私立探偵ケルベロス

作者:荒雲ニンザ

 ビルの屋上、あと数日で満月になろうかという月を背後に、いかにも女性的な美しいシルエットが浮かび上がっていた。
 その元に、2つの影。
 ピンと弾いたカードが、月夜に輪を描く。
「あなた達に使命を与えます。この町に、私立探偵という、他人の行動や秘密などを密かにさぐることを生業としている人間が居るようです。その人間と接触し、仕事内容を確認・可能ならば習得した後、殺害しなさい。グラビティ・チェインは略奪してもしなくても構わないわ」
 それを受け、2つの影は身を低くする。
「了解しました、ミス・バタフライ。一見、意味の無いこの事件も、巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのでしょう」
 その意味深な言葉と影は、風と共に消えた。

 言之葉・万寿(高齢ヘリオライダー・en0207)と共にピニオン・クロックワーク(クロックワークシスター・e31986)が入室してきた。
「ミス・バタフライ……という螺旋忍軍が、動き出したようでございます」
 この事件は、先を見越した話となる。
 ミス・バタフライが起こそうとしている事件は、直接的には大した事は無いのだが、巡り巡って大きな影響が出るかもしれないという、厄介な事件だ。
「今回の事件は、探偵業という、珍しい職業をしている一般人の所に現れ、その仕事の情報を得たり、或いは、習得した後に殺そうとする事件になります」
 この事件を阻止しないと、まるで、風が吹けば桶屋が儲かるかのように、ケルベロスに不利な状況が発生してしまう可能性が高いのだ。
 勿論、それがなくても、デウスエクスに殺される一般人を見逃すことは出来ない。
「皆様には、この一般人の保護と、ミス・バタフライ配下の螺旋忍軍の撃破をお願いしたいのです」

 詳細はこうだ。
 基本は、狙われる一般人を警護し、現れた螺旋忍軍と戦う事になる。
 だが、ターゲットを事前に避難させた場合、敵が別の対象に切り替えてしまう恐れが非常に高いため、その作戦をとる事ができない。
「その問題となる対象の人物ですが、野堀満さん、36歳。小さな事務所で私立探偵をしておる方です」
 この依頼では、事件の3日程前から、対象の一般人に接触する事ができる。事情を話すなどして仕事を教えてもらうことができれば、螺旋忍軍の狙いを自分達に変えさせることができるかもしれない。
「自分達が囮になるためには、見習い程度の力量が必要でございます。かなり頑張って修行する必要があるのでしょう。満さんの仕事を手伝いつつ、修行によってその技を教えてもらって下さい」
 ピニオンが口を開く。
「今、彼に入っている依頼は、迷い猫の捜索みたい」
「チラシ制作、配布、聞き込み、地道な捜索が必要となりましょう。根気よく頑張って下さいませ」

 敵は2体。
 武器は螺旋手裏剣を使用し、螺旋忍者と同じグラビティを使用する。
 囮となることに成功した場合は、螺旋忍軍に技術を教える修行と称して、有利な状態で戦闘を始める事が可能となるだろう。
 相手は忍びだ。一芸に秀でていなければ、到底誤魔化すことはできない。
 戦闘場所は横浜中華街。
 観光客が多いので市民に溶け込みやすいが、戦闘場所を選ばなければ被害が広がるだろう。
 メイン通りを離れた場所に広い公園があるので、協力してうまく誘き出して欲しい。
 万寿の拳に力が入る。
「忍び対探偵! 何だか燃えますな……!」
「相手は本業だから、油断しないようにね」
 がんばろう。


参加者
七奈・七海(旅団管理猫にゃにゃみ・e00308)
暁星・輝凛(輝きの若獅子・e00443)
三村・美衣子(美少女探偵・e02815)
舞原・沙葉(生きることは戦うこと・e04841)
彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)
天姫・夕輝(紫水桃華・e22445)
ジェミ・ニア(星喰・e23256)
ピニオン・クロックワーク(クロックワークシスター・e31986)

■リプレイ

●野堀探偵事務所
 狭い室内。天然パーマの激しい男性が、8名のケルベロス達にコーヒーを紙コップで振る舞っている姿が。
 彼はこの探偵事務所の所長、野堀満。
「えーと、依頼……ではないんだよね? 僕の……護衛をしたいってことになるのかな?」
 ケルベロスだと明かして事情を説明していた暁星・輝凛(輝きの若獅子・e00443)が頷くと、舞原・沙葉(生きることは戦うこと・e04841)が身を乗り出す。
「私達は螺旋忍軍を撃破し、貴方を守るために来ました。どうかご協力お願いします」
 七奈・七海(旅団管理猫にゃにゃみ・e00308)がキープアウトテープを呈示して見せる。
「ケルベロスが使用している道具の一つです。必要なら警察とも連携を取って、我々の身分を証明できますが」
「や、まあ、うん。いいよ。探偵は市警とあんまりお話したくないし。怖いおじさん達より、若い子にかまってもらえた方が嬉しいし」
 軽い雰囲気の満に些か不安がつきまとうが、七海が続ける。
「相手は螺旋忍者で、貴方の技術を狙っています。我々が囮になって敵を分断できるよう、貴方の下で訓練を受けさせて頂きたいのです。螺旋忍者の教導に説得力が持てなくては、この任務は失敗してしまいます」
「う、うーん。そう言われてもなあ。ウチは儲かってない探偵だし、そんな、どうして僕なんかが狙われるのか、サッパリ検討つかないんだけど。人違いじゃないの?」
 それに関しては、同業者の三村・美衣子(美少女探偵・e02815)も頷きたくなる。
 ケルベロスにも探偵業はいるのだから、こちらを狙ってくれりゃ面倒が無くて良いのにとは思っていた。
 ドア付近に立っていた天姫・夕輝(紫水桃華・e22445)が口を開く。
「狙われているのは本当のことですわ。このことに関して嘘は申しません」
「守秘義務が大切な仕事で、簡単に部外者を入れられないのは分かる。信じてくれとしか言えないけど、あなたを守りたい気持ちだけは、絶対に本当よ」
 今回調査していたピニオン・クロックワーク(クロックワークシスター・e31986)の台詞に満が困ったように頭をかいていると、美衣子が続ける。
「あたいは、父親が失踪してるんだ……。こういう仕事が出来れば、見つける助けになるんじゃないかと思って」
 美衣子の声色から本心を察したのだろう、軽くて浮いていてもさすがは探偵業。チラリと満の視線が彼女に流れたのを見て、ジェミ・ニア(星喰・e23256)が頭を下げた。
「貴方と、その優れた探偵技術を失いたくない。僕らが身代わりになります。どうか貴方の技術を伝授して下さい。必死で頑張ります!」
「お、おいおい、頭なんか下げられたら困るよ……」
 夕輝が首を横に振る。
「だって、本当に野堀様を失いたくありませんもの。ですから、その技の伝授を、よろしくお願いします」
「探偵技術が螺旋忍軍の手に渡れば、人々のプライバシーを踏みにじるように使われかねません。螺旋忍軍から人々をも守るため、お力を貸してほしいんです」
 最後に彼方・悠乃(永遠のひとかけら・e07456)の押しの一手。
 満はようやく観念したように頷いた。
「オーケーオーケー、了解した。で? おじさんは、何すればいいのかな?」
 とりあえず修行はできそうである。
 第一段階はクリアしたのだと、ケルベロス達は顔を見合わせてはにかんだ。

●探偵業務
 現在、満に入っている依頼は、中華街にある中華飯店の猫の捜索。
「これはおじさんの得意分野なんだけど、近隣のお家へチラシ配布とー、あと、確認情報がとれたら、連絡くれた方に会いに行って、好んでよく食べてたペットフードなんかを渡して置いてもらって、その周辺のポストにもチラシを投げ込んでくる、と」
「チラシを張ったりしたらどうかしら」
 美衣子の提案に満は手を叩く。
「おっ、美衣子ちゃんやるねぇ-。本業みたいだよー。そうだったそうだった。大事なことを忘れていた。そっちの方もお願い。張った所忘れないようにね、見つかった後は撤収しないと、信用に関わっちゃうから」
 本業なのであるが、そこはゴフンゴフンと誤魔化す美衣子。ちなみに、他の探偵がどう業務を行っているか、技術を盗み……ゴホンゴホン知りたいようだ。
「では、チラシを作成しましょう。迷い猫の写真はありますでしょうか?」
 悠乃の目の前に差し出されたファイルにクリップどめされた猫だが、ものすごいブサイク顔で覚えやすい。これなら捜索中に色々な猫を見ても区別がつくだろう。
「私は外回りの待機をしてますね。人間が通り辛い猫ルートを実際に捜索するので、データお願いします」
 七海がそう言った後、動物変身をして猫になると、満は驚いて悲鳴を発した。
 満が初めて見るウェアライダーに興味津々の間、悠乃が防具特徴の動物知識を活用し、猫の特性を割り出している。
 共有した情報を地図と時系列で分析、捜索範囲を絞り込む。
「お見せできないのが残念ですが、色々なアイテムがありますよ」
 ジェミはレプリカントだ。アイズフォンは標準装備、スーパーGPS等と併用して使えばかなり操作も楽になるだろう。
「猫が入り込む隙間、猫だまり、徘徊ルートを把握した後は、取集した情報を地図データ等にし、皆で共有します」
 データがまとまり始めると、七海の外回りが始まった。
 チラシの第一弾をプリントアウトし、沙葉と夕輝がその後に続いて出発する。
 沙葉は隣人力とプラチナチケットを用いて聞き込みに歩いた。
 周辺の地図と仲間が作ったチラシを携帯。地元の情報に明るそうな露店の店主あたりを中心に、チラシを見せつつ情報を探る。
 有力そうな情報を掴めば仲間と共有。徐々に範囲を移動していく。
 夕輝はウェーブがかった髪を後ろで一纏めにし、道行く人にできるだけ柔らかめに声をかけていく。
「お願いします」
 他のメンバーからの情報が更新されていくと、少しずつ範囲を移動した。自らもそれに貢献するべく、何らかの情報を聞けた場合は、すぐにメモをして共有を。
「地道なことの積み重ね、ですわね」
 ジェミは猫の気持ちになって探すべく、先程から狭い場所を選んで入り込んでいる。
 家の隙間、ごみ置き場で餌を探して、それにエアコン、給湯器の室外機、料理店の換気口付近は暖かくて過ごしやすいかも、とウロウロ。すれ違う観光客が首を傾げていたが、これも探偵業。
 第二弾に刷り上がったチラシを持って走ったのは、輝凛。
 男の子らしく探偵好きなので、今回の作戦にはわくわくノリノリの様子。
 周辺住民や観光客に特徴を伝えて目撃情報の聞きこみをしているうち、中華街の付近には高校があるらしいことを突き止めた。
 町に慣れた学生は有力情報をくれそうだと、制服姿の人に優先的に聞きまわる。
 ピニオンは容姿的な意味合いで人の目を引いてしまうので、自らの適性を考慮した操作に出たようだ。
 そしてこの国の傾向を読み……親切心にすがる戦法。
「あノ、この写真の猫、知りませんカ……?」
 世界自由からおもてなしの国と名高い日本。海外の人には親切にと教育された訳ではなかったが、困っている人を放置しておけない特性のようなものを持っている人は少なくない。冷や汗混じりのカタコト戦法は周囲の焦りと同情を大いに引いた。
 繰り返し繰り返し地道に同じことを続け、3日後の事件当日があっという間に訪れる。

●事件当日
 事務所でゲッソリしているのは満だ。沙葉がその満を励ましている。
「先生、しっかり」
 悠乃が彼にコーヒーを渡し、最終判断を仰ぐ。
「本業から見て、囮ができる程の技術を取得できてる者はいますか?」
「うん。まあ、いるよ。うん、まあまあ、それは、もお。みんながんばってくれたから、おじさん花丸あげちゃうし」
「囮の志願者は3名います。暁星さん、三村さん、他に適任者がいなければクロックワークさんが」
「う、うん。まあ、確実なのは、輝凛くん……かなあ」
 あくまでも現時点の話だ。この先の行動で、実際どうなるかは分からない。
「おじさん、顔に出てたら困るから、帽子を深く被ってめちゃくちゃ下向いて歩くよ……あとは頼んだからね」
 満を一人で事務所に置いて出てしまえば、格好の餌食になる。ケルベロス達は彼を連れて事務所を出た。
 囮作戦開始だ。
 元町・中華街駅から下りると、山下町公園の方へと進む。
 ターゲットの満が外に出たのだ、敵はどこからか見ているに違いない。
 周囲は観光客が大勢中華街に向かって行き来している。こんな場所で攻撃をしかけられれば、大勢が逃げ遅れて大変なことになるだろう。
 沙葉が行動に出た。
「先生、こっちですよ!」
 仲間と思わせるため、あえて接点を持つ。そこでジェミが方向を示す。
「こっちの公園に徘徊ルートが集中しています。皆であたってみましょう」
「じゃあ、僕は念のため、連絡があった中華街の方に向かってみるよ」
 輝凛が単独になり、他のメンバーは満を連れて山下町公園へ向かう。
 8名の姿が見えなくなった頃、一人で歩いていた輝凛が声をかけられた。
「アナタ、野堀探偵と知り合いデス?」
 きた。
 振り返ると、短袍を着た細面の男性が、にこやかな表情でこちらを見ている。
「そうだよ。おじさん誰?」
「ワタシ、探偵に興味アリマス。お話聞かせてホシイ」
 当然、この怪しい男性が螺旋忍軍のうちの一人として対応するのが妥当だろう。輝凛は快く承諾すると、探偵術について話しながら移動し、時間を稼ぐことに神経を集中させた。
 一方、分かれた8名は山下町公園にたどり着いた所だ。
 中華街のメインストリートから少し外れた場所だが、それでも休憩している観光客が数名見える。祭の日を外してくれて良かったとミス・バタフライに感謝したい程だ。
 満は會芳亭に腰掛けると一息をつく。
 ここならば一応屋根が有り、上からの奇襲はできない。横からの攻撃を注意しつつ、満を間合いに入れて行動すれば拠点として行動できるだろう。
「聞き込みしてきまーす」
 彼を視野に入れながら、ピニオンが徐々に遠巻きになると、太めの青年が道を塞いだ。
「よおよお、アンタ達、探偵? 何探してるんだ?」
「猫だけど。見たことある? こういう子」
「へえー、探偵ってこういうの探すんだ」
 螺旋忍軍の一人だろう。グイグイと仕事内容を聞いてくる。
「興味あるなら、こっちこない? 先生がいるわよ」
 当然食いついた。
 ニヤニヤ笑ってついてきた目の前に、7名と1匹が満を前にズラリと勢揃い。
 アッと気がついた時はすでに遅し。夕輝が逃げ道を塞いでいた。
「螺旋忍軍。絶対に逃しはしませんわよ」
「ケルベロスか! お前等に用はないんだ、どけ!!」
「やらせはしませんし、盗ませもしません」
 ピニオンがパラレルを満の前に移動させる。
「大っ体あなたたち、気にくわないのよ! 人の技術の上澄みを、そう簡単に奪い取れると思わないで!」
 何が始まったのだろうと、その場にいた観光客達が狼狽え始めた。そして螺旋忍軍が変装を解いてクラウンの姿を現すと、その場で一斉に悲鳴が上がり、逃走が始まってしまった。
「ちょ……やばいよこれ! ど、どうするの!」
 慌てた満は動けず、會芳亭の柱の後ろに隠れている。
 その場にいた観光客は多くはないが、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う人間に、苛ついたクラウンが周囲に攻撃をしかけてきた。
 まずい! 思った瞬間に美衣子は周囲の観光客の間に飛び込み、きついダメージを食らってしまう。
「早く逃げて!」
 場は騒然となったが、周囲の観光客はビルの中に避難できたようだ。
 美衣子は息を切らせると、戦言葉で身を固める。
「あんまり、こういうのは性分じゃないんだけど……ま、同業者のために頑張りますかっ!!」
 悠乃が気力溜めで美衣子を回復すると、それをジャマされぬように沙葉が達人の一撃を至近距離からめり込ませる。入れ替わりジェミが緩やかな弧を描く斬撃で月光斬を繰り出すと、敵は大きく身体を跳ね上がらせた。
 そのまま急降下して美衣子を狙ったが、七海の淤岐嶋乃鰐が先に命中し、クラウンは背後にはじき飛ばされる。
「報いを! 報いを! 尊厳を冒せし者に相応しき報いを!! 尊厳を剥ぎとり晒してやれ!!!」
「チィ……!!」
 大きな隙が生まれ、夕輝が美衣子のダメージを回復するのに十分な余裕ができた。
 ピニオンがそれを視野に入れつつ、クイックドロウを撃ち込み、パラレルに美衣子へ対して属性インストールを指示する。
 ザッと一同が着地し、再び武器を構え直す。
「貴様らなど一人で十分だ!!」
 言うやクラウンのシュリケンスコールが前列に降り注ぎ、5名がそれを受けて身を伏せた。
「クッ……!!」
 輝凛は大丈夫だろうか。
 一人でいる彼の安否が気にかかった。

●野堀操作ファイル『始末書』
 輝凛の携帯が鳴る。
「もしもし? ……え!?」
 彼は通話に入ると、突然息を飲み込んだ。
 こちらにいる螺旋忍軍はロープだ。驚くような何かがあったのだろうと分かっていたが、白々しく聞いてきた。
「ドウシタ?」
「仲間にトラブルがおきた!」
 山下町公園に向けて走り出した輝凛を追い、ロープも彼に続く。
 公園にさしかかった時、前を走っていた輝凛が突然視界から消えた。ハッとした瞬間、走る足に回し蹴りを食らわせられ、顔面から公園に滑り込む。
「くっ、な、何しやがる……!!」
 目の前に立った輝凛が燐光転身を発動し、金色の光子を全身に纏いながら雄叫びを上げた。
「僕はケルベロス。そして、獅子座の……『探偵騎士』さ!」
 プロから探偵術学んだから嘘じゃない! と小さく付け加え、仲間と合流。
 ケルベロスは全員で8名。ではさっきの電話は……? と、地べたに寝そべるクラウンの姿を目に入れ、ロープは激怒する。
 最後の仕上げだ。
 おそらくタイプはジャマーかスナイパーだろう。前がいないのであれば、そう長くは持ちこたえられまい。
 ロープは応戦するも集中攻撃を受けてあっという間に気が遠くなる。そこにジェミが止めを刺した。
 スッと間合いに入り、音速を超えて飛び込むと、ロープの胸にハウリングフィストで風穴をあける。そのまま吹き飛ばされた敵は會芳亭の柱に激突し、満の目の前で灰となって消え去った。

 戦闘終了後の山下町公園。
 長かったような、短かったような3日間があっという間に過ぎ、輝凛は緊張を解くとにぱっと笑って両手を挙げた。
「疲れたけど、楽しかった!」
 目の前で生の戦闘を見た満は興奮気味で、拳を握りしめている。
「やー、すごかった! 本当、何とお礼を言っていいか!」
「あらあら、まあまあ、うふふ」
 満の勢いに夕輝が笑っている。
 少々ハプニングはあったものの、今回の事件は無事解決。
 名探偵ケルベロスが8名生まれ、劇終となる。
 猫のニャンニャン?
 それは本業の探偵にお任せを。

作者:荒雲ニンザ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年10月7日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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