闇夜に寄る蔓

作者:雪見進

 ここはとある山奥。そこをゆっくりと歩く人の姿があった。
「……ヨバレテイル……」
 その人は夢遊病のように歩き、何か呟く。その姿は一見して異常だと分かった。彼はスーツ姿に革靴。そして手には何か封筒が握られていた。
 その山奥は様々な意味で悪い場所であった。山登りをすれば遭難する者が現れ、また一部では自殺の場所として呼ばれる事があった。
 それを考慮すると男性は最悪の選択を選んだ人なのかもしれない。そして手の封筒は遺書なのだろうか。
「……イカナクテハ……」
 しかし、口から漏れる言葉は自殺者ではありえない言葉。加えて足場が悪いはずなのに迷わず山の奥へ進んでいくのだった……。

「……」
 その男性がたどり着いた場所は、ほんのり明るかった。蛍のような光が正面の花から漏れていた。その花に男性は両手を伸ばす。
「……」
 その花は突如、大きく花弁を広げる。そこからは、まるで生き物のように口となっていて、奥から舌のようなナニカが伸びてくる。
「シュルルルゥゥ!」
 その舌を男性の頭部に巻き付け、そのまま頭を飲み込み、粘性の高い液体が蠢く不気味な音を響かせる。
「……イキナサイ……」
 そして飲み込んでいた頭部を吐き出すと、そこには蛍のような光を放つ花弁のような頭部となった男性。そして首から伸びた太く不気味な蔓が、その身体を縛っていく。
 その男性の四肢はもはや動く事は無い。その代わりに背中から伸びた蔓が四肢の代わりとなる。
「……」
 その男性……いや、攻性植物と化したモノはゆっくりと蔓を動かし山を下りて行く。
 その背後で花弁が一瞬大きく光る。その光に照らされ花の姿が闇夜に浮かび上がる。
 その姿は幼子を縛る太い蔓と複数の頭部を持つ花の攻性植物だった……。
 

「攻性植物が現れました!」
 少し悲しそうな顔で説明をしているのはチヒロ。いつものように地図を広げて攻性植物の現れた場所の説明をしている。
「この場所からグラビティチェインを求めて、襲撃をしようとしています。皆さんには、攻性植物が人の住んでいる場所に入る前にやっつけて下さい」
 と説明をする。そして、大きく深呼吸してから説明を続ける。
「この攻性植物には人が捕らわれいるのですが……何者かの配下となってしまっているからなのか、説得などで救出する事は出来ません」
 今までの攻性植物事件だと救助可能なケースがあったのだが、今回は説得では救助不可能のようだ。
「そして被害者の人は数日前から行方不明になっていた人です」
 被害者の男性は数日前、会社を出てから行方が分からなくなっていた。何らかの理由で山に入り、そして攻性植物に捕まってしまったのだろう。
「ともかく、現れる攻性植物は1体です」
 現れる場所と時間は分かっている。後は攻性植物を倒すだけなのだが、色々と分からない事が多い。
 この攻性植物にしても暗く人目に付かない場所から町へ侵入してくる。従来の攻性植物が行わないような行動を取っているのだ。
 
「今回は、被害者を救う事は出来ません。ですが、まずはこれ以上の被害を出さないように皆さんの力を貸して下さい」
 そう言って、チヒロは後を託すのだった。

「どうにも気になるでござるな」
 何か気になる様子のウィリアム。しかし、ウィリアムは頭が固いところがあるので謎解きとかは苦手。
「ともかく、被害を防ぐでござるな」
 そう言って、出発するのだった。


参加者
ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)
芥河・りぼん(リサイクルエンジン・e01034)
白神・楓(魔術狩猟者・e01132)
ジョージ・スティーヴンス(偽歓の杯・e01183)
物部・帳(お騒がせ警官・e02957)
タンザナイト・ディープブルー(流れ落ち星・e03342)
イングヴァル・ヴィクセル(鎧装機兵・e15811)
ユーシス・ボールドウィン(ウェアライダーの鹵獲術士・e32288)

■リプレイ


「やー久しぶりだねウィリアム。今回もよろしくねー」
「ノーフィア殿、久しぶりでござるな。今日もよろしくでござる」
 再開の挨拶を交わすノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)とウィリアム・シュバリエ(ドラゴニアンの刀剣士・en0007)。日本全国様々な場所でデウスエクスの脅威に対応していると様々な縁が生まれてくる。
「ウィリアムさん今日もよろしくお願いします」
「うむ、よろしくでござる」
 大原・大地(元守兵のチビデブ竜派男子・e12427)もそんな縁で繋がった者だ。
 そんなウィリアムたちに芥河・りぼん(リサイクルエンジン・e01034)が作戦確認の為に声をかけてくる。
「シュバリエさんは後衛での戦闘参加をお願いします」
「うむ」
「もし、一般市民の巻き込みが懸念される場合は、避難の陣頭指揮を優先でお願いします!」
「うむ、その場合は大地殿やガルフ殿にも協力を頼むでござる」
「はい、頑張ります」
「……わん」
 そう答えながら、ガルフ・ウォールド(欠け耳の大犬・e16297)はジョージ・スティーヴンス(偽歓の杯・e01183)に一瞬だけ視線を向ける。
「お陰で楽をさえてもらう。頼りにしてるぜ」
 その視線に答えるジョージ。短いやり取りだが、二人の間には深く複雑な絆を感じさせるのだった。

「各地で一斉に攻性植物が動き出したのか……?」
 今回の攻性植物について確認をしていたイングヴァル・ヴィクセル(鎧装機兵・e15811)が呟く。今回の事件以外にも攻性植物が人間を捕らえる事件が発生している。
「やれやれ、連中、前から時々ワケの分からん行動を取っていたが、今度は知恵がついたらしいな」
 ジョージは苦笑しながら呟く。その『知恵』のわかりやすい行動の一つが隠密行動。今までなら、グラビティチェインを求め暴れるのが精々だったはずだが、隠れ街にちかづくという行動を取るのだ。
「元々、人間に取り憑くのが多いけど、此処まで支配しちゃうのは珍しい、よね?」
「そうでござるな」
 その知恵の減員なのか、今回取り憑かれてしまった人を深く支配している可能性があるのだ。そんなノーフィアの言葉にうなづくウィリアム。今までにも、人間を取り込む事があったが、今回の件は少し状況が違うようだ。
「助けられないのですか」
 静かに状況を整理しているタンザナイト・ディープブルー(流れ落ち星・e03342)。今回の攻性植物には一人の人間が囚われていた。今まででの攻性植物であれば助ける事が不可能でなかった。不可能でなければ挑戦し、そして自ら苦しみ傷つきながらも助けた者が多かった。しかし、今回は現状では助ける方法が無いのだ。
「取り込むタイプの攻性植物を倒し続けていたから新たな作戦に出た……?」
 タンザナイトは様々な可能性を考えている様子。実際、かなりの人々を攻性植物から救い出してきた。その対策として、今回のような行動を取るようになった可能性もあるだろう。しかし、残念ながらそれを裏付けるような根拠は今のところは無い。
「救助出来ないのは残念ですが、致し方ありません」
 そんなタンザナイトの言葉に答える物部・帳(お騒がせ警官・e02957)。しかし、助けられないからといって放置は出来ない。
「治安維持のため、犠牲になって頂きましょう」
 このままでは街に被害が出る。被害が出れば攻性植物がグラビティチェインを得る。その結果、攻性植物が増える可能性があり、その厄災はどんどん広がって行くのだ。
「男性を救えそうにはないのは残念だけど、新たな被害者が出ないようにしましょう」
「そうだね、気になるけど、放置して市街地で増えられても、暴れられても困るし、打ち払おうか!」
 ユーシス・ボールドウィン(ウェアライダーの鹵獲術士・e32288)とノーフィアの言う通り、救えないからといって放置は出来ない。
「ああ。私達が介錯してやろう」
 その言葉に同意するように白神・楓(魔術狩猟者・e01132)は答えるのだった。

 そんな中で一人、暗闇を見つめるジョージ。
「……ワケの分からん行動、か」
 ジョージが静かに呟く言葉は誰に向けての言葉か。
「……自分で死にに行くような奴よりは、余程真っ当な話だな」
 その『自分で死にに行く』奴は誰なのか、被害者なのか、それとも……。
 ただ、そんな言葉が聞こえたのか、ガルフがジョージを静かに見つめていた。そんな視線に苦笑で答えるが、その苦笑は今までのどの笑みによりも『人間的』であった。

「それでは準備します!」
「……うむ」
 そんな話をしている間に、サポートで手伝いに来てくれた大地やガルフ達が手分けをしてキープアウトテープを張る。これで万が一にも一般市民が入ってくる可能性は無い。
「後は風向きに注意よね」
 ユーシスが風向きに注意する。今回の現れる攻性植物は花弁を撒き散らす攻撃をしてくる。その花弁が風に乗り、拡散するのを警戒している。
「りぼん殿、そちらの準備は如何ですか?」
「はい、大丈夫です」
 最終確認をする帳とりぼん。
「新たな犠牲者が出ないようにしましょう」
 様々な状況に備えるケルベロスたちであった。


「現れたようですね」
 最初に気づいたのはユーシス。眼鏡を掛け直して注意深く観察する。
「やはり、隠れて行動しているな」
「ああ、そうだな」
 その様子に淡々と呟くイングヴァルと注意深く観察している楓。周囲を警戒し、明るい場所を避け移動する行動は今までの攻性植物には見られない行動。
「……」
 そんな変化する攻性植物に対し危惧を抱いた者は多い。サポートとして駆けつけてくれた木下・昇(永遠のサポート役・e09527)と村雨・柚月(無量無限の幻符魔術師・e09239)だ。
「……」
 そんな二人にウィリアムが合図を送る。サポートに徹している二人は作戦を邪魔しないように配慮していた。
 合図と同時に二人は攻性植物の写真を撮る。隠密行動をしている攻性植物の写真は重要な情報になるかもしれない。
「……」
 その様子を写真を撮り様子を記録する昇と柚月。しかし、観察もそこまでだった。
「ギャギャギャァ!」
 突如、奇声を上げると蔓を触手のように激しく動かし、ケルベロスたちへ襲いかかってきた。
「中々刺激的な仮装ですが、ハロウィンにはまだ早いです、治安維持のため、処理させていただきましょう」
 帳の言葉で戦いが開始された!


「多分これが一番確実だろう」
 静かにゆっくり距離を詰めるジョージ。そんなジョージに蔓が伸び、ジョーシを貫く。しかし、それに全く反応をせずに距離を詰め、地獄の炎を宿したナイフを無造作に突き刺す。
「ギャギャギャァァ!」
 突き刺されたナイフから地獄の炎が伝わり、攻性植物の身体が熱く赤くなっていく。
「……」
 そんな無茶な戦い方をするジョージに複雑な表情で癒しのオーラで支援するガルフ。
「長期戦になつかもしれないから、炎でとことん燃やしていくわ」
「手伝うでござる」
 ユーシスとウィリアムは同時に竜の幻影を描く。それが舞うように飛来しながら攻性植物を包み込む。
 身体の赤色が強くなり、小さな炎が溢れ出す。
「目には目を、ってね!」
 蔓を乱れ動かす攻性植物に対し、自分の攻性植物も蔓触手形態に変形させ放つ。
「ギャギャギャァァ!」
 放たれた蔓触手を自分の触手で撃ち墜とそうとするも、それを器用に避け攻性植物の身体を縛り上げる。
「この子は寂しがり屋なんだ」
 楓は蔓に縛られた攻性植物へそっと言葉をかける。同時にグラビティによって作り出した首の無い女性の上半身が両手を伸ばし、攻性植物へ近づいていく。抱擁を求め彷徨う寂しがり屋は、そのまま攻性植物に温もりを求めるように両手を絡ませる。
「人の温もりが恋しく、抱擁を求めているんだ」
 楓の言葉通り、抱きしめる様子は温もりを求める人の様。しかし、手に触れた蔓は冷気によって凍傷し、触れる胸は幹を凍結し、樹皮が剥がれ落ちる。
「ギャギャ!」
 樹皮が凍結しようとも、その下から新たな樹皮を生成、凍結した蔓が崩れ落ちるも、別の場所から蔓を伸ばし攻撃の手が止む事はない。
 新たなに生成された蔓は紫に汚れた色。それが弾丸のように鋭く伸び、タンザナイトを狙う。
「くっ!!」
 伸びる蔓が手に足にと絡みつくところへ放たれたのは赤熱の弾丸。それは、帳が使役する御業が放った炎弾。それが蔓を切り、捕縛寸前のタンザナイトを救出する。
「帳さん! 二之太刀頂きますよ!」
 帳の炎弾に焼かれた攻性植物へ攻撃を重ねるりぼん。『空』の霊力を帯びた斬撃を燃え盛る場所に重ねる。
「演算処理完了!」
 さらに連携攻撃を繰り出すイングヴァル。攻性植物を効率よく破壊する場所でを計算。そこへ至近距離からのガトリングガンの斉射を行う。
「卑怯者め、誰かの体を借りないと戦う事もできないですか!」
 犠牲者を取り込み遅いかかる攻性植物を卑怯者と叫ぶタンザナイト。そのまま二刀のゾディアックソードに地獄の炎を宿し、そのまま叩きつける。
「ギャギャギャァァ!」
 ケルベロスたちの連携攻撃で、弱点の炎攻撃を受け、さらに同じ場所へ攻撃を重ねられ、ダメージが蓄積していく攻性植物。
 戦いはケルベロス側が有利に進んでいくのだった。


「あなたはどこに行こうとしているのですか」
 全体的にケルベロス側が優勢に進んでいる。なので、少しでも情報を集めるためにりぼんが接触を試みる。
「……」
 心を通じ合わせようと接触テレパスを使うも何も返事は無かった。
「外見的な違和感は特に無いか」
 少しでも情報が欲しいのは他の者も一緒。楓も注意深く観察するも、外から見て判る範囲で異常な点は分からない。
「ギャギャ!」
 そんなりぼんの行動は無視して、攻性植物は奇声を上げる。同時に光る花弁を舞い散らし、攻撃を仕掛けてくる。
「これで防ぐ!」
 タンザナイトの前で盾を構えたのは大地。花弁を防ぎタンザナイトを守る。
「……」
 舞い散る花弁の影響を受けてしまったのは帳。その視線があさっての方向に彷徨う。
「えっと、ここ! ここですね!」
 そんな帳へ素早くフォローに入るりぼん。帳を手早く診断し意識をスッキリさせるために、軽い衝撃を与える。
「っと!」
 りぼんの与えた衝撃で頭がすっきりした帳。
「感謝します!」
 りぼんのフォローに感謝する帳。
「……こいつを見ているのは、どうにも苦しいんでな」
 その隣では、同じように攻撃を受けているはずのジョージはそのまま距離を詰めていく。
「……獲物にも休暇を取らせてやるべきだろ?」
 そのままハエでも払うように花弁を払い、拳を一撃叩き込み、そのまま強引に無理やり蔓ごと抑え込む。その攻撃は攻撃を受けた訳でも避けた訳でもない。ただ、耐え、そのまま攻性植物の蔓を封じた。
「苦しいでしょう、早く終わらせます」
 ジョージが作ったチャンスに動くケルベロスたち。タンザナイトが言葉と同時に放った無数のレーザーを引き金に同時に動く。
「特科の底力、見せてあげようじゃありませんか!」
 御業を使役し攻性植物を鷲掴みにする帳。
「とことん弱体化させるわ」
 さらにユーシスがケルベロスチェインを放ち、攻性植物の身体を多重に捕縛する。そして、捕縛され動きが鈍くなったところへ楓が『空』の斬撃を重ね、追撃を仕掛ける。。
「ギャギャ!」
 連続攻撃で悲鳴を上げる攻性植物にさらに追撃を繰り出す。
「充填完了、攻撃する」
 イングヴァルのサーバント、テレビウム・スキルニルがチェーンソー剣で攻撃をするタイミングに合わせて、爆炎の魔力を込めた弾丸を雨の如く叩き込む。
 爆発と同時に上がる煙に紛れ、サポートで駆けつけてくれた彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)が追撃を行う。
「開く傷口、重なる痛み、あなたから、癒しの時を奪います」
 癒しの力を反転させケルベロス達が与えたダメージを増加させる。
「あわせるよ、ペレ!」
 それでも動きを止めない攻性植物へ最後の攻撃を繰り出すノーフィア。ボクスドラゴンのペレに指示を出し、自身は攻性植物の立つ地面を指し示す。
「我、流るるものの簒奪者にして不滅なるものの捕食者なり」
 詠唱と共に指し示す場所に立体的な魔法陣が構築され、それが漆黒の球体と変化する。
 その構築と同時にペレがボクスブレスを放つ。
「然れば我は求め訴えたり、奪え、ただその闇が欲する儘に」
 続く詠唱と共にブレスを浴びた攻性植物が漆黒の球体に瞬時に吸い寄せられる。
「ギャギャ!!」
 漆黒の球体に吸い込まれた攻性植物は悲鳴を上げ、折れ潰れる音と共に地面に落ちる。
「ギャ……ギャ……」
 そして花弁のような頭部を静かに点滅させたかと思うと、次の瞬間には墨のように漆黒となりゆっくりと崩れ始めた。
 ケルベロスたちの勝利だ。


「これではサンプルは取れないな」
 攻性植物のサンプルを回収したかったタンザナイトだが、すべて炭化して消えていく。回収は出来なかった。
「時間があれば山の中を見に行きたいけど……」
 少しでも情報にが欲しい。楓がそう考えるが時間も遅い。行くならまたの機会だろう。
「……」
 消滅を開始している犠牲者に手を合わせるユーシス。それに習い他の者も手を合わせ黙祷する。形だけのものかもしれないが、それは大事な事なのだ。
 そして黙祷を終えてから、ユーシスは軽く眼鏡を掛け直してから遺留品の調査を始める。
「これは……」
 ユーシスと一緒に調べて居たタンザナイトは一つの封筒を見つけた。それは遺書だった。
 『先立つ不孝をお許し下さい』から始まった手紙。しかし、それ以降の内容は分からない事が多かった。封筒が露や泥などで汚れていた事もあったが、内容も不可思議な点が多い。推測ではあるが、そうとう精神的に追い詰められていたのかもしれない。
 少し読み取れた範囲では、仕事で苦しんでいた事、奥さんを心配していた事、そして自分が消えれば何らかの解決がされる事が書かれていた。
「貴方が何を思い、何をしにここに来たのか。タンザにはもう分かりません。それでも……貴方の生が、死が、安らかである事を命懸けて願う者がここに居ます」
 静かに封筒を仕舞う。せめて遺族へと届けるべきだろう。
 ゆっくりと炭化し消滅していく攻性植物。それは男性も例外ではなかった。衣服などは残ったものの遺髪なども残す事は出来なかった。

「おーわり。よし、何か食べにいくー?」
 そんな少し重くなった空気を振り払うようにノーフィアが明るい声を出す。
「そうでござるな。近くに古いながらも上手い定食屋があるでござる」
 旅をしているからか、食事情報に詳しいウィリアム。そしてガルフとジョージに一瞬だけ視線を向ける。
「……飲むの付き合ってくれるんだろ」
「……ああ、そうだった。今日は飲んで帰るんだったな、ガルフ」
 大人の二人は食事ではなく酒のようだ。
「それじゃ、いこーか」
 適当に別れ、この場を後にするケルベロスたち。しかし、この事件はまだ何もわかって居ない。だが、今は次に備えてゆっくりと休むのだった。



作者:雪見進 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年10月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 4
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