橙色の灯

作者:志羽

●橙色の灯
 ねぇ知ってる? 鬼灯が提灯みたいに光るんだって、と少女の友人は言った。
 そんなことあるわけないじゃない、と笑い飛ばしはしたのだがもしそれが本当なら、見たいと少女は思ったのだ。
 近くに鬼灯の群生地がある。もうそれは色付いている季節だ。その中に、それをみつけることが出来るかなと、今向かっている。
「光ったら……とっても幻想的だろうなぁ」
 そう思って、群生している場所へ続く道へ足を踏み入れた時だ。
 とす、っと心臓を一突きする鍵。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 鍵の持ち主は、第五の魔女アウゲイアスは紡ぐ。
 そして倒れた少女の傍らには、鬼灯がほわりと浮かんだ。その鬼灯はほうと灯りをともしたもの。
 橙のあかり灯したそれはふわふわと空を飛びながら消えて行く。

●予知
「鬼灯が提灯みたいに光るんだって」
 そんな噂を聞いたのと花喰・香鹿(標星の宿り木・e01575)は言う。
 そしてその情報に関わる予知がでたのだと夜浪・イチ(サキュバスのヘリオライダー・en0047)は告げた。
 不思議な物事に強い『興味』を持って、実際に自分で調査を行おうとする。そこでドリームイーターに襲われ、その『興味』を奪われてしまうのだ。その『興味』を奪ったドリームイータ―はすでに姿を消しているようだが、その場にはその『興味』を元にして現実化したドリームイータ―がいるのだ。
「このドリームイータ―が被害を出す前に、撃破してほしいんだ」
 そうすれば、『興味』を奪われてしまった被害者も目を覚ましてくれるとイチは続ける。
 ドリームイータ―は、鬼灯そのものだ。しかし大きさは掌に乗るほどではなく大人ひとりくらいはある。
 それを誘きだすには、探すしかないらしい。
「鬼灯のドリームイータ―は、鬼灯の群生してる場所にかくれているんだ」
 その場所に、周囲の鬼灯を真似て紛れ込んでいる。
 それを見つけることによって、大きな鬼灯の姿となって現れるだろうと。
「おびき出すには、まずこれをみつけなきゃいけないみたいなんだよね」
 でも、それは見つけられるとイチは言う。
「もしかして……提灯みたいに光っているの?」
「そう。周囲の鬼灯と同じ植物の姿をしているけど、その橙色の実は光っているんだ」
 だからそれを見つければ良いとイチは言う。香鹿は、ドリームイータ―だけど素敵ねと小さく笑み零した。
「その光る鬼灯を見つけてもすぐには戦闘にはならないよ。引っこ抜いて持って帰ろう、みたいなそぶりを見せると元の大きな鬼灯に戻って襲ってくるんだ」
 つまり、見つけてもすぐ手をださなければ囲んだり陣形を整えたりすることができるのだ。
 その群生地もものすごくだだっ広いということはない。しばらく探せば見つけることは可能だ。
「光る鬼灯探し、きっととっても、たのしいね」
 もちろんドリームイータ―を倒さなくちゃいけないのはわかっている。
 けれど、少しくらいなら、たのしんでいいかなと香鹿は零した。
「うん、少しくらいなら。でも、このままにしておくことはできないからケルベロスさん達、解決よろしくね」
 ケルベロス達が向かうのは、色付いた鬼灯の並ぶ場所。
 その中にある、光る鬼灯を探しに。


参加者
リヴカー・ハザック(幸いなれ愛の鼓動・e01211)
花喰・香鹿(標星の宿り木・e01575)
ステラ・ハート(睡蓮の君・e11757)
成瀬・航(凛蒼・e23709)
グレッグ・ロックハート(泡沫無幻・e23784)
キルシュ・サルベージ(宝石商・e25914)
オズ・ナハト(星読み・e26890)
鴻野・紗更(よもすがら・e28270)

■リプレイ

●鬼灯のかくれんぼ
 夕暮れにその色が生える。ゆるく風そよぐ鬼灯の群生地――そこにケルベロス達は集った。
 これからの事に巻き込まれることはないが少し離れたところには少女が倒れている。
「すぐに助け出そう。少しだけ待っていてほしい」
 リヴカー・ハザック(幸いなれ愛の鼓動・e01211)は彼女の事を思い小さく言葉零した。リヴカーの視線が撫でるのはたくさんの鬼灯。
「食用でないものは『ランタンの草木』などとも言うらしいな」
 たしかに、光が灯る姿は実に似合いそうではあると思う。
「それだけであれば可愛らしい空想なのだが……」
 それだけでは、ないからこそ今ここにいる。
「……早く、ゆっくりと楽しみたいものだな」
 夕焼けの中に鬼灯。その様に見とれて零れた言葉。けれどすぐに気を取り直し、リヴカーは再び探し始める。
「この時期、鬼灯はあちらこちらで見かけるものになっておりますね」
 きれいな形も、鮮やかな色も、枯れた後の繊維と実の芸術も。そのどれも目を瞠るものがあるのでございます、と鴻野・紗更(よもすがら・e28270)は言う。
「それが光るとは、きっと美しい眺めでございましょうね」
 紗更はその様を想像して一層笑みを柔らかなものにする。だからこそ、思うのは。
「……ドリームイーターであるのが非常に残念でございます」
 そう思いながら紗更も件の鬼灯を探していた。
「実る様を見るのは、初めてだ」
 こんな風に成るんだなと成瀬・航(凛蒼・e23709)はしゃがみ込んで見る。
「……でも見惚れてる場合でも、ないな」
 さあ、宝探し競争だと航は再び足を進め始めた。
 探し物をする時、例えば空から探せたら便利なのかなと思うが、出来ないことを考えても仕方ないかと気合を入れ直し。
「光っているならそれなりに目立つだろう」
「鬼灯は可愛いからのう」
 こんな素敵な夢も植物好きの余としてはとても楽しいものじゃよ、とステラ・ハート(睡蓮の君・e11757)は言う。
「ひかるほおずき。ふよふよ」
 花喰・香鹿(標星の宿り木・e01575)はその様を想像してふふと笑み零す。
「……ほおずきって、鬼の灯って。書くんでしょう?」
 そうじゃな、とステラは頷く。
「お盆に死者の霊を導く灯として使われることもあるようじゃから、光るのはある意味当然かもしれん」
 もしもこれがトロピカルに点滅していたら一発でわかるのじゃが、夢が台無しじゃしのうと言うステラの言葉に香鹿はふふ、と小さく笑う。
「ひかってたら、それってなんだか。ひゃっきやこう? の、目印みたい。かくれた世界に、いざなうあかり。なんてね」
「光る鬼灯を探せばいいんだよなー」
 ケルベロスってこゆこともするんだなーとキルシュ・サルベージ(宝石商・e25914)は頑張るぞう! と気合一杯。
「宝探しみたいで楽しそー。もちろん、ちゃんと仕事はするんだぞ!」
 初仕事、とやる気満ちるキルシュの傍らにはボクスドラゴンのミコミ。しっかりというようにその瞳が見つめてくる。
「……かくれてるのは、夢喰いのほおずき。探検隊。ふふふん」
 いちばん最初に見つけて、わたしが隊長やるんだからと香鹿は負けないよと紡ぐ。
 さぁと鬼灯は身を寄せて香鹿への道を開いてゆく。
「さて、誰が一番に見つけるかえ? 余は負けんのじゃよ」
 目を皿にしてよーく探すのじゃとステラの足取りも楽しげだ。
「宝探しは得意だからな、任せてくれって話だぜ! 隊長の座はおれのもんだー!」
 キルシュはミコミに視線向けて。
「なあなあ、ミコミはどこら辺にあると思う? おれはなー、あっち! ……ってどこいくんだってばー!」
 と、先に歩み始めたミコミを追いかけてゆくキルシュ。
「競争、って名をつけるならおれも真面目に探してみなきゃね」
 皆がいない方向、あっちにいってみようかとオズ・ナハト(星読み・e26890)はボクスドラゴンのシュテルンに声かける。
 視線合わせて覗き込む。先が見えにくい時は他の葉や実を傷つけないよう気を付けながらそっと手でかき分けた。
「ふふ。宝探しみたいで、たのしいね」
 その声に同意するようにシュテルンも一声鳴く。
「これから戦う相手を探すのを宝探しと称するのは妙な感覚ではあるが……これも仕事の内……か」
 楽しげに見える仲間達の姿にグレッグ・ロックハート(泡沫無幻・e23784)は零し辺りを見回す。
 宝探しのような香鹿達。けれどこんな、宝探しのような遊びをした経験乏しいグレッグは少し戸惑いがち。だがつまらないわけでもなく楽しげになってくる。
 人の抱く興味――心を覗き見る真似は良い趣味とは言えない。
(「倒す事に変わりはないが誰よりこの灯り見たいと望んだ本人が見られないと言うのも皮肉な話だ……」)
 そしてそれぞれ鬼灯の中を歩み――ほうと光灯る鬼灯が見つかる。
「皆! あった……!」
 航は手をあげてここだと皆へ知らせた。
「うぎゃっ!」
 光る鬼灯見つけてステラは思わず駆けだす。しかし足を取られて盛大に転ぶ。
「むむぅ、ざ、残念なのじゃ、痛いのじゃ……」
 おでこを抑えてステラは立ち上がる。
「残念。負けちゃったね」
 そう零しながらオズも向う。その表情は悔しさ滲むこともなく、微笑み浮かべどこか楽しげだ。

●光る鬼灯
 ただ一つだけ。ほんのりと灯りをともした鬼灯がひとつある。
「すげーなあ、キラキラして宝石みたいなんだぞう」
 ほーと感心してキルシュはこれ持ち帰ったらショーヒンにならないかな! とミコミに言う。
「きれいだな」
 今は温かささえ感じるような小さな灯り。けれど放っておけば誰かを傷つけるかもしれないなんて。
「……きれいなのに、な」
 航は呟いて、キルシュを見る。
「……ここからは気を引き締めて、行こう」
「全員揃ったし引っこ抜くぞう!」
 それぞれの準備はできている。キルシュはその鬼灯に手をかけた。
 そしてそれをずぼっと地面から引き抜いた瞬間――鬼灯はぱっとその手から逃れて膨れ上がる。
 ほわほわと浮き、ぼうとその身の内に含む光が柔らかく明滅する。
 しかし、見つかったことを憤るかのようにそばにいるキルシュへと小さな鬼灯を飛ばした。
 その衝撃にキルシュの意思が鈍る。
「……なかなか幻想的で悪くないのだがな。残念だが、倒させてもらうとするよ」
 可愛らしい人を救い出さねばならぬのでなと、リヴカーはまずキルシュへと濃縮した快楽エネルギーを桃色の霧として向けた。その霧に癒され意識ははっきりとする。
「いざ、参りましょうか」
 紗更はルーン文字刻まれた斧を構える。
「多少手荒になりますが―――失礼致します!」
 ルーンが発動すればそれは光り輝く呪力をその身に宿し、紗更はそれを掲げ振り下ろした。
 呪力宿した斧の刃は鬼灯の実を捕えダメージを与える。
「まほうにかけられて、」
 ステップ、ステップ。わん、つー、すりーと歌うように香鹿が紡ぐは童話集【conte de fee】のひとつ。
 寂しい少女は魔法にかけられた。それを皆にも、タイムリミットは12時までの――ガラスのステップ。
 前列で戦う皆へ、香鹿からの魔法。
 続けてグレッグが動く。自らが抱く紅蓮の炎は脚へ踊る。
「――ただ、静かに眠れば良い」
 脚へと力を溜め、流れるように鬼灯の元へと走り込み、鋭く薙ぎ払うように脚を振り上げた。
 グレッグの身体は回転の力をもって放った蹴り。その動きを追うように舞い散る炎は手向けの花のように舞う。
 鬼灯はその衝撃に動きを鈍らせてゆく。
 その間にステラは攻性植物を収穫形態と変えて黄金の果実を実らせる。その恩恵は自分を含めた後列の仲間達へ。
「敵は一体だけど、油断せず行こう」
 この大きさだとさすがに、不気味――かもしれないと航は思う。
 とんと一歩踏み込む。
 航が人として高めたその技量。卓越した、達人の一撃を鬼灯へと打ち込む。
「綺麗、だねえ。害さえないのなら、日が暮れきってから散歩の供でもして欲しいものだけれど……」
 その灯り、消させて貰うよとオズは傍らに御業を喚ぶ。オズの傍らに現れた御業はその手より炎弾を放った。
「たのんだよ、シュテルン」
 その声に応える様にオズの攻撃後にシュテルンもタイミング合わせてブレスを。竜の吐息が鬼灯を包んで巻き上がる。
 同じボクスドラゴンの活躍を目にし、ミコミもブレスを吐いて鬼灯を攻撃する。それに合わせてぽちっとキルシュは手にある爆破スイッチを押した。
 それと同時に起こる爆発は鬼灯の下から。見えない地雷が次々と爆発してゆく。 鬼灯は攻撃を受けながら眩い光を放った。
 それをキルシュは庇いに入り受ける。目も眩むほど眩しい一瞬だが大丈夫とキルシュは示した。
 ふわふわと空に躍る鬼灯との戦いはまだ始まったばかり。

●灯りは消えゆく
 鬼灯の明かりはまだ絶えずある。
 攻撃が募り、確実に力奪われている事の表れだろう。鬼灯は自分を癒しながら戦っていたが、ずっと癒し続けているわけではなかった。
 攻撃を仕掛けつつとなれば追い詰められる時はやってくる。
 鬼灯の攻撃を受けダメージもあるが、今は攻撃をかける場面とシュテルンは再びブレスを。
 そしてオズは再び御業の力を借りる。伸びる御業の腕が鬼灯を掴み、逃がさないというように握りこむ。
 グレッグはその懐へ飛び込む。身に纏うオウガメタルがその姿を鋼の鬼と変えてグレッグの力となる。
 拳を覆う鈍い鋼の色。グレッグの突き出した拳が鬼灯の身へと穴をあけた。
「――さあ、チロ。戦場かけて、あらしまわって」
 ぴょんぴょんと香鹿の肩で跳ねた青い鳥は翼を広げ飛び立った。
 香鹿の力を得て、ファミリアであるチロは鬼灯を突き破る。
「もえてもえて、せめてさいごに、ほのおを灯して」
 攻撃を受けながらも鬼灯は小さなものたちを一斉に飛ばす。
 すぐ近くにいた航はその衝撃に見舞われる事に。
「私の目の前で……!」
 航が攻撃受ける姿を見てリヴカーは声あげる。
「夢を見るのは我らだけではないということだ」
 リヴカーの手元より離れた黒色の魔力弾。それは鬼灯を悪夢へ誘う力だ。
 鬼灯は何を見ているのか――その身をぶるぶると震えさせる。
「む、むぅ、余のヒールも負けてられんのじゃっ」
 言って、ステラは航へと癒やしの力を。
 お好みの世界はどんなかえ? と。それは可憐に咲く愛らしい睡蓮だったり目にも鮮やかな金魚やメダカだったり――癒しを与える姿は受けるものの好みに合わせて。
 決して大きな世界ではないけれど、耳を澄ませば――生命の息吹。
 その癒しを受けながら、航は身に宿すグラビティ・チェインを練り込み、研ぎ澄ます。
 それを凝縮し、手にある斬霊刀へと乗せた。
「鋭く、鋭く、その深くへ」
 その力が高まりきった瞬間、踏み込んで刃を振り払う。触れた瞬間、鬼灯へと送り込まれるその力は瞬時に暴走を起こし内側からの破滅を誘うのだ。
 両手に構えた爆破スイッチ。キルシュがそれを同時に押すと小型の見えない爆弾が鬼灯へと向かって飛び、爆破を起こす。
「ミコミ!」
 名を呼べばわかっているというようにミコミはタックルを鬼灯へ。
「煌々と光る鬼灯はとても美しいものでございましょう。それを利用して興味を持った人を襲うなど言語道断でございますが、なるほど敵も賢いものです」
 しかし、それもここで終わりと紗更は紡ぐ。
 ぽつり、ぽたり。身に宿したグラビティ・チェインを不可避を宿す魔術へと、紗更は変換してゆく。それは周囲を漂い、ほの光る青い雨粒。
「わたくしの持つ、魔術のひとつでございますれば」
 その雨粒を纏い、狙い澄ました一撃を鬼灯へと放つ。
 その一撃に、鬼灯に灯る光は掻き消えた。
 巨大な鬼灯はその実を果てさせ、やがて枯れ落ち消えたのだった。

●静けさの戻る
 さわさわと風がそよぐ。
 戦いのあった場には元の平穏が戻っていた。
「なるべく荒したくなかったけど……」
 まったくの無傷というわけにはいかなかった場へとヒールが駆けられる。
 ごめん、と航は小さく零す。
「……これで一つ、解決、なのかな」
 ここに安寧を取り戻せたのなら、いい。
 そう航は思ってふわりと笑みをこぼした。
「誰かに害が及ばない、ただ綺麗な光景であるだけなら良かったのに」
 オズはほとりと零す。けれど視線を巡らせれば、色付いた鬼灯の光景は変わらぬままだ。
「光る鬼灯は居なくなったけれど……普通に色付いた鬼灯たちだけでも、すごく綺麗、だね」
 もう少し見て行こうかとシュテルンに声かけると一声で返事。
「……やはりこうしていじらしく佇む姿こそ美しいな」
 リヴカーはふと瞳を細め声零す。
「……一時、癒された。礼を言おう」
 そしてふと、鬼灯一つにそっと指先を這わせる。
「お祭りにもなる植物というものはいいものじゃ」
 ステラは呟いてふと自分の髪に咲く花を思う。
「余の睡蓮も光らんかのう?」
 つんつんとステラは自分の花をつついていた。光る事なきその睡蓮はステラの上で静かに咲き誇る。
「鬼灯、持って帰れたりしないかなー、店に飾りたいぞ!」
 キルシュは一つくらいならいいかなとミコミを見詰める。
 ちょっとだけ、と香鹿は手を伸ばす。
「ほおずき、もらったらだめかなぁ」
「ひとつくらいなら良いのではないでしょうか」
 紗更はそれくらいならばきっとこの群生地からもお許しいただけますでしょうと柔らかな笑みを向ける。
 香鹿はひとつね、とぷちり。この鬼灯にヒールをかけたら。
「……おおきくなったり、ひかったり、しないかな」
 掌の上の鬼灯。
 そんなほんわりと光灯す鬼灯があったらいいな、見てみたいって――わたしも想うよ、と。
 香鹿は鬼灯に想い向ける。
 けれど、ひからなくても。皆でそれをもって列になったら。
「百鬼夜行のほおずきちょうちん。なぁんて。ね」
 帰り道を、照らす送り火。
 夕焼け色を受けて鬼灯はあかり灯したような光を帯び、それを手にこの場所を後にする。
 その様子をグレッグは見守りながら後ろをついていく。表情は変わらぬけれど、その瞳にはどこか優しげな色が満ちていた。

作者:志羽 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年10月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 3
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