●深夜の学校潜入レポ
学校は怪談の宝庫である。
まして夜の学校ともなれば、通い慣れた場所の、見慣れぬ姿、不気味さに、少年少女達の想像はかきたてられずにはいられない。
「えー……いよいよ念願の、学校探索の時間です」
真夜中の学校の非常階段を、音をたてぬよう慎重に上っているのは、夜に紛れる暗い色の装いの、中学生と思しき少年。手にはハンディカムを構え、潜めた声で自身の現状を語りかけている。
「我が校に怪談・七不思議数あれど、実際の目撃情報は圧倒的に、屋上に集中しております。このたびわたくしが、噂の真相を確かめてまいります……!」
興奮を抑えきれぬ様子で流暢に喋りながら、少年は非常口より校内へと進む。
「侵入経路はご覧の通り。特別教室棟三階の非常出口は鍵が壊れたまま放置されてます。セキュリティの盲点もバッチリ把握済み! 田舎の貧乏学校ってやだねぇ~」
不気味な校内をたびたびカメラで見回し、七不思議をおどろおどろしく紹介したり、時に大げさに怯えて見せたり。適度に映像を演出しながら、少年は屋上への階段に辿りついた。踊り場まで上がり、屋上の扉を見上げながら、ごくり、と唾をのむ。
「さあ、いよいよ屋上です。噂の鬼火は、本当にいるのでしょうか……!」
最期の階段へと踏み出そうとした、その時。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
「えっ……」
冷たい女の声が、耳元に吹きかかった。
少年の胸は、いつのまにか、巨大な鍵に貫かれていた。背後から、心臓ごと。
悲鳴もなく、少年の体が崩れ落ちる。
無防備に投げ出されたその体の上に、不気味に発光する炎の塊がゆらめいた。
●生み出された『鬼火』
「こたびは、『興味』を奪うドリームイーターの手により、具現化された鬼火の一件にございます」
戸賀・鬼灯(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0096)が語るは、人の『興味』より生み出されたドリームイーター。
「女性型のドリームイーターが、深夜の中学校に侵入した男子生徒を襲い、彼の『興味』を奪って、それを怪物型のドリームイーターとして現実化してしまった模様です。生みいだされましたるは、男子生徒の『興味』の対象である、『真夜中の学校、屋上に浮かぶ鬼火』にございます」
被害者はドリームイーターの鍵によって心臓を一突きにされたが、外傷はなく、命に別状はないようだ。
元凶たる女性型ドリームイーターは、すでに場を後にしてしまったらしい。対処すべきは、新たに生み出された鬼火のドリームイーターである。
「皆様には、この鬼火のドリームイーターによる被害が出る前に、速やかな撃破をお願い致します。鬼火さえ倒す事ができれば、『興味』を奪われて昏倒している被害者も、後遺症もなく目を覚ます事でございましょう」
鬼火は本来の噂の通り、学校の屋上に現れるようだ。
「現場は地方都市の公立中学校のようですね。資金が少ないのか警備は手薄……予知に基づいて被害者少年の動きをトレースすれば、最短で侵入することができそうです」
資料を熟読しながら、大成・朝希(朝露の一滴・e06698)がそう分析した。
鬼灯は肯定を示しつつ、付け加える。
「この鬼火は、鬼火それ自身の存在を信じている方、鬼火の噂をしている方がいらっしゃいますと、そちらへと引き寄せられる、という性質を持ちます。鬼火は学校屋上の広範囲を、縦横無尽に休みなく浮遊しておりますゆえ、屋上に直接乗り込み、広く見通しの良い足場まで誘き出して戦闘を仕掛ける事で、戦いを有利に運ぶ事が可能でございましょう」
またもう一つ、奇妙な性質があると、鬼灯は言う。
「鬼火は出会い頭に、皆様にこう問いかける事でしょう。『我は何者か』と」
ここで『鬼火』だと答えれば、何もせずに姿を消してしまう。正しく答えなければ、殺そうと襲い掛かってくる。
いかにも怪談めいた対処策だ。普通の人間ならば正解を答えてしまえば良いだけだが、今回は撃退がケルベロス達の役目。実体化した怪談と戦う為の返答をする必要があるだろう。
「誰もが一度は抱くであろう、怪異への恐れ、憧れ。かくもありふれた好奇心から、怪物を具現化されてはたまりませぬ。『興味』を喰われた少年の為にも、夢喰いの悪趣味を水際にて粉砕する事を、皆様にはお願い致します」
参加者 | |
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スウ・ティー(爆弾魔・e01099) |
和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413) |
伊上・流(虚構・e03819) |
レイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510) |
クレーエ・スクラーヴェ(白く穢れる宵闇の・e11631) |
片桐・宗次郎(星を追う者・e17244) |
鵜松・千影(アンテナショップ店長・e21942) |
緋・玉兎(天才たまちゃん・e22809) |
●鬼火の噂
草木も眠る丑三つ時。深夜にそびえたつ校舎は、えも言われぬ不気味な雰囲気を醸し出していた。
「……皆の者、おるな? 近くにおるな?!」
暗い視界の中、周囲への偉そうな呼びかけは、緋・玉兎(天才たまちゃん・e22809)のもの。強がりへっちゃら感甚だしいものの、何かを紛らわすように突発的に大声で歌い出したり、ほんの小さな物音に、
「ひゃあーーーん!!」
と情けない声を上げてみたり、あからさまに挙動不審であった。
「キープアウトテープがもっと長ければ、人避けの幅が広がるのにね」
広々とした学校の敷地を見渡しながら、クレーエ・スクラーヴェ(白く穢れる宵闇の・e11631)がぼやいた。
ケルベロス達が敵をおびき出す戦場に選んだのは、グラウンド上だった。平均的な中学校のそれよりは狭い印象ながら、さすがにキープアウトテープでは到底囲いきれぬ広さだ。とはいえ、深夜の学校に寄り付く一般人もそうそういないだろう。
「えっと、噂話をすれば、来てくれるんですよね?」
和泉・紫睡(紫水晶の棘・e01413)がおずおずと切り出した。
「そもそも、鬼火についてあまり詳しくは知らないのですが、人の魂だったり妖怪が使う炎とかだったり、その辺は良く聞きますね。ま、まさか、この学校の鬼火は昔死んでしまった生徒の魂とか……!? はたまた、夜な夜な学校を徘徊する妖怪が……!?」
想像力豊かに自分で自分を追い詰めていく紫睡。こちらは恐怖心を隠さないが、わずかながら、怖いもの見たさの好奇心も窺えぬでもない。
「まぁ、妖怪だの人間の魂だのと言っても、日頃死神が操るゾンビやら化物連中と戦ってると、妖怪くらいなら今更って感じもすんだよなぁ……」
ケルベロスらしくぼやくレイ・ジョーカー(魔弾魔狼・e05510)。
「鬼火と言やぁ、大抵は死者の霊魂の成れの果てと聞く。もし噂が本当なら、本来の鬼火は何が発祥なのかねぇ」
楽観的なスウ・ティー(爆弾魔・e01099)は、純粋に噂話を楽しんでいる。
「デウスエクスが暴れてる世界なら、幽霊ぐらい居てもおかしくないっすよね」
とは、片桐・宗次郎(星を追う者・e17244)。いかにもお調子者らしいお気楽さだが、本心からの言葉だ。デウスエクスにグラビティ、おまけにダンジョンなんてびっくり現象に囲まれているのが、ケルベロスの日常。怪異の存在を否定する理由がない。
レイは暗視スコープ越しに、含みのある眼差しを静まり返る校舎の方に向けた。
「しかし、この学校の鬼火って、具体的には鬼火の目撃談とかそんな感じか……? この学校、曰くとかなんかあんのか……?」
「この手の噂は大体何かの見間違えだったケースが多い訳だが……火の無い所に煙は立たないと言う言葉もある」
伊上・流(虚構・e03819)も同じく、意味深に校舎へと視線を投げる。
「今回はデウスエクスだったが、さてさて……本当にそれだけの話と断言出来るだろうか?」
淡々とした二人の推察に、女性陣が悲鳴にならない悲鳴に喉をひきつらせた。
「うぅ、夜の学校ってだけでも不気味な雰囲気なのに、更に怖い話があるんですか……」
「む、無駄に煽るでないわっ、ビビらせおってー!」
賑やかに盛り上がる仲間達の様子を、鵜松・千影(アンテナショップ店長・e21942)は会話に加わるでもなく、平常運転の死んだ目をして眺めていた。鬼火を信じるか、と聞かれれば、もちろん信じている。
(「実際出てるから、俺らが来たんだ。そうだろ?」)
噂の大本の鬼火と、ドリームイーターの『鬼火』、どちらの存在を信じようとも同じこと。
果たして、彼等の頭上の夜陰に、ぼんやりと揺らめくものが生じた。
暗い足元に、あるはずのない自身の影がうっすらと落ちているのに気づき、ケルベロス達はにわかに現れた光源を見上げた。ひっ、と小さな悲鳴を呑み込む声が、いくつか。
青白く燃える『鬼火』が、ケルベロス達を見下ろしていた。
●汝慮らぬ、故に
オリジナルとなった少年の『興味』を、そのまま映し出したものなのだろう。『鬼火』はごく一般的に想像されがちな、掌サイズの青白い火の玉だった。
所々にドリームイーター特有のモザイクがちらつき、常にノイズを纏ったように不安定な姿が、より不気味さをかきたてる。
『鬼火』はじっとりと一つ所に留まったまま、低く不気味な声で問いかけてくる。
『汝等は知るや……我は何者か』
『鬼火』。そう答えるは容易い。
しかしケルベロス達は、怪異を退けに来たわけではない。討伐しに来たのである。
「あの少年がお前のせいで帰ってこないなら――」
答えたのは、宗次郎だった。決然と敵を睨みつける。
「お前は俺達の敵だ、あの少年は返してもらう!」
沈黙が落ちた。じれったいほどの長さ。
千影が後ろ手にリボルバーを構えた手に、力がこもる。
たっぷりと間を置いたのち、『鬼火』の炎がひときわ大きく揺らいだ。徐々に火勢を増していくようだった。
そして、不気味な声音が再び投げつけられる。
『我を知らぬ……故に、汝等、存在するべからず』
それは、宣戦布告に相違ない。
『鬼火』が動くより早く、ケルベロス達は一斉に、持ち寄った光源を点灯させた。ライドキャリバーのファントムのヘッドライトが、とりわけ強烈にグラウンド上を照らし出す。
『憤怒を得よ……』
人工の光を照射されながら、『鬼火』はモザイクの火の粉を散らして投げつけてくる。初撃の標的は――玉兎。
「いきなりわしかいっ!」
モザイクの火の粉に取り巻かれ、あちゃちゃちゃちゃっ、と賑やかな悲鳴が上がった。
質問の回答者と攻撃対象は連動しないらしい。『鬼火』にとってはその場にいる全員が敵、個々の区別なぞ些細な事なのだろう。
「さて……亡霊退治? それとも妖怪退治か? どっちでも良いが、仕留めさせて貰おうか!」
「さあ、その炎を消してやるよ」
レイの魔狼銃が、後ろ手に仕込んでいた千影のリボルバー銃が、次々に火を噴き、『鬼火』にちらつくモザイクを弾いた。的中の手応えに、千影はニィ、と口の端を上げる。
「……色々と言いたい事はあるけど、先ずは奴を屠る事が最優先事項だな」
流が卓越した体捌きで達人の一撃を、宗一郎がスカルブレイカーを叩き込み、『鬼火』の炎を切り裂いていく。
「ジャック・オー・ランタンも鬼火って言うよね……ハロウィンにはまだ早いよ?」
呟きながらクレーエは肉薄し、鴉めいた形状を取るブラックスライムで『鬼火』を丸呑みにした。
完全に呑み込まれたかと思えば、ふいに闇に染み出すように、青白い炎が再びケルベロス達の視界に現れる。かき消えては現れるその挙動は、まさしく鬼火そのもの。
「認めて貰えない者を襲う、か。それじゃ怪異も形無しだねぇ」
スウは帽子に手を当てぼやきながら、分身を己に纏わせる。
「近くなければ、怖くありませんよ……!」
今回は敵に接近不要とあって、ちょっと強気な紫睡。雷の壁を築き上げ、前衛の防備を固める。
「お返しなのじゃー!」
ぷんぷんと怒りを振り撒きながら、玉兎がウルトラファミリアシュートを飛ばす。『鬼火』は外炎を千切られモザイクを散らしていく……が。
『牙を受けよ……』
一度縮こまって見えた炎の体積が、一息に何倍にも膨れ上がった。次の瞬間、あぎとが開き、禍々しい牙を並べた巨大な口が、ケルベロスに襲い掛かった。モザイクだらけの口腔に、手元に留めたブラックスライムごと、クレーエの腕が呑み込まれる。
「――っ、そっちもお返しってことか……」
苦痛に歪む眼差しに睨みつけられた『鬼火』は、元の体積に戻りつつ、ケルベロス達を嘲笑うように、振り子の動きでゆらめいた。
●さらばまがいもの
火の粉を散らし、炎を飛ばし、現れ消えてを繰り返し翻弄する『鬼火』だったが、その本性はドリームイーター。熱い火の粉も、冷たい炎も、すべてはモザイクを纏ったまがい物であり、本質的には通常の夢喰いと大差ない。
しかと布陣を整えたケルベロス達は、各々が冷静かつ的確に行動し、堅実に敵を追い詰めていった。
「我が身に宿る十二輝石、アメジスト輝石の力よ、その身を伝う聖なる雫で満たして癒しと守りの力を与えん」
紫睡の詠唱が滔々と闇夜を流れ、前衛に守護を付与する。
恩恵を受けたサーヴァント達は、生き生きと敵を翻弄して回った。ライドキャリバーのギンは派手なスピンで敵を足止めし、ミミックのベンさんは敵に喰らいついて動きを押し止める。
「動きを止め、息を止め、生を止め……休んだらいいよ、オヤスミナサイ」
クレーエの『悪夢』の残滓が、『鬼火』を侵食し、さらに動きを鈍らせる。
「ファミリアシュート、できたのじゃー♪」
無数のファミリアロッドを蝙蝠の姿に戻し、玉兎はご満悦で敵へとけしかけた。
――今が打って出る時。そう見切ったのは、宗一郎だった。
「トドメ、頼むっすよ!」
誰にともなく投げかけると、手に持つ槍を軽く振るい、小さくステップを踏む。息を一気に吐ききると一踏みで敵へと肉薄。
「……アンタにはちょっと相手してもらうっすよ」
ニッと笑いながら敵を睨み、宗一郎は自分の役割を果さんと動き出した。
高速の回転斬撃による足止めは、後に続く仲間達を支援する為のもの。まっさきに応えたのは、レイだった。
「魔弾魔狼は伊達じゃねぇ……俺の魔弾から逃げられると思うな! 全てを撃ち抜け! ブリューナクッ!!!」
五つに分離した高密度のエネルギー弾が『鬼火』へと殺到し、一斉に撃ち貫く。
銃の照準を定めながら、千影は青白い炎に強い恨みと執着を見る。
(「……なんだろな。何を恨んだ、何を執着した?」)
名前を呼んでほしいのか、何者か知ってほしいのか、教えて欲しいのか?
「なあ、何を言いたいんだ? おめーは」
囁くように呟きながら発射された弾丸は、白色の強い内炎に食い込み、紅紫色の美しい花を咲かせた。
スウは大きく手を広げるような仕草をすると、爆破スイッチ片手に舌なめずりをする。
「火遊びが得意なのはお前さんだけじゃないさ」
スイッチが押し込まれると同時に、『鬼火』の周囲で派手な爆発が連鎖していく。手を広げ戦場にばら撒いたのは、透明な機雷だったのだ。
『鬼火』の姿はモザイクにちらつき、ぶれて原形を保てなくなってきている。
『夢に……堕ちよ……』
なおも炎を飛ばそうと、外炎を膨らませる兆候。
しかし流はそれを許さない。静かな詠唱が夜を震わせ、その足元に浮かび上がる不可思議な文字列と数式を媒介に、黒い泉を顕現させる。泉の水面は泡立ち、それはたちまち漆黒の大蛇を立ち昇らせた。
「日常に害為す異端なる存在は狩り屠る!」
毅然たる流の宣言に、『鬼火』を見やる大蛇の赤い瞳が静かに輝いた。
それは、格下の怪異への、死の宣告に等しかった。
●屋上の枯れ尾花
件の少年は、予知の通り、屋上前の踊り場で見つかった。
「う、う~ん……鬼火が、女の幽霊が…………はっ」
ケルベロス達に揺さぶられると、お手本のような引き息で目覚めた。寝起き一番、目の前にいたのが死んだような目つきの千影だったので、ひぃっ、と大仰に身を縮めてしまう。
「……その様子ならヒールもいらなそうだな」
千影は肩をすくめて少年の前から退いた。
なおもあわあわしている少年に、スウはシーッと口許に指を立てて見せた。過ぎたる興味本位の火遊びで、デウスエクスなどという大層なものを呼び寄せてしまった張本人に、意味深な視線を流してやる。
「ある意味いい経験したねぇ、夏休みの自由研究にでもしときな」
どことなく愉快げな『忠告』に、少年は目を白黒させた。
「興味もいいですが、ほどほどにしないと怖い目を見てしまいますよ」
「好奇心猫をも殺す……何かある前に危ない事はやめなよ?」
紫睡はいつもの困り顔で、クレーエは昔を思い出して苦いものを胸にしまい込みながら、柔らかく諭してやる。
唐突すぎてついていけていない少年に、流がトドメを畳みかける。
「連絡を入れておいた。そろそろ警察が迎えに来るだろう」
「へっ!?」
「警察や家族から色々と言われるだろうから、俺からは此れだけ忠告しておく。安易な気持ちで非日常に足を踏み入れるな。今回は助かったが、二度も同じ奇跡が起きる保証なんて無いぞ」
警察まで持ち出されて、少年はすっかり青くなり、恐縮しきりであった。なかなかに厳しいお灸を据える始末となったが、まあ事が事だ、警察もそうそう大事にはしまい。
少年の無事を確認したレイは、校舎内の確認に回っていた。手始めに、噂の大本である屋上を見回って、肩をすくめた。
「……なるほど。鬼火の正体見たり、だな」
給水タンクの上の方で、頼りなく光が揺れている。
紐で吊るされているのは、ソーラー電池式の安っぽいランタンだった。昼にエネルギーを溜めて、夜に自動で点灯するタイプ。風が吹けばゆらゆら揺れて、遠目に見れば、鬼火のように見えなくもない。
おそらく生徒のいたずらだろう。学校の怪異なんてものは、メッキを剥がせばこんなものか。
「ふんっ、ちっともさっぱりまったく怖くなかったのじゃっ!」
噂の正体を知った玉兎は胸を張り、偉ぶりうそぶきながら帰途につくのであった。
作者:そらばる |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年8月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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