毒虫これくしょん

作者:天枷由良


 アンティークショップのような内装の店。
 端に置かれたレジの前に座り込んで、男は溜め息をついた。
「はぁ……これだけ良い物を揃えたのに……」
 男は商品の一つを手にして、しげしげと眺める。
 それは骨董品などではなく、木枠に収められた虫の標本。
 しかも中身は、およそ一般人には受け入れられないであろう、巨大なムカデであった。
 よくよく見てみれば、店内に展示されているものはムカデに限らずサソリやハチ、ドクガなど毒虫と呼ばれるものばかり。
 それもそのはず。
 男が店主を務めるこの店は『毒虫の標本』を専門的に取り扱う店だったのだ。

 ……男のような愛好家も、探せば何処かにいるかもしれない。
 しかし街の裏路地に構えた小さな店で行う商いとして、これはあまりに不適当。
 一つも商品が売れることのないまま、毒虫標本専門店は閉店の時を迎えていた。
「……このペルビアンジャイアントオオムカデとか、絶対売れると思ったんだけどなぁ」
 後悔を言葉にして漏らす男。
 その背から、鋭く伸びた鍵が心臓を一突きにする。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 鍵の主――第十の魔女・ゲリュオンの声に振り返ることも出来ず、男は崩れ落ちた。
 だが心臓から血が溢れ出ることはなく、代わりに出現したのは男と似たような背格好のドリームイーター。
 ドリームイーターは男を店の奥へと放り込むと、転がっていたムカデの標本を棚に戻して、レジについたのだった。


 矢野・浮舟(キミのための王子様・e11005)からの情報で新たな予知をしたミィル・ケントニス(ウェアライダーのヘリオライダー・en0134)は、驚きと不快感をないまぜにしたまま、ケルベロスたちに語り始めた。
「お店を潰してしまった人の『後悔』を奪うドリームイーター、これがまた現れたの。ドリームイーターは『後悔』を奪ってすぐに姿を消してしまったけれど、奪われた『後悔』から新たなドリームイーターが現実化して、事件を起こそうとしているわ」
 被害が出る前に、現実化したドリームイーターを倒してほしい。
 『後悔』を奪われた被害者は現場に倒れたままだが、それもドリームイーターを倒すことで回復するだろう。
 端的に依頼の内容を告げたミィルは、そこで一度、言葉を区切る。
「……被害者は中肉中背の若い男性。ドリームイーターも似たような姿で、潰れてしまった店の営業を再開しているわ。それで、このお店が取り扱っているものなんだけれど……その、昆虫標本ってあるじゃない? あれの専門店、しかもムカデとかハチとか、人間に害毒を与える毒虫だけを集めたお店らしいのよ」
 虫の類が苦手な者からすれば、入ることも躊躇う店だろう。
 それこそ、ドリームイーターごと吹き飛ばしてしまいたくなるくらいに。
「でもね、普通のお客さんとして入店して、ドリームイーターの接客を楽しんで、なんだったら標本の一つでも買ってあげると、満足したドリームイーターは戦闘力を低下させるみたいなの」
 そればかりか、意識を取り戻した被害者の『後悔』を薄れさせる効果も期待できる。
 虫が好きなものや、店主の接客を心から楽しめると自信の持てるものが居るならば、作戦の一つとして考える余地もあるのではないか。
「……まぁ、提案しておいて何だけれど、私だったら無理ね。予知で視た大きなムカデを思い出すだけでもう……あぁぁぁ……」
 身体を抱きしめるようにさすりながら、ミィルは依頼の説明を終えた。


参加者
ラトウィッジ・ザクサー(悪夢喰らい・e00136)
霧島・絶奈(暗き獣・e04612)
矢野・浮舟(キミのための王子様・e11005)
キリクライシャ・セサンゴート(林檎割人形・e20513)
エルナ・エルメリア(独奏的サイコロジー・e20882)
バジル・サラザール(猛毒系女士・e24095)
クラウストラム・セラノ(泡沫の骸・e24144)

■リプレイ


 ぞろぞろと連れ立って来たケルベロスたちに、目を瞬かせる店主風ドリームイーター。
 その店主とは別に、ラトウィッジ・ザクサー(悪夢喰らい・e00136)は早速、興奮を露わにしていた。
「こんな、こんな店があったなんて……!」
 一面に広がる虫、虫、虫。
 それは宝の山だ。
「買わなきゃ……見なきゃ……うぅ、もっと早く知りたかった!」
「……おねえさん、落ち着いて」
 服の裾を噛んで地団駄でも踏みそうなラトウィッジを、キリクライシャ・セサンゴート(林檎割人形・e20513)が宥める。
 レジに座する敵を倒せば、事件は解決しても店は畳まれてしまうだろう。
 惜しいことだが致し方ない。
「せめて楽しまなきゃ……ねぇ店主さん、毒蛾、できれば未展翅のやつ、あるかしら!」
 ラトウィッジが尋ねると、店主は待ってましたとばかりに腰を上げた。
 他のケルベロスたちも、それほど広くない店内の各所で、虫の標本を眺め始める。


「もふもふな子が欲しいの! フランネルモスとかの系統ねっ」
「……フラン……ネル……?」
「キリィも見れば分かるわよ。もうすっっっごい可愛いんだから!」
 ちょこんとくっついてくるキリクライシャが気圧されてしまうほど、瞳を輝かせるラトウィッジ。
「未展翅をお求めとは。お姉さん、なかなかお詳しそうですねぇ」
 これは半端なものは出せないと、店主も気合を入れて腕まくり。
 毒蛾の展翅標本が飾られた棚の下から、ごそごそと何かを取り出してくる。
「さすがにそこまで数はないのですが……これがサザンフランネルモスですね」
「きゃー!! 見て、見てキリィ! これよこれ!」
 三角形の薄い紙に包まれた蛾を見るなり、ラトウィッジはキリクライシャの手を握って叫んだ。
 確かに毛むくじゃらっぽい。
 ぽいのだが、紙越しの未展翅状態ではキリクライシャにイマイチ伝わらない。
 と、それは店主も理解していたようだ。
「お連れ様は、宜しければ此方を御覧下さい」
「……あ……もふもふ……」
「ほんとだー。エルシアみたい」
 従えるウイングキャットと見比べたエルナ・エルメリア(独奏的サイコロジー・e20882)も一緒に覗き込む箱には、フランネルモスの展翅標本と、その幼虫――ブスキャタピラーと呼ばれる毛虫が収められていた。
「幼虫も成虫も、もっふもふでしょう!? それが未展翅の状態だとこんな三角っぽい姿で、もう……もう!」
 思わず一人の世界に旅立ってしまいそうなところで、ラトウィッジの袖をキリクライシャがくいっと引く。
「……おねえさん、ほかにおすすめは?」
「あら? もしかしてキリィも、虫に興味が湧いてきたのかしら?」
 未だ興奮冷めやらぬラトウィッジを見上げて、こくりと頷くキリクライシャ。
「……毒とかは、薬にもなるから……蟲でも、それがあるかなって……」
「薬にもなる虫ね? それなら――」
 急く相手をもう一度引っ張って、キリクライシャはじっと目を見ながら更に続ける。
「……前から興味もあったけれど、切欠がなかったの……でも……最近、切欠、あったから」
 気になる人が気になるものなら、それはとても気になるもの。
 言葉は途切れたが、なおも訴えかけてくる視線を浴びて、ラトウィッジは心底から湧き上がる何かをぶつける先を探し……結局行き場がなく、話の燃料に注いだ。
「じゃ、じゃあ一緒に見ましょうね! 薬になる虫ならムカデとかおすすめよ! 例えば……あれ、あのペルビアンジャイアントなんか赤くて綺麗で大きいし、どうかしら! ムカデは漢方にもなるのよ!」
「……本当ね。熟した林檎みたいな赤色……」
 体長30センチにも及ぶ巨大ムカデの瓶詰め標本を手に取って、真剣な面持ちのラトウィッジは熱弁をふるい続ける。


「なるほど……薬に転じる毒を持つ虫も居るんだね」
 勝手に耳へ飛び込んでくる声を聞いて、ぼそぼそと呟くクラウストラム・セラノ(泡沫の骸・e24144)。
「すっかり蚊帳の外ですね」
「まぁ、楽しそうだからいいんじゃないかな」
 笑みを湛える霧島・絶奈(暗き獣・e04612)の言葉には、矢野・浮舟(キミのための王子様・e11005)が答えた。
「いやぁ、私もタジタジですよ」
 接客相手を見失った店主も、苦笑いを浮かべながら近づいてくる。
「ペルビアンジャイアントも外せませんが、ガラパゴスジャイアントはありませんか?」
「ボクはハチの標本が見たいな。美しくて危険なハチを、ね」
 二人からの新たな注文。
 それを受けて、店主は手早く標本を集めて回った。
「もちろん有りますガラパゴス! さすがに世界最大級の60センチには及びませんが、十分大きいですよ」
 差し出された標本は、なんと乾燥標本だ。
 幾ら大きいとはいえ、ムカデで実践するのは難しい。果たしてこれは店主が作ったのだろうか。
 だとしたら、それだけでも賞賛すべきものなのだが。
「お姉さんにはこっち、まずはオオベッコウバチですね」
 続いて浮舟の元へ置かれたのは、優に6センチはあろうかという巨大ハチ。
 大きなムカデが続いたので霞んでしまいそうだが、こんなのが纏わりついて来た日には、並の人間なら卒倒しかねない。
「とは言っても、これは人より蜘蛛を襲うんですがね」
 英名はタランチュラホーク。
 その名の通り、大蜘蛛のタランチュラを巣穴から引きずり出して狩るのだ。
 ……そういえば、ケルベロスたちも虫の巣を叩いたばかりではなかったか。
 そして巣から逃れた虫の一匹を仕留めるため、浮舟はつい先日、キャンプ場に赴いていた。
(「まるで、デウスエクスを狩るボクらのようだね」)
 鼈甲色の翅を開いたハチを、じっと見つめる浮舟。
 そこに店主は、新たな標本を押し出してくる。
「オオベッコウバチは青みがかった黒い色をしていますが、より綺麗なのは此方では無いでしょうか」
 金属の光沢を持った、青緑色の身体。
 六本ある脚は後ろ四本の付け根部分が赤く、体長は2センチ前後と言ったところ。
 標本には『エメラルドゴキブリバチ』とタグが付けられていた。
「名前の通り、宝石みたいでしょう。その癖、毒でゴキブリを操って幼虫の餌にしてしまうんですから、恐ろしいですよ」
「へぇ……」
 オオベッコウバチとは、また違った意味で凶悪だ。
「矢野さん、私にも見せて頂いていいですか?」
 ひとしきりムカデを楽しんだ絶奈も交えて、浮舟は店員の話に耳を傾ける。
 後悔を晴らすかのように、店主はひたすらに喋り倒した。
 惜しむらくは、それが本物ではなくドリームイーターであることだろうか。


「ハチといえば、メガララ・ガルーダなども良いと思いますが」
「いいですね! アレは生態不明なところも――」
 まだ虫トークを続けている絶奈と店主。
 そこへちょいと割り込んで、メルカダンテ・ステンテレッロ(茨の王・e02283)が一言。
「店主、何かお勧めのものがあれば見繕って下さい。出来れば強そうな……。そうですね、サソリの標本などを」
「サソリ! サソリで強そうといえば、デスストーカーなんか名前からしてオススメなんですが、残念な事に輸入できないんですよねアレ」
「なんと……。それは残念ですね」
「本当に残念です。……そうだ、せめて写真でも御覧になって下さい」
 そう言って、店主はメルカダンテに何枚もの写真を差し出してくる。
 映っているのは、件のデスストーカーだ。
「餌の少ない砂漠で生きるため、獲物を確実に仕留められる強毒を得たと言われています」
「この虫の毒ってどれくらいの強さなの?」
 毒と言う単語に反応して、バジル・サラザール(猛毒系女士・e24095)も首を突っ込んできた。
「まぁ、人も死ぬくらいです。サソリの毒としては対人で最強じゃないでしょうか」
「こんな小さなものの毒で、死に至ることもあるのですね……ねえ、虫が作る毒には、どのようなものがあるのですか?」
 メルカダンテの問いに、店主は唸る。
「なかなか難しい質問ですね。例えばこのデスストーカーの毒には、アジトキシンなど神経毒と呼ばれるものが含まれていますが――」
 虫トークが毒トークに変わっても、店主の勢いは衰えない。
 暫く演説を聞かされた後、店主はハッと思い出したように標本を取り出す。
「手に入らないものの話を長々してもしょうがないですね。今扱えるサソリだと、例えばこんなものでしょうか」
 中に収められていたのは、ダイオウサソリだ。
 サソリ界随一の、20センチにもなる黒々とした巨体。
 有する毒性は弱いが、太く大きな鋏を立派な武器として備えている。
「ダイオウ……王を手中に収め、従える。……良いですね、わたくしに相応しい」
「……はい?」
「……気にするな、私情です。それはさておき、そのダイオウとやら、とても気に入りました。あるだけ全て頂きましょう。……浮舟も、なにか望むものがあれば与えますが」
「メルカダンテちゃん、豪快ね……」
 言われた浮舟より、聞いていたバジルの方が笑いを零してしまう。
 暫く意味を理解出来ずにいた店主が在庫のサソリ標本を全て引っ張りだして纏めた所で、今度はそのバジルが尋ねた。
「毒蟻はいるかしら。パラポネラとか、ヒアリとか……」
「ヒアリは無理ですが、パラポネラなら何とか……はい」
 ここに来てアリ? などと思うなかれ。
 パラポネラも3センチ近い大型アリであり、刺された時の痛みはアリだけでなくハチを含めても最大だという。
「小さな体に秘めた毒って魅力的よね」
「そうですねぇ。虫はどれも人より小さい、しかし時に人すら殺してしまう。……これはもう、ロマンですよ」
 のほほん。毒で和む二人。
「でも、毒と言ったら虫以外にも良いのが沢山居るわよ。例えば蛇とか」
「ヘビ! つぶらな目で可愛いよね!」
 バジルの言に今日一番の興味を惹かれて、店内をぐるりと回ったエルナが食いついてきた。
 10歳女子にしては――実はメルカダンテも同じ歳だが――虫に対する怯えも見せず、何か気になるものが無いかと見て回っていたエルナ。
 しかし、まだピンとくる標本には出会えていない。
「フランなんとかも可愛かったけど、わたしはヘビとか……カエルの方が好きかなー?」
「有毒のカエルなら……ヤドクガエルなんかは鮮やかだね」
 静かに標本を鑑賞していたクラウストラムの、独り言のような呟きをエルナは拾い上げる。
「そう! すっごくカラフルで可愛いの! ……あ、でもカエルは両生類だっけ。ヘビも爬虫類だし……うーん、虫にもそういう、カラフルでユニークなの、いないかな?」
 店主を満足させるためにも、何とか虫の話題に食いついて見ようと努力するエルナ。
「毒持ちの生き物がカラフルなのは『毒持ってるぞー!』って注意するためって聞いたことがあるんだけど……」
「カラフルな虫ですか……。うーん、毒蛾ではないのですが、こんなのが居たりしますよ」
 店主は標本でなく、新たな写真を並べて見せた。
「わぁ、なにこれ! 綺麗なピンクと黄色!」
「ロージーメープルモスというものです。 フランネルモスほどではありませんが、もふもふ系の蛾ですね」
 人間でも身に纏うには勇気が要りそうな色だが、同時に女児あたりには人気が出そうでもある。
「あとはムカデならインディアンタイガーとか強烈ですし、セイボウと呼ばれる種のハチなんかは綺麗ですね」
「……これは、踏切の遮断機じゃないよね?」
 インディアンタイガーの標本を指して、クラウストラムが言う。
 黄色と黒に塗り分けられたそれは確かに、そうとしか見えないものだった。
 

 たっぷりと標本を鑑賞し、各々気に入ったものを購入。
「いやぁ、開店以来の有意義な時間でした」
 店主とケルベロスたちは固く握手をして、店を後に――。
「……あっ、アタシたちそもそも、仕事しに来たんだった……!」
 する寸前で主目的を思い出し、武器を取る。
 まずはバジルが人除けの殺界を形成し、ラトウィッジがオウガ粒子を鱗粉のように振りまいて戦いは始まった。
 店主、もといドリームイーターも戦闘態勢に入り、手刀でサソリの鋏を思わせるほどの斬撃を放つ。
 しかし、それは戦いに意識を切り替え、ラトウィッジから離れたキリクライシャによって防がれた。
「大丈夫!?」
 気遣うバジルの言葉に小さく頷き、キリクライシャは鎖で守護陣を描く。
 あれだけ濃密な時間を過ごし、満足した店主は力を無くしているのだろう。攻撃に見た目ほどの威力は感じられない。
 エルナがブラッドスターを歌い、エルシアが癒やしの羽ばたきを送るだけで、キリクライシャの傷はすぐに埋められていった。

「享受せよ!」
 ラトウィッジの吐いた息が、白い翅――リンゴドクガの幻影となって飛んで行く。
 逃げまわる敵。それを追って、メルカダンテが飛び蹴りを打ち込んだ。
「そう暴れるな、標本に当たるでしょう」
 虫を留める針のような一撃に続き、クラウストラムが笑いながら薬液代わりのブラックスライムを解き放つ。
「大好きな虫の気持ちになれたようで、少し嬉しくない?」
 だが答えを聞く前に、ブラックスライムは敵を丸呑みにしてしまう。
 やっとの事で逃れれば、間髪入れずにバジルが二本の電撃杖で殴打。
 流し込まれた膨大な雷が、ドリームイーターの身体を焼きつくす。
 絶奈のテレビウムと、キリクライシャのテレビウム『バーミリオン』も凶器で殴りつけ、更に浮舟が、二振りの刃に昏き幻炎を纏って切り抜けた。
「さあ、見せてくれ絶奈。キミの悦びを――」
 余裕の視線を送ると、多重魔方陣を展開した絶奈が笑みを返してくる。
 それは常に張り付ける贋作ではなく、絶奈の本質から滲み出る狂的な笑顔。
「――『銀の雨の物語』が紡ぐ生命賛歌の力よ」
 詠唱の終わりと共に喚び出される巨大な『槍』が、敵を深々と貫く。
 槍が消え去った後、ドリームイーターは雪虫のように細かな塵となって消えていった。

「表に出してない在庫あったら、見せてくれる?」
 目を覚ました本物の店主に、ラトウィッジが掛けた最初の言葉はこれだった。
 店内は戦闘の余波で幾らか荒れていたが、それもヒールで綺麗に修復されて、殆ど元通り。
 これだけ珍しいものを扱っているのだから、ネットで売るなり、海外の愛好家や専門家向けに特化したり、或いはペットとして飼育されていた虫達を標本として残すことを商いにするとか、もう虫以外にも色々な毒持ち生物を揃えて『毒屋』にしてしまうとか。
 ケルベロスは様々なアドバイスを送ったが、ともあれここで店じまい。
 しかし終わりは、次の始まりでもある。
 少しばかり毒やら虫をテーマに歓談したケルベロスたちは、さっぱりと後悔を晴らした店主に見送られ、世にも珍しい毒虫標本専門店を後にしたのだった。

作者:天枷由良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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