倒せ!怪人痴漢男

作者:ともしびともる

「この人、痴漢です!」
 都内を行く満員電車の中、女子高生の藤堂千香が彼女のスカートに手を入れてきた痴れ者の手を捻り上げ、勇気を振り絞ってそう叫んだのは今朝のことだ。
 周りの乗客に取り押さえられた気弱そうな中年サラリーマンは、罪を認めて謝り倒したが、駅員に突き出す直前に一瞬の隙を突かれて逃走されてしまった。
 その後、千香は駅で事情聴取を受け、駅から開放されたのは昼過ぎだった。恐怖と嫌悪、怒りに震え、最悪の気分で歩いていると、公園に差し掛かったところで、彼女のスマートフォンにメッセージが届いた。学校の級友とのグループチャットからだ。
『千香!聴取お疲れさま、大丈夫!?』
『だめ~。もう本当、最悪!』
 返信しながら、今更急いで学校に行く必要はないと、公園のベンチに座った。友人達はメッセージを通して千香を励まし、慰めてくれる。
『ああいうクソ親父どもは、絶滅しちゃえばいいんだよ!』
『それマトモな親父さんに悪いよ、豚野郎でよくない?』
『それじゃ豚が可哀想だって、オーク野郎でいいし』
『それなら、絶滅して全然オッケー』
 そんな友人達のやり取りについ笑う。友人達の励ましに幾ばくか心が晴れたが、痴漢親父とオークが合わさった化物を想像してしまい、千香の胸をまた嫌なものがよぎった。
「私のモザイクは晴れないけど、あなたの『嫌悪』する気持ちもわからなくはないな」
 ふと気がつくと、千香の目の前に人影があった。驚いて顔を挙げた瞬間、その人物に大きな鍵で胸を貫かれた。
 途端に千香は気を失ってベンチに倒れ、彼女を襲った第六の魔女・ステュムパロスは満足げに姿を消した。そして公園には、8本の腕を背中にはやした、例の痴漢男そっくりの異常な化け物が出現していた。
 
「『嫌悪』を奪うドリームイーターによって、またおぞましい怪物が生み出されてしまったっす……」
 黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)がうんざりしたような口調でケルベロスたちに告げる。藤堂千香の痴漢に対する嫌悪が、ドリームイーターに狙われてしまったようだ。嫌悪を奪ったドリームイーターは既に姿を消しているが、気を失った千香と生み出された怪物はまだ公園に残されている。
「皆さんにはこの公園に急行してもらって、この怪物が新たな事件を起こす前にやっつけちまって欲しいっす。怪物を倒せば、気を失った被害者も目を覚ますはずっす」
 痴漢への嫌悪から生み出された怪物は、オークと痴漢男が合体したかのような見た目をしている。肥満したオークの体に、脂ぎった痴漢男の顔面、そして背中には8本の男の腕が生えており、すべての指が芋わきわきと蠢いている。背中の腕は伸縮可能で、男女かかわらずいやらしく揉みしだくことで攻撃してくる。さらに怪物は口臭がかなりキツく、息を吐きかけられると毒状態にされる。
「遠くにいる相手には、痰をすごい勢いで飛ばすこともあるみたいっすね。最低最悪にキモい敵っす……」
 ダンテは頭を抱えたが、すぐにケルベロスたちに向き直り、激励をこめて言う。
「人の心を利用するドリームイータももちろんすけど、人の心を傷つける痴漢ヤローもぜってー許せないっす! 皆さん、そいつを痴漢だと思って、徹底的に叩きのめしちまって下さいね!!」


参加者
水無・ゆかり(目指せ未来系女子高生・e00258)
カナタ・キルシュタイン(此身一迅之刀・e00288)
イピナ・ウィンテール(折れない剣・e03513)
斎藤・斎(修羅・e04127)
茅乃・燈(キムンカムイ・e19696)
羽衣乃・椿(衣改の魔女・e20239)
ウルトゥラ・ヴィオレット(はいじんおふぃさー・e21486)
青木・杏奈(やかましかしましお喋り大好き・e30474)

■リプレイ

●遭遇
 公園に現れた痴漢の怪物はしばらく辺りを見回していたが、ベンチに横たわる千香を見つけてにやりと笑った。両腕と背中の手、合計50本の指を蠢かせながら千香に忍び寄る。
「待ちなさい、このどすけべ怪物っ!」
 水無・ゆかり(目指せ未来系女子高生・e00258)の挑発するような呼びかけに、痴漢男は振り向いた。
「それ以上その子を傷つけることは許さないわ。変態野郎!」
 千香と自分の経験を重ね、浴びせる言葉につい怒りがこもる。
 「これは、なんとも…」
 遭遇前から既に気が滅入っていたイピナ・ウィンテール(折れない剣・e03513)だったが、敵を眼前にして今や寒気すら覚えていた。
「おおぅ、これはある意味すごいマッチした外見ですけど、とにかくインパクトありますね……」
 お喋りで鳴らした青木・杏奈(やかましかしましお喋り大好き・e30474) も、さすがにドン引きだ。
「まさに中年オヤジの嫌な所を最大限発揮したような奴ねぇ……」
 カナタ・キルシュタイン(此身一迅之刀・e00288)は嫌悪感もあらわにため息をもらす。
 怪物の呼吸と共に漂う口臭に、ウルトゥラ・ヴィオレット(はいじんおふぃさー・e21486)が眉をひそめる。
「ふけつですね。ふけつはハイジンオフィサーとしてみのがすわけにはいきません」
 コンピュータ様が同意するようにピコピコッと鳴った。
「女性の敵であり、冤罪に悩む男性の敵でもありますからね……痴漢など、完膚なきまでに叩きのめして差し上げましょう」
 斎藤・斎(修羅・e04127) 静かに言いつつ、その物腰とは裏腹の凶悪なフォルムのチェーンソー剣を構える。
 わしゃわしゃし続ける男の指に、茅乃・燈(キムンカムイ・e19696) の背筋がぞわっと粟立つ。
「……ぼくも最近痴漢にあったんです。ゆかりさんと電車に乗ってたら、突然スカート越しにぼくのお尻をさわさわって……! ぼく怖くて声も出なくて……!!」
「あっ、それ触ってたの私だ」
「痴漢は女の敵です、許せません! ……って、え?」
 さくっと衝撃発言をしたゆかりを、燈が唖然と振り返る。
「……ゆーかーりーさーん!?」
 真犯人発覚でヒートアップする燈とは対照的に、羽衣乃・椿(衣改の魔女・e20239)は緊張した面持ちで敵の姿を見ていた。
(痴漢……今度は相手が相手ですし、ビシッと止めれるようにしないと…)
 怪物の外見に、彼女の忌むべき記憶が脳裏をよぎる。
「色んな意味で危険な相手ですけど、負けないように気をしっかりと持たないと、ですね…」
 椿は覚悟を決め、痴漢男に向き直った。
「さあて、頑張って倒さないとね!」
 燈のじとーっとした恨めしげな視線を避けつつ、ゆかりも戦闘態勢に入った。

●蹂躙
 痴漢男は早速ゆかりにむけて2本の腕を伸ばしてきた。
「甘いっ! あかりんバリア!」
 それを見るや否や、ゆかりは燈の後ろに回りこんで盾にしようとする。
「そう来ると思ってました!」
 しかしゆかりの行動を読んでいた燈は、スッと立ち位置を換え、ゆかりを無防備に晒す。
「あれっ? なんで私が前になってるの……?」
 きょとんと立ち尽くすゆかりの胸を、男の腕がわしづかみにした。
「い、いやぁ」
 男は指を蠢かせ、ゆかりの豊満な胸を容赦なく揉みしだく。
「燈ちゃ、っくぅ……そこはダメ、やだっ……!!」
 力が抜け、その場にへたりこむゆかり。尚も手を離そうとしない男の手を、ウルトゥラのハンマーが叩き払った。
 ウルトゥラの攻撃を筆頭に、ケルベロスたちは初手グラビティを発動させる。痴漢の次の動きに皆が身構えていると、痴漢男は大きく息を吸い込み、
「ンハァァー」
 前衛全体に腐臭じみた息を吐きかけた。
「キャー!?」
 すさまじい口臭に前衛陣からたまらず悲鳴が上がる。
「えほっ、えほっ、もう、見られるも嫌だってのに……!」
「同感です、とにかく早く決着をつけちゃいましょう!」
 カナタの悪態に、イピナが同意しながら痴漢男へと切りかった。振るった日本刀は月弧を描いて痴漢男を切りつける。しかし男の両腕で防がれたその薄い手ごたえに、イピナは思わず声を上げた。 
「こいつ、固い……!?」
 どうも痴漢男はディフェンダーのようだ。持久力を上げることで何度でもこちらに触れてやろうという魂胆だろう。
「ほんとに、嫌らしい奴、サイテーよ!」
 ゆかりがオラトリオヴェールを前衛にかけながら、涙目で悪態をつく。
「ありがとね。さ、ゆかりちゃんもしっかりなさい、ねっ?」
 カナタはゆかりにお礼を言いつつ、彼女のバストにぷるんと触れた。
「ひゃあ!?」
 カナタは満足げに笑い、すぐに表情を引き締めて痴漢男に鋭く飛び掛っていく。
 ケルベロスの猛攻の中、痴漢男はイピナへと狙いを定め、腕を伸ばしてきた。
(私を狙ってきた? 鎧を着た私に触る所なんて……)
 しかし男の狙いは胸ではなかった。男の腕はイピナの背後に回り、彼女の翼の付け根を弄り始めた。
「きゃぁっ!? い、いや、うう……やめてぇ!?」
 滅多に触れない部分を執拗に撫で回され、自分でも驚くような大きな声を出してしまう。何とか背中の腕を払い、ぜえぜえと息をしているイピナの、そのお尻がぞわあっと撫でられた。
「っ!! きゃあああああ!!」
 思わず全力の悲鳴を上げながら、力任せに刀を払う。切っ先は男の腕に当たることなく空を切った。
 ケルベロスたちは次々とグラビティを打ち込むが男は倒れず、なおも痰を吐くなどの攻撃を繰り返して彼女達に悲鳴を上げさせる。
「痴漢なのにタンとか口臭とかなんなんですかねー!?ちょっと気持ち悪い人の要素さんに押されてますよ頑張って下さい痴漢の要素さん!揉まれたりする方がまだマシです!」
 杏奈が口を尖らせていると、不意に痴漢男と目が合ってしまう。
「へっ? ……あっ、ごめんなさい狙ってくれって言ってるわけじゃないので!ないので!!!」
 しまったとばかりに後ろへと逃げ出すが、伸びてきた腕にその足をつかまれて転ばされてしまった。うつ伏せにされた杏奈の尻を、男が2本の腕でスカート越しに押さえつけて乱暴に揉みしだく。
「ぎゃーっ! レビくーん助けてー!! ……や、やだああ、いやーーー!!」
 杏奈は涙目になりながら必死でもがき、どうにかこうにか揉まれ地獄から逃げ出した。
 次に狙われたのは椿だった。男の手が椿に向かって伸ばされる。椿は冷静に腕の軌道を見極め、逆に腕をつかみ返した。
「欲望一直線なのが仇になるんです!」
 その勢いを利用して男を投げ飛ばそうとする椿。しかし、別の手が近づいて椿の胸を揉みしだき始めた。
「しまっ……や、んんっ!? や、だ……離して、下さい・・・…っ」
 椿は動揺し、捕まえた手を離してしまう。開放された手は椿のスカートの中へするりと潜り込んだ。
「そ、そこだけは!? さわらな……ひあああぁっ!」
 体をビクンとのけぞらせる椿。視線の先では、痴漢男が椿を見ながらよだれを垂らして笑んでいた。
(また、好き放題されちゃうのかな……)
 悪夢が再来したかのような感覚が、椿の意識を朦朧とさせる。椿を絶望から救ったのは、一閃の雷槍だった。斎が狙い澄まして放った稲妻の槍は、椿の胸を弄る男の腕を引き裂いた。
「いい加減に、お痛が過ぎると思いますね」
 稲妻の光に椿がハッと気を取り直す。その瞬間にもう一陣の雷撃が、スカートに潜り込んでいた腕に炸裂した。
「やった! ほら! アンナちゃんもやれば出来る子なんです!」
 恐る恐るながら反撃の隙を伺っていた杏奈のライトニングボルトだった。二人にフォローされ、椿も頭を振って折れかけた心を持ち直す。
「ダメです……今度こそ、負けないようにしないと!!」

●反撃
 痴漢男のダメージは明らかに蓄積していたが、なおも痴漢欲求が留まることはない。懲りずに痴漢が標的にしたのは斎だった。すばやく近寄った手が斎の胸をむぎゅりと握る。
「……っ、この……!」
 恥辱に顔を赤らめながらも、斎は気丈にも悲鳴をかみ殺した。チェーンソー剣で腕を叩き切ろうとした瞬間、さらに二本の手が斎のスカートへと潜り込んだ。
「ひゃあああっ!?」
 これには斎も堪らず悲鳴を上げる。スカートの中で十本の指が蠢き這い回る感覚に、斎は取り乱してチェーンソーを落とし、腕を掴んだり叩いたりして振り払おうとする。なおも手を離さない男を斎は殺意をみなぎらせて睨み、力いっぱいに息を吸い込んで……
「きゃあああああああああああ!!!!」
 怒りと憎悪を爆発させたような悲鳴を上げた。その悲鳴は呪いの力を纏い、『地獄の叫び』となって男を縛った。男はよろめき、初めて片膝をついた。
 コンピュータ様が電撃ブレスを重ね、さらに男を麻痺させる。その男の眼前で、ウルトゥラの遠隔爆弾が炸裂し、男を仰け反らせた。爆炎が晴れると、突き刺すような殺意を纏ったイピナがすでに敵の目前へと飛び込んでいた。
「必ず殺す。私達の怒りと罪の重さを知りなさい……!」
 イピナが振るった殺意の絶空刃が、仲間達がつけた傷を正確に穿ち、男がうめき声を上げる。
「もう一息です、みなさん!」
 ゆかりがここ一番の笑顔とオーラで仲間達を後押しする。声援を受けたブリュレがひと睨みすると、男の体が勢いよく燃え上がった。
「悪霊退散痴漢成敗! さっさとこの世から消え去りなさい! 」
 炎上する男を追い打つように、カナタが火花散るエアシューズで一気に距離を詰め、男の左顔面に爆炎の跳び蹴りを叩き込んだ。男が衝撃によろめく。
「今よ、燈ちゃん!」
「我、空になりて邪悪を断つ。人を超え、獣を超え、カムイとならん。変態さんは、大自然のお仕置きを受けなさいっ! 」
 カナタの合図に合わせ、燈は巨大なヒグマへと姿を変えた。ファミリアのフレ、サーヴァントのレタル、三位一体となって痴漢男へと突撃する。男はフレの嘴とレタルの牙に全身を切り裂かれながら、交通事故にでも遭ったかのように吹き飛ぶ。さらにレタルが男に追いすがり、ソードスラッシュで追い討ちをかけた。
「今だー! 燈ちゃん覚悟っ!」
 攻撃を終え人の姿に戻った燈へと、ゆかりが両手を伸ばして友情のセクハラ攻撃を繰り出した。
「ひゃあん!?」
 胸を揉んだ瞬間、決まった!と思いつつ違和感を覚えるゆかり。
「あ、あれ?」
「カナタさん、ごめんなさい……」
 ゆかりが揉んだのは、カナタの胸だった。身の危険を感じた燈が、とっさにカナタを盾にしたのだ。
「……やるじゃない、二人とも。でも、あたしを触ったら倍返しよ?」
 カナタは妖艶に微笑み、二人の胸をつかんだ。そのまま二人の豊満な胸をこれでもかと揉みしだく。
「きゃあ!」「ふわぁ、ご、ごめんなさーい!!」
 突如じゃれ合いだす3人。一方、椿は精神を集中し、魔法の詠唱を始めていた。
「わが身を纏いし衣よ、この一時は敵を刻む鋭糸の刃となれ!」
 彼女の纏ったローブが無数の糸の刃へと変わる。糸の刃は男へと降り注ぎ、その身体を切り刻んだ。さらに杏奈がエレキブーストをレビ君にかけ、強化されたレビ君はやる気満々の顔を表示して突撃、男の脛へと凶器フルスイングを叩き込み、男を前のめりに倒させた。
 満身創痍の痴漢男、それでもなお肌に触れようと、二本の背中の手をウルトゥラへと伸ばした。ウルトゥラは咄嗟に胸の銀板を庇ったが、男の腕は彼女の顔へと伸び、耳のインカムを指先でぞろりと撫でた。
「……!!」
 不快な感覚にウルトゥラはビクッとして飛びのき、涙ぐみながらインカムを抑えてうつむく。しかし次の瞬間に顔を上げた彼女は、男を睨み、その抑揚の乏しい声を一層冷たく底冷えしたものに変えた。
「これほどのぶじょくてきはんぎゃくは、かこにもきろくがありません。かくごはいいですね?しみん」
 コンピュータ様の目がギラリと光り、雷撃のブレスとウルトゥラと氷撃が同時に放たれた。巻き上がった号煙が晴れると、痴漢男の姿は跡形も無くなっていた。

●終局
 戦闘が終わるとイピナは納刀し、すぐに倒れた千香の下へと駆け寄った。
「あれ……私、寝てた……?」
 イピナに助け起こされ、千香は目を覚ます。斎が心底ホッとして息をついた。
「気がついてよかった。大丈夫ですか?」
「ケル、ベロス……?」
「おおっ、目が覚めましたか! いや実はですねついさっきまで千香さんが考えたばっちい化け物が……むぐぅ」
 目覚めた千香に状況を包み隠さず伝えようとする杏奈の口を、椿があわてて押さえて止めに入る。
(あ、杏奈さんダメですよう、詳しいことは内緒にしてあげましょ?)
(でもでも!千香さんだって何があったかきっと気になりますって!)
 きょとんとしてしまった千香に、斎は苦笑いを返す。
「えっと、いろいろありまして。千香さんも今日は災難だったそうですね?」
「……そ、そうなの!! ねえ、あなた痴漢に遭ったことある?」
「……そうですね。あります。ね、イピナさん?」
「ええ、……ごく最近に。よかったら、愚痴でも聞かせてください、千香さん」
 斎たちが痴漢の話題で盛り上がっているとき、燈は指をわきわきさせてゆかりに迫っていた。
「さあ、先日の痴漢のお返しですよ。思い知りなさーいっ!」
 燈はゆかりに正面から抱きつき、お互いの大きな胸が押し付けあってつぶれるのも気にせず、お尻をわしゃしゃともみ始めた。
「ちょっ、や、燈ちゃ……きゃあっ!」
「えへへー、参りましたかー?・・・・・・ふ、ふわぁ!?」
 反撃成功に燈はニヤニヤしていたが、その燈のお尻をカナタにするんと触られ、自分も声を上げてしまう。カナタは艶やかな笑みを浮かべながら指を鳴らして二人に迫っていた。
「倍返しって言ったでしょ? 二人とも覚悟してもらうわよっ!」
 カナタが二人を押し倒し、ふたりの胸を交互に揉み始める。
 押し倒された燈は、ふとウルトゥラが自分達をじっと見ていることに気がついた。途端にに顔が真っ赤になる燈。
「ちょ、カナタさん、みんな見てます、見てますってばあああ!!」
「うふふ、問答無用よ!」
「こうふくのぎむを、はたしているようですね。そのちょうしです、しみんたち」
 楽しそうにちちくりあう3人の様子に、ウルトゥラが満足そうにうなずいた。
「はあ、それにしてもひどい敵でした。まだ服が臭う気がします……」
「もんだいありません、しみん」
 椿のため息を聞いて、ウルトゥラがハイテクそうな清掃道具を取り出す。ウルトゥラのクリーニングにより、色々と汚れた彼女達の服が清潔さを取り戻した。
「汗もかいちゃったし、気分転換に皆でお風呂にでも行かない?」
 二人を揉み倒し、快楽エネルギーで肌ツヤツヤになったカナタが提案する。足元には目を回して伸びているゆかりと、その隣でへたっている燈。かくしてケルベロスたちを阿鼻叫喚の渦へと叩き込んだ、痴漢男とのちょっとえっちな決戦は幕を閉じたのだった。

作者:ともしびともる 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年10月1日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
 あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
 シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。