ホムンクルス、再び

作者:波多蜜花

 誰も住んでいない朽ち果てた西洋風の館。少し前にホムンクルスの姿をしたドリームイーターが現れ、ケルベロス達に倒されたその場所に音もなく現れたのは浮遊する怪魚を3体引き連れたシスターのような姿をした死神――ネクロムだった。
「この場所で……ケルベロスとデウスエクスが戦いという縁を結んでいたのね。ケルベロスに殺される瞬間、貴女は何を思っていたのかしら」
 空間を撫でるように一瞥し、うっとりとした笑みを浮かべるとネクロムは怪魚へ命じる。
「折角だから、あなたたち、彼女を回収してくださらない? 何だか素敵なことになりそうですもの」
 怪魚達が命じられるまま踊るように空を舞うと、それは青白い光を放ち魔法陣を成した。ネクロムはそれを満足気に見届けるとどこかへと消え去り、残されたのは魔法陣の中心で佇む、大きなフラスコの中に入ったホムンクルスの姿をしたドリームイーターと怪魚達だけとなったのだった。


「とある洋館で、女性型の死神の活動が確認されたんよ」
 その死神はアギト・ディアブロッサ(終極因子・e00269)の宿敵である、『因縁を喰らうネクロム』という個体らしいと信濃・撫子(サキュバスのヘリオライダー・en0223)が続ける。
「怪魚型死神にな、『ケルベロスによって殺されたデウスエクスの残滓を集め、その残滓に死神の力を注いで変異強化した上でサルベージし、戦力として持ち帰る』よう命じてたんは、ネクロムで間違いないみたいや」
 その言葉に僅かに反応を示したのは、自分達が倒したドリームイーターの復活を懸念していたベルフェゴール・ヴァーミリオン(未来への種・e00211)だ。
「……ということは、やはり?」
「せやね、サルベージされようとしてるんは先日倒しに行ってもろたホムンクルスのドリームイーターや。今から行けばサルベージ作戦を防げるはずやで」
 ベルフェゴールの言葉に撫子が頷いて答え、更に言葉を続ける。
「このドリームイーターは死神の力によって変異強化されとるんよ。つまりやな、倒した時よりも強くなっとるし当時の知性なんかも残ってへん。狂化に近い感じやと思ってもろてええと思うわ」
 厄介やね、と呟きながら分厚い手帳を捲って敵の情報を撫子が確認する。倒すべき敵は変異強化されたホムンクルスの姿をしたドリームイーターと、噛み付き攻撃を主とする体長2メートル程の怪魚型の死神が3体。出現場所は洋館に入ったすぐのホール中央で、既に周辺の住民には避難勧告が出されているという。
「以前より強くなっとるドリームイーターに怪魚型死神3体……ほんま厄介やとは思うけど、ネクロムの策略を放っておく訳にもいかへんからな。皆、頼んだで!」
 撫子がケルベロス達を励ますように微笑んだ。


参加者
ゼレフ・スティガル(雲・e00179)
ミューシエル・フォード(キュリオシティウィンド・e00331)
エレ・ニーレンベルギア(追憶のソール・e01027)
月海・汐音(紅心サクシード・e01276)
天海・矜棲(ランブルフィッシュ海賊団船長・e03027)
ナハト・オルクス(終夜礼讃少女と眠れ・e21881)
グレイシア・ヴァーミリオン(夜闇の音色・e24932)
涼風・茜姫(虹色散歩道・e30076)

■リプレイ

●夢の残滓
 太陽が傾きかけていても夏の日は長く、日射しはまだ明るい。
「お化け屋敷みたいっすねえ」
 広い庭へと影を伸ばす古ぼけた洋館を見上げながらゼレフ・スティガル(雲・e00179)が率直な感想を呟くと、グレイシア・ヴァーミリオン(夜闇の音色・e24932)が後ろから顔をひょこっと覗かせて、
「修繕したら結構良さそうだと思うんだけど、別荘とかにできないのかなぁ……いわく付きになりそうだけど」
 と、洋館を見上げた。
「お仕事じゃなくて、お散歩の結果で見つけたかった、かな」
 素敵な洋館だと思うしね、とボクスドラゴンの崑崙に話し掛けながら、涼風・茜姫(虹色散歩道・e30076)が洋館を見回す。遠目から見るよりも大きく、掃除が大変そうだなと思っていると、ミューシエル・フォード(キュリオシティウィンド・e00331)も同じ感想を抱いたのだろう。
「おそうじ、大変そうだね……」
 首が痛くなりそうな姿勢で洋館を見上げながらそう感想を漏らしているのを聞いて、グレイシアがそっかー掃除があるよねぇと呟いた。
「それよりも、死神とホムンクルスのドリームイーターを片付けるのが先よ」
 黒い外套を羽織った少女、月海・汐音(紅心サクシード・e01276)が洋館の扉へと進み、中にいるであろう死神を思い目を細める。
「確かに素敵な洋館ですよねえ……でも、デウスエクスを倒すのが目的です」
「ええ。それが先決、です」
 以前に依頼で訪れたことのあるエレ・ニーレンベルギア(追憶のソール・e01027)とナハト・オルクス(終夜礼讃少女と眠れ・e21881)が倒したはずのホムンクルスのドリームイーターを思い出して頷く。
「そうだな。ケルベロスに倒された敵を回収とは、また妙な事をするものだとは思うが……とりあえずは阻止、だな!」
 天海・矜棲(ランブルフィッシュ海賊団船長・e03027)が戦闘準備は万全だと武器を手にし、仲間を見回す。
「準備はいいか?」
 その言葉に、それぞれがそれぞれの思いを胸に頷いた。
「それじゃあ、開けるぜ!」
 大きな扉の取っ手に手を掛けて、矜棲が勢いよく扉を開くと聞いていた通りの広い玄関ホール、そして階段の上には怪魚の姿をした死神と、それらに守られるように大きなフラスコの中で狂気に染まった笑みを浮かべるホムンクルスのドリームイーターの姿が見えた。
 その姿はやはり以前とは違い、波打つように美しくたゆたっていた髪は乱れ、瞳と唇は紅い色をしていた。
「強化と、狂化……か」
 恐さも辛さも感じないとしたら、それは果たして救いなのだろうかとゼレフは思う。
「お久しぶりです。覚えて、……ませんよねえ、やっぱり」
 また会う事になるとは思ってもいなかったとエレがホムンクルスに話し掛けてみるけれど、狂った笑みを浮かべるホムンクルスは首を傾げるだけだ。
「わかっていたことですけど……」
 前に戦った時の可愛らしい姿とは掛け離れたその容姿にエレが眉を顰めると、ホムンクルスが怪魚達にエスコートされるかのようにゆっくりとケルベロス達に向かって階段を下ってくる。
「ホムンクルスでも、夢喰でもないものに、成り下がって。……惨い、な」
 囁くようなナハトの声に、ミューシエルがぐっとその小さな手を握ってホムンクルスと死神の動きを見逃さぬように見つめる。
「どんなきもちで倒されたのか、どんな事を考えて復活させたのか、ミューには分からないけど……でも、折角ねてた子をおこしちゃうのはよくないよね。静かな眠りを邪魔する悪い子は、ミューがおしおきするんだから!」
 怪魚達の動きがゆったりとしたものから、海を泳ぐそれへと変わる。
「さあ、錨を上げるぜ!」
 戦いの始まりだと、矜棲が剣を振り上げその切っ先をホムンクルスへと向けた。

●狂えや、狂え
 エレの縛霊手から霊力を帯びた大量の紙兵が仲間達を守る為に、舞うような動きで散布されていく。それは前衛を務める茜姫と崑崙、そしてゼレフと矜棲へと降り注がれる。
「フラスコの中なんて窮屈だろうね……だけど、まずは死神からっすねえ」
 とんとん、と革靴の爪先で床を蹴りゼレフが長い柄を持つ白刃を振るう。目標は自分達に一番近くホムンクルスから離れた場所にいる死神だ。その卓越した技量からなる一閃は、怪魚の動きを鈍らせた。
「こいつが、ホムンクルスのドリームイーター……以前に倒されたって報告を受けていたけれど。全く、死神はいつもいつも余計な事をしてくれるわね」
 しかも変異強化のオマケ付きだ。死神への憎悪を僅かに滲ませたその声は汐音のもの。すらりと抜き放ったゾディアックソードを両手に構え、ゼレフがダメージを負わせた怪魚へと狙いを定めると視覚に捉え難い斬撃を繰り出した。それは静かに敵の急所を掻き斬って、怪魚の動きを完全に止める。
「まずは1体、仕留めたわよ」
「それじゃあ次はあいつかな?」
 ジャマーは味方であれば頼もしいけれど、敵であるならば厄介でしかないとグレイシアが次に倒すべき死神を見定めて、炎を纏わせた蹴りを次なる怪魚へと喰らわせた。
「悪い死神さんはまとめて狙っちゃうんだから!」
 ファミリアロッドをぎゅっと握り、ミューシエルが前へと突き出すと杖から燃え盛る炎の塊が生み出され怪魚達へと放たれた。避ける暇もなく炸裂すると、直撃を受けた怪魚がグレイシアから受けた攻撃も相まって床へと崩れ落ちる。
 残り1体の怪魚を攻撃するべく矜棲が武器を構えようとした瞬間、ホムンクルスが動いた。それは蕩けるような狂気を孕んだ笑みを浮かべて、唇を震わせる。
「アーアアアアアアアアァァアアアアーーーーー!」
 高いとも低いとも取れぬ、歌と呼ぶことも出来ぬほどの、絶叫。フラスコを震わせ、増幅された怪音波にも近いそれはナハトへと向けられた。
「それが、君の今の歌、ですか」
 冷静に呟き衝撃に備えたナハトの前に、攻撃がぶつかる手前で茜姫が庇うように立ち塞がった。
「おいたはめっ、なんだよ、ホムンクルスちゃん……っく、う……っ!」
 その攻撃の重さに、思わず口から呻き声が漏れる。歯を食いしばり、片膝が地に突くのだけはなんとか堪えて立ち上がる。ホムンクルスの笑い声が響く中、怪魚が汐音へ向かって鋭い牙を剥き、噛み付いた。
「……っ死神風情が……っ!」
 傷は大した事はないが、それでも自分の生命エネルギーを奪い傷を癒す怪魚を汐音が目を細めて睨み付ける。
「ホムンクルスの攻撃はだいぶ厄介みたいだな、さっさと死神を片付けて集中させてもらうぜ!」
 矜棲がそう言うと、床に描かれた守護星座が自分を含めた前衛を守るように淡い輝きを放つ。それに合わせるように茜姫も自身をオーラで包み受けた傷を癒すと共に、崑崙が属性インストールを汐音へと注入する。
「確かに、以前とは……違うよう、です」
 茜姫の受けたダメージの深さを見てナハトが手にした魔道書から禁断の断章を紐解き、囁くように詠唱した。それは茜姫の傷を治していくけれど、蓄積されたダメージまでは癒しきれない。長引いては不利になることは明白だ。
 怪魚を鷲掴みにする半透明の「御業」がエレの縛霊手から放たれると、息を合わせるかのようにゼレフが白夜に地獄の炎を纏わせ叩き付けた。潰れるような形になった怪魚は、そのまま消滅する。塵芥となった死神達を見ても、ホムンクルスの表情に変わりはなく、ただ口元に笑みを貼り付けているだけであった。

●戯曲の終焉
「猛れ、蒼き憎悪……忌敵灼く、深怨の焔……!」
 魔力によって形成された蒼い焔をゾディアックソードへと纏わせて、ホムンクルスへと汐音が突撃する。その焔は汐音の心に燃える昏い焔の如くホムンクルスのフラスコに深い傷を負わせるが、狂ったドリームイーターは意に介することもなくニタリと笑う。
「強化されたクラッシャーって怖いねぇ……それにしても、その笑い方オレの中の夢がガッタガタに壊れるからやめてよねぇ……!」
 ホムンクルスに浪漫を感じ、小さい瓶に入った可愛い女の子なんて夢だし、何より裸って! と思っていたグレイシアがニタリ、ニタリと笑う狂ったホムンクルスにささやかな浪漫を壊された事を嘆きながらケルベロスチェインを伸ばし、フラスコごとその黒き鎖で締め上げた。
「死神さんはやっつけちゃったから、あとはホムンクルスさんが眠るだけだよ!」
 ファミリアロッドの先から物質の時間を凍結する弾丸を精製し、ミューシエルが勢いよく振りかぶってホムンクルスへと射撃する。同じくらいの年齢に見えるホムンクルスの少女に思うところがないわけでもなかったけれど、眠らせてあげるのが最良なのだと幼くとも少女は理解しているのだろう。
 フラスコの中の少女が人差し指をくるりと回すと、フラスコの中から麗しい少女の幻影が現れ、ふわりと微笑むとエレに向かって突撃していく。それは在りし日のホムンクルスの姿のようにも思えて、思わずエレが唇を開く。
「あの時と、今。貴方の世界は、何か変わったんでしょうか。そこは、楽しい? 寂しい? 無理に起こされて、貴方は、それでいいの?」
 通じることはないとわかっていたけれど、それでも言わずにはいられなくて。言葉が届くか届かないかのところでエレの身体は幻影に貫かれ倒れそうになるけれど、それでもその視線はホムンクルスを射抜いていた。
「死んだのにまた叩き起こされるなんて、可哀想な奴だな。今度は此方から問おうか。『お前は何者だ』?」
 高速演算で敵の構造的弱点を探りながら矜棲が問い掛ける。けれど、ホムンクルスはそれには答えない。ただ狂気を浮かべて笑うだけだ。それも想定内だと思いながら、矜棲はフラスコに向かって痛烈な一撃を放った。
「ナハトちゃん、エレちゃんにヒールする、ね?」
 自分が受けた一撃の重さを知る茜姫はメディックであるナハトへヒールの確認をする。それにナハトが静かに頷くと、茜姫はジョブレスオーラでエレを包み、癒しを与えた。崑崙はそんな主に倣うように属性インストールを同じように注入していく。
「君は、化け物でしかない。それを哀れむのは、自由でしょう」
 けれど、君は……如何せん、夕闇に、映える。そうナハトが思い呟くほど、鮮やかなオレンジから薄闇へと移りゆく窓から零れる明りは、狂ったホムンクルスを美しく照らし出している。すっと意識を切り替え、ナハトがエレに脳髄の賦活を施し傷を癒す。
「それは夢か現か幻か……。見えぬ真実に翻弄されて、惑い、儚く散れ!」
 何処からともなく発生した深い霧がホムンクルスの視界を奪い、全てを遮断した世界で霧の幻影がホムンクルスを襲う。逃げ場などないのだと言うように、エレが放った『夢ト現ノ境界線(エントレ・ラ・レヴェ・エト・ラ・レエル) 』に合わせ、ゼレフが真っ直ぐな太刀筋を向ける。
「引き篭もりはここまで、君もそろそろ飽きただろう?」
 ゼレフの白夜に銀の炎が灯されると、舞うような動きでホムンクルスへとその片翼が突き刺さり、灼き焦がさんばかりの抱擁を与えた。
「そろそろ幕引きの時間かしら?」
 ピシピシと音を立てるフラスコの音を聞きながら、汐音が更に寝食を促すかのように影の弾丸を撃ち放つ。
「そうだねぇ、暗くなる前に……お帰りよ」
 バトルオーラを拳に纏わせ、ホムンクルスを吹き飛ばすほどの勢いでその拳をグレイシアが叩き込むと、ミューシエルが杖の先端から大量の魔法の矢を解き放った。
「おやすみなさい、しようね」
 ミューシエルの優しく柔らかい声が響くと同時に、フラスコの亀裂が広がっていく。けれど、自分の状態をわかっているのかいないのか、ホムンクルスのドリームイーターはまだ遊びたいと駄々をこねる子どものように唇を震わせる。
「アーアアァァーラァーラーー!」
 怪音波は茜姫を狙って放たれる、ぐっと衝撃に耐えるようにそれを見据えると蓄積されたダメージが残る主を守るように、崑崙が茜姫の前へと飛び出した。
「崑崙!」
 きゅう、とか弱く尻尾を振って主に応えるけれど、ダメージは深い。
「そろそろ冥府の海へ沈みな、これで決めるぜ!」
 矜棲の腰に装着した羅針ドライバーの電子音声が響くと、グラビティで造り上げた巨大な錨が現れる。それをホムンクルスへと撃ち込み、その錨ごと敵を飛び蹴りで打ち砕く矜棲の『アンカーストライク』が炸裂する。
「ごめんね、ありがとう崑崙……!」
 ぐったりとする崑崙を後ろに庇い、それでも今は瀕死に近いホムンクルスを倒すのが先だと顔を上げて茜姫が釘を生やしたエクスカリバールを思い切りよくホムンクルスへ叩き付けた。今にも割れそうなフラスコに、ナハトも攻撃の一手を放つ。
「――堕ちておいで、そのまま沈め。目覚めることが、ないように」
 祝詞であり、呪言でもある『囁』は最後にホムンクルスへと届いたのだろうか。
 斯くしてホムンクルスのフラスコは盛大な音を立てて砕け散り、ホムンクルスは斜陽に攫われるかのように跡形もなく消え去ったのだった。

●子守唄を君に
 壊れた内装の酷さが、変異強化した敵の強さを物語っていた。床は抉れ、壁には亀裂が走り、薄汚れたカーテンは見る影もない。
「ああ、ホムンクルスちゃん、可愛い時に見たかったな……」
 実際にドリームイーターではなくホムンクルスがいれば愛でてみたいと思っていたグレイシアが、ヒールをしながら呟く。狂化してたとはいえ、顔立ちは確かに可愛かったんだよねぇ……と思い出し、けれどあの笑い方はちょっと、と嘆き混じりに呟いた。
「探せば、どこかにいるかもしれないよ?」
 ミューシエルがせっせと手伝いながら、世界は広いんだよ! と両手を大きく広げると、グレイシアがそうだねぇ、そうかもしれないねぇと微笑んだ。
「お屋敷、綺麗に戻してあげないと、ね。人が住んでいた時は、もっと素敵だったんだろうね?」
 崑崙を腕に抱きながら茜姫もヒールの手を休めずに、けれど洋館の雰囲気を楽しむように修復を行っている。矜棲はといえば、いっそ必要以上なまでに煌びやかに修復してしまえばデウスエクスも寄り付かなくなるのでは? と考えたけれど、新品同然になる訳ではなく自分達が壊す前の状態に戻るだけだと気が付いて内装のヒールに勤しんでいた。
「お疲れ様、任せてしまってなんだか申し訳ないっすねえ」
「仕方ないとはいえ、他者へのヒールは持ってこれなかったものね」
 ゼレフと汐音がほぼ元通りになったホールを見渡して、ヒールを行ってくれた仲間達へ労いの言葉を掛ける。
「さようなら。今度こそ……、ゆっくりおやすみなさい」
 ホムンクルスがいた場所に、そっと祈りを捧げてエレが立ち上がると、ナハトもそれを見届けて、
「おやすみなさい。……好い夢を」
 と呟いて、暗くなる前に帰りましょうと黄昏に染まる洋館を後にした。

作者:波多蜜花 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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