もふもふにゃーにゃー

作者:高峰ヨル

「あ、かわいー」
 学校帰りの通学路で、小学校3年生の久美子は一匹の捨て猫を見つけた。
 キジトラの子猫は段ボールに入れられ、にゃーにゃー鳴いて久美子を見上げている。
 久美子は思わずしゃがみ込むと、猫を撫でて給食の残りのパンをあげた。
「かわいそうだけど……うちでは飼えないんだよね。いい人に拾ってもらって……え?」
 突然、子猫が膨らみ始めた。
 子猫は身長150センチの久美子を追い越し、2メートルほどの大きさになる。
 巨大猫となった子猫は、久美子に甘えるようにじゃれついてきた。
 久美子は覆いかぶさるように迫ってくる毛皮の壁に押しつぶされそうになり――

「きゃああああああ」

 自分の悲鳴で、目が覚めた。
「あれ……?」
 久美子は自分の部屋のベッドにいた。体中が寝汗でびっしょり濡れている。
「なんだ、夢か……」
 安心して水でも飲みに行こうと思った時、背後から巨大な鍵に心臓を貫かれる。
 意識を失い、久美子はベッドに倒れた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『驚き』はとても新鮮で楽しかったわ」
 第三の魔女・ケリュネイアの横には、巨大な子猫が丸くなっていた。


「子供の想像力ってすごいですよね。大人が思いつかないような夢をみたりとか、それでビックリしてとびおきちゃったりして」
 笹島・ねむ(ウェアライダーのヘリオライダー・en0003)も子供なのだが、どんな夢を見るのだろうか。
「そんなビックリするような夢を見た子供が襲われるんです。その『驚き』をもとにして現実化したドリームイーターが、事件を起こそうとしています!」
 子供から『驚き』を奪ったのドリームイーターは現場にはいないが、『驚き』を元に現実化されたドリームイーターは撃破しなければならない。
「このドリームイーターを倒せば『驚き』を奪われた子供は目を覚まします。ただし、倒せなかった場合は……目覚めることはありません」
 ねむは悲しそうに言った。
 現場は被害者の家の近くの路上だ。周りは閑静な住宅地になっている。
 時刻が深夜ということもあって人通りはほとんどないが、誰も来ないとは限らないので注意が必要だ。
「ドリームイーターは相手を驚かせたくてしょうがないので、付近を歩いているだけで向こうからやってきます。また、自分の驚きが通じなかった相手は構ってほしくて優先的に狙ってくるようです」
 この性質をうまく利用すれば、有利に戦えるかもしれない。
「子供の夢を奪ってドリームイーターを作るなんて許せません。ドリームイーターを倒して、被害者の子を目覚めせてあげてください」
 ねむはそう言って、ケルベロス達に一礼した。


参加者
上月・紫緒(テンプティマイソロジー・e01167)
市松・重臣(爺児・e03058)
半月・夏樹(春空探偵団の探偵長・e04317)
神無・冬華(猫寝子巫術師・e04635)
クライス・ミフネ(黒龍の花嫁・e07034)
シャイン・ルーヴェン(月虹の欠片・e07123)
宝来・凛(鳳蝶・e23534)
佐伯・誠(シルト・e29481)

■リプレイ


 一見平穏な深夜の住宅地で、キープアウトテープを貼って待ち伏せるケルベロス達。
 腰に光源を下げた市松・重臣(爺児・e03058)が慎重に周囲を見回していた。
「儂より大きな毛玉とは夢の様じゃ……と言いたい所じゃが、現実はタチの悪い夢喰による仕業故、色々と心苦しいのう」
「重爺より大きい毛玉て、夜道で会ったら一般人はそれだけでホラーやわ。万一出歩いとる人おったら大変やね」
 宝来・凛(鳳蝶・e23534)は周辺に一般人が残っていないか見回り、戻ってきたところだった。
 子供の夢の『驚き』を元に作られた猛獣――元は愛らしい子猫なのだが、巨大化すれば大型の肉食獣と変わりはない。時にはその無邪気さが恐ろしいことになるだろう。そんなモノが足音も立てずに徘徊しているとは、一般人にとってはゾッとしない話だった。
 怖いのが苦手なのは一般人だけとは限らない。
 半月・夏樹(春空探偵団の探偵長・e04317)も怖いの苦手探偵長。だって、怖いものは怖いのだ。
「周囲警戒は入念にってね!」
 夏樹はテープを貼っているその間にも、慎重に殺界形成して一般人を遠ざけている。ビビり体質も良く言えば用心深いと言えるのかもしれない。
 神無・冬華(猫寝子巫術師・e04635)は両手でびーっと伸ばしたテープをぺたぺたと熱心に塀に沿って貼っていく。傍らについて回るのは、ウィングキャットの黒羽。
「脅かしには私は驚かないといけませんね。あ、黒羽は驚いちゃだめですよ。猫同士の喧嘩は初めが肝心だから、目を見つめて、牽制の猫パンチですよ! 視線を外したら負けですからね!」
 見かけによらず喧嘩慣れしたことを言う冬華であるが、書物から得た知識だろうか。無関心を装えば向こうから仕掛けてくるとはいえ、猫同士の喧嘩となればうちの子に負けてほしくないと願うのが飼い主の心情というもの。
 佐伯・誠(シルト・e29481)はスナイパーとしていつでも撃てるように銃を構えながら、愛犬のはなまる号に視線を送る。猫を相手にしに行くと知ってから、しっかり者のシェパード君は機嫌が悪い。
「もふもふは、はなまるだけで十分だ」
 そう言って頭を撫でてやる。仕事に関しては絶対の信頼を置いているが、こういう時フォローを欠かさないのが良き飼い主というものだ。
「まったく……か弱いおんなのこの夢をうばおうだなんて……このわしが許さぬ……」
 などと言いながら、クライス・ミフネ(黒龍の花嫁・e07034)は大胆に開いた着物の胸元に手を差し入れる。
 取り出したのは、猫じゃらしだった。
 そいつを弄びながら殺界形成――もふもふ空間をイメージしながら、殺気を醸し出す……どんな空間だ。
 その空間を、すらりとした優雅な麗人が横切る。
「敵とはいえ動物を屠る、というのは……」
 シャイン・ルーヴェン(月虹の欠片・e07123)は流麗な仕草で、悩まし気につぶやいた。
(「でも…もふもふしたいっ」)
 もふるとほふる。駄洒落だろうか。


「かわわっ!? にゃー!!」
 突然奇声を上げたのは、上月・紫緒(テンプティマイソロジー・e01167)だった。
 暗闇の向こうから、爛々と光る二つの目玉が近づいてくる。
 外灯の下に差し掛かると、浮かび上がったのは見事なキジトラ模様の毛皮――そのシルエットは、まさに子猫だった。
「ネコねこ子猫、大きな子猫♪」
 紫緒は目をキラキラさせて、楽し気に歌うように両手を広げて迎え入れようとしていた。
 ネコは大好き。もふもふしたい。愛したい。紫緒の中で等価である愛と憎しみは、この巨大な小動物に対しても無差別だった。
「にゃー! でっかいもっふもふやなぁ……!」
 凛は素直に驚く。瑶は無反応を決め込んでいるが、心なしか足元がプルプル震えている。
 巨大子猫はケルベロス達を認めるとぴたりと立ち止まり、巨大な口をカッと開けた。
「に”ゃ”ああああああああ」
「ひいいいっ!」
 夏樹がビビって後ずさる。演技ではなく素だ。
 怖いの苦手探偵長。夜道歩く時は足が震えてますよ探偵長。だって怖いものは怖いから。
 子猫特有の細く可愛らしいはずの鳴き声は、巨大化したせいか大型肉食獣のソレに聞こえる。それでも巨大でつぶらな瞳は、ガラス玉のように純粋無垢そのものではあるが。
 冬華はずずいと黒羽を前に出す。
「黒羽、ゴー! さっき言ったとおりにがんばれ!」
 精一杯メンチ切る黒羽に、巨大子猫は不思議そうに首を傾げてみせる。
(「か、可愛い~…っ抱き着いてもふもふしたい~」)
 シャインはそんなことを思いながらも、逃走を警戒して慎重に立ち位置を決める。
(「みんな幸せそうで何よりだ……」)
 誠は冷静だった。クールな射撃手は仲間との連携を踏まえ、効果的なポイントを狙いガトリングガンを構える。
 かしゃっ
 冬華はこっそり写メしながら、心配そうに夏樹を見た。先ほどよりは落ち着いているようだが。
「半月さん、足が震えてますし、顔色が悪いですけど大丈夫ですか? 体調が悪いなら無理をされないほうが……?」
「だだだだいじょうぶ! いやぁしかし、いい毛並みだね……」
 見慣れてくれば夏樹のビビりも落ち着いたのか、恐怖よりももふもふしたさが勝る様子。
 冬華はスマホをしまい、愛用の武器を構えなおす。
「ちょっと大きいですけど、可愛い猫ちゃんを多人数で叩くのはあまり気が乗りませんけど……ドリームイーターなので仕方ないですね! ……うちの黒羽や春雨のほうが可愛いですし」
 夏樹の肩に止まっていた春雨が、冬華に同意するように「にゃー」と鳴いた。
「そうだね。子猫は可愛いけど俺の春雨が一番可愛いからね」
 おっと、こっちもラブラブだ。冬華がクスッと笑う。
「もふもふの愛らしい子猫が今回の敵になるなんて……心苦しいけど皆の力をあわせて倒そう!」
「はい!」
 そして、愛が過剰に深い人がこちらにも。
 紫緒はごろんごろんにゃふーとなっている。
 愛と憎しみを等価とする、常人の皮をかぶった狂人と自らを認める彼女。戦いともなれば愛という名の狂気で己を鎧い、弱い自分を無意識に守るほどに。
 だが今回は、ひたすらメロメロになってるだけだった。
 一方、重臣は八雲とそろってどっしりと構えていた。
 だが厳つい見目に反し、重臣は可愛いものや動物大好きなモフラー。猫の攻撃であれば、何であれご褒美として受ける所存。
「さぁ何処からでもかかってくるが良い、もふり倒してくれようぞ!」
 よく見れば、こちらも武器にはさりげなく猫じゃらしがあしらわれ、風にゆらゆら揺れていた。


 絹糸の如き銀髪を靡かせ、シャインの足取りが優雅に、舞うように巨大子猫との距離を詰めた。
 衣の裾が乱れ、深く切れ込んだスリットからすらりとした脚がのぞく。
「私と共に踊れ!」
 機動力に裏付けされた確かな太刀筋は剣舞のごとく軽やかだが、一撃一撃は重い。
「に”ゃああああ」
 子猫は無邪気に、無粋に――麗人の舞姿に向かって突進してきた。
 これにはシャインの麗貌も口元のほころびを隠しきれず、思わずほんわかしてしまう。
 だが攻撃の手は緩めない。黒の弾丸が無防備にさらされた柔らかそうな子猫の腹毛に潜り込み、続けざまに雷撃を帯びた突きを見舞う。
 思わぬ逆襲だったのか、子猫は飛びのく。ケルベロス達からいったん距離を取り、円を描いてうろうろしている。
 子猫とはいえ、その動きは獲物を狙う猛獣そのものだ。
 そして、再びの跳躍は凛に向かった。
「いざもふもふ!」
 仁王立ちで待ちかまえながら、あれは夢喰い……夢喰いなんやと凛は自分に言い聞かせる。
「でかくてもやっぱ可愛ええもんは可愛ええから殴り難いわー!」
 と言いながら、子猫の鼻面に縛霊手のパンチを見舞い、網状の霊力が覆いかぶせる。
「猫は自由が一番……やけど、今回ばっかは縛らせてもらうよ」
 組みつかれ、ふわふわ羽毛のような子猫の毛が凛の頬を撫でる。めろめろになりそうな凛だったが、瑶のうなりに正気に返る。
「奇しくもキジ対決、こりゃ負けてられへんなぁ……!」
 誠のはなまる号も、獲物に果敢に跳びかかった。
「もふもふ同士だ。思いっきりやってやれ。お前の方が良いもふもふだ。それくらい朝飯前だろ」
 誠は思う――正直、はなまると猫が戯れてる姿は恐ろしいまでに可愛い。写真に撮って家族や署の相棒に見せてやりた……気づくと、はなまる号がジト目で誠を見ていた。
「大丈夫だ。ちゃんと集中はしている。そんな目で見るな。……本当に大丈夫だから」
 巨大子猫はふんふんと鼻を鳴らしながらケルベロス達を見まわし――跳んだ。
 跳びつかれたのは誠だった。
 因果なことに、クールな性分が子猫の構って攻撃の標的となったようだ。もっふもふにされる誠を見て、うらやま……いや、このままではいけないと戦闘モードになるケルベロス達。


 紫緒のサキュバスミストが毛だらけになったケルベロス達を包み込む。
 重臣、凛、夏樹、冬華、シャインがもふりたさにうずうずしながら猫を包囲する。
「八雲よ、共にもふもふを受け止めようぞ!」
 重臣の呼びかけに、八雲はパイロキネシスでガンを飛ばす。
「自慢のもふ尻尾で対抗じゃ!」
 ぶんぶんぶんぶん
 激しく尻尾を振る八雲。飼い主に似て、動物好きな戯れたがりの単純天然無邪気。
「もふもふヒャッハー☆」
 クライスは巨大なもふもふに、ついに我を忘れた。
「森羅万象の理を以ち、天に轟し、地に堕ちよ、、天龍の嘶きよ、、疾れ!」
 森羅流奥伝・響天導地……いや、地を揺らす踏み込みとともに繰り出されたのはグラビティではなく、毛玉に向かってダイブ――全身全霊をかけたもふもふであった。
 びしばしと引掻かれながら、クライスはうっとりとしていた。
「我々(もふりすと)にとってはご褒美です」
 巨大子猫がクライスににゃふにゃふと鼻先をこすりつければ、恍惚――もう重傷になろうとも本望という心持ちで、クライスは全身でもふもふを受けきる。
 そこへ春雨を両腕にしっかりと抱きしめた夏樹がたったったと駆け寄ってきて、春雨を投げつけた。
「春雨、目を狙うんだ!」
「きしゃー!」
 爪を立ててとびかかる春雨。
 鋭い爪が子猫の額のあたりをひっかき、うにゃっと怯ませるのに成功。
 夏樹も殺神ウイルスのカプセルを投げつける。
「数の利点を活かしちゃいましょう!」
 冬華が小さな指先に手挟んだ雪猫の蒼い栞を振り、【氷結の槍騎兵】で氷の騎士を召喚。
 クライスももふられているばかりではなく、絶空斬で反撃。視認できないほどの高速の猫じゃらし捌きが子猫の傷を深めていく。
「くっ、是程やり辛い相手を生もうとは……おのれ夢喰め!」
 重臣がファミリアシュートで子猫を射出すると、もふもふはさらにもっふもふになった。
 BSを浴びせられて子猫の動きが一瞬鈍るが、後ろ足を縮めて前足をぐっと伸ばす姿勢をとる。
「また跳ぶで!」
 凛が後衛に注意喚起、同時に逃走の懸念が脳裏を掠め、動く。
 跳びつかれたのは紫緒だった。
「~~~!!!!」
 貴重な回復手がもっふもふにされてしまう。
「ほらほら、情けない顔するな。集中する! ほらこんな血が出て……鼻血かソレ」
 誠は敵が至近距離に来たチャンスを逃さず、撃ちまくる。
 ダダダダダ
 弱点を狙い、ガトリングの痛撃を浴びせる。
 手応えあり。だが攻撃するたび気が抜けそうになる。
「……なんというか、倒すのに罪悪感がすさまじいな。コレは」
 跳びつかれ、弄ばれながらも紫緒の病みっぷりは本物だった。
「ちょっとぐらいもふもふを刈り取って持っていってもいいよね??」
 意味深な笑顔でドレインスラッシュ。もふもふではないが、生命力を簒奪するとちょっと気持ちいい。
 夏樹と冬華はうずうずしていた。二人とも隙あらば、いやむしろ堪能する方向でもふもふを狙っていた。
「……ここまで大きい猫さんだと、もふもふすると楽しそうですよね。隙あらばもふもふしたい所ですが、難しいでしょうか……実は、さっきこっそり写メとったんです」
「本当に? 僕にも送ってよ」
「はい、巨大とは言え可愛い猫ちゃんなのに代わりはありませんからね」
「そうだよね~。僕ももふりたい」
「爪の部分以外はそんなに殺傷力は……あ、いえ、ここまで大きいとそうでもないかもしれませんね」
「これでもドリームイーターだからね」
「それでも、もふもふしますが!」
「OK!」
 二人は乱戦に飛び込んでいった。
 こんな調子でケルベロス達が無傷で済むはずもなく、けっこう生傷が酷い。
 紫緒のサキュバスミストで濃縮された快楽エネルギーが漂い続け、もふもふと相まってなんともいえない空間になっている。
 厳つい顔を流血に染めた重臣は、鬼気迫る表情で猫じゃらしを握りしめ、気力を貯める。
「もふもふを堪能する前に倒れる訳には行かぬでな!」
「まだ堪能し足りひんの!?」
 シャウトで突っ込む凛も人のことは言えないのである。
 瑶は翼を羽ばたかせ、飼い主達の邪気を払う。だがもふもふに対する飽くなき煩悩までは払えたかどうか定かではない。
 凛はキッと子猫を睨む。
「女の子の悪夢を覚ますんがうちらの務め――猫に恨みはないけど、堪忍ね」
 何度も何度も子供の夢を弄んで、あの魔女絶対許さへん。その怒りは本物だった。
「幼子の夢を利用しようとはけしからん。悪いがお主には今宵限りで消えて貰うぞ……!」
「重爺、泣いとるん?」
 凛が尋ねると、重臣はこくんと頷いてこぶしで乱暴に目元をぬぐった。
 悲しみは重臣だけではなかった。
 クライスは刀を鞘に納め、居合の構えをとる。もふもふの失われる悲しさを噛み締めながら。
「我もふる、、故に我在り、、」
 鋭い目元に光るもの――抜き放たれた白刃は余計な情けを振り払い、斬った。
「可愛いものでも……容赦しないって知ってる?」
 シャインの声も露を含んで濡れていた。消えゆくものへ放るは、髪飾りの手向け。
「キジトラちゃん……最期は私と共に……踊れ! ――また会いましょう? 今度は普通の仔猫として、ね」
 ラストダンスは激しく、そして哀しかった。
 銃声。
「悪いな、俺は犬派だ。断然な」
 誠はどこまでもクールだった。
 きょとんとした表情の子猫の姿が淡く、薄く、やがて闇夜に溶けるように消えていく。
 微かな名残惜しさを残して、平穏が戻った。


「~♪」
 紫緒は柔毛の感触思い出しながら、ルンルン気分で周囲の被害を癒していた。狂気は抜けて、すっかりかわいいものが好きな普通の女の子だ。
 重臣は腕組みして夜空を見上げる。
「次はまた、娘さんが良い夢を見られると良いのう」
「今度は平和な夢を楽しめるとええね」
 凛は頑張ったなぁと瑶をもふもふ撫でる。
「被害者の子は目覚めたかな。皆のサーヴァントを見せに行ってあげようか?」
 夏樹の提案に、うちの子可愛いの面々は頷くのだった。

作者:高峰ヨル 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年9月28日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 3
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