虹色のイルカを探せ

作者:天木一

「ここが噂で聞いた、虹色のイルカが現われたという場所ね!」
 一人の若い大学生くらいの女性がデジタルカメラを手に周囲を見渡す。
「光の反射によって色の変わるイルカって話しだけど、本当にいるのかどうか、この目で確かめてみないと!」
 女性はスマホを弄って情報のあった掲示板をチェックする。
「ふむふむ、こっちの辺りかしら? まあいいわ! 一通り回ってみましょ」
 元気に歩き出そうとした時だった、その背後に音も無く黒衣の女が突然現われていた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 黒衣の女は手にした鍵を背中から突き刺し、女性の心臓を貫いた。手からするりとカメラが砂に落下し、女性は意識を失い崩れ落ちる。だがその胸には傷一つ残ってはいなかった。
 倒れた女性の横に、すうっと生き物が現われる。それは光の反射によって七色に見えるイルカの姿をしていた。
 
「一般の人がドリームイーターに襲われてしまうの! そして虹色のイルカが現われて大変なんです!」
 輝島・華(夢見花・e11960)が意気込んで、ケルベロス達に説明にならない説明をする。
「どうやら『興味』を奪うドリームイーターが現われ、奪った『興味』を元にして現実化した怪物型のドリームイーターにより、事件を起こそうとしているようなのです」
 その隣に居たセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が詳しい説明を始める。
「『興味』を奪ったドリームイーターは既に姿を消していますが、新たに生まれた怪物型のドリームイーターが被害を出す前に、皆さんの力で撃破してもらいたいのです」
 このドリームイーターを倒す事で『興味』を奪われた女性も目覚めさせる事が出来る。
「戦う事になるのは、イルカの姿をしたドリームイーターです。宙を泳ぐように移動して攻撃してくるので、地上とはいえ油断せずに戦ってください」
 全長3mほどで、素早い動きで獲物を翻弄する。
「場所は千葉の海水浴場。もうシーズンは終わっているので周辺に居る人は少ないようです」
 到着時には既に避難勧告が出ている。砂浜で意識を失って倒れている女性の近くに一般人は居ないだろう。
「不思議なものに興味を持つというのは、よくある事だと思います。敵を倒して女性を目覚めさせてあげてください。よろしくお願いします」
 セリカは説明を終えて、すぐにでも飛び立てるようにヘリオンに乗り込む。
「虹色のイルカを見るのは楽しみですの! でも悪い事をする子は倒さなくてはなりません。力を合わせて被害を食い止めましょう!」
 華がイルカに興味津々な様子を隠せずに目を輝かせる。ケルベロス達もまた見たこともない色彩のイルカとの戦いを思い、ヘリオンに乗り込んだ。


参加者
十夜・泉(地球人のミュージックファイター・e00031)
ロゼ・アウランジェ(時紡ぎの薔薇歌姫・e00275)
シヲン・コナー(清月蓮・e02018)
リィ・ディドルディドル(はらぺこディドル・e03674)
高原・結慰(四劫の翼・e04062)
霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)
輝島・華(夢見花・e11960)
ジャスティン・ロー(水色水玉・e23362)

■リプレイ

●秋の海辺
 ざざっと穏やかな波が浜辺を濡らし、強い潮の香りを運んでくる。
「わー華ちゃん虹色イルカだって! 絶対綺麗だよー! ドリームイーターなのが残念だよー。倒しておねーさん助けないとね!」
「虹色イルカの噂……本当にあったんですね。私も興味があって会えるのが楽しみですが、綺麗で可愛いイルカと言えど負ける訳にはいきません」
 ハイテンションのジャスティン・ロー(水色水玉・e23362)と輝島・華(夢見花・e11960)は仲良く周囲を確認し、どんな姿をしているのだろうかと楽しそうに虹イルカを探す。
「ロゼさん、今回もよろしくお願いしますね?」
 十夜・泉(地球人のミュージックファイター・e00031)はアレクセイさんがいない分も、自分が頑張ろうと気合を入れる。
「はい! 一緒に頑張りましょう。虹のイルカ楽しみですね!」
 こくりと頷いたロゼ・アウランジェ(時紡ぎの薔薇歌姫・e00275)は、どんなイルカなのか興味津々に目を輝かせ、背中の小さな金の6枚翼をぱたぱたと動かした。
「三mもある空を泳ぐ虹色のイルカ……。はぁ……ドリームイーターなのが本当に残念だよ……」
 その姿を想像した高原・結慰(四劫の翼・e04062)は、それを倒さなくてはならない事を嘆く。
「……こっそり写真とか動画に撮っておく事は出来ないかな?」
 隙があればなんとかならないかと、手にしたスマホを操作していつでも写真を撮れるようにしておく。
「避難が済んだ後なのが幸いだ。おいポラリス……クラゲだらけなんだから泳ごうとするな」
 周囲を見渡していたシヲン・コナー(清月蓮・e02018)が、飛んで海に突っ込もうとするボクスドラゴンのポラリスをキャッチして止める。
 その時だった、視界にキラリ輝くものが映る。それは地面に転がっているカメラのレンズの反射。横には女性が倒れ、その頭上をさまざまに体色を変える巨大なイルカが宙を泳ぐように飛んでいた。
「ふうん、虹色のイルカ……ホントだ、見る角度によって色が違う。けど、動かないと何かカラフルなイルカってだけで何か普通ね」
 見る角度を変えたりしながらリィ・ディドルディドル(はらぺこディドル・e03674)がイルカを観察する。
「見た目とかは普通に可愛いんですけどね。所詮は肉食であった。まぁドリームイーターなんで肉食も何もないですけど」
 可愛かろうと敵は敵だと、霖道・裁一(残機数無限で警備する羽サバト・e04479)は油断無く距離を詰めていく。

●空中遊泳
「あなたのお相手は、私達がします!」
 目を奪われそうになるのを堪え、ロゼは堂々と前に出て敵の注意を引きつける。
『キュ?』
 ケルベロスに気付いたイルカが視線を向ける。
「虹色のいるかですか、とても夢がありますね」
 動く度に鮮やかに変わる体色に思わず泉も見入る。
「夢はあっても、実害があるのではちょっと困りそうです」
 どれだけ美しいものだろうと暴れるとなると話は別だと、泉は踵を3回打ち鳴らすと地を蹴り、一気に頭上を取って飛び蹴りを浴びせた。それに続いてロゼも跳躍しイルカの横腹を蹴りつけた。
『キュキュッ』
 イルカは空中を転がるように滑り、体勢を立て直してロゼに向かって突っ込んでくる。
「まーさておき、可愛い団員たちに頼りにされちゃってるので頑張るとしますかね。華にジャスティン、シヲンも警備兵の名のもと、敵をしっかり取り締まるように」
 そう呼びかけながら裁一は駆け出し、抉りこむようにカウンターで腹を蹴り上げた。
『ギュィッ』
 息が詰まったようにイルカの動きが鈍る。
「華ちゃん! おねーさんを抱えて避難するよっ」
「はい、ジャスティン姉様!」
 仲間がイルカを引き離している隙に、ジャスティンと華は女性を持ち上げ、イルカから離れた場所へと移動を始める。それを守るようにボクスドラゴンのピローが敵との間に立ち塞がった。
「イルカさん。アナタの見る相手は、こっちだよ。間違えないでね?」
 避難の間こちらに視線を向けさせようと、結慰は跳躍して接近すると更に翼を羽ばたかせて上昇し、飛び蹴りでイルカの背中を蹴り抜く。
「随分と夢のある姿だが倒させてもらうぞ」
 シヲンが自作の目薬を仲間達にさすと、その目は動体視力を高めて敵の動きをクリアに写し出す。
「空中を泳ぐっていうのも不思議な感じ……こちらも負けてられないわね」
 砂を蹴り助走したリィは空を駆けるように跳躍して、イルカに追いつき胴を蹴りつけた。
『キュー!』
 イルカが周囲にホイッスルのような甲高い音波を放つ。そこへボクスドラゴンのイドとポラリスが割り込み、仲間を庇って攻撃を体で受け止めた。
「可愛い姿ですが、内面は野生の獣といったところでしょうか?」
 泉がナイフの刀身に敵の姿を反射させると、相手の目に幻を映し怯ませた。
「そんな可愛い姿をしたって……騙されません!」
 ぷるぷると首を振ったロゼが、踏み込みながら手にした刀を流星のように閃かせ、胴を斬り裂いた。
『キュッ』
 イルカは激しく宙を動き回り、ロゼを尻尾で弾き飛ばした。
「ちょっとは大人しくしてられないのかしら」
 光を纏ったリィがその体を受け止め、拳を下からアッパーで叩き込む。
「支援するぞサイイチ」
 シヲンがロッドを仲間に向けて電気を飛ばす。それは裁一の背中に辺り、巡った電気が体を活性化させた。
「はーい、お薬ですよ~。痺れるやつたっぷり入れときますからね~」
 気配無く背後に忍び寄った裁一は、背中に注射を刺して麻酔薬を注入した。
『キュ~』
 針の傷みにイルカが暴れ出すが動きを鈍らせていた。
「イルカさんを殴るのはちょっと気が引けるけど、ドリームイータなら仕方ないよね」
 イルカ目掛けて砂浜を蹴り頭上を取った結慰は、鋼を纏って落下し相手を殴りつけ地面に叩き落す。
『キュ!!』
 イルカは怒ったように牙を剥いて結慰に噛み付こうとする。その眼前に稲妻が走り、イルカは身を引いた。
「おねーさんの避難は終わったよ! それじゃあイルカ退治を始めよー!」
 更に雷を撃ち出して敵を牽制しながら、ジャスティンが戻って来た。
「皆様、援護しますので頑張って、十分気を付けて下さいね!」
 同じく華もロッドを振るい、雷の壁を築いて仲間達の体に耐性を与えた。

●虹色のイルカ
「カメラも回収しておきますか、海水に濡れたら大変ですしね」
 ローラーダッシュで駆け出した泉は落ちていたカメラを拾い上げ、そのついでのように炎を纏った足で敵を蹴りあげる。
「写真を撮りたくなる気持ち、わかります。けど、素敵な夢を悪用して人を傷つかるのはダメです」
 そこへ跳躍したロゼが黒水晶の大斧を振り下ろし、大きな刃を食い込ませてイルカの背中に大きな傷を抉った。
『キキューー!』
 イルカの放つ音波が近くに居たケルベロス達を薙ぎ倒す。
「こっちだ、纏めて治療するぞ」
「シヲン兄様、私も手伝います」
 シヲンはロッドを地面に立て、雷の壁を構築して仲間達を癒すと、続いて華もロッドを掲げて雷の壁を更に巨大にして効果を増幅させた。
『キュッキュ』
 溜飲を下げてイルカは楽しそうに宙を泳ぎ、すれ違い際に尻尾を叩き付けてる。
「チョロチョロ飛び回って、鬱陶しいやつね。でも、攻撃は軽いの。動きさえ止めてしまえば、ただのカラフルなイルカだわ」
 正面に立ったリィがイルカを捕まえる為に体で攻撃を受け止め、思い切り膝で蹴り上げた。
『キューーーー』
 吹き飛んだイルカが速度を上げて泳ぎ出す。
「空を飛ぶ事なら負ける訳にはいかないね」
 飛行して結慰は空中ですれ違いながら光の剣を振り抜き、刃がイルカの胴を斬り裂いた。七色の血を流しながらもイルカは泳ぎ続けて翻弄しようとする。
「頼りにしてるよ裁一だんちょ!」
 ジャスティンが応援しながら裁一の眼前に眼鏡に似たホログラフィを展開した。
「これは……なんだか! イルカを爆破できそうな気がします!」
 眼鏡を掛けて視力の上がった裁一が気を大きくする。するとやれそうな気分が魔力と化して拳に宿り、イルカの進路上に大きく振りかぶった拳を放ち、ちょうどやって来たイルカの腹を打ち抜いた。
『キューッ!』
 イルカが周囲に音波を放つと、3体のドラゴンが身を挺してケルベロス達を護る。
「ありがとうございます。護りはお任せします」
 その横をすり抜けた泉は、イルカの腹に勢いを乗せた回し蹴りを打ち込んだ。
「相手が虹色なら、こっちも負けてられないわね」
 リィが指示を出すと、3体のドラゴンが縦に肩車するように重なり合う。それはトーテムポールのようにも見えた。
「ポラリスの星の力、イドの闇? の力、そしてピローの抱きまくらの力……三位一体、足りない4色は気合で補うのよ」
 そんな力任せな説明でもドラゴン達はやる気を出して飛翔した!
「ピローちゃん、ポラリスちゃん、イド君、頑張って!」
 そこへ華も雷の力で仲間の傷を癒しながら声援を飛ばす。
「かわいいね! 僕もおーえんしちゃうよー!」
 ジャスティンがそれぞれのドラゴンの顔に、色違いの眼鏡のホログラフィを生み出す。
 眼鏡を掛けたドラゴン達は気合を入れて飛ぶ! だが3体が組んだ結果上手く翼が動かせずに、ふらふらのろのろと今にも墜落しそうだった。
『キュィィ?』
 そんな様子が気になるのか、イルカはぐるぐるとその周囲を遊泳する。
 ささっとベストポジションに位置取った結慰は光を反射して虹色に輝くイルカをスマホで撮影した。
「……不謹慎なのは百も承知なのは分かってる。けど、でも……悔しいけど、ちょっと、残しておきたかった」
 そして結慰は弾丸を撃ち込み、時が止まったようにイルカの体を凍りつかせた。
「みんなも可愛いです! 写真撮らせてもらいたいなぁ……!」
 愛らしい姿に目を奪われながらも、ロゼも軽やかに跳んで蹴りを浴びせ、敵の動きを止める。
「ポラリスがイド、ピローとドラゴン合体すると言っていたが……な、なんだこれは……可愛……げふごふ……真面目に、いやこれはこれで敵を油断させられ……てるのだろうか?」
 可愛いドラゴン達を前に錯乱しながらも、シヲンは仲間を治療する為にロッドから電気を飛ばした。
「まだ元気みたいですね~。もう一度お注射しておきましょうね~」
 ドラゴン達に注意を奪われているイルカの背後に回った裁一は、注射をお尻辺りに突き刺し薬液を注入した。
『キュゥ!』
 チクッとした注射の痛みを嫌がってイルカが飛び跳ねる。
「この後用事があるのでな、さっさと終わらせてもらう」
 ドラゴン合体から目が離せぬシヲンが突っ込み、白銀を纏った腕で殴りつけた。
「そう言えば、イルカのお肉って食べられるのかしら。ちょっと『興味』があるかも」
 悪戯っぽい台詞を無表情に告げたリィに、脅えるようにイルカは動きを止める。そこへリィが蛆虫の如く蠢く闇を呼び出し、イルカを呑み込んだ。
「申し訳ないのですが、興味の最終点です」
 無駄な動き一つなく、敵の動きを知っていたかのように待ち構えた泉は、すっと足を上げ敵の顔を蹴り上げ、つま先が食い込む。
「運命紡ぐノルンの指先。来たれ、永遠断つ時空の大鎌ーーあなたに終焉を」
 詩の一節を口ずさむとロゼの元に光纏う大鎌が現われる。
「ここはあなたの居場所ではありません。夢は夢に、かえしましょう!」
 一閃した光りがイルカの尾を断ち斬った。
『キューーー』
 イルカは速度を落としながらも上昇して逃れようとする。
「アナタが紡いだ歴史と世界は此処でお終い。壊劫は等しく滅びを齎す。例え世界でも関係無く絶対に、ね」
 上空へ昇った結慰へ光が降り注ぎ、滅びの光を纏った結慰がイルカに向け、自らを光弾と化して突進する。イルカは逃れようとするが間に合わず、直撃を受けて地面に叩き落された。
「ちょーっと殴るの可哀想だけど、ここで倒しちゃわないとね!」
 手にしたハンマーを砲に変形させたジャスティンは、砲弾を発射し敵を撃ち抜いた。衝撃に地面を転がるイルカは何とかもう一度宙へ戻ろうと泳ぎ出す。
「逃がしません、そして最後は裁一兄様にお任せですの」
 華の掌から色鮮やかなコスモスの花弁が舞い散り、風に乗ってひらひらとイルカの行く手を塞ぐように飛ぶと、通り抜けようとしたイルカの体を刃のように切り刻む。
「光の巨大サバトに変身! デストローイ!」
 リングを合わせた裁一は光の巨人に変身し、イルカを殴り、蹴り、ボディプレスで押し潰した。ぺしゃんこになったイルカは最初から何もなかったように消え去った。

●撮影会
「ん……私、寝てた?」
 目覚めた女性が頭を振って起き上がる。
「大丈夫ですか?」
「あ、うん、大丈夫大丈夫」
 心配そうに華が尋ねると、女性は元気に頷いてみせた。
「貴女のものでしょうか?」
「えっと、そうっそれ私のよ! ありがとう!」
 泉が拾っておいたカメラを差し出すと、女性は大慌てで故障していないか確かめ安堵の息を吐く。そんな女性にケルベロスが事情を説明すると、女性は立ち上がって頭を下げた。
「助けてくれて本当にありがとう! 私も見てみたかったな虹イルカ、でもまだ本物が居るかもしれないものね!」
 もう一度お礼を言うと、女性はカメラを手にイルカ探しに旅立った。
「可愛かったなぁ、虹色のイルカ。でもみんなも可愛いです!」
 ロゼがまだ3体合体したままのドラゴン達を写真に収めた。
「ふぅボクスドラゴンは最高だな」
 シヲンもまた写真を撮りまくって満足そうに相好を崩す。
「虹色イルカも良かったけど、これも可愛い……」
 結慰も言葉少なくスマホ撮影に集中していた。
「ううん、何かもっとこう根源から融合してくれないと……イド、あなたちょっと一度液状になって混ざり合ったりとかできないの?」
 リィがそんな無茶なダメ出しをすると、ドラゴンタワーはバランスを崩してばたりと倒れた。そこへフラッシュが一斉に焚かれる。
「その人気に嫉妬してしまいそうですね……」
 ドラゴン達の人気っぷりに暗い炎を燃やしてしまいそうになる裁一は、相手はサーヴァントだから自らに言い聞かせながらも、我慢できずに乱入してドラゴンタワーを分解した。
「海でちょっと遊びたいなあ! 華ちゃん達もどうー?」
 撮影会が終わると、ジャスティンが海に近づきながら呼びかける。
「海はもう泳げないですが、足をつける位なら……行ってみますか?」
「そうだな……泳ぐのは無理だが浜辺をのんびり散歩できたらいいな」
 華とシヲンもそれを追い靴を脱ぐと、もう随分と冷たくなってきている海に足を踏み入れた。
「虹のイルカ、本当にいると信じたいですね」
 ロゼも海に足をつけて微笑むと、砂浜を潮風が吹き抜けた。
「折角ですし少し休憩できるところに行きません?」
 一通り海の感触を楽しんだ皆を泉が誘う。すると何か食べて帰ろうかと声が上がり、ケルベロス達は濡れた足で楽しそうに歩き出した。

作者:天木一 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年9月27日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 7/キャラが大事にされていた 0
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