ふわふわでもこもこな巨大羊を退治せよ!

作者:波多蜜花

 目の前に広がる草原、そしてそこには可愛らしいもふもふの羊。
「わぁぁ! 可愛いっ! ふわふわもこもこな羊さんがいっぱいだよー!」
 キラキラと輝く笑顔を浮かべた、パジャマ姿の少女が嬉しそうに叫ぶ。楽しそうにはしゃぐ少女の前を、羊が1匹ぴょんっと飛んだ。続くように他の羊もぴょんっと飛んでいく。それは羊が空を翔る不思議な光景だった。
「すごーい! 羊さんは空も飛べちゃうのね、ねぇねぇ私も飛んでみたい! 背中に乗せてほしいなぁ」
 少女が羨ましそうに言うと、一匹の大きな羊が少女の前へと歩み出る。
「め~~」
 私の背中にお乗りなさい、そう言われている気がして少女は羊の背中へと跨った。
「わー! すごいすごい! 羊さんに乗って空を飛んでるよー!」
 少女を背に乗せた羊はぴょんっと飛んで、青い空を翔る。それは楽しく素敵なひと時のはずだった。
「え?」
 いきなり巨大羊のスピードが上がった。それはジェットコースターもかくやと言うほどの速さと宙返りや急降下で、たまらず少女はその手を離して――。
「きゃああああ!!」
 真っ逆さまに落ちていく少女が見たのは、可愛らしい巨大羊がその外見に似合わない程大きく開けた口。ガブリと噛まれたのは少女の首で。

「ひゃ……っあれ……? 夢だったの……?」
 まだドキドキしている心臓をそっと手で触ろうとしたその瞬間、心臓を突き刺すように金色の大きな鍵が少女の胸を貫いた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『驚き』はとても新鮮で楽しかったわ」
 鍵を突き刺したまま、第三の魔女ケリュネイアはそう言い放った。少女は再び眠るようにベッドへと倒れこみ、入れ替わるように現れたのは、もっふもふでふっかふかの可愛らしい……けれど巨大な羊だった。


「子どもの頃……まぁ大人になっても見たりするけど、空を飛んでたとか突拍子もない夢を見たりするやろ? そんでビックリして目が覚めてしもたり」
 足がガクンとして起きてしもたりな、と信濃・撫子(サキュバスのヘリオライダー・en0223)がふふっと笑う。
「そんなビックリするような夢を見た子どもがドリームイーターに襲われて『驚き』を奪われるっちゅー事件が起こってるんよ」
 『驚き』を奪ったドリームイーターは既に姿を消してしまっているようだが、奪われた『驚き』を元にして現実化したドリームイーターが事件を起こそうとしていると撫子は続ける。
「このドリームイーターを倒せば被害にあった子も目覚ますみたいやからな、被害が出る前に倒してきてゆーんが今回の話やね」
 手帳に目を走らせた撫子が顔を上げる。
「現れるドリームイーターは1体のみ、これがその……なんともファンシーな見た目でな? ふわっふわでもっこもこな大きな羊なんやって。せやけど見た目の可愛さに騙されたらあかんで? いくら可愛くてもドリームイーターやからな!」
 この羊のドリームイーターが現れるのは被害者の家の近所で、相手を驚かせたいという性質を持っている為、付近を歩いているだけで向こうから驚かせにやってくるらしい。
「近くに公園があるみたいやからな、そこに向かって歩いてたら引っ掛かると思うで」
 ちなみにこのドリームイーター、自分の驚かせが通じなかった相手を優先的に狙ってくるらしく、上手く利用することができれば有利に戦える可能性があるらしい。
「どんな理由があるにせよ、子どもの夢を奪ってドリームイーターを作り出すなんてあかんことやからな。しっかり退治してきてや!」
 どんなに可愛いふわもこ羊でもやで、と念を押すように撫子が言った。


参加者
ラウラ・ロロニ(荒野の琥珀・e00100)
ポート・セイダーオン(異形の双腕・e00298)
真暗・抱(究極寝具マクライダー・e00809)
エリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)
オーネスト・ドゥドゥ(アーリーグレイブ・e02377)
相良・美月(オラトリオの巫術士・e05292)
四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)
キアラ・カルツァ(狭藍の逆月・e21143)

■リプレイ

●空飛ぶ羊
「よし、人はいないみたいだな。それじゃこっちはこれでよしっと」
 ドリームイーターとの戦闘場所として訪れた公園で、まず完全に無人かどうか確かめるとオーネスト・ドゥドゥ(アーリーグレイブ・e02377)がキープアウトテープを公園の入り口に貼り付ける。
「うん、ララも……終わったよ……」
 その細い身体から一般人を遠ざける為の殺気を放ったラウラ・ロロニ(荒野の琥珀・e00100)も準備は整ったと、相棒であるボクスドラゴンのトゥルバを連れて公園の中央へと向かった。
「あ、お疲れ様です!」
 戻ってきたオーネストとラウラを見て、相良・美月(オラトリオの巫術士・e05292)がふわりと白い髪を揺らして2人を労うと、ポート・セイダーオン(異形の双腕・e00298)が今回の被害者である少女の家がある方角を眺める。
「あとは彼らがもこもこを……いえ、羊のドリームイーターを連れてくるのを待つだけです」
 冷静そうに見える彼女だけれど、両腕の大きな爪がそわそわと動いているのが見えた。ふわふわでもこもこな巨大羊を待っているのはポートだけではない、ラウラも美月も同じであった。そして多分、オーネストも。
 そしてその頃、巨大羊を誘うべく夜道を歩く4人のケルベロス達が、仲間達の待つ公園へと向かい始めようとしていた。
「歩いていれば遭遇できるみたいですから、さっそく公園に向かいましょう!」
 キアラ・カルツァ(狭藍の逆月・e21143)がどこにいるんでしょうか、と辺りを見回しながら歩き出すと、真暗・抱(究極寝具マクライダー・e00809)が何の前触れもなく手にしていた抱き枕カバーを被り、究極寝具マクライダーへと姿を変えた。
「……それは」
「究極寝具(アルティメットシング)マクライダーだ」
 四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)の素朴な質問に、抱がハキハキと答える。違う、そうじゃないという表情をしたけれど、千里もそれ以上は問わず、そうかと呟く。
「まぁ……男には色々あるんだよ」
 な? とエリオット・シャルトリュー(イカロス・e01740)が笑い、改めて公園へと歩き出した。
「3メートルのふわもこで可愛い羊さん……ちょっとわくわくしちゃいます」
 敵なのはもちろんわかっているけれど、想像しただけで可愛いのだから実物はもっと可愛いのだろうとキアラが言うと千里もこくりと頷いて、
「かなりのもふもふなのだろう……毛刈りしないとね……」
 と呟いた。何せ羊毛だ、ウール100パーセントなのだ。クッションによし毛糸によし……などと考えているとエリオットが歩みを止めた。
「あれ……そうだよな?」
 彼が示す先には、大きなぬいぐるみもかくやと言わんばかりの、それはそれは可愛らしい巨大羊がこちらを見ていた。
「間違いない、あれがそうだろうな」
 マクライダーになったことにより、いつもはブツブツとしか喋らない抱がものすごくハキハキと答える。
「なるほど確かにでかい……そしてふわもこ……」
「わあ、大きくて凄く可愛い……っ!」
 ふわもこさに目を奪われている千里と、驚いたようにキアラが声を上げたことに巨大羊は気を良くしたのか、更に近付いてくる。
「まぁ……その、もっこもこだし、歩いてくる姿も可愛いからあまり驚きはしないな」
 内心めちゃくちゃ可愛いな!? と思いつつ、エリオットが自分に注意を引き付ける為に巨大羊に話し掛けると、巨大羊の動きがぴたりと止まった。
「んめぇ~~~めぇぇ~~~~!」
 抗議するかのように鳴声を上げると、エリオットに向けてがぱりと大きな口を開けて威嚇する。
「すまねぇが、あんたの期待しているような反応は出来んよ」
 いつも通りの笑みを浮かべてそう言うと、巨大羊は心外だと言わんばかりに地を蹴った。それは公園までのケルベロス達と巨大羊の鬼ごっこの始まりのようでもあった。

●ふわもこの威力
「そろそろってとこか?」
 公園で待機すること数分、バタバタと数人が走る足音と羊の鳴声のようなものが聞こえてオーネストは公園の入り口を見遣った。低めに貼ったキープアウトテープを飛び越えて一番に飛び込んできたのは桜模様の美しい着物の裾を摘むようにたくし上げた千里で、待ち構えていた仲間の元まで走り抜けるとすかさず『妖刀”千鬼”』を構える。続いて抱がマクライダーの格好ながら、俊敏な動きで飛び越え、キアラもその後ろから合流を果たして戦闘態勢を取った。
 最後にエリオットが巨大な羊に追い掛けられながらも余裕の表情を見せてテープを飛び越えると、めぇめぇと鳴く巨大羊がぴょんっと華麗なジャンプをしてみせる。
「羊が1匹、とはまさにこのことですね……!」
 眠れない夜に羊を数える時、ぴょんと柵を飛び越える羊を脳裏に浮かべた姿そのままだと美月が目をキラキラさせている。
「大きい……羊……!」
 自分達と相対する形となった巨大羊を見上げてラウラが思わず呟くと、トゥルバも主の隣で茶色い翼を羽ばたかせた。
「なんて立派な羊毛……毟り取って持ち帰りたいです」
 ポートの言葉に巨大羊が一瞬、めぇっ!? と鳴いたけれど、それすらも可愛く見えてオーネストが巨大羊の夢を見た少女の純粋さに癒されると共に、どこか居た堪れない気持ちになっていた。
「ヨゴレでごめんなって気持ちになるわー……」
 そう呟くと、巨大羊が首を傾げるような仕草でオーネストを見つめる。めちゃくちゃ可愛かった、思わずふらっと触りに行きたい気持ちになったけれど、相手はドリームイーターだ。
「お顔もお尻も可愛いのです、可愛いのです! うう、でも倒さなくちゃいけないんですよね……女の子を助ける為に、頑張ります!」
 巨大羊をきっと睨み、美月が攻撃の先手を取った。弓を2つに束ね、神々をも射殺すとされる漆黒の巨大な矢を放つと、続けざまに千里が『千鬼』を手にし、その羊毛を刈り取るかのように月の如く緩やかな弧を描く一撃を与えるえると素早い動きで間合いを取る。毛刈りという言葉に、巨大羊がどこか怯えたような哀愁漂う鳴声を上げた。
「確かに可愛いけどな。危害を加えちまうのはいけねぇよな」
 物凄く可愛いけども、と呟きながらエリオットが跳躍しルーンアックスを遠心力の要領で巨大羊へと叩き落す。
「汝、輝かぬ瞳よ、我に従え。三つ首の魔犬に光を捧げよ」
 自身が装備する『瞳を模した物や絵』から視覚情報を得るグラビティを『抱き枕カバー』の表裏に描かれた美少女イラストによって発動すると、己の防御力が上がるの感じられて抱は巨大羊に不敵に笑って見せた。抱き枕カバーを被っている為、やや分かり難かったけれどかったけれども、だ。その横では黒雷が炎を纏って巨大羊へと突撃していく。
 オーネストがややオーバーリアクション気味に、それでもわざとらしくはならないように驚いてみせつつ至近距離からの魔を降す拳を放つ。それは巨大羊にダメージを与え、尚且つふわっふわでもっこもこの巨大羊を堪能できてしまう、まさに一石二鳥な攻撃だったと言えよう。そしてその感触にテンションが上がらない訳がなかったのだ。
「すっげぇ! ウール100パーセント! もっこもこ! しかもドリームイーターだから獣臭くねぇ!! お前らも触ってみろよ!」
 思わず戦闘中ということを忘れかけ、きゃっきゃしてしまったのは何も悪くない。それが例え成人男性であったとしてもだ。全ては巨大羊が可愛いのがいけないのだから。
「んめぇ~~~!!」
 巨大羊がそのもこっとした可愛らしい前足で地面を何度か蹴る。それは如何にも今から攻撃するぞ、という意思が見えてケルベロス達が身構える。そして、ちょっとその攻撃受けてみたい……と思ってしまったのも何も悪くはないのだ。
「めぇ?」
 可愛らしく首を傾げた巨大羊が鳴いた。それはまるで、誰が攻撃を受けたいのかな? と言わんばかりにも見えた。駆け出した巨大羊の進路方向にいたのはエリオットで、巨大羊のドリームイーターの性質を上手く利用した結果でもあった。そのふわもこの巨体から熱烈なタックルを喰らい、受け止めたエリオットの額に汗が滲む。
「こりゃ見た目に反して中々ヘビーな一撃だぜ……でも」
 そこから先は言葉にはしなかったけれど、もっふもふで最高……! という声が聞こえたような気がする。
「ふわふわ……もこもこ……トゥルバ……いくよ……!」
 ずっとあのふわもこを触りたくてうずうずしていたラウラが軽く腰を落とし、くるりと飛んだ。その足に流れる星の力と引き合う力を宿し、飛び蹴りを決める。もちろん着地点は巨大羊の上だ。トゥルバは属性インストールをエリオットへ注入している。
「……やっぱり、見てるとやる気の削がれる外見ですが……お覚悟、です。羊……ウール……羊毛ぬいぐるみ……ジンギスカン……ジンギスカン食べたいので燃えてください!」
 ドリームイーターの肉が食えるのかどうかという点はさておき、何人分のジンギスカンになるのだろうかと考えながらポートは両手の巨大なバトルガントレットに地獄の炎を纏わせると躊躇いなく巨大羊へと叩き付けた。
「もふもふしたいけど、そうすると回復できなくなるし……なんて巧妙な作戦!」
 巨大羊のふわもこに後ろ髪を引かれつつ、キアラがエリオットに向けて分身の幻影を纏わせてその傷を癒していく。最強に可愛い見た目とそれに反する高い攻撃力、そこまで強い相手ではないはずなのだが、なんだか倒し難い……ある意味最強の敵なのかもしれないとケルベロス達は感じていた。

●夢見る羊におやすみなさい
「だ、だだだ、だめですっ! 被害者の女の子を助けるんですっ!」
 美月が我に返ったように拳を握る。そして巨大羊に近寄ると、その両腕をぐるぐると回して『ぐるぐるぱんち』を仕掛けた。普段は目を閉じてがむしゃらにぐるぐるするのだが、今回ばかりはその目をぱっちりと開いての攻撃だ。ふかふかで気持ちよかったです、とは彼女の後の感想である。
「そうだね……これは倒さなければいけない敵……」
 すっと『千鬼』を構え、千里が頷くと巨大羊へと駆け出した。
「死出に咲くるは死人花…その身体に刻んであげる―――千鬼流……奥義」
 高速の刀捌きで巨大羊のふわもこを毛刈りしつつ、『千鬼流奥義 死葬絶華』を千里が放つとエリオットがチェーンソー剣を構えるとその刃で巨大羊を切り裂きいて、その傷口と毛刈り部分を広げていく。
「可愛くとも人に仇なすドリームイーターだからな」
「そのとおりだ、あれは我らの敵! いくぞ、黒雷」
 エリオットの言葉に抱が黒雷に声を掛けて動いた。ふわもこ巨大羊に抱き枕カバー姿のマクライダー、なんだかすごい親和性を感じつつ、擦れ違いざまに達人の一撃を叩き込むと、黒雷が激しいスピンでで巨大羊の足を轢き潰していく。
「そろそろお別れの時間だな、ウール100パーセント!」
 オーネストが指先へ神経を集中させ、巨大羊の毛刈りされた部分へと突き立てた。
「めぇっ」
 どことなく動きに精彩を欠く巨大羊が一声鳴いて、キアラへと擦り寄った。それは最上級のふわもこ攻撃で、キアラは二重の意味でメロメロになっている。
「だめです、こんなふわもこ……っ!」
「キアラ……しっかり、して……」
 ふわもこに惑わされているキアラに、ラウラが溜めたオーラを放つ。はっと目覚めたように顔を上げる彼女にラウラが安堵すると、トゥルバが主の代わりとばかりに巨大羊へボクスブレスを放射した。
「崩れる。壊れる。砕ける。消える。無常の理、其の身に受けて……!」 ポートがその異形の両腕で巨大羊を切り裂き、引き裂き、叩き潰し、砕く。それはまるで破壊の嵐であり、巨大羊の姿はボロボロで今にも倒れそうに見えた。
「心が痛みますけど……ごめんなさい!」
 キアラが弱りきった巨大羊に触れて、唇を震わせる。
「癒し、清めよ 鎮めの焔よ」
 紡がれる歌はやがて浄化の皓い焔となり、身を焦がす熱を伴って巨大羊を襲った。
「んめぇ~~~~めぇぇ……」
 浄化の焔に包まれて、巨大なふわもこ羊はやがて消え去っていったのであった。

●可愛い物は正義である
「手強い敵でした……。皆さん、お、お疲れ様でした。お怪我の具合は如何でしょうか?」
 美月が仲間の傷の具合を確認しながら、キアラと共に些細な傷も逃さぬようヒールをしていく。
「ふわもこ……だったけど、ちゃんと……倒せた……」
 トゥルバを胸に抱きながら、ラウラがふわもこ羊の触り心地を思い出して呟いた。ポートと千里が巨大羊がいた辺りをうろうろとしていたので、抱き枕カバーを脱ぎ究極寝具マクライダーからいつもの自分へと戻った抱が、
「どうかした……んですか……?」
 と、問い掛ける。
「いえ……羊毛、落ちてないかと思いまして」
「私も折角だから……もふもふがあればいただこうかと思ってな」
 あれだけ沢山刈り取ったのに無いということは、やはり巨大羊のドリームイーターが消えてしまった時に一緒に消えてしまったのだろうと、ポートが見るからにしょんぼりして巨大羊が消えた場所を見つめた。
「どうかしたのか?」
 その様子を見てエリオットとオーネスト、そして周辺のヒールを済ませた美月とキアラも集まってくる。そして話を聞くと、エリオットがなるほどと頷く。
「羊のクッションかぬいぐるみ、買えばいいんじゃねぇかな? もっふもふなやつ」
 俺も今度買おうかな、と思わず呟いて、照れたように可愛い物好きで悪いかよ……と目を逸らしながらばつが悪そうに笑みを浮かべる。
「いいえっ! 羊のぬいぐるみはとっても可愛いんです!」
 見てください、と出されたのは美月が持っていた羊のぬいぐるみで、それは倒した巨大羊をなんとなく思い出させるような可愛らしさだった。
「こ、これは確かに……あの時俺が触ったもっこもこっぽい手触り!」
 オーネストが戦闘中のあの手触りを思い出し、軽くテンションを上げている。
「うん……いいかも、しれない……」
 ラウラもそっと触って、ほんの少しだけれど表情を緩ませた。そしてケルベロス達は、羊のふわもこぬいぐるみの話に花を咲かせつつ、帰路に就くのであった。

作者:波多蜜花 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年9月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
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