某県、とある山の奥深く。
草木が鬱蒼と生い茂り、地面はごつごつとした岩や石だらけ。その隙間を縫うように、細い水の流れがある。
普通なら人が訪れることはないだろう場所に、いくつかの異形の影があった。
二足歩行のカマキリの姿をしたローカスト、イェフーダーとその部下たちである。
イェフーダーは、コギトエルゴズムを取り出し、流れの中に落とした。
そして、ごくわずか、復活できる程度のグラビティ・チェインを与える。
すると、コギトエルゴズムは、大きな蛍に似た姿を取った。全身が発光し、激しく明滅している。
最小限の『餌』しか与えられなかったローカストは、飢餓の苦しみに猛り、イェフーダーへと襲い掛かった。
だが、部下たちによってすぐに押さえ込まれてしまう。
地面に押し付けられてもがくローカストに、イェフーダーはしゃがみ込む。
流れが下って行く方向を鎌腕で指し示す。そして、そのまま、ローカストに囁いた。
「グラビティ・チェインが欲しいか? ならば、自分で略奪することだ」
ローカストが流れを凝視し一層もがくのを見たイェフーダーは、部下たちに『放て』と指示した。
解放されたローカストは、全身を激しく光らせ、猛然と水を蹴立てて駆けだした。
徐々に広がり深くなる流れに沿って、ローカストは山を駆け下った。飢えて、飢えて。
やがて遠くから微かな声が聞こえた。たくさんの人間が、獲物がいる。
その日、河原には、避暑を乞う人々が訪れていた。
バーベキューに舌鼓をうつグループ、川に入って遊ぶ子供、少し上流には釣り人が竿を投げている。
楽しい時間を過ごす彼らの前に、ローカストは姿を現した。
「な、何だお前……ぎゃあああ!」
驚いて声を上げた釣り人は、胸を斬り裂かれた。
叫び声の方を向いた人々は明滅する光に目を奪われ、動けない。
ローカストは、動きの止まった人間たちを次々と斬殺し、存分にグラビティ・チェインを奪った。
●
「ローカストの太陽神アポロンが新たな作戦を行おうとしているようです」
セリカは語る。
「不退転侵略部隊の侵攻をケルベロスが防いだことで、大量のグラビティ・チェインを得る事ができなかった為、新たなグラビティ・チェインの収奪を画策しているらしいのです。
その作戦は、コギトエルゴスム化しているローカストに、最小限のグラビティ・チェインを与えて復活させ、そのローカストに人間を襲わせてグラビティ・チェインを奪うというもの。
復活させられるローカストは、元々、戦闘力は高いがグラビティ・チェインの消費が激しいという理由でコギトエルゴスム化させられたもので、最小限のグラビティ・チェインしか持たないといっても、侮れない戦闘力を持っています。
更に、グラビティ・チェインの枯渇による飢餓感から、人間を襲撃する事しか考えられなくなっている為、反逆の心配もする必要も無く。
仮に、ケルベロスに撃破されたとしても、最小限のグラビティ・チェインしか与えてない為、損害も最小限となるという、効率的で非道な作戦です。
この作戦を行っているのは、特殊諜報部族『ストリックラー・キラー』を率いる、イェフーダーというローカストだそうです。
いずれは直接対決する必要があるでしょうが、まずは、復活させられたローカストの迎撃をお願いします」
●
事件の現場は、とある山のキャンプ場近くにある川だ。河原で遊び、川で泳ぎや釣りを楽しむ人たちが襲われる。
問題のローカストは、人間より一回り大きな蛍と言った外見だ。普通の蛍は下腹部あたりが発光するが、このローカストは、全身が光るようだ。この光は、一定のパターンで明滅し、見る物を惑わし混乱させる。
近寄る者にアルミ化液を注入したり、刃物のように発達した腕で斬りつける。
飢えで凶暴性が増しており、出来る限り大量にグラビティ・チェインを得ようと攻撃してくるだろう。
説明を終えて、セリカは小さく息を吐いた。
「太陽神アポロンの卑劣な作戦を阻止し、人々を護るためにも、このローカストは倒さなくてはなりません。既に八月も半ば。蛍はとうに時季外れだと、知らせてやってください。
どうぞ、よろしくお願いします」
セリカはそう締めくくり、深く礼をする。そして、ケルベロスたちをヘリオンへと誘うのだった。
参加者 | |
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ジョーイ・ガーシュイン(地球人の鎧装騎兵・e00706) |
辰・麟太郎(臥煙斎・e02039) |
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879) |
星河・湊音(燃え盛りし紅炎の華・e05116) |
神白・煉(死神を追う天狼姉弟の弟狼・e07023) |
ヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816) |
ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983) |
マルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685) |
●
釜底を炒るがごとくであった蝉の声が、不意に止んだ。
川の流れを駆け下りるものがいる。太陽をにぶく照り返す黒い外骨格に赤一筋。人間より一回り大きな、巨大な蛍のローカストだ。
徐々に深くなり広がる川の流れもものとせず、水を掻き分け飛沫散らしてひたすら駆け下っていく。
どうして走っているのかと言えば、酷く飢えて、餌を求めてるのだ。餌とは、人間のグラビティ・チェインである。
水深が腰下までき始めたころ、飢えた蛍はついに獲物を見出した。
妙にふっくらと柔らかそうな生き物? が川の真ん中に立ちすくんでいる。全身が何故か赤くて、水面も映して赤に揺らめいている。それが、ローカストの飢餓感をさらに煽った。
正体が何かよくわからないがそんなことはどうでもいい。まるで動かずマヌケに突っ立つそれへと突撃し、刃の腕を振り上げ斬り裂いた。
ぶにょ。
その手ごたえは、想像以上に柔らかだった。
「くぁ~効かん効かん効か~~ん!」
謎生物……豪快に高笑いを上げドヤァする、赤いペンギンの着ぐるみ。その正体は、ヒナタ・イクスェス(世界一シリアスが似合わない漢・e08816)である。
着ぐるみはさっくり斬り裂かれ、実はわりとダメージ入ってて痛い。ヒナタの展開したドローンたちが周囲を飛び交った。
そんなヒナタに向かって、ローカストはなおも刃腕を振り回し襲い掛かる。
「たぁっ!」
そのローカストの横から、神白・煉(死神を追う天狼姉弟の弟狼・e07023)がマフラーを棚引かせ飛び蹴りを食らわせる。重い一撃を不意に食らってローカストはグラつき、二、三歩と後ろに下がる。
その隙に、容赦なく幾つも飛ぶ鋭い斬撃を、ローカストはかろうじて避け、あるいは刃で受け止める。
「挨拶代わりだぜ、蛍野郎」
ジョーイ・ガーシュイン(地球人の鎧装騎兵・e00706)、鬼の笑みを零す。冥刀を振って構える。
「てめぇの相手は俺達だぜ!」
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)の宣戦布告が朗々と響く。
『………………』
ローカストは、人間たちが待ち構えていたのだと気づく。飢えと破壊衝動に占められる思考で、自分を狩りに来た『敵』と認識した。
「相手してやるぜ虫野郎!」
「さぁ、存分に打ち合いましょうっ!」
辰・麟太郎(臥煙斎・e02039)と、ジェミ・フロート(紅蓮風姫・e20983)、2人の鎧装騎兵 の高速演算による弱点攻撃。拳が的確に弱みを貫く。
たまらず吹き飛んで、ばしゃんと河に沈むローカスト。せっかくの風流な風景も台無しだ、と麟太郎は内心でぼやいた。
ごぶごぶと泡立ち、渦を巻いた川底から、立ち上がる。水をはじいて光る外骨格には、まだいくらも傷ついた風は無い。
ローカストの周囲を,桃色の霧がとりまいた。霧が触れると、じゅわ、とローカストの黒い装甲が泡立ち、溶けた。
「『霧に焼かれて踊れ』」
それは、マルレーネ・ユングフラオ(純真無表情・e26685)の起こした強酸性の霧だ。
自身を溶かす霧を振り払おうするローカストは、肢が動かせずに、がくんと前のめりになった。何が起きたかと見下ろせば、黒い物体が絡みついている。
「――まずは動きを抑えるところからかな?」
星河・湊音(燃え盛りし紅炎の華・e05116)のブラックスライムが、肢元から這い上がり、蛍ローカストを丸呑みにせんと広がっていた。
●
ローカストの身体が光を帯び始めた。飛ぶことは出来ない翅を僅かに広げ、呑み込もうと絡みつくブラックスライムを弾き飛ばす。
せせらぎに身を置いたまま、蛍は、激しく発光した。目を眩ませる輝きは絶え間なく色を変え明滅する。
網膜が焼けつきそうなほどの光量なのに、目が離せない。ちかちかと絶え間なく瞬く万色に、頭の芯を揺さぶられた。
「くぁ~効かん効かん効か~~ん!」
ヒナタは、手と目をぐるぐる回しながら、ヒールドローンを蛍ローカストに飛ばしていた。
「くっそぉ!」
明滅する光が、脳の伝達神経まで混乱させているような錯覚を覚えている。煉は、何度も頭を振った。ガントレットに地獄の蒼炎を纏わせ、ローカストに叩きつける。
その一撃は蛍の胴を捕らえ、燃え盛る業炎が焼き焦がしていく。
その間に、ウタは星の乙女を描きだし、掲げる手から癒しの光を零し広げた。ローカストの光とはまるで違う光は優しく包み込み、惑乱を取り払う。
麟太郎は、川へと踊り込んだ。惨殺ナイフを握りローカストへと迫れば、敵もまた刃腕を振るい突撃してくる。どちらもまったく勢いを止めず、身体同士がぶつかりあった。
アルミ液が滴る刃の落ちるより、麟太郎のナイフの食い込む方が、刹那、早い。柔らかな腹部に深く刺し込み、力任せに横薙ぎに払えば、噴き出した体液を全身に浴びる。
飢餓と傷がローカストを苛立たせる。グラビティ・チェインを奪う事が果たせず、、斬られ打たれている事実がさらに拍車をかけた。
『死ね、死ね、死ね。食わせろ、啜らせろ、貪り尽くさせろ』
煮え滾る殺気を向けてくるローカストに、湊音はぞっとすると同時に悲しくなってしまう。敵の親玉は、どうしてこんな酷い作戦を行えるんだろう。
「は! ホタルはホタルらしく水でもすすってろ!」
ジョーイが吐き捨てる。冥刀がゆるりと月弧を描いて、斬撃がローカストの急所を捕らえて断つ。
決して良い気分でないのはジェミも同様だ。だが同情などしない。ローカストに肉薄し、オーラの弾丸を至近距離から放つ。
たとえ相手が誰であろうと、ジェミの求めるのは全力のぶつかり合いなのだ。
彼女のサーヴァント、『ぱるどぅーる』がぱたぱたと、傷の残ったケルベロスを癒していた。
マルレーネは『御業』を放ち、ローカストを捕縛しようと試みる。それは、ローカストに当たるも、効果を上げられずに消えてしまった。
「この攻撃を避けられるなんて思わないでよ!」
湊音の斬霊刀が雷の霊気を帯びる。神速の一突き、過たずローカストを貫き通す。切先から迸る雷気がローカストを駆け巡り装甲を内側から爆ぜさせた。
終わりかけたとはいえ夏の日差しは強い。
じりじりと照り返す陽を受け、対峙する、蛍ローカストとケルベロス達。ぶつかり合う闘志と殺意が、熱を孕んで膨れあがった。
蝉たちは沈黙を守っている。
●
ローカストは退かない。そう言う思考がそもそも無いのだろう。
飢餓と、殺意だけに突き動かされ、命の刹那を光らせるそれはまさに蛍そのものではないか。
煉の心の片隅に生じた微かな思いは、跳びかかってきたローカストの前に消え去る。先端に銀色のアルミ化液を滴らせて、刃が迫る。
しかし、それが煉に食い込むことはなかった。
受け止めたのはジェミの腹筋だ。師匠譲りの鋼の肉体、気合を込めて切先を弾き返した。アルミ化液の銀の雫が飛び散る。
「へろへろの相手には負けられないでしょ。しっかりね!」
そんな風に言われて、煉だって負けてられない。蒼の獄炎で全身を包む。
「くぁ~!」
ヒナタ、咆哮す。『赤ペンブレード』が唸りを上げて、超重の一撃を放つ。ローカストの生命に干渉し、凍り付かせる。
「今生の刹那、派手に咲かせようじゃねぇかっ!」
例え正気を失っているとしても、強者と全霊を賭して死合ってこその華ではないか。
「『巡りて染まれ、一輪花』 」
麟太郎は手刀に闘気を纏わせ、鋭い突きの一手を放つ。敵の生命力を奪う『緋染貫刺』は、その名が示す通りに麟太郎の闘気を緋色に染めた。
「一発デケェの行くからしっかり受け止めろよ?」
鬼気迫る笑みを浮かべる、ジョーイの全身から鬼神の如きオーラが立ち上る。大きく冥刀を振りかぶり、その宣言通りの、凄まじいまでの斬撃を叩きつけた。
「『俺たちの意思が未来を創る。さあ旅立とうぜ。俺たちの目指す世界に!』」
ウタは全ての戦いを終わらせる「かつて存在していた歌」を歌った。それは今は敵を撃つ力となる。
そう言えば、この飢えた蛍は知っているのだろうか。真に死ぬ、という事を。死ぬがゆえに、未来への希望を抱くのだという事を。
マルレーネのブラックスライムが槍となり貫く。じわりと浸みこむ毒に汚染された傷が激痛をもたらし、ローカストは苦悶する。
「恨むなら、無能な上司を恨みなさい」
冷ややかなマルレーネの言葉は、蛍の向こうにいる元凶たちへと向けられている。敵ながら敬意を払える相手もいただけに、そんな彼らを捨てゴマにするやり口がとても、とても気に入らない。
「『竜炎縛鎖』! そう簡単には逃れられないよ!」
湊音のその言葉通り、地獄の炎から作り出された小さな竜は、ローカストがなんど躱しても襲い掛かり、食らいついてはその動きを阻害する。
ローカストの全身がさらに眩く輝き、乱反射する光で対峙する者たちの視界を奪う。多色の光は目の奥で弾けて、頭の芯まで焼けついたように眩む。まだ、これだけの威力を放つのだ。
「気合を入れろ!」
ウタの放つオーラでその心を奮い立たせ、幻惑の光から解放する。
(「アポロンみてぇなクソ神さぇいなけりゃ、もっと納得のいく戦いができたかもしれねぇのによ」)
ああ、胸糞が悪い。
煉は、蒼き狼と化した烈火の闘気で右手全体を包み込み、疾走する。
「これが親父から受け継いだ、俺の牙だっ!」
放たれる強力な右手の一撃は魂のその一片までもを燃やし喰らい尽くす。攻めて、この蛍の苦しみを、ここで終わりにしてやろう。
どこまでも打ちあうのみと、ジェミは跳んだ。ローカストめがけ、重力を宿した飛び蹴りを炸裂させる。
身体を捉えたと思った瞬間、ローカストの姿が消えた。
「っ!?」
足に、刃腕が絡みつく。ローカストは、そのまま強引に身体を反転させてジェミの跳び蹴りを弾いた。反動で吹っ飛ばされ、水柱を上げて川に落とされる。
「ぶはっ……やるじゃないの!」
なんとか水を掻いて立ち上がる。まだこれだけの力を残しているのか、この敵は。
ヒナタの赤ペンの背中から赤い炎の翼のようなオーラが具現化した。そのペンギン翼は恐ろしいほど巨大化し、ローカストを滅多打ちに殴打する。
反撃と振り上げた刃腕が爆裂する。ジョーイのサイコフォースが炸裂し、付け根からもぎ取ったのだ。
腕を失くしてバランスを崩したローカストに、ウタが爆炎で加速した豪速の一撃を放つ。
マルレーネのブラックスライムが絡みついて動きを封じ、湊音の竜が暴れ、燃やした。
恐らくは限界だろう。ふらつくローカストへと、ジェミが迫る。
「さよならね、季節外れの蛍」
彼女の言葉の意味を、ローカストは果たして認識しただろうか。至近距離から鋭く繰り出す拳は、今度こそローカストの急所を正確に貫いた。
それが止めとなる。
遂に蛍のローカストの生命力は限界に来た。焼けこげ凍てつき、脆くなった片肢が、受けた衝撃でボロリと落ちる。バランスを崩して倒れればさらにもう片方の肢が、腕が、翅が崩れた。ぼろぼろばらばらと、まるで石細工のように崩れて、川に浚われていく。光だけが消えず明滅を繰り返し、光の欠片となって流れていった。
「無能なアポロンは必ず後を追わせてあげるから。だから先にあの世で待ってなさい」
徐々に遠ざかり消えゆく光に向かって、マルレーネはそう言葉をかけた。
●
一匹二匹、蝉が鳴き始め、やがて何事もなかったかのように姦しく鳴きたてる。
それをBGMにジェミ達は戦いの後始末にとりかかっていた。
長い年月をかけて積み重ねた物も壊れるのは一瞬で、もう一度積み重ねるにはまた長い年月がかかる。
心ならずも傷つけてしまった、愛する日本の自然を少しでも直しておきたくて、麟太郎はヒールを重ねた。
元より倒すべき敵とは言え、使い捨てにされた蛍ローカストに対して、誰しも思うところがあった。
ウタが鎮魂の曲を奏でる。川のせせらぎに乗せて流れていくメロディをせめて蛍へ手向けとして。
「楽しかったぜ……いつかまた何処かで会ったら、そん時ゃまた遊んでくれや」
麟太郎は川へと弔いの酒を流す。その時は、もっと楽しく仕合いたいものだ。
「こんなこと……止めるなら、やっぱり親玉を倒さないといけないのかな?」
誰に問うでもなく、湊音はぽつりとつぶやいた。だけど、一体どうすればいいのだろう?
蝉はただ夏を惜しんで鳴くばかりだ。
少しづつ日が翳っていく。暑さが和らいで、吹く風はどこか涼しい。何やら川辺でヒナタがちょこちょこしているのをジョーイが見とがめた。
「おう、ヒナタ、何してんだ?」
「くぁ、蛍がいないかなってオチ?」
問われて、答えるヒナタ。一匹くらいいるかも、そう思って探したいたのだと言う。しかし八月の蛍はやはり時期外れなのだろう、見つからない。
「クッソめんどくせえことしてなよ。来年の時期になったらまた来りゃいいじゃねえか」
「くぁ、やっぱそれかな~ってオチ?」
「あ、それじゃあさ」
来年の蛍の時期になったら、落ち着いて遊びに来よう。守ったこの場所で守った人々と共にバーベキューや泳ぎを楽しもう。
そんな話を交わしながら、ケルベロスたちはその場を後にした。
辺りが暗くなり、蝉の声も小さくなり始めたころ。
小さな小さな光が一つ、川面にふわり浮かんだ。
それは瞬きながら天にむかって飛んでいき、やがてふつりと消えた。
作者:黄秦 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年9月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 2
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