もう幽霊でもいいや

作者:天枷由良


「金髪ロングで『ぱっつん』な幼女の霊と聞いたら、黙っていられないでござるよ……」
 くぐもった声で呟き、廃墟となった屋敷を散策するのは小太りの中年男。
「ふひ、ふひひ……。遊んでくれる人を探しているらしいでござるが……。小生なら毎日暇だし幾らでも遊んであげるでござるよ……。それに、幽霊なら小生にもワンチャン、ワンチャンあるかもしれないでござるし……。ふひ」
 何を望んでいるのかはともかく、男は薄気味悪い笑みを絶やさず、きょろきょろと不審な動きで進んでいく。
「幽霊なら取り憑かれたり……いや、美少女に取り憑かれるならそれもまた――」
 誰も聞いていないだろうと、興味に対して垂れ流し続けた欲望の声が不意に途切れた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 姿を現したパッチワーク第五の魔女・アウゲイアスが胸に突き刺した鍵を抜けば、男は倒れて、側には白いワンピースの幼女が立つ。
 男が抱いた興味そのままの美しい金髪を揺らす幼女は、屋敷の奥に男を残したまま、何処かへ消えていった。


 パッチワークなる魔女ドリームイーターの集団。
 その一人、アウゲイアスによる『興味』を奪う事件を予知したと、ミィル・ケントニス(ウェアライダーのヘリオライダー・en0134)は手帳を眺めつつ語りだした。
「不思議な物事に強い『興味』を抱き、調査をしようとした人が狙われてしまうのね。今回の被害者は、遊び相手を探す女の子の霊という噂に興味を持っていたみたい」
 被害者は現場に倒れたままで、アウゲイアスは既に姿を消している。
 しかし、奪われた『興味』を元にした怪物型ドリームイーターが、新たに事件を起こそうとしているようだ。
「この怪物型ドリームイーターを、被害が出る前に撃破してほしいの」
 無事に倒すことが出来れば、興味を奪われた男も目を覚ますことだろう。
「怪物型ドリームイーターの見た目は、白いワンピースに長い金髪の女の子よ。前髪が切り揃えられているのが、特徴といえば特徴、なのかしらね」
 人を見つけると、まずは自分が何者か問いかけるような言動で近づいてくるという。
 その問いに正しい答え、つまりドリームイーターの望む言葉をかけてやれば見逃してもらえるらしいが、撃破が目的であるケルベロスたちには些末なことだろう。
「他に、存在を信じていたり噂している人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質があるみたい。これを上手く使えば、誘き出して少し有利に戦えたりするかもね」
 攻撃方法は、魅了して正気を失わせようとしたり、じゃれつくように飛びかかってきたり、モザイクで作った人形をぶつけてくる、といったもののようだ。
「何に興味を持つのも人それぞれだけれど、その興味から怪物なんて産み出されたら困るわね。早急に撃破して、被害が出るのを防いでね」


参加者
ラトウィッジ・ザクサー(悪夢喰らい・e00136)
眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)
レティシア・リシュフォー(声援アステリズム・e01576)
斎藤・斎(修羅・e04127)
天那・摘木(ビハインドとお姉さん・e05696)
リーナ・スノーライト(マギアアサシン・e16540)
ウェンディ・ジェローム(輝盾の策者・e24549)
カスタード・シュー(甘党剣士・e27793)

■リプレイ


「……うーん、ホラーね!」
 屋敷を見上げたラトウィッジ・ザクサー(悪夢喰らい・e00136)の言葉に、続くものは居なかった。
 何が理由かは、凡そ全員が理解していただろう。
 被害者の中年男がどうにも……積極的に保護したいと思える存在でない。
 噂から感じるべきホラー要素も、些かどころでなく薄れてしまっている。
「……主人公が、彼じゃなきゃ……いやっ、助けるけど! 勿論!」
 一行の中で、最も頼れそうなお兄さ……いや、お姉さんか。
 とにかく年長者として、男に対する後始末も受け持ったラトウィッジは、気を取り直して屋敷の扉を開く。
 何時頃から放置されている屋敷なのか。中は薄暗くて埃っぽい。
「灯りは、あった方が良さそうだね」
 眞月・戒李(ストレイダンス・e00383)が腰に括りつけたライトを点けると、ラトウィッジにウェンディ・ジェローム(輝盾の策者・e24549)、リーナ・スノーライト(マギアアサシン・e16540)も各々、用意した明かりを灯す。
「もう少し広くて、散らかっていない所を探しましょうか」
 注意深く辺りを見回す斎藤・斎(修羅・e04127)の言葉に頷いて、一行は歩き始めた。
 幽霊の存在など基本的に信じておらず、ずんずん進んでいくカスタード・シュー(甘党剣士・e27793)に続いて行けば、それほど時間も掛けずに大きな広間へ辿り着く。
 褪せた絨毯に上階へと伸びる長い階段、幾つかの大きな扉。
 空気がひんやりとしていて、何もしなくとも『出そう』な場所だ。
「ここで幽霊の噂をしていれば、向こうから来てくれるでしょうかー……」
 ボクスドラゴンのクリスチーナを連れるウェンディ・ジェローム(輝盾の策者・e24549)が間延びした声で呟くと、リーナが小さく息を吐いた。
「その噂だけど、随分とローカルなもののようね。調べるのも一苦労よ……」
 タブレットでの検索情報を具現化した妖精さんから教えて貰っていたが、噂は地域の住人の間で囁かれる程度。それも何が発端なのか、いまいち分からない。
「美少女の幽霊って、絶対どこかで尾ひれついてるやつよね」
 若干の猜疑心を含めて評するラトウィッジ。
「噂になるくらいなので、きっと綺麗な子なんでしょうけど……」
「でも、幽霊は間違いなくいるのよ。――本当よ、いつも写真にうつるんだもの」
「……えっ」
 少しばかりの好奇心でレティシア・リシュフォー(声援アステリズム・e01576)が話を広げた後、天那・摘木(ビハインドとお姉さん・e05696)が漏らした言葉へ、誰とはなしに声が上がる。
「信じているとか、いないとかじゃないの。だって、間違いなくいるんだもの」
 どうやら、摘木の感覚は他者と一線を画しているらしい。
 あまり踏み込むと、噂とは違う何かを呼び込んでしまいそうだった。
「よ、幼女って、つまるところ何歳くらいの女の子なのでしょうねえ」
「早く会ってみたいね。遊び相手を探しているんだよね?」
 斎と戒李が軌道修正。再び噂話を広げていく。
 そんな仲間たちの会話を聞きながら、カスタードも今に限って幽霊の存在を信じてみる。
(「さあ、一緒に遊ぼう。君が眠りにつくまで」)
 静かに念じるカスタード。
 その時、扉の一つが控えめな音を立てて開いた。


「わぁ、おきゃくさんがいっぱいいるの!」
 ひょっこりと顔を出したそれは、噂に違わぬ容姿であった。
 艶やかな金髪。くりくりとした目に高い鼻。
 白いワンピースにはフリルがついていて、可愛らしさを倍増させている。
「……金髪の……女の子?」
 小走りで近づいてくるそれに、不安げな素振りで返す斎。
「! きれいなかみでしょう? さわってみる?」
 それは嬉しげな表情を見せると、ぴょんと斎の前に立って小首を傾げた。
 背丈は1メートルくらいであろうか。
「こんにちは、かわいいお嬢さん」
「はい! こんにちは!」
「私は摘木。この子は彼。あなたを探していたのよ。よければ、お名前を聞かせてもらえないかしら」
 ビハインドの『彼』も紹介しつつ、丁寧に尋ねる摘木。
「わたし? わたしはねぇ、――――っていうの!」
「……ごめんなさい、もう一度いいかしら?」
「――――っていうの!」
「……そう、いい名前ね」
 一先ず話を合わせておいたものの、摘木だけでなく全員が、その部分だけ聞き取れなかった。
「ねぇねぇ、みんなでいっしょにあそびましょう?」
 そんな事など露知らず、敵は無邪気な仕草でケルベロスたちを誘う。
「寂しくて遊んで欲しかったです? お友達になら……」
 おずおずと答えるレティシア。
 さて、敵は自分が何者かを自覚した上で言っているのか。
 思慮を巡らせる戒李であったが、この僅かな時間で答えなど出そうにない。
(「……考えても仕方ないか。倒すことには変わりがないし」)
 戒李がおもむろにバールのようなものを取り出すと、それを目ざとく見やって、表情を曇らせた敵が後ずさる。
「本当は遊んであげたいけれど、そうもいかないの。ごめんなさいね」
 摘木が電撃杖を構えて言えば、少女の周囲にも奇怪な人形が漂い始めた。
「……おねぇさんたち、なにをしにきたの? なんなの?」
 訝しむ敵。
 最後の問いには、リーナが小太刀の一突きでもって答える。
「わたし達は貴方の友達、だよ……この世で最後の遊び、付き合ってあげる……!」
 

 ふわりと浮くように間合いを詰めて、リーナの突き出した小太刀が敵の胸を抉る。
「いたっ、いたいー! なにするのー!」
 怒りを混ぜた泣き声が響くが、そんなものでラトウィッジの心は動かない。
「だって……彼から生まれたんでしょ? つまり中身、アレの妄想よ? ねぇ?」
 少女のなりをしていても、中に詰まっているのは中年男の興味。
 誰に向けるでもなく言って、悪人面をしたラトウィッジは手にしたナイフの、融解する血肉の如き刀身に地獄の炎を纏う。
 が、敵へと振り下ろすはずの刃は、不思議な事に仲間へと向かった。
「ねぇねぇ、おともだちならけんかしないであそびましょう?」
 リーナが退いた後、ぴたりと泣き止んで再びねだり始めた敵の声。
 その中に含まれている何かが、意志とは別に身体を動かしてしまう。
「っ……ラトウィッジさん、こっちじゃないですー」
 闘気で覆った拳を突き出す寸前で、急転してきた刃にウェンディが手を振る。
 しかし、ウェンディ自身もまた、すぐに正気を失って拳を握り直してしまった。
 虚ろな目をした二人は互いを傷つけようとして、間一髪、割り込んだクリスチーナによって事なきを得る。
 二人が慌てて飛び退くと、双方の攻撃を受けたクリスチーナは目を回してへたり込んだが、すぐさま立ち上がって傷口に己の力を循環させ始めた。
 摘木がオウガ粒子の放出で、レティシアが地に守護星座の陣を描いて治癒を補助すると、だいぶ体力も取り戻せたようだ。
 サーヴァントを攻撃してしまった二人も、胸を撫で下ろす。
 そんな彼女たちを眺めて、敵はくすくすと小さな笑いを漏らしていた。
「……やってくれるわね」
「ねぇねぇ、もっとなかよくあそびましょう?」
 ラトウィッジを逆撫でするように、笑い続ける敵。
「そんなに遊んで欲しいなら、彼に構ってもらいなさい」
 魅惑の声にこれ以上惑わされないよう、摘木に促されたビハインドの彼が盾となって進み出ると、敵は嬉しげにステップを踏みながらはしゃぎ回った。
 追いかけっこのつもりだろうか。
 彼を誘うように、或いは逃げるように上階へ向かおうとした敵を冷静に狙って、戒李が竜の幻影を撃ち出す。
 驚く間もなく呑み込まれた敵は、燃えて崩れる階段と一緒になって頭から床へ落ちてきた。
 ごんっ、と鈍い音が響く。
 そこへ彼が容赦なく――というより、敵と同じような無邪気さで階段の破片をぶつけていく。
 その光景だけを切り取ると、相手がデウスエクスとはいえ愉快なものではない。
 カスタードは少し抵抗を感じてしまうが、沸々と湧く感情と、敵が世に出る事で起きる悲劇の予測を天秤に掛けて覚悟を決め、身を丸くして突撃を掛けた。
 高速で回転するカスタードの身体は敵を巻き込み、白いワンピースを切り裂きながら吹き飛ばす。
「……そもそもどういう経緯で生まれた噂話かは存じませんが、やはり人に害為す以上は捨て置けません。――処断します」
 じっくりと地獄の炎で全身を包み、戦闘能力を高めた斎が敵を睨め付けて言った。
 幼女は壁に打ち付けられた後、ずるずると力なく崩れ落ちたままだ。
 動かないなら、畳み掛けるまで。
 斎が刀の柄を握る手にグラビティ・チェインを集めて、いざ殴りかからんというところで、敵はがばりと起き上がって摘木と彼に言い放った。
「ねぇねぇ、それはあなたのおにんぎょうなの?」
 少々大きすぎる気もするが、下半身が無くふわりと漂うビハインドを、敵は摘木の『お人形』だと解したらしい。
「わたしもおにんぎょうもってるの、いっしょにあそびましょう?」
 返答を聞くまでもなく、敵は消滅していた奇怪な人形を再び生み出して、ケルベロスたちに向けてくる。
 それは摘木や彼は勿論のこと、攻撃を仕掛けようとしていた斎や、仕切りなおしてナイフを構えたラトウィッジにまで、何処からか取り出した包丁やナタを手に襲い掛かってきた。
「あなたは、ここにいちゃいけない人なんですよー」
「遊ぶのは構わないけれど、痛いことをする子は悪い子よ……めっ」
 人形を避けつつ飛び蹴りを放つウェンディと、人形を振り払いつつ叱りつける摘木。
 それらを身を翻して避け、敵は自慢の金髪が燻っているのも構わず、楽しげに笑う。


 しかしそれも、短い間の事だった。
「回復しますね。森の加護がついてます!」
 レティシアが、魔法の木の葉を摘木に纏わせる。
 盾役に幾らか消耗した様子は見えるが、ケルベロスたちは全員健在だ。
 対する敵は金髪を見る影もなく焦がし、ワンピースも煤けて、ボロ布に成り果てている。
 戦い始めて少しばかり経ったが、幼女の熱心な誘惑による催眠効果や、回避行動を阻害する人形の動きは、レティシアが幾度か描いた守護星座の陣による加護によって、効力を発揮する前に殆ど打ち消されていた。
 見かけによらず強烈な打撃――幼女にとっては『じゃれつく』程度の認識らしいが、これも摘木とウェンディの盾役二人が揃えた防具とは相性が良くないのか、レティシア一人でも十分回復を賄えるほどで脅威とはならず。
 反対に、ケルベロスたちは序盤こそ同士討ちの危機に瀕したり、或いは動きまわる幼女を上手く捉えられずにいたものの、摘木が撒き散らすオウガ粒子によって少しずつ覚醒していった超感覚が、カスタードの黒い槍による強烈な一撃を浴びてから時折動きを鈍らせるようになった敵を射止め始めていた。
「享受せよ!」
 素の状態では到底当たりそうになかった技を出す機会を得て、ラトウィッジがふっと息を吐く。
 途端、敵の視界には無数の『トラツリアブ』が群れとなって現れ、花の蜜を吸うように襲い掛かってくる。
 甲高い悲鳴を上げて、それを振り払うように暴れまわる敵。
 ケルベロスたちから見れば何もない空間でしきりに焦げた髪を振り乱す様は、滑稽であり哀れでもあったが、今更情けも容赦もない。
 自棄っぱちのように突撃してくる敵へ、斎が服の中から取り出したリボルバー銃から弾丸を撃ち込んでシリンダーを交換、さっと服の中に付けたホルスターへ戻す。
 あまりの速さ故に、射撃音は一度しか聞こえなかった。
 しかし装填されていた六発の弾丸は全て敵の身体に食い込んでおり、その衝撃で敵はもんどり打って転がっていく。
 先にはちょうど、投げたバールのようなものを回収し終えた戒李。
 足元にぶつかって止まり、見上げたケルベロスの赤い目を見て、敵は短い悲鳴を上げながら這うように背を向けた。
「何処に行くつもりなのかな? ……まぁ、逃げてもいいよ。ボクの間合いから、逃れられるものなら」
 笑いもせず、腕を一振り。
 戒李の放った魔力の薄刃が、敵の背を斬って砕け、破片となっても更に裂いていく。
 悲鳴は少しずつ小さくなって、もう耳をそばだてなければ聞こえないほどだ。
 ゆっくりと近づいたリーナが、敵の背に跨るようにして黒い短刀を向ける。
「遊びは終わり、お家へ帰る時間ですよ……いや、中年男には帰りたくないかもしれませんが……」
 呟いてから集中しなおし、リーナは刃先から展開した魔法陣に全ての力を注ぎ込む。
 その一撃が放たれる直前、カスタードがふらりと近づいて、幼女の手を握った。
「寂しくないよう、側にいます。だから、安心して」
 おやすみ、と言った直後、絨毯どころか床まで抉りそうな魔力が放出されて、そこに居た少女は髪の毛一つも残さずに消え去っていた。


「じゃあ、後はお任せしますー」
 ウェンディが女性陣を引き連れ、部屋を出て行く。
 敵を退けたケルベロスたちは戦場となった広間を元通りに修復した後、最奥の部屋で中年男を発見していた。
「目ェ覚ませッ!」
 ぺしぺし。
 ラトウィッジが非グラビティの平手打ちを繰り出すと、男は豚のように鼻を鳴らしながら飛び起きる。
「よ、ようじょ!」
 第一声がこれだ。
 年頃の女性陣を遠ざけておいてよかったと心底思いつつ、ラトウィッジは語る。
「ちょっと! 年端も行かぬ少女の幽霊にワンチャン感じてどうするの!!  お姉さんでよければ相談乗るから、もっと違う方向で夢みよ? な? サキュバスだらけのバーとか紹介しよっか? 気楽に女の子とお話できるわよ?」
「……そういう邪なアレは小生好みでござらんので……」
 一体何処の生まれなのか。
 古めかしい言葉遣いで厚意を無下に――しかも何故か上から蹴飛ばす男。
「ところで、何が『わんちゃん』なのかしら。犬の幽霊でも居るのかしらね?」
 陰からこっそりと様子を伺って、摘木が漏らした言葉に女性陣は首を振った。
 世の中、知らなくていいことは山ほどある。
「幽霊の女の子はどうやらいないみたいだけど……クッキーならあるよ……ほら」
 カスタードが親切心からクッキーを差し出した後の、男のリアクションなどもそうであろう。
「……ショタ。お菓子系ショタでござるか……なるほどこれは……」
「だからそういうのにチャンス感じちゃダメなんだって! 彼ドワーフだから! 大人だから!」
 もう一度平手をかまして、気を失った男をラトウィッジが担ぐ。
 これを目が覚める前に人里に返して、依頼を終えなければ、不味い気がした。
「はい、ドリームイーター事件解決です! そういう事にしておくです!」
 レティシアが纏めて、ケルベロスたちは屋敷を後にする。

「……うるさくして迷惑だったかしら?」
 屋敷から去る直前、ふと振り返って微笑む摘木。
 目に映った金色が何かは、彼女にしか分からなかった。

作者:天枷由良 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月26日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 3
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