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作者:荒雲ニンザ

 ビルの屋上、あと数日で満月になろうかという月を背後に、いかにも女性的な美しいシルエットが浮かび上がっていた。
 その元に、2つの影。
 ピンと弾いたカードが、月夜に輪を描く。
「あなた達に使命を与えます。この町に、実演販売員という、巧みな口上で商品を売りさばく事を生業としている人間が居るようです。その人間と接触し、仕事内容を確認・可能ならば習得した後、殺害しなさい。グラビティ・チェインは略奪してもしなくても構わないわ」
 それを受け、2つの影は身を低くする。
「了解しました、ミス・バタフライ。一見、意味の無いこの事件も、巡り巡って、地球の支配権を大きく揺るがす事になるのでしょう」
 その意味深な言葉と影は、風と共に消えた。

 一同を前に、神妙な様子で言之葉・万寿(高齢ヘリオライダー・en0207)が口を開いた。
「ミス・バタフライ……という螺旋忍軍が、動き出したようでございます」
 この事件は、先を見越した話となる。
 ミス・バタフライが起こそうとしている事件は、直接的には大した事は無いのだが、巡り巡って大きな影響が出るかもしれないという、厄介な事件だ。
「今回の事件は、実演販売員という、珍しい職業をしている一般人の所に現れ、その仕事の情報を得たり、或いは、習得した後に殺そうとする事件になります」
 この事件を阻止しないと、まるで、風が吹けば桶屋が儲かるかのように、ケルベロスに不利な状況が発生してしまう可能性が高いのだ。
 勿論、それがなくても、デウスエクスに殺される一般人を見逃すことは出来ない。
「皆様には、この一般人の保護と、ミス・バタフライ配下の螺旋忍軍の撃破をお願いしたいのです」

 詳細はこうだ。
 基本は、狙われる一般人を警護し、現れた螺旋忍軍と戦う事になる。
 だが、ターゲットを事前に避難させた場合、敵が別の対象に切り替えてしまう恐れが非常に高いため、その作戦をとる事ができない。
「その問題となる対象の人物ですが、低地邦夫さん、21歳。まだ若いのですが、非常に有能な口上で、実演販売をこなしておられるようです」
 この依頼では、事件の3日程前から、対象の一般人に接触する事ができる。事情を話すなどして仕事を教えてもらうことができれば、螺旋忍軍の狙いを自分達に変えさせることができるかもしれない。
「邦夫さんがこれから販売しようとしている商品ですが、えーと……『ランニングマシン』『空気清浄機』『こけし』とのこと」
 性能としては、粗悪品ではないが、特別良い訳でもなく、可もなく不可もなくといったあたりをさまようレベルの商品となる。
「いかにこのパッとせず、脈絡もない商品を関連づけて魅力的に販売できる口上を修行により取得できるか。これが今回の鍵となるでしょう」
 自分達が囮になるためには、見習い程度の力量が必要だ。かなり頑張って修行する必要があるのでがんばってもらいたい。

 敵は2体。
 武器は螺旋手裏剣を使用し、螺旋忍者と同じグラビティを使用する。
 囮となることに成功した場合は、螺旋忍軍に技術を教える修行と称して、有利な状態で戦闘を始める事が可能となるだろう。
 相手は忍びだ。一芸に秀でていなければ、到底誤魔化すことはできないだろう。それを肝に銘じて修行をしてほしい。
 万寿の拳に力が入る。
「話術とくれば、敵とてその道に通ずる者。かなり強敵でございましょう。くれぐれも油断なきよう」
 がんばろう。


参加者
東名阪・綿菓子(怨憎会苦・e00417)
赤星・緋色(小学生ご当地ヒーロー・e03584)
千斉・アンジェリカ(空墜天使・e03786)
黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)
葵原・風流(蒼翠の四宝刀・e28315)
クロエ・フォルバッハ(ヴァンデラー・e29053)
三上・詩音(オラトリオの鹵獲術士・e29740)
ピニオン・クロックワーク(クロックワークブラザーズ・e31986)

■リプレイ

●3日前のお願い
 今回の被害者、低地邦夫氏を説得するために訪れたケルベロス5名。
 アパートの呼び鈴を押した後、奥から邦夫らしき人物の声がして重たい扉が開くと、黒斑・物九郎(ナインライヴス・e04856)が開口一番声を張り上げた。
「師匠ォ! 師匠と呼ばせて下さいわ!」
「な、何!? だだだ誰アンタたち!?」
 個性が強すぎるメンバーが並んでいるのだ、驚くのも無理はない。
 東名阪・綿菓子(怨憎会苦・e00417)が会釈する。
「ケルベロスです。低地邦夫さんですね? 命の危険が迫っているのでお伝えに上がりました」
 一応、丁寧に言ってみたものの、邦夫はドン引いたままなので、クロエ・フォルバッハ(ヴァンデラー・e29053)が前に出る。
「貴方は螺旋忍軍に命を狙われている。僕たちは、それを防ぐ為に来た。師事して、確りと技術を教えて貰わなければ、貴方を守れない」
「ムリムリムリムリ。なんでボクが螺旋忍軍なんかに狙われてるの!? い、意味分かんないよ、つか、どうして実演販売員の技術が関係するの!?」
 まあ、その辺りはケルベロスたちにも不明なのだが。
 ピニオン・クロックワーク(クロックワークブラザーズ・e31986)が歩み出た。
「私の本業はボディガードよ。販売員じゃない。だからこそ! 守るために必要なことは何でもする! 私に貴方を守らせて!」
 赤星・緋色(小学生ご当地ヒーロー・e03584)も身を乗り出す。
「私はケルベロスである前にご当地ヒーローなんだ。脅威から守るだけじゃなく地域の維持活性化もしなきゃなんだ。ご当地アイテムも買ってもらわない限り良さが伝わらない。そんなご当地系の私に必要なのは先生の技術だよ!」
 立て続けに切実な表情で迫られ、邦夫は困った様子で眉尻を下げた。
「うう、事情は分かった、けど……普通に弟子入りしてくれればよかったのに……。命がかかってるとか言われたら、緊張してムリムリってなっちゃいそうだし、めちゃくちゃ短期間だろう? ああ、ムリムリムリ心配……」
 邦夫は口上で食べているというのに、やたらと気が小さいらしい。先程から無理を連呼して扉の中でウロウロしている。
 それを見ていたクロエが一言。
「隠し事をしていても、信頼関係は生まれないから、ね」
 チラリと邦夫が視線を上げ、5人に向き直った。
 おそらく、何かを確かめたかったのだろう。それさえ分かれば、ストンと納得してくれたようだ。
「分かった。すぐ修行に入ろう」
 アパートの中に招き入れられ、さっそく実演販売の修行にかかることとなった。

●修行中にて
 トレーナー姿の邦夫はぼんやりして頼りなさそうに見えるが、ハンガーにかけてあったはっぴを着た途端、顔つきが変わった。
「はいっ、では、今回ご紹介する商品。コチラになります!」
 元々高い声が、更に変に高くなり、鼓膜をビリビリと震わせた。これは遠くまで声が届くだろう。
 カタログを切り抜いた『ランニングマシン』『空気清浄機』『こけし』の3点を机の上に並べられる。
「いいかい、この3点を1つずつ、関連づけて出していくんだ。順番はどれからでもいいよ。お客様の心の隙間を感じながら口上してごらん。お客様の脳内で使っているシーンを思い浮かばせられたら、こちらの勝ちだ」
 5人はこの3日で見習い程度までマスターしなくてはならない。
 物九郎の寝食は最低限。邦夫が休んでいる間も彼の実演販売録画映像で自習をし、戦闘予定日に眠気が掛からぬよう、インソムニアも活用。
 綿菓子は基本的には邦夫の指導に沿うカタチで学習。メモを取りつつ、口上の録音をして復習用に。気になる点はキチンと質問。仲間内で成果を披露しながら学んでいた。
 クロエもメモ帳とペンで重要な事は素早く書き留めている。
 彼女自身、自分が暗いのは分かっている。対人するという行為自体、口下手な者は苦手だろう。だが決して決して諦めずに応えてみせるという思いから、時間がある時は鏡の前で笑顔の練習をしていた。
 邦夫はことあるごとにムリムリムリムリ怯えていたが、真摯な姿勢で挑む5名が修行している時だけは、一度も『無理』という言葉を使わなかった。
 しばらくすると、再び呼び鈴が。
 現れたのは葵原・風流(蒼翠の四宝刀・e28315)と千斉・アンジェリカ(空墜天使・e03786)だ。
 どうやら集合時間を間違えたらしい。邦夫を説得するのに間に合わなかったが、修行は見てもらえることになった。
 試しにアンジェリカの口上練習を覗いてみよう。
「あえいうえおー♪」
 喉を鳴らした後、ゴホンと咳払いをし。
「清浄な空気の中でれっつダイエット☆ こけしちゃんも居るから寂しくないよ♪ しかも! このこけしちゃん、マッサージ器にもなるんです! ランニングをしてふくらはぎがぱんぱん? そんなときこそこけしちゃん! ふくらはぎを、ころころーっとマッサージ! リンパが流れてすっきりするのだ☆」
 環境重視のダイエット層狙い。孤独なダイエットのストレスを軽減するためにこけしが選ばれた。しかもマッサージ器にすることにより、更なるストレスの軽減。
 中々のものだ。
 では風流の口上も聞いてみよう。
 椅子に座り、こけしを手にした彼女がもぐもぐと口を動かし始めた。
「みなさんは美容や健康の為に運動はなされているのでしょうか? 常にインドアなこけしさんが運動なんてしているはずはありませんよね」
『人が寝静まった後に歩いてるこけしって結構多いぞ……』
 アッ……! 商品のこけしを腹話術に使うという斬新な方向!
「なんと衝撃の事実。こけしさんが愛用していましたのがこちらのランニングマシンです。室内用ですので天候の影響も受けず、またこけしさんのようなインドアな方でも運動ができる一品でございます。こけしさんのスリムな体型もこのランニングマシンによって作りだされたのですね」
 周囲のメンバーも、気になりすぎてチラチラと気が散っている……。
「さて、続きましてはこちらの空気清浄機ですが、こけしさん、こちらもお使いになられて?」
『元々木だからな。空気に関してはうるさいぞ』
「なんと、こけしさんは空気にもこだわりがあったのですね。このすべすべボディは埃やハウスダストのないきれいな空気によって作り出されていたのですね。そして、最後はこちらのキュートなこけしさんです。こけしさんの魅力はもう語ってしまいましたね」
 邦夫もかなり興味を持って聞いていたが、いかんせん腹話術は声が通りにくい。
 だが人を集める、耳を澄ます、釘付けにするという点では完璧だった。
 こうして、アパート内の修行はヒートアップしていくのであった。

●ハッピーラインナップ
 当日がきた。
 現場のホームセンターに商品が並べられている。
 カラフルで大きな箱も購買意欲のために置いてあるが、こちらはこれを口だけで売りさばかなくてはならないのかとプレッシャーで気が重い。
 邦夫は朝からビシッとスーツにはっぴという正装で販売コーナーに入っていた。
 サーヴァントを商品の箱の中に隠し、三上・詩音(オラトリオの鹵獲術士・e29740)が販売ブース周辺を警戒して回る。
 技術が取得できたメンバーは、3日前邦夫を説得できた5名。
 この人数なら何かあったとしても、余裕を持って螺旋忍軍を分断させる事ができるだろう。
 とりあえずは、敵が現れるまで、他の客の対応をしていなくては怪しまれる。実演販売を進めるとしよう。
 まずは饒舌で安定、琵琶師の綿菓子の口上から。
「運動不足に悩まれている方にお薦め、こちらのランニングマシン! 正しいランニングを行うには『腰を伸ばして』『肩甲骨を大きく動かし』『姿勢を正しく』、即ちこけしの基本が欠かせません! ついでに空気清浄機を合わせれば、部屋の中に居ながら新緑の森の中を風切るが如し! こちら3点すべてがセット、お値打ち価格の大特価!」
 発声がきちんとできた、通る声に人が振り向いている。
 ヨシヨシ、と邦夫も頷き、次を促す。
 人が耳を傾けたなら、今度は聞かせる口上。緋色の出番だ。
「今年は4年に一度のスポーツの祭典があったよね。頑張る人達の姿を見て運動を始めようと思った人も多いハズ。でも最近は台風とか雨とかで外での運動も難しい感じ。そんな時にはこのランニングマシン! 室内でも思う存分走れるよ。競い合うライバルがいないけど、このこけしを遠近法的に仮想ランナーにすれば戦ってる気分に! それでね人間って1回の呼吸で空気0.5L、1分間に20回空気が入れ替わってるんだよ。運動してたらもっと増えるよね。だから肺を労わる空気清浄機もセットで必要かな」
 ちょっと小難しい事が好きそうな若い世代が遠目で聞いている。
 いいカンジだ。説明が入った後だ、次は元気な物九郎あたりが良いだろうと邦夫が背中を押す。
「ランニングマシンで運動不足解消! 合わせて空気清浄機のマイナスイオンパゥワー。自宅の中に居ながら新緑の中を駆けるかのような爽快感! あまりの捗りっぷりに今や貴方はフルマラソンに一人挑むランナー。 そんな貴方にオススメ・こけし! サイドチェストに並べればアラ不思議。まるで声援を送るギャラリーの列!」
 と、そこで、やたらとハデな服装の二人組がこちらに寄ってくるのを詩音が目に入れた。
 根深く帽子を被り、一般人に溶け込むように変装をしてはいたが、どこからどう見てもオーラが違う。奴らは螺旋忍軍だ。
 詩音は他のメンバーに目配せすると、すでに口上を終えた数名が二階の駐車場に移動する。
 ブースに残ったのは、クロエと、詩音、ピニオンの3名だ。
 邦夫はまだ何が起きているのか気づいていない。お客様の対応をしてニコニコと笑っているので、例のムリムリ状態にはなっていない。できればこのまま気がつかないでいてもらい、場を過ぎたい。
 クロエが口上に入る。
「空気清浄機の作り出す清浄な空気の中で、心地良くランニングを。足の運動だけではバランスが……という方の為に、このこけし。軽く握って走る事で、適度な重量によって筋トレにもなる。使わなくても傍に置いて見て良し」
 螺旋忍軍の1人が声をかけてきた。
「さっきから聞いてたけど、みんないい口上だね。私も販売員なんだけど、そのテクニック、教えてもらえないだろうか」
 ピニオンは軽く頷き。
「教える……のは構わないけど、人前ではね。それに、教えられるのは1人ずつよ。場所を移しましょう」
 罠とも知らず、螺旋忍軍はニヤリと口元をほころばせて承諾した。
「もちろんだ、人目がないなんて、素晴らしい」
 螺旋忍軍は片割れを残し、案内されるがままクロエの後について二階の駐車場へと歩いて行った。

●駐車場での戦闘
 二階駐車場は、一足先に向かったメンバーにより人払いがされていた。
 車が駐まっていないスペースに、物九郎と綿菓子と緋色、風流とアンジェリカがクロエを待っており、それを目に入れた螺旋忍軍は罠にハマったのを悟ると舌打ちをする。
「実演販売の技術なんか盗んでどうするのよ慎ましく暮らす一般庶民を騙くらかして小銭ちょろまかそうって腹積もりかしら。……忍者の癖にこすくない?」
「貴様ら、ケルベロスか!」
「違うちがーう! 発声はもっとおなかから! はいっ、もーいっかい☆」
 アンジェリカの台詞に舌打ちをし、螺旋忍軍のクラウンが正体を現した。
 コンビネーションが得意というが、1体だけになれば強敵ではない。
 螺旋氷縛波をしかけた敵の攻撃をアンジェリカが受け止め、物九郎から速攻。
「どこにでも居るし、どこにでも居ない。ニャーんちって!」
 視覚の死角の刺客の刺客をたたき込むと、次に綿菓子がドグマティックパニッシュと続く。
 緋色がドレインスラッシュ、敵がふらついた隙に風流がアンジェリカの回復をし、ほぼ同じタイミングでクロエが稲妻突きでクラウンの最後を仕留めた。
「1階にいるみんなに知らせないと!」
 緋色はそのまま走り出すと、1階の階段を駆け下りる。
 一方、螺旋忍軍のロープを口上でつなげているのはピニオンだ。
「ランニングマシーンを最高速度にして……走る! 倒れるまで!」
 駐車場では戦闘が繰り広げられているのだ、かなり騒々しく、勢いで口上を進めなければ、こちらに残ったロープに勘づかれてしまうかも知れない恐れがあり、金髪おさげの容姿をフル活用していた。
 国外でよく見かける口上。深夜にやってると何故か見てしまうあのノリを繰り広げられ、ロープはそれを楽しんで見ている。
 大げさな口上のピニオンが、ケルベロスの体力を適当に加減しつつ、倒れこんだら足をこけしでマッサージして空気清浄機を全開。
「ぜえ、ぜえ……わあ、すごい! オリエンタルなマッサージ器と綺麗な空気ですぐに疲れが抜けていく! これなら何セットでも走れちゃう!」
 彼女は普通の人間ではないので、疲労もなくすぐに立ち直る。おお、と周囲から拍手がわき起こると、そこに緋色がやってきた。
「お友達さん、すぐ習得できたみたいだから、見てあげてくれるかなあ?」
 詩音が買い物をした風に装い、サーヴァントの入った箱を台車に載せ、ピニオンが運びながら二階の駐車場へと進んでいく。
 邦夫が心配そうに販売ブースから見送っていたが、エレベーターが閉まった先はケルベロスの罠が待っているのだ。
 目の前に駐車場が開けると、今までじっと隠れていたサーヴァントたちが飛び出して攻撃。
 エレベーターの中から外に放り出された敵を見て、詩音のウイングキャット『コロ』が鋭く鳴いて彼女を促す。
 エレベーターの向こう、1階の邦夫を守ろうとするサーヴァントの意思なのだろう。
 基本的に愛する対象以外には興味の薄い詩音であったが、コロが言うなら仕方がないと重い腰を上げて武器を構える。
「あの子がしろって……じゃなきゃ、他人の為に動かないんだからね」
 言うやエレベーターの中からドラゴニックミラージュを放ち、慌てたロープは転がり逃げ、倒されたクラウンの身体にぶつかった。
「クッ……わ、罠か!」
 そのままケルベロスは全員合流。
「さあ、喰い尽くせ…ドッグフードの実演販売、始めるよ」
 翻弄されたロープは一人抵抗を試みるが、最後にはクロエのBaroness Cimetiereを受けて消滅した。
 戦いが終わり、やっと現場が静まったが、物九郎が突然膝を突く。
「どうしたの!?」
 慌てた風流が駆け寄ると、彼はインソムニアの反動で3日分の睡魔が急激に訪れたらしい。
「あああ……眠イ眠ムリムリムリムリ……!!」
「そんな、もう終わったんだから、師匠の変なトコだけ真似しなくたって……」
 呆れたピニオンであったが、今日は清々しい気持ちでよく眠れるのは確かなようだ。
 最後にはなな何と! 眠気もつけて、大ご奉仕! ……でございましたとさ。

作者:荒雲ニンザ 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年9月13日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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