭いと共に、一匹目が潰れる。
 縛霊手の掌から巨大な光弾が放たれ、ローカスト全体を包む。だがサイファの迷いだろうか、半分は身をかわした。
 ドリルアームを突き出すリミカだが、これも本能で避けられる。
 オルトロスの咥えた刀がローカストの首を狙う。
 トロノイがフラッタリーの傷を縫い合わせていく。
 しかし、縫う先からローカストが食いちぎっていこうとする。
「きゅああっ」
 紅龍がローカストの口に飛び込むような形で、フラッタリーを守った。
 バリバリッと紅龍の鱗が噛み砕かれ、ローカストの顎から火の粉のように破片が落ちる。
 飛んで火に入る夏の虫ではないが、口に飛び込んできたグラビティ・チェインの塊に、ローカストは奪い合うようにボクスドラゴンに群らがった。
 虫そのもののように這いつくばり、耳をふさぎたくなるような音をたてて、ローカストの家族は紅龍に食らいつく。
「紅龍!」
「きゅ、ああ……」
 藍月が割って入る間もなく、ボクスドラゴンは消え失せた。
 一瞬、目がくらむような怒りが藍月を襲った。彼らを憐れみ、『理性を失ってなお、共食いはしない』という生き方に尊敬の念すら抱いて、『救う』ために戦うつもりだったが、大事なサーヴァントをこうも無残に食い荒らされては、冷静を保つことができない。
 もちろん、水面に石を投げ入れて出来る波紋が次第に消えるように、彼の怒りも一瞬だったが。
「……迅速に止めよう。これ以上、尊厳を汚すような行動を取らせてはならない」
 堪えるように低い声で呟き、藍月は縛霊手でローカストを殴りつけた。網状の霊力が広がって敵を縛り、命を奪った。
 破魔の力を夕璃は大太刀から取り出し、光の羽衣として傷ついた者に着せる。
「上手にできるかな? 行っておいで――そう、いい子だ」
 メイザースのファミリアロッドが変化した垂れ耳の猫は、白く長い毛をなびかせ、ローカストに突進していく。
「ぐばああああっ」
 猫を振り払い、吠えたけるローカストの知性はもはや野獣以下といえた。
「……全く。己を信じ奉じた民も救えないで『神』とは。笑わせてくれるじゃないか、太陽神様?」
 このような情けない姿をさせてまで、黙示録騎蝗をやらなくてはならないのか。メイザースは呆れ果てる思いだった。

●飢餓の先に届け
「一匹たりとも逃がさない!」
 シャルロットの剣がローカストの弱点を寸分違わず貫いた。
「残りは二体……」
 サイファは苦しげな表情を崩さない。
「何をして欲しい? して欲しいことは、言葉で言わないと伝わらないよ?」
 視線で惑わせ、言葉で縛るサイファのグラビティだが、今のローカストに言葉の意味は伝わらない。それでもグラビティの呪力はローカストを縛ることが出来る。
 そもそもローカストのして欲しいことは、サイファもよくわかっている。
「欲しいものは、グラビティ・チェインだよな……だけど一般人には手を出さないでくれ。お願いだ」
 言葉が通じるならば、声をかけたい。だが、このローカストには獣よりも知性がない。
「コードHTH起動! フロギストン・ハート、マキシマムドライブ! ヒートキャパシティLEVEL4、限界域! さあ、心、燃やすよ!!」
 リミカのバイザーが展開し、彼女の緑の瞳が顕になる。彼女のマスターコアが限界まで稼働し、膨大なエネルギーをリミカに与える。
 まばゆいほどのエネルギーをまとって、リミカはローカストに殺到した。
「この状況、きっとなんとかしてみせる。だから、今は眠ってね!」
 普段の言語機能障害が一時的に回復している状態のリミカは、流暢に『おやすみ』を告げるのだった。
 大天田元真を抜き、夕璃は詠唱する。
「刃に宿りし魂に願う。かの者に邪気跳ね除ける衣を授けたまえ……」
 刀から現出した光の羽衣がフラッタリーを包み、彼女を癒やす。
 額の地獄は未だ燃え盛るフラッタリーだが、何度も何度もローカストに齧られて、虫の息である。
 また、彼女を庇う藍月も相当の疲労が重なっている。
 ベルナドットが心配そうに守り手達の周りをまわっていた。
「参ったな、そろそろヒール出来るダメージを超えるぞ」
 ケルベロスチェインで守護陣を描きつつ、トロノイが頭を掻く。人命第一を掲げる医者として、倒れさせるわけにはいかない。
「彼らも、飢えで必死なのは……感じますが、此方も……村の方を襲わせるわけには、いかないですし……仲間をこれ以上倒れさせるわけにも、いかないのですっ……!」
 ぐっと刀の鞘を握りしめた夕璃の言葉に、トロノイは頷いた。
「ああ、だよな。…………残り一体だ。俺のサークリットチェインでなんとか保つといいが」

●それは落伍者
 森に響き渡る絶叫。
「うぶるうるう!!!」
 ローカストは牙を振り立てて、藍月に食いついた。
 守護陣が光り、藍月の痛みを緩和する。
 ぎりぎり耐えた藍月が縛霊手を振り下ろすも、ローカストは逃げる。
 逃げた先、ローカストを更なる発狂と地獄の顎が襲いかかり、ローカストが持つあと僅かなグラビティ・チェインを更に奪い去った。
「Тэи穣天外、$hI方八法、視得ルワタシノ此ノ景色、伽覧ヨ御覧。煩ワシキ孤之世界」
 フラッタリーは金の眼を極限まで見開き、ははぁ……と揺らぐ狂気を吐く。
 それでもなんとか致命傷を避けたローカストに、メイザースの石化魔法が降りかかる。
「命乞いさえ許されないわ!」
 畳み掛けんとシャルロットは全身にオーラを纏った。
「竜の羽ばたきの如く、敵を圧倒し、翼風と共に散れ!」
 高速の一閃――両断されたローカストがずるりとずれて、地に落ちた。
 シャルロットは敵の殲滅を認め、すぐに踵を返す。害虫に掛ける言葉など、ない。
 肩で息をしながら悲しみの表情で、藍月は敵の冥福を祈った。
「あ、あぁ……」
 サイファは累々と横たわるオサムシ達を見回し、崩れるように膝をついた。本当は、定命化してほしかった相手を、このような形で殺すことになったのは、サイファには耐えがたいことだった。
「恨んでいいよ。でもオレはあんたらを恨まないよ……恨めないよ」
「元々不死の身からこそ……お腹が空いて、ひもじい思いは……きっと……怖いので、しょうか……」
 夕璃が俯く。集落を守るという目的は果たせたが、この喉に異物が詰まったような気持ちはなんだろう。夕璃は花筵藤四郎を抱くようにぎゅっと握った。
「元凶を断たないと、負の連鎖は続くロボよ!」
 リミカは憤りを口にした。太陽神アポロンの居場所が分かるなら、今すぐにでも倒しに行きたい気分だ。
「……すまないね」
 メイザースの謝罪が虚しく響く。
「……埋葬するか」
 トロノイはのっそりと動き出した。彼のあとを尻尾を振って、ベルナドットが付いていく。

作者:あき缶 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年10月22日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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