千葉県木更津市、郊外の山の中。
ほとんど人の立ち入ることのない山林の一隅に、異様な三人組が出現した。一人は奇術師のような派手な服装の若い女性、一人はだぶだぶの道化師服を着た性別不明の小柄な人物、一人は蝶ネクタイをつけた給仕のような格好をした大男だが、三人とも顔面を螺旋模様の仮面で覆っている。デウスエクス・スパイラス……螺旋忍軍だ。
そして奇術師のような姿の女が、他の二人に命令口調で告げる。
「この街に、行方が分からなくなった愛玩動物を探し、見つけ出すことを仕事にしている、ペット探偵と呼ばれる人間がいるようです。その人間と接触し、仕事内容を確認、可能ならば習得した後、殺害しなさい。グラビティ・チェインは略奪してもしなくても構わないわ」
「……はあ」
いったい、なぜ、そんなことを、と言いたげな風情で大男が首をかしげたが、小柄な道化師が甲高い声で応じる。
「了解しました、ミス・バタフライ。一見、意味の無いこの作戦も、巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのでしょう?」
「ええ、その通りよ。あなたたちの働きに、期待します」
ミス・バタフライと呼ばれた奇術師風の女は、軽くうなずくとそのまま姿を消す。その後には、半透明な蝶が何匹か舞っていたが、やがてカードに変化して地面に落ちた。
「千葉県木更津市で、螺旋忍軍のミス・バタフライが策動を行うという予知が得られました」
ヘリオライダーの高御倉・康が、緊張した表情で告げる。
「例によってミス・バタフライは、二体の配下に向け、木更津市に住むある人物の仕事内容調査、可能なら技術技能の習得、そして殺害を命じました。今回狙われているのは、行方不明になったペットを探して見つけ出す、ペット探偵と呼ばれる人のようです」
そう言って、康は一同を見回す。
「調べたところ木更津市には、専業のペット探偵として活動している『猫間・研(ねこま・けん)』という人物がいるようです。おそらくミス・バタフライ配下の二体の螺旋忍軍は、この人に接触してくるでしょう。しかし、事前にこの人に警告して、避難とか身を隠すとかの対応をすると、専業ではなくペット探しもしている別の探偵が狙われるかもしれません。そうなると、防ぎようがなくなってしまいます」
そう言って、康はプロジェクターに地図と画像を出す。
「ペット探偵猫間研さんの事務所は、雑居ビルの三階で、場所はここです。ペットを探してもらう依頼者として接触するか、あるいは弟子入り志願をするか、何かの取材と称するか……とりあえず急ぎさえすれば、螺旋忍軍に先んじて猫間さんに接触することはできると思います」
接触した後どうするかは、状況次第だと思いますが、と、康は肩をすくめる。
「ミス・バタフライが差し向けてくる螺旋忍軍は、二体。予知の中では道化師の服を着た小柄な人物と、お仕着せ姿の大男の二人でしたが、さすがに、そのままの格好で接触しては来ないと思います。どんな格好で、どうやって接触してくるのかは、まったく分かりませんが、大柄と小柄の二人組に対しては、警戒が必要かもしれません」
そう言って、康は一同を見回す。
「ミス・バタフライ……螺旋忍軍が、なぜペット探偵を狙うのかは分かりませんが、風が吹けば桶屋が儲かる式に、連鎖しての大事件を起こそうとしているのかもしれません。いずれにしても、螺旋忍軍が一般人を狙っているのを、放置はできません……どうか、よろしくお願いします」
参加者 | |
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ロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329) |
アルベルト・アリスメンディ(ソウルスクレイパー・e06154) |
リューデ・ロストワード(鷽憑き・e06168) |
八崎・伶(放浪酒人・e06365) |
久遠・征夫(静寂好きな喧嘩囃子・e07214) |
ソル・ログナー(夜闇に霞む明星・e14612) |
美津羽・光流(水妖・e29827) |
ノア・リグレット(機械仕掛けの恋のうた・e32160) |
●ペット探偵のお仕事
「……弟子入りしたい? 僕に?」
ペット探偵の猫間と名乗った青年は、事務所を訪れたロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・e01329)とノア・リグレット(機械仕掛けの恋のうた・e32160)の二人を見やって、心底怪訝そうに呟いた。
「ええと……まず、うちには探偵助手を正規雇用する余裕はない。バイトとして仕事の手伝いや雑用をやってもらえるなら、頼みたい仕事は山ほどあるけど、バイト代は最低限レベルだよ……それでいいのかい?」
「はい」
ロベリアとノアは、揃って殊勝……というか、猫をかぶった態度で応じる。
そして猫間探偵は、半分独言のように呟く。
「どうも、君たちは何か勘違いしてる気がするけど、あれこれ言うより、僕の仕事を手伝って実態を見てもらった方が早いだろう。さて、それじゃ……」
何を頼もうかな、と探偵が言った時、事務所のインターフォンが鳴る。
「はい、ペット探偵の猫間です」
「こんにちは。私、ペット関係の雑誌を発行しているのですが、ペット探偵さんのお仕事を取材したく参りました」
ソル・ログナー(夜闇に霞む明星・e14612)の声が応じ、猫間探偵は苦笑する。
「お入りください。ドアは開いてます。ただ、あまり面白い記事になるようなお話はできないと思いますよ」
「いえいえ、そんなことは。では、お邪魔いたします」
そしてドアを開けて入ってきたのは、ソルと久遠・征夫(静寂好きな喧嘩囃子・e07214)と、大ぶりな撮影用カメラを持った八崎・伶(放浪酒人・e06365)の三人だった。
「はじめまして。私はソル・ログナーと申します」
「久遠・征夫と申します。こちらはカメラマンの八崎です。私はソルさんのお手伝い役ですが、就職情報誌のコーナーなども書いていますので、よろしければ、そちらにも使えるようなお話を……」
調子よく告げる征夫に、猫間探偵は苦笑したまま首を横に振る。
「いや、就職情報誌に載せられるような話は、更にないです。ぶっちゃけ、専業のペット探偵というのは、職業として成立していないので」
「は?」
意外な発言に、ソルたち三人のみならず、ロベリアとノアも目を丸くする。
「いえ、でも、現にあなたは専業で……」
「それは、僕には普通の探偵業ができないので、やむを得ずペット探し専門でやっているんです。幸い、父がこのビルを遺してくれたので、家賃収入で何とか暮らしていますが、ペット探偵単体ではとても生活できない……というか、おおむね収支は赤字ですね」
身も蓋もない話で申し訳ないですが、と、猫間探偵は肩をすくめる。
ソルと征夫は顔を見合わせたが、結局、ソルが探偵に尋ねる。
「あの……失礼なお尋ねになりそうですが、なぜ、普通の探偵業はできなくて、ペット探しはできるのですか?」
「普通の探偵業は、いろいろな意味でハードです。人探しの仕事は、たいてい何か事情があって身を隠し逃げている人を追い詰める展開になり、探しあてると同時に修羅場になることも多い。浮気や不倫の調査なら尚更です」
そう言って、猫間探偵は溜息をつく。
「そして困ったことに、僕は修羅場が苦手で、特に男女関係の修羅場にぶつかると、深甚なパニックを起こすこともある。それでは探偵失格です」
「なるほど……普通の探偵業ができない理由は分かりましたが、その、赤字になっても、ペット探偵を続けている理由は何でしょう?」
ソルが尋ねると、猫間探偵は再び肩をすくめた。
「ペット雑誌向きの回答としては、ペット探しに成功すれば、依頼者の方に他意なく喜んでもらえるから、ですかね。本音としては、父の遺した探偵事務所を閉じてしまうのも勿体ないし、他に特にやりたい仕事があるわけでもないので」
「お父さんというと、このビルを建てた方……?」
ソルの問いに、探偵はうなずく。
「ええ、もう故人ですが、父は普通の探偵で、そこそこ成功してビルを建てて……亡くなる前に、僕が探偵事務所を継ぐと言ったら、喜んでくれました。僕が修羅場に弱いのは父も知っていたので、ペット探偵なら儲からないけど危ない目にも遭わないだろうということでね」
「なるほどなるほど……」
ソルが相槌をうち、征夫がメモを取る。するとそこへ、インターフォンが鳴った。
「はい、ペット探偵の猫間です」
「あの! 逃げちゃったペット探してくれる探偵さんって、こちらですか?!」
アルベルト・アリスメンディ(ソウルスクレイパー・e06154)の素っ頓狂な声が流れ出たが、探偵は落ち着いて応じる。
「そうですよ。どうぞお入りください」
「はいっ、どうもっ、お邪魔しますっ!」
言うより早くドアを開けて飛び込んできたのは、アルベルトとリューデ・ロストワード(鷽憑き・e06168)の二人。
「すみません、くろたま……って、うちのペットの黒猫なんですけど、犬に吠えられてびっくりして逃げちゃって! リューデと二人で追いかけたんだけど見失っちゃって! なんとか、見つけてもらえませんかっ?」
まくしたてるアルベルトを制して落ち着かせるような感じで、猫間探偵は穏やかに応じる。
「わかりました。すぐ現場に行ってみましょう。くろたまさんが逃げたのは、どのくらい前ですか?」
「えーと、20分前? そろそろ30分になる?」
アルベルトに尋ねられ、リューデはぼそっと答える。
「26分前だ」
「ふむ……場所はこの近くですか?」
探偵の問いに、アルベルトが即答する。
「近くです。走って5分ぐらい?」
「探しながらで5分、本気で走れば3分かからない」
リューデが補足し、探偵はうなずく。
「では、さっそく……あ、君たち二人のうち、どっちかはここで留守番してくれないかな?」
「え?」
いきなり話を振られ、ロベリアとノアが顔を見合わせたが、ロベリアが即断して応じる。
「では、私が」
「それじゃ頼む。電話は鳴っても取らなくていい。お客さんが来たら、猫間は仕事で出ていると言って、急ぎだと言われたら、僕の携帯に電話してくれ。僕の携帯はその電話から短縮の4で繋がるけど、お客さんに番号聞かれても教えないように」
口早に指示する探偵に、ロベリアは真剣な表情でうなずく。
(「螺旋忍軍の接触……常識的に考えれば、顔も知らない猫間さんに直接ではなく、まず事務所にくる。つまり、まず敵の正面に立つのは、おそらく私!」)
「わかりました。お気をつけて」
「ん、もし対処に困るようなことになったら、躊躇わずに僕の携帯に電話していいからね」
猫間探偵が告げた時、再びインターフォンが鳴る。
「すんませーん! ペット探偵の猫間はんはいやはりまっかー!」
怪しげな関西弁で呼ばわる美津羽・光流(水妖・e29827)に、探偵は穏やかに応じる。
「おりますが、ちょうど急ぎの仕事で出るところなんです。そちら、お急ぎですか?」
「あ、そやったら、仕事行く道々で話させてもろてもええでしゃろか? 大至急やないんだけど、どしても聞いてもらいたいことがあって」
「わかりました」
うなずいて、猫間探偵はドアを開ける。そこへ、ソルが少々慌て気味に声をかける。
「あの、私たちもお仕事の現場に御一緒してもいいでしょうか? もう少し取材もしたいですし……」
「構いませんよ。ただ、仕事優先になりますから、どうかよろしく」
応じて、探偵はアルベルトとリューデを促す。
「では、行きましょう。ばたばたしていて恐縮ですが、今はまず、迷子のくろたまさんを見つけるのが最優先です」
「はいっ!」
そういや自己紹介すらしてなかった、と、ちらと思いながらも、アルベルトとリューデは探偵に続き、留守番のロベリアを除く全員が、足早に事務所を後にした。
●忍軍罠にかかる
「ごめんください。ペット探偵の人は、いらっしゃいますか?」
「申し訳ありませんが、ペット探偵の猫間は、今、仕事に出ていて不在です」
インターフォン越しに訊ねる声に、ロベリアはよそいきの声と口調で応じる。すると相手は、微妙に違和感のある調子で続ける。
「いつごろ、戻られますか? 戻るのを、ここで待っていてもよいですか? あるいは、仕事先を訪ねてもよいですか?」
「はい、事務所でお待ちいただくのは構いません。お入りください。お急ぎでしたら、猫間に連絡し、その旨お伝えします」
ロベリアの返答を受け、ドアが開く。入ってきたのは、小柄な人物と大柄な人物の二人連れ。つば広の帽子を目深にかぶり、顔を隠しているのがあからさまに怪しい。
「はい、急ぎです、急ぎですから、探偵の人に連絡してください」
「かしこまりました」
応じると、ロベリアは事務所の電話を取り上げ、猫間探偵に通じる短縮の4番……ではなく、光流の端末に連絡を入れる。
「猫間先生? 留守番のロベリアです。急ぎの依頼の方が事務所に見えています。『小柄な方と大柄な方の二人連れ』です。そちらのお仕事の都合もあるとは思いますが、戻れるようなら、戻っていただけませんか?」
「……わかった。任しとき。皆に連絡して、即、事務所行くわ」
光流が応じ、ロベリアは二人連れに告げる。
「猫間は、急いで事務所に戻ると申しております。このままお待ちください」
「おお、グッド、グッド。では、待たせてもらいましょう」
そう言って、二人は置いてある椅子に腰かけたが、帽子を脱ごうともしない。
「何かお飲み物でも?」
「いえいえ、お構いなく」
短いやりとりの後、緊張をはらんだ沈黙が流れ。
そして間もなく、ドアが開いてケルベロスたちが一斉に入ってきた。
「こちらがお客さん? お待たせー!」
陽気に告げながら、アルベルトが事務所の奥側へ素早く回り込む。
「あなたが、ペット探偵ですか?」
「いや、そうじゃないんだな~」
軽くはぐらかし、アルベルトはドアの方を見やる。
「待たせたな。ワシに何の用やねん」
最後に入ってきた光流が、ドスの効いた口調で尋ねる。
「あなたが、ペット探偵……?」
「おっと待った。話するなら、まず顔見せるのが礼儀やろ。帽子取らんかい!」
光流に一喝され、二人連れは渋々帽子を脱ぐ。すると、出てきたのはゴム製らしき人の顔を模した仮面。
「それも、顔やないな。その下は何や?」
「き……傷があるのだ。見せたくない」
小柄な方の人物が言うと、光流は口元を歪める。
「二人揃ってか? アホぬかせ。まともに顔も見せん奴と、仕事はできんわ」
「何と無礼な……それならいい。他所へ行く。この街に、ペット探偵は貴様一人でもあるまい」
憤然と言い放って、小柄な人物が帽子をかぶりなおした、その瞬間。
「他所へは行かせない……どこへもなァ!」
気合一閃、ソルが刃のような回し蹴りを放ち、小柄な人物の側頭部を直撃する。一撃で帽子とゴムの仮面が綺麗に吹っ飛び、螺旋模様の仮面が露わになる。
「ぎはあっ!」
「な、ナニをスル!」
小柄な人物は転倒し、大柄な方は戸惑いながら身構える。
「やはり、螺旋忍軍でしたか……ここまでやって違ったら一大事でしたが」
少々怖い呟きを洩らしながら、征夫が二体の敵に向け、無数の刀剣を召喚して頭上から叩きつける。
「ぎゃああっ!」
「やっと使えました……死天剣戟陣」
何かこだわりがあるようで、征夫は天を仰いでじーんとした表情になる。
一方、アルベルトは、あくまで陽気に言い放つ。
「さあ、命のやりとりをしよう!」
言葉とともに放たれるのは、無数の弾丸。必殺技『Soulscraper(ソウルスクレイパー) 』が発動し、小柄な敵を仕留めるかと見えたが、間一髪、大柄な方が庇う。
「ぐあああああっ!」
「なるほど、そちらはディフェンダーか」
小さく呟き、リューデが冷凍弾を撃つ。攻撃は大柄な敵の頭部に命中、帽子やゴム仮面を凍りつかせる。
そして、素早く衣装を変えたロベリアが、ここまで姿を隠していたビハインドの『イリス』とともに進み出る。
「さて、留守番の仕事はここまで、ここからはケルベロスの仕事だ」
「……ケルベロス!」
愕然として、大柄な敵が呻く。
(「まさか、ケルベロスと気付いてなかった? 余計なことを言ってしまったかな」)
内心舌打ちしたが顔には出さず、ロベリアは力任せに鉄塊剣を叩きつける。続いて『イリス』が敵の背後に瞬間移動し、剣を振り下ろす。
「ぐぐ……なぜ、ケルベロスが、先回りを……」
「さて、なぜだろうな」
ま、予知がなかったら、ペット探偵が狙われるなんて予想もできないけど、と内心舌を出しながら、伶がフォートレスキャノンを撃ち放つ。
ちなみに伶のサーヴァント、ボクスドラゴンの『焔』は、万が一に備えて猫間探偵の直衛として残してきている。
そしてノアが、二体の敵に対してマルチプルミサイルを放つ。もはや、小柄な敵より大柄な敵の方が損傷が重そうだが、それでもディフェンダーの意地か、大柄な敵は仲間を庇って損害を引き受ける。
「ぐぐ……うわっ!」
ぜいぜいと荒い息をつく大柄な敵に、ノアのサーヴァント、ミミックの『ラウド』が、がぶりと噛みつく。
それでも、かろうじて踏ん張り立つ大柄な敵の前に、光流が立つ。
「何企んでるのかわからへんけど、それもここまでや」
口元に嘲りの笑みを浮かべ、しかし目は冷ややかに敵の損傷を図りながら、光流は螺旋手裏剣を飛ばす。
「お前らに仕込まれた技や。これで逝けい」
「ぐっ……き、貴様、螺旋の……」
呻く敵の顔面に手裏剣が深々と突き立ち、帽子、ゴム仮面、螺旋仮面、頭蓋骨から脳髄、すべてを両断する。相棒が斃れた時、やっと小柄な敵が起き上がる。
「貴様ぁ! 死ねい!」
相手を標的のペット探偵と思い込んでか、小柄な敵は光流に襲いかかったが、サーヴァントの『イリス』が瞬間移動して盾になる。
「ぬううっ!」
「……おおきに」
螺旋忍軍は歯噛みし、光流は『イリス』に一礼する。
そしてソルが、天を仰いで叫ぶ。
「悲劇はいらない。哀しみはもういい。残酷劇に用はない。空を見上げろ、世界に誓え。この身に宿る全てを使って、俺はこの手で正義を成す!」
「うわああああああっ!」
必殺『降臨昇華・天元貫く一拳一志(フルポゼッション・オーバーライト)』が発動。極大威力の正義の拳が、敵の頭部を粉砕する。
「貴様らに、猫間さんたちの汗と涙の結晶たる技術は奪わせない。……疾く、去ねッッ!!!」
●闘い終わって
「で、弟子入りも取材も依頼も、全部狂言だった……というわけか」
事務所に戻ってきた猫間探偵を前に、ケルベロスたちは頭を下げた。
「申し訳ない。相手の狙いが不明確だったので、事実を話すことができなかったんだ」
伶が謝罪すると、探偵は苦笑して応じる。
「まあ、いいさ。デウスエクス以外は誰も傷つかなかったし、くろたまさんも実際には行方不明になってないわけだし……」
いくら探しても見つからないはずだよ、と、猫間探偵は呟き、アルベルトとリューデは少々身を縮めた。
作者:秋津透 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年9月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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