●シスターと5つの魂
深夜の誰も居ないビジネス街に、そのシスターは闇からゆっくりと現れた。
「この場所でも、ケルベロスとデウスエクスの戦いと言う縁が結ばれたのね。命令に忠実な5つの魂……。ケルベロスを倒したいのね。なら、願いを叶えてあげる。あなた達が最も力を振るえる形もプレゼントしてあげるわ」
そう言うとシスターは、後ろに控える、浮遊する怪魚に言葉をかける。
「あなた達、彼等の回収をお願いするわ。素敵な事になりそうですわ。魂が混じり合いどんな色を見せてくれるかしら……」
現れた時と同じ様に、シスターは闇に溶け姿を消す。
残された、怪魚達は青白く発光しながら規則的に動き、宙に魔法陣の軌跡を生む。
軌跡がハッキリとした、陣を敷くと、一際不気味に光り、彼等……いや、1体の個体となった『彼』を死から蘇らせる。
蛇の様な身体は、骨でできており、纏う白銀の甲冑は怪魚達と同じように青白く光っていた。
「グギャアアァァァァァ!!」
ボーンドラゴン『アルゲントゥム』は獣じみた咆哮をあげた。
●蘇りし機動力の集合体
「クルセイダーズだって、結構な強敵なのに、いちいち復活させられたら、たまったものじゃないな」
ヘリポートに向かいながら、大淀・雄大(太陽の花のヘリオライダー・en0056)は隣を歩く、弓曳・天鵞絨(イミテイションオートマタ・e20370)にそう零す。
「それでも、予知が間に合って良かったでございます。今からなら、被害を出さずに討伐するのも、可能でございますから」
「まあ、そうなんだけどさ。そろそろネクロム自体を叩かないと、イタチごっこだぜ、これ」
そんな話をしながら、ヘリポートに着くと雄大は早速ケルベロス達に依頼の説明を始める。
「とあるビジネス街で、『因縁を喰らうネクロム』によるデウスエクスのサルベージが確認された。みんなには、現場に急行してもらい、サルベージされたデウスエクスの撃破をお願いしたい」
現場は先日、『十字騎士団クルセイダーズ』が現れたビジネス街とのことだ。
「今回サルベージされるのは、『十字騎士団クルセイダーズ』のキャスターとメディックの部隊なんだけど、ネクロムの力で変異強化され1体の個体に合成され、その姿は青銀の鎧を纏ったサーペント型のボーンドラゴンに変わっている。個体名は『アルゲントゥム』、当然、5体だった時より能力は強化されている。知能は殆ど無いけど、グラビティ・チェインを求める本能は残っている。被害が出る前に、撃破してくれ」
クルセイダーズの部隊としての能力と引き換えに、1体のデウスエクスとしての力を特化させ、蘇ったデウスエクス……間違いなく強敵だろう。
「撃破対象の戦闘力の説明だ。ボーンドラゴン『アルゲントゥム』は、元がキャスターのクルセイダーズをメインで合成されている為、機動力に特化した個体になる。それに加え、クルセイダーズの証である白銀の鎧も死神の力で硬度が増していて、青銀の鎧にパワーアップしている。回避力、防御力に特化した相手と思っていいだろう……その分、攻撃力が落ちていればよかったんだけどな……」
そう呟いて、雄大は一つ息を吐く。
「『アルゲントゥム』の攻撃方法は、鎧を纏った長い尾での薙ぎ払い、高確率で毒の効果を与えるアシッドブレス、射手座のオーラを複数呼び出しての一斉射撃、最後にメディックも合成しているからなのか、キュア効果のあるヒールだな」
死神に蘇らせられた為、本能で戦う獣の様なものだが、その攻撃はどれも油断ならない物の様だ。
「既に、ネクロムは姿を消しているけど、蘇生を行った怪魚型死神が3体残っている。戦闘力自体は大した事無いけど、アルゲントゥムの援護に回られると厄介だ。障害になる前に殲滅しておいた方が無難だと思う」
蘇生体とは言え、ドラゴンの牙から生まれたモノがドラゴンの形を成しているのだ、不安要素は極力減らしておいた方がいいだろう。
「雄大様、予知の内容は以上でございますか?」
「ああ」
天鵞絨に聞かれ雄大は頷く。
「相手は、天鵞絨達が倒した、竜牙兵の成れの果てでございます。デウスエクスでございますから、天鵞絨達の敵には違いございません。ですが、死神の傀儡になるのは、少々不憫でございます。皆様のお力をお貸し頂いて、アルゲントゥムを眠りにつかせてあげられればと、天鵞絨は思うのでございます。よろしくお願いするのでございます」
そう言うと、天鵞絨は、深く頭を下げた。
参加者 | |
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ヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638) |
アルカナタ・ナイカード(蒼芒の伽藍・e04940) |
呉鐘・頼牙(漂流者・e07656) |
旋堂・竜華(竜蛇の姫・e12108) |
フェイト・テトラ(くくく騙されましたか僕は美少・e17946) |
久保田・龍彦(無音の処断者・e19662) |
弓曳・天鵞絨(イミテイションオートマタ・e20370) |
クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545) |
●現れる青銀の竜
「戦った事ねーけど、元のクルセイダースも強かったんかね?」
ヘリオン降下後、そう口を開いたのは、久保田・龍彦(無音の処断者・e19662)だ。
「今回、蘇生された部隊は強かったでございますよ」
死神の企みをいち早く察知し、予知に貢献する形になった、弓曳・天鵞絨(イミテイションオートマタ・e20370)が、その問いに答える。
「折角倒したモノを復活させられるとげんなりするでございます。まぁ、知性がないだけマシでございましょうか」
ポーカーフェイス、そして独特な言葉の中にも、天鵞絨の辟易とした感情が読み取れる。
「強ぇ竜牙兵が更に強くなって復活か……。ったく、厄介な掘り返し方しやがって……」
問いを口にした、龍彦にしても気持ちは同じ様で、肩をすくめる。
「折角綺麗に終わったのに、締まらねえオチだよな。死神はとことん厄介な奴らだな……。もっかい引導、渡しに行くか」
軽く言うが龍彦の瞳に油断の色は無かった。
「相変わらず死神達は面倒な事を……天鵞絨嬢の言う通り、復活させられた方もたまったものではないだろうね。……しかし、ケルベロスが『殺した』筈なのにサルベージできるとは……少々気になるね。事が終わったら調べてみようか」
そう言うのは、纏めた白髪を風になびかせる、アルカナタ・ナイカード(蒼芒の伽藍・e04940)だ。
死神の『サルベージ』
死したデウスエクスの復活は、現在ケルベロス達を悩ませる要因の中でもかなり上位の部類に入る。
アルカナタの様に、何か対応策が打てればと思うケルベロスも少なくない。
「けれど、静かですね……。僕も何回か、クルセイダーズとは戦ったですけど、このまま静かに眠っていてくれればいいのに」
辺りのあまりの静寂さに不気味さを感じながら、フェイト・テトラ(くくく騙されましたか僕は美少・e17946)が呟く。
「……いいや、現れた様だ」
静かに、だが少しの気の高ぶりを感じさせる声で、ヴァジュラ・ヴリトラハン(戦獄龍・e01638)が、『アルゲントゥム』が現れた事を仲間達に知らせる。
闇夜から、夏の夜に浮かび上がる様な青白い光……それは火の玉では無く、アルゲントゥムの青銀の鎧が発する光だった。
「クルセイダーズは依頼とダンジョンで、数え切れんほど討ち取ってきたが、このような形での相対は初めてだな。どれ、本当に強くなっているのか、確かめてやろう」
ヴァジュラは喜色の声音に隠さず、身に纏うオウガメタルにグラビティ・チェインを通して呼びかける。
『共に戦う時間だ」と……。
「死神にその死後を弄ばれ、あまつさえ集合体として蘇生させられるなんてな……」
クルセイダーズもデウスエクスである事には違いない。
だが、その死後、眠ることすら許されず、その身体を弄ばれる……敵と言えど、その運命に、呉鐘・頼牙(漂流者・e07656)は、ほんの少しの憐れみを抱いていた。
「……まったく、厄介な奴らだ」
アルゲントゥムの周りを浮遊する、怪魚達を睨み、頼牙が呟く。
「こちらが、クルセイダーズ5体が合体したドラゴンですか……」
瞳をうっとりさせながら、旋堂・竜華(竜蛇の姫・e12108)がアルゲントゥムを見つめる。
「死した後も死神の手駒とされるのは憐れですが……強敵との闘いは非常に楽しみではありますね……♪ で・す・か・ら♪」
『存分に楽しみましょうね!』叫ぶと同時に、竜華は闇色の弾丸を放り投げた。
●前哨戦
戦闘開始と共に、2体のオウガメタルがそれぞれ、前衛と後衛に分かれたケルベロス達の集中力を高める、オウガ粒子を振りまいた。
ヴァジュラと龍彦がそれぞれのオウガメタルに呼びかけたのだ。
今回の戦いは長期戦になる……ケルベロス達はそう判断していた。
であれば、序盤にやるべきことは、こちらを優位ににする為に仲間達のグラビティを高めていくことだ。
「持久戦ならば、エンチャントを積むことで、戦況を優位にするであります!」
クリームヒルト・フィムブルヴェト(輝盾の空中要塞騎士・e24545)も勇ましく言うと両腕を広げる。
「かなりの強敵でありますが、皆様はボクが護りきって見せるであります!! ドローンたちよ! 皆様を援護するであります!」
クリームヒルトの放ったドローンは、頼牙の防壁の盾となる。
そして、もう一人……。
「貴方には聞こえますか? 乙女の嘆きの歌声が……」
フェイトの言葉が、詠唱となって魔法を構成して行く。
その魔法は、後ろに控える仲間達に光を降り注ぎ力を与え、防御力を高める力を与える。
「それでは、参りますでございます。天鵞絨達の新しい力でございますよ。轟竜砲でございます」
天鵞絨は、ドラゴニックハンマーを砲撃形態へと変えると、怪魚に向かって、ドラゴンのエネルギーを砲撃する。
「お前等、死神が居ると邪魔なんだ……」
ナイフを奔らせながら、頼牙が呟く。
切り裂いた次の瞬間には、頼牙は跳躍しており、後ろに控えていた、アルカナタが空をも断ずる斬撃を死神に与える。
その時、アルゲントゥムの周囲に射手座の幻影がいくつも現れると、幻影の弓を一斉に発射する。
直撃を覚悟したアルカナタだったが、その矢はアルカナタの横を通り、後衛へと射られていた。
「しまった!」
アルカナタが振り向けば、龍彦、天鵞絨、そして……フェイトを庇った、ヴァジュラに矢が刺さり、傷口だけを残し幻影の矢は消えていった。 龍彦の身体からすぐに、オウガメタルの輝きが溢れだし、回復を始めたのを見て、仲間達はすぐに、武器を構え直す。
「いちいち噛みつかないで貰えますでしょうか? あなた達は所詮、前座でしょう? 私、早く、本命の方と戦いたいんです♪」
腕を怪魚に傷つけられてなお、恍惚とした笑みを浮かべながら、竜華は炎を纏わせた鉄塊剣で死神を真っ二つにする。
「本命はアルゲントゥムでありますものね。死神様には、早く消えて頂くであります!」
竜華の傷をドローンで癒しながら、クリームヒルトは勇ましく言った。
●アルゲントゥム
「最後の死神、これで終いだ」
刀を振り下ろし、アルカナタが3匹目の死神に引導を渡す。
「この手の魚は、三枚におろして美味しく食べると相場は決まっている」
『……あまり美味しそうには見えないがね」
アルカナタがそう付け加えた時、激しい衝撃音が聞こえて来る。
「ふえぇ……」
「……大丈夫か? フェイト?」
「大丈夫ですぅ……。でも、先にアルゲントゥムに手傷を負わせようとしたのは無謀だったかもしれないですぅ……。アデル大丈夫ぅ……?」
ヒールを受けても、癒しきれない傷を見ながらフェイトが若干あざとい憂い顔で言う。
ビハインドのアデルもダメージを受けているが、まだグラビティ・チェインの枯渇による消失には至っていない。
死神を先に始末する事には決めていたが、アルゲントゥムをフリーにするのも問題と、フェイトがドラゴンの幻影などでダメージを与えていたのだが、一人の攻撃ではアルゲントゥムの装甲を破るのは難しく、頼牙やヴァジュラ、クリームヒルト、そしてクリームヒルトの相棒『甲竜タングステン』に庇われ、龍彦のヒールを受けて戦線を維持していた。
「ブレスもミラージュもきっついな、畜生!」
同じく、天鵞絨もアルゲントゥムの攻撃に巻き込まれてはいたが、こちらは死神撃破を優先していた。
結果として、後衛にアルゲントゥムの攻撃が偏っていたが、そう悪いことばかりでも無かった。
竜華とアルカナタ、クラッシャーの二人はほぼ無傷だったからだ。
「ようやく、貴方様とお遊びできますわ。私と楽しい時間を過ごしましょう♪」
竜華の持つ『竜縛鎖・百華大蛇』がその名の通り、蛇の様にアルゲントゥムに襲いかかれば、アルカナタが音速を超える拳でアルゲントゥムを打ちすえる。
「……流石に堅いな」
「俺も混ぜろ。俺と殺し合え、アルゲントゥム!」
縛霊手『棺獄ウォークライシス』に炎を纏わせると歓喜に満ちた表情で、ヴァジュラがアルゲントゥムの装甲を引き裂かんと、その手を振り下ろす。
死神が消え去るまで、仲間達を一番庇い続けたのはヴァジュラだった。
当然、グラビティ・チェインの消費も激しかった。
だが、ヴァジュラは嬉しかったのだ……アルゲントゥムの一撃一撃が重かった事が……毒の苦しみが強かった事が。
求めるのは最高の戦い……必要なのは、疑いようのない強敵。
「ここからが本番ならば、ボクのとっておきもお見せするであります! 妖精達よ! 皆様を援護するであります!」
クリームヒルトが叫ぶと、舞い踊る妖精達がその身にグラビティ・チェインの衣を纏い、ケルベロス達に同化するとその衣をケルベロス達へと移す。
「巨体の蛇状の竜。狙い澄ませば、射るのは容易かと思っておりましたでございますが、中々に巨体の割に素早いのが本当に厄介でございます」
そう言うと、天鵞絨はドラゴニックハンマーを下ろし、或るエインヘリアルから鹵獲した特別製の弓を顕現させる。
「――Code:Mergen、起動。神の矢よ、敵を穿て」
放たれた神の一矢は雷を纏って、雷鳴の如き速さで、アルゲントゥムの装甲を穿つ。
「こんな所で死んでられっかよ! とりあえず、みんなの足枷を外してやる。届け、オレの言葉!」
龍彦の生きる事を肯定する言葉は仲間達の行動を縛っていたグラビティを、クラッシュして行く。
その時、アルゲントゥムが鈍く光る星を呼び出すと、傷ついた装甲をヒールしていく。
「回復の余裕など与えないであります!」
クリームヒルトが、青銀の鎧すら打ち砕く一撃をアルゲントゥムに与えると、ケルベロス達は一気に攻勢に回った。
フェイトの拳に宿ったオウガメタルが頭の装甲を打ち砕き、竜華の炎を纏った剣が一閃する。
間髪をいれずに、ヴァジュラがオウガメタルに炎をたぎらせ力強い拳を打ちつければ、アルカナタが二本の刀で空間を切り捨てるかのように、目に見えぬ斬痕を残す。
「ここから先は、俺の舞台だ」
一言呟くと頼牙は、魔力操作で自身の時を加速させる。
頼牙の動きは常人には捉えられない速さとなり、頼牙の攻撃が奔った瞬間、頼牙の傷がまるで存在しなかった様に消えていく。
「続きますでございます」
無表情に言うと、天鵞絨は月の弧を描くと、袈裟切りの要領で斬撃を放つ。
「オレにも一発殴らせろよ! 止まってられねぇぜ!」
蛍の様に小さく動く闇を拳に集めると、龍彦は力の限りアルゲントゥムを殴りつける。
「あの動きは……薙ぎ払いが来るのです!」
フェイトの言葉と同時にアルゲントゥムが前列をその巨大な尾で薙ぎ払ったが、仲間達が地に倒れた瞬間にはフェイトのヒールが仲間達のダメージを減らしていた。
「奴も手負いだ。決めるぞ」
言うと、頼牙はアルゲントゥムの装甲の隙間にナイフを振り下ろす。
「死神に利用されるのは本望で無い筈、ボク達が終わらせるであります」
雷を纏った、クリームヒルトの槍がアルゲントゥムの装甲を撃ち砕く。
「クルセイダーズは主を守る為、決死の覚悟で戦った。それはそれは強かったぞ。弱い者などいなかった。アルゲントゥムとなったお前達は、かつてより強くなっていた……だが、もう眠れ」
ヴァジュラは自身も焦がすような炎を得物に纏わせると、アルゲントゥムに襲いかかる。
「接近戦は専門外でございますがね――」
流星の如き蹴りを天鵞絨が放てば、竜華が妖艶な笑みを浮かべる。
「さぁ……咲き乱れなさい、我が炎の華!! アルゲントゥム、炎の華と散りなさい!!」
竜華から咲き乱れる、真紅の炎を纏った八本の鎖がそれぞれ別方向からアルゲントゥムを串刺しにし、炎を吹き出す。
「アルゲントゥム、もう一度眠り給え。今度こそ、永久に……」
アルカナタの腕から中れ出る血液は、宙に舞うといくつもの刀剣を形作る。
そして、一気に放たれる紅き刀剣達。
その紅がアルゲントゥムの身体を埋め尽くすと、アルゲントゥムはその巨体を地に落とし……二度目の眠りにつくのだった。
●災いの元凶『因縁を喰らうネクロム』
「どうにか、やったか……」
龍彦がやれやれと言った様子で呟く。
「道路のヒールをして行った方がいいですね。アデル、一緒に行くのです」
フェイトは、アデルと並んで被害を受けた周辺のヒールを行っていく。「はあ……♪ 素敵な時間を楽しませて頂きましたわ。ありがとうございました。今度こそ、安らかにお眠り下さいね」
竜華は、そう言うとグラビティ・チェインが尽き、消えゆくアルゲントゥムに一礼する。
「死神も死んでしまえば消えるだけだね。喰えもしない……元々喰う気も無いが、寿司か焼き肉でもも食べに行くかな……」
アルカナタは、腕時計を見ながら、今からでも食事を取れる場所を思案する。
「それにしても、倒しても倒しても復活させられては、キリがないでありますね……。元凶たるネクロムを、どうにか見つけて、倒せないでありましょうか?」
クリームヒルトが仲間達にそう切り出すが、皆、渋い顔をするだけだ。
強い者との戦いを渇望するヴァジュラは勿論、表情こそ変えないが頼牙も天鵞絨もネクロムを倒さなければ、事件が終わらない事は分かっている。
けれど、ネクロムを追い詰めるのには、まだ足りないのだ……。
ヘリオライダーにすら発見出来ない、ネクロム。
彼女を倒すまで、この悲劇は止むことはないだろう……。
だが、相対することになれば、必ず撃ち倒してみせる……ケルベロス達は、そう誓うのだった。
作者:陸野蛍 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年9月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 5/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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