●紅蓮の炎は美しく燃え上がる
十夜は、夜の山を登っていた。
「日の出までに行かないと……いや、日の出前じゃなきゃダメだな。もっと、急ごう」
危なくないようにと、ライトを照らしながら山頂を目指す。少しずつ木が無くなってきて、草も無くなってきて……やがて石がほとんどの山頂にたどり着いた。
「太陽は東。東向きだな」
そう言って十夜は東の夜空を見上げる。
「……太陽が昇る前に現れる。そう、伝説の鳳凰が。その燃えさかる神秘の鳥、鳳凰。……この目で鳳凰が見られるんだ」
夢見るような瞳で、鳳凰を待つ十夜の前に第五の魔女・アウゲイアスが現れると、十夜の心臓を鍵で心臓を一突きにした。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
崩れ落ちる十夜。そして、彼から燃えるような大きな鳥が現れたのだった。
●ヘリオライダーより
「幻のものって見たいって思うよね?」
そう言ってから、デュアル・サーペント(陽だまり猫のヘリオライダー・en0190)は、事件の内容を語り始める。
「不思議な物事に強い『興味』を持って、実際に自分で調査を行おうとしている人がドリームイーターに襲われて、その『興味』を奪われてしまう事件が起こってしまったようなんだ。この『興味』を奪ったドリームイーターは既に姿を消しているんだけど、奪われた『興味』を元にして現実化したドリームイーターが事件を起こそうとしようとしているみたいだ。みんなには、このドリームイーターによる被害が出る前に、倒して欲しい。後、無事に倒したら、被害者の人も目を覚ましてくれるから、その辺りは安心してくれていいよ」
デュアルは続けた。
「場所は山頂。かなり高い山だね。時間は明け方より前……だから、夜の間に行った方が良いんじゃないかな。危ないからライトとか持っていくと良いかもね。それで、このドリームイーターは炎を纏った鳥のような姿をしているんだけど、『自分は何者?』みたいに尋ねて、正しく対応出来なければ殺してしまうみたいなんだ。でも、このドリームイーターは、自分の事を信じていたり、噂をしている人が居ると、その人に引き寄せられる性質があるみたいで、それを上手く利用すれば有利に戦うことが出来るんじゃないかな?」
デュアルの話を聞いていたミーミア・リーン(笑顔のお菓子伝道師・en0094)は、興味津々といった顔をしている。
「炎の鳥さんなの? ミーミアも見てみたいし……それに十夜ちゃんも助けなきゃ! みんなも一緒に行くの!」
参加者 | |
---|---|
天空・勇人(勇気のヒーロー・e00573) |
百鬼・澪(澪標・e03871) |
竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436) |
ユイ・オルテンシア(紫陽花の歌姫・e08163) |
ランジ・シャト(舞い爆ぜる瞬炎・e15793) |
タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641) |
葛籠折・伊月(死線交錯・e20118) |
スピノザ・リンハート(忠誠と復讐を弾丸に秘め・e21678) |
●紅蓮の炎は美しく燃え上がる
場所は山頂。日の出前の暗い山道を登っていく。夜間の登山なので、滑りにくい靴やライト等の光源を頼りに山頂を目指していく。
その頃、とあるケルベロスが山頂に人が入らないようにサポートに入ってくれて、村雨・柚月はドリームイーターを作り出す魔女の存在の関連を調査するために別行動を取っている。
「鳳凰の前に幽霊が出てきそうな雰囲気じゃない?」
そんな事を言うランジ・シャト(舞い爆ぜる瞬炎・e15793)の表情は、とても楽しそうである。彼女は伝説の生物にも興味があるが、同時にオカルトも好きなのだ。
「この辺りが丁度良さそうだぜ」
スピノザ・リンハート(忠誠と復讐を弾丸に秘め・e21678)は、戦いの場に十分な場所を見つけて、仲間に伝える。相手は鳳凰。鳥だけに広い場所が必要なのだ。
今回のドリームイーターは『自分の事を信じてくれている』、もしくは『自分の事を噂している』人達に惹かれる性質がある。
今回は噂話以上に、鳳凰を信じていたり、見てみたいと思っているケルベロス達が多い。
(「絵でしか見たことがありませんから、鳳凰がどれ程美しいのか……。不謹慎かもしれませんが、少し見るのが楽しみです」)
そう思うのは、百鬼・澪(澪標・e03871)。
(「鳳凰ですかー。炎の鳥みたいですし、とても綺麗なのでしょうね……」)
ユイ・オルテンシア(紫陽花の歌姫・e08163)も、その姿を楽しみにしている。
この鳳凰がドリームイーターである事が残念なケルベロスもいる。タキオン・リンデンバウム(知識の探究者・e18641)だ。
(「鳳凰ですか、私も一目見てみたいものですね。光り輝く身体を持つ巨大な鳥、まるで神の使いのような存在ですね。どんなに綺麗なのかも興味がありますけど、ドリームイーターとあれば倒すしかありませんね」)
「ふむん。実際鳳凰がいるというのなら見てみたいものじゃし、そういうロマンも良い物よ。その興味きちんと取り返さんとな」
そう意気込みを竜峨・一刀(龍顔禅者・e07436)は言いつつ、皆と噂話に興じる事にした。
「鳳凰についてアタシが知ってるコトといえば、『孔雀みたいにカラフルな、燃えてる鳥』……ってコトくらいかしら? あと、なんかこう、ニワトリみたいに『コケー!』って鳴いてそうなイメージっていうか?」
ランジのイメージする鳳凰はそういうものらしい。しかし、鳳凰の鳴き声は……実際の所、どうなのだろうか。
「鳳凰なんてマジでいるのかねー……いたら拝んでみたいもんだな。どんな鮮やかな翼をしてるのか、とか興味あるぜ」
その姿の話をするのは、スピノザ・リンハート(忠誠と復讐を弾丸に秘め・e21678)。確かにどんな鮮やかな翼なのかは、とても興味があるものだ。
「鳳凰とは別名、丹山隠者。崑崙山に住んで、聖人の誕生の時に地上に舞い降りるという。この山が崑崙とは思えんが――瑞兆というなら見てみたいものじゃのう」
一刀の話に、ミーミア・リーン(笑顔のお菓子伝道師・en0094)は首を傾げた。
「一刀ちゃん、難しい事知ってるの。よく分からないけど……鳳凰って凄いの!」
さっぱり理解していない事だけは確かだ。
すると、夜の空の中に、眩しいくらいの光と熱を感じる。見上げると、美しく燃えるような翼と綺麗な模様の羽を持った大きな鳥が現れた。
鳳凰は語りかける。
「我は何者だと思われるか?」
それに対して、ケルベロス達は、それぞれ用意していた返答を鳳凰のドリームイーターへと投げつけた。
「神の鳥を騙った偽物」
タキオンがそう答えたが、もっと凄い答えが葛籠折・伊月(死線交錯・e20118)から、放たれる。
「そうだなぁ、赤くてひらひらしてて……まるで金魚のようだね」
それは特に鳳凰の誇りを傷つけられたようだ。
「我は、鳳凰。誇り高き存在。小さな魚ごときと一緒にされてたまるものか……!」
鳳凰はふわりと飛び上がると伊月へと向かって飛びかかった。
●鳳凰型ドリームイーター●
鳳凰のドリームイーターは、炎を纏い舞い上がる。そして羽ばたきから創り上げられる大きな炎の塊が、伊月へと襲い掛かり、その攻撃を何とか受け止めた。かなり正確な攻撃である。
澪は、雷の壁を展開させていき、天空・勇人(勇気のヒーロー・e00573)達に加護の力を与えていく。
「おっと、これ以上は進ませねーぜ?」
スピノザは鳳凰の足元や周辺の地面に重力に作用する一撃を放ち、少しでもドリームイーターの動きを奪う。
(「敵ながら綺麗な翼だ……。炎の燃えるような赤が嫉妬するほど美しい。……同じ赤でも、俺の翼のような濁った血の色とは違う」)
スピノザはオラトリオで翼を持っている。しかし、彼はマフィア。同じ翼の持ち主でも、その赤は違って見えるのだ。ただ、その鳳凰がドリームイーター。だから、倒すだけ。
「そら! 気合いっちょ入れていきない!」
ランジの放つオウガ粒子は伊月達へ、神経を研ぎ澄ませていった。
「貫き、通す!」
一刀の雷の霊力を宿す一撃を、ドリームイーターへと放つ。羽ばたき、逃げようとするドリームイーターを何とか捕まえた。
タキオンは燃え上がる鳳凰のドリームイーターへと一撃を放とうとするが、今度は後方に跳んで上手く避ける。
「流石、鳳凰というだけはありますね」
やはり素早い回避率を持っているようだ。攻撃を当てるには少々、時間がかかるかもしれない。
ユイはドラゴニックハンマーを変形させると、ドリームイーターへと砲弾を正確に撃ち込んだ。
「勇気の戦士、仮面ブレイバー推参! 夢から生まれし鳳凰よ、お前をここから巣立たせるわけにはいかないぜ!」
勇人はそう鳳凰に宣言すると、攻撃に転じる。しかし、繰り出した蹴りは鳳凰の傍をかすり、当たらない。
「本当に当たりにくいな……」
「攻撃の主体メンバーが当たりにくいのは困るわね。もう一度、重ねてかけるわよ」
勇人の言葉にランジは頷くと、再びオウガ粒子を勇人達に重ねてかけて、集中力をあげていく。更に、ミーミアがランジ達、ミーミアのウイングキャットのシフォンは澪達へと加護の力を送っていった。
「伊月さん、治療しますね」
澪は守りの要である伊月に、マインドリングから創り上げた盾と共にしっかりと治癒を施していく。彼女の妹の様に可愛がっている大切なニーレンベルギアを纏うボクスドラゴンの花嵐は、電流のブレスを吐いて、ドリームイーターへと攻撃した。
スピノザはリボルバー銃を構え、地面へと照準を合わせて銃弾を放つ。放たれた弾丸は絶妙に跳ね返りドリームイーターの死角を突いた。
紅蓮の炎を纏う、美しきドリームイーター。その炎の翼をはためかせ、炎の羽根が澪を狙う。それを見て、花嵐が澪を護った。
「花嵐……ありがとう」
大切な花嵐の行動に哀しさと嬉しさの混ざった、でも微笑みは絶やす事もなく、感謝の言葉を優しく伝えた。
「主の元となった興味、返してもらうぞ!」
攻撃の命中率を取り、ドリームイーターへと触れて魂を喰らう一撃を放つ。
「構造的弱点を見抜きました、さぁ、この一撃を受けてみなさい」
タキオンはドリームイーターへ強烈な一撃を放つ。今度は無事、当たった。
ユイが澄んだ歌声を歌う。その歌声は詠唱になり、ドラゴンの姿をした炎がドリームイーターに襲い掛かった。炎が炎に舞い、それは美しく見える。
「確かに綺麗だな……だがその炎で誰かを傷つけさせるわけにはいかない、ここで消し去らせてもらうぜ!」
ユイの攻撃に続く勇人は、急所を突くように空中からの回し蹴りを放った。
「僕は伊月、帝国山狗団の葛籠折伊月。さぁ、君の炎と僕の炎、どちらがより燃え盛るか競おうじゃないか! あいにく僕の炎は、君ほど綺麗なものではないけどね!」
伊月はアームドフォートの主砲をドリームイーターへ向かって放つ。飛びのこうとする炎の鳥は、その攻撃をかわしきれなかったが、しっかりとは当たってくれなかったようだ。
「タキオンちゃん、強くなるの!」
ミーミアは雷の力によってタキオンの力を底上げする。シフォンの方は、勇人達に加護の風を送り込んでいった。
「次はアンタね」
ランジは纏っているオウガメタルからオウガ粒子を放つとタキオンと自身の集中力を上げる。力と集中力の底上げを受けたタキオンはドリームイーターへ向かってバスターライフルを構えた。
「貴方のグラビティを中和してあげましょう」
放たれたエネルギー光弾は、舞い踊るようにかわそうとするドリームイーターへと直撃する。
不利だと考えたのだろう、ドリームイーターは自らに纏っている炎を燃え上がらせて、そのまま炎の中に身を宿す。紅蓮の炎に包まれ、再び燃えるような翼を持ったドリームイーターが現れた。それは不死鳥の様に、回復してしまったようだ。
しかし、ケルベロス達も自らの力を高めている。回復されても押し切れる自信があった。
スピノザは、Table Limitを使って、確実にドリームイーターの動きを奪う。間髪おかずに一刀が雷の霊力を纏った鋭い突きを放った。
「再び動きを封じますよ」
ユイはドラゴニックハンマーを変形させてドリームイーターへと砲弾を撃ち込む。更に勇人は石化効果の攻撃を抉りこむような突きを放ち、ドリームイーターの動きを更に落とした。
ライドキャリバーはガトリング銃でドリームイーターを激しく連射して当てていく。
「……動きを封じさせてもらうね」
伊月のケルベロスチェインが鳳凰姿のドリームイーターを捕えて縛り上げた。
「一刀ちゃん、力を貸すの!」
ミーミアは雷の力を用いて、一刀の力を底上げしていく。そして、シフォンはドリームイーターへとリングを飛ばし、その攻撃力を落としていった。
「もう少しだから、頑張ってちょうだい!」
ランジはカラフルな爆破支援によって、ユイ達の攻撃力を上げていく。
「助かるぜ。さあ、喰らって貰おうか」
スピノザのリボルバー銃は、高速の弾丸をドリームイーターの攻撃の主体である炎の翼へと向かって、正確に撃ち放った。
鳳凰のドリームイーターも、燃え上がる炎の翼をはためかせる。それによって、美しくも高熱の力を上げていく。そして、攻撃の要である一刀に向かって放つ。それを伊月が庇った。
「大丈夫?」
「ああ、感謝する。攻撃で、その恩を返そう」
伊月に感謝の言葉を述べると、ドリームイーターへと一刀は構える。
「ぬしの煩悩百八つ! 一つ残らずたたっ斬る!」
煩悩を断ち切る迦楼羅炎を宿した刀で舞うように連続攻撃をドリームイーターへと叩き込んだ。
「伊月さん、回復します」
先程、一刀を庇った伊月に澪はオーラによる力を使って回復させる。そして、花嵐はドリームイーターへと向かって、タックルを放った。
タキオンもドリームイーターへ向かって、弱点を狙い強打の一撃を加える。
ユイは歌い始めた。綺麗な澄んだ歌声で。
「ひややかに 凍える息吹 つらら舞う♪」
その歌声は吹雪が舞い、静かで冷たい。それは炎のドリームイーターの正常な判断力を失わせるには十分だった。
「もう、逃げる事は叶わないぜ!」
勇人の空中回し蹴りがドリームイーターへと麻痺を与える。そしてライドキャリバーが続くように、ひき潰しにかかった。
「私も攻撃に転じましょう」
澪は、このままドリームイーターを押していく為に攻撃へとシフトする。
「轟轟と啼きて進めや進め―千紫万紅、神解け」
四季の花々を映した電流が、一条の雷となって真っ直ぐにドリームイーターを絶つ。それに続き、同じく電流によるブレスを使って花嵐が援護した。
「目標捕捉、攻撃準備完了、発射!」
タキオンはクォークレベルの素粒子を高速加速、ドリームイーターを射抜いて、その動きを麻痺させた。
「さて、アタシも攻撃に参加しましょっか!」
サポートにひたすら回っていたランジは、攻撃を繰り出していく。
「は~い、捕まえた。さようなら!」
ランジは身体の一点にグラビティ・チェインを凝縮し、ドリームイーターへと触れた瞬間、爆破攻撃を行った。
その一撃を受けた鳳凰のドリームイーターは、炎の羽根を散らしながら、太陽の光を思わせるような光を放ち……消えていった。
ユイはかろうじて残っていた炎の羽根を拾う。綺麗なその姿を忘れないように、と。
●本当の朝日
十夜を見つける事は容易だった。なにせ、山頂。倒れている人等、彼くらいしかいないだろう。
十夜は回復の中心を担っていた澪達が行い、意識を取り戻してくれた。
「寒い中、ご苦労様なの!」
ミーミアは、まずは冷え切っている十夜に毛布をかけてから、温かい飲み物を渡す。
それから、一緒に戦ってくれた仲間達に温かい飲み物を配っていく。また、手伝ってくれたケルベロス達にも配って回った。
一刀が持ってきてくれた御座の上に皆座って、朝日が昇る事を待つことにする。
「えっと、紅茶は澪ちゃんと、伊月ちゃんと、スピノザちゃんね?」
温かい紅茶を三人に注いでミーミアは渡す。
「ありがとな」
「綺麗な朝日が見れると良いの!」
「ああ、そうだな」
手渡された紅茶を受け取りながらスピノザは、これからの朝日が昇る事を楽しみに思う。
「伊月ちゃんも朝日は好き?」
「そうだね、美しい朝日……見てみたいな」
「うんうん、ミーミアもね、楽しみなの!」
にっこりほほ笑むミーミアに、伊月も笑顔を零した。
「ココアはタキオンちゃんと、ランジちゃんね」
「ありがとうございます」
タキオンとランジにミーミアはココアを渡す。
ランジはココアにマシュマロを入れようとしているのを見て、ミーミアは目を輝かせた。
「美味しそうなの! ミーミアも貰って良い?」
「ええ、いいわよ」
「ありがとうなの!」
わくわくした表情のミーミアにランジはマシュマロを分けてあげる。それに嬉しそうなミーミアを見ていると、ランジもくすりと微笑んでいた。
ミーミアはユイ達にも仲間達にも飲み物を配り続けて、皆が集まっている中に腰を下ろした。
寒いので、みんなで身を寄せ合って……朝日を待つ。
「勇人ちゃん、寒くない?」
「そうでもないぜ?」
ヒーロースーツ姿の勇人の事を心配してミーミアが声をかけてきた。
「寒かったら、シフォンを貸すから、いつでも言ってね?」
「その子はミーミアが抱いていてくれた方が喜ぶんじゃないかな?」
「そうなの?」
「うん」
勇人の言葉にミーミアは頷くと、シフォンを抱きしめて、その温かさを感じていた。澪も大事な花嵐を抱いている。大切な存在と共に。
やがて、綺麗な朝日が昇ってきた。澄んだ空気の中で光る太陽の輝きはとても美しい。それは、心まで洗ってくれるようで……綺麗だ。
「……おー、こりゃすげえな。この赤は素直に綺麗だと思う。きっと鳳凰って噂されてたのはこの朝日のことだと思うぜ」
「ま鳳凰がいなくても、きっとここから見る日の出はいい景色じゃからな」
スピノザや一刀は、美しい太陽にそう言う。十夜も、それに納得したようだ。他のケルベロス達も、朝日に目を奪われ、幻想的とも言える世界を楽しむ。
「うーん、絶景かな」
ランジは腰に両手を当て、ご満悦だ。
勇人は朝日を眺めつつ、もっともっと強くなって沢山の人を助けられるようになろうと、改めて心に誓う。
澪にとっては、病で死の恐怖に苦しんだ過去から、夜明けの空は今日も生きている希望の象徴。仲間から少し離れて、空を見つめる。
「新しい今日に――感謝を」
朝日には、それぞれの想いがある。それでも、それは一日の始まりで……とても美しいもので。それは、新たな一日への希望へと繋がる物だった――。
作者:白鳥美鳥 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
|
種類:
公開:2016年10月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
|
||
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
|
||
あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
|
||
シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|