真夏の夜のおでん

作者:湯豆腐

●うち、おでんあんだけど……煮てかない?
 あるアパートの一室。
 陽はとうに落ちているが、独特の熱気があたりに立ち込め、窓を閉め切った部屋では異形のビルシャナが力強くその教義を説いている。
 中央にはぐつぐつと煮えたぎるおでん鍋。
「真夏の夜は一心不乱にアツアツのおでんを食べる! これこそが正しい過ごし方である!」
「そうだそうだ! 冷しゃぶ、素麺などという冷たい食べ物は軟弱だ! 真夏の夜はおでん以外認めない!!」
 ビルシャナの教義に称賛の拍手を送る信者達。
 主張自体はどうということはないが、特筆すべきはビルシャナはじめ、信者達も全員ビキニパンツ一丁であるということか。
「うむ! 諸君! それでは我とともに、おでんをつつこうぞ!」
「ひゃっほおう! おでんだー!!!」
 ビルシャナが手を上げると、我先にと鍋に箸を伸ばす信者達。
 元々蒸している上に窓も閉め切っているものだから、スウェット(汗)が噴き出さずにはいられない。
「あっー! おう! アッ!」
 ぬるりねちょねちょぬるりと、くんずほぐれつお互い纏わりついても、信者達は気にせず一心不乱におでんとかをつつく。
 おでんとかをつつく。
「ばかものー! タネがなくなってしまったではないか! 次のタネを投入するのだ! あくしろ!」
「し、しーましぇーん!!」
 かくしておでんナイトは終わりを告げることなく、阿鼻叫喚の中、繰り広げられるのであった。
 なお、皆様ご承知おきの通り、このシナリオは○モシナではないことはここで断っておきたい。
 
●煮ないか?
「鎌倉奪還戦の際にビルシャナ大菩薩から飛び去った光の影響で、悟りを開きビルシャナになってしまう人間が出ているようです。悟りを開いてビルシャナ化した人間とその配下と戦って、ビルシャナ化した人間を撃破する事が、今回の目的です。詳しくはラランジャさんからお話があります」
 ケルベロス達に告げるセリカ。
 横に控えたラランジャ・フロル(ビタミンチャージ・e05926)は、ケルベロス達に向かい一礼をすると、今回の経緯を話し始める。
「ラランジャッス。皆、よろしく頼むッスよ。早速ッスがこのビルシャナ、真夏の夜にはおでん鍋こそ至高という考えの持ち主らしいッス。別にそれ自体はいいッスけど、おでん鍋以外認めないという、ちょっと極端過ぎる考えッス」
 ラランジャの言葉に、ふむと頷くケルベロス達。
「以前、湯豆腐を滅ぼそうと企んだビルシャナを倒したッスが……どうも、このビルシャナと関係している気がするッス」
 あくまで鍋つながり、というところだけッスけど、と付け加える。
「ビルシャナ化している人間の言葉には強い説得力がある為、ほうっておくと一般人は配下になってしまいます。ここで、ビルシャナ化した人間の主張を覆すようなインパクトのある主張を行えば、周囲の人間が配下になる事を防ぐことができるかもしれません。ビルシャナの配下となった人間は、ビルシャナが撃破されるまでの間、ビルシャナのサーヴァントのような扱いとなり、戦闘に参加します。ビルシャナさえ倒せば元に戻るので、救出は可能ですが、配下が多くなれば、それだけ戦闘で不利になるでしょう」
 一旦セリカの補足を受け、
「ビルシャナはこんにゃくを投げつけるッス(熱いッス)、牛すじの串で刺してくるッス(痛いッス)、鍋をひっくり返すッス(超熱いッス)など、おでんにまつわる多彩な攻撃をしかけてくるッスー! 食べ物を粗末にするのも許せないッスが、何より一般人が配下となってしまうことは、防がなくてはならないッス!!」
 ぐぐっと拳を握るラランジャの眼には強い意思が宿るッス。
 気合が入りすぎて、ビルシャナの攻撃にまで『ッス』が入ってしまったッス!!
 なんだかゲシュタルトしてきたけど気にしないッス!!!
「ビルシャナの影響を受けている一般人は、理屈だけでは説得することは出来ません。重要なのはインパクトになりますので、そのための演出を考えてみるのも良いかもしれません。ビルシャナとなってしまった人は救うことは出来ませんが、これ以上被害が大きくならないように、確実に撃破してくださいッス」
 そこまで告げ、セリカは深々とお辞儀をしてみせた。


参加者
風藤・レギナエ(啼き喚く極楽鳥・e00650)
白羽・佐楡葉(紅棘シャーデンフロイデ・e00912)
クリームヒルデ・ビスマルク(自宅警備ヒーラー天使系・e01397)
ダレン・カーティス(自堕落系刀剣士・e01435)
ラランジャ・フロル(ビタミンチャージ・e05926)
白・常葉(ここに称号・e09563)
海老那・椎(ひとりでできるマン・e12845)
風戸・文香(エレクトリカ・e22917)

■リプレイ

●真夏の
 夜。
 陽はとうに落ちたが、蒸しっとした不快な熱気はいまだ辺りに立ち込めている。
「熱帯夜に男だらけでおでんを食べたり食べさせたり……何か間違いがあったらどうするんですか! ああもう暑い! え……この人数でアパートに押し入って、中で大乱闘? やめてくださいよ爆破オチとか」
 そこはかとなく危険な香りがすると、皆に注意を促す海老那・椎(ひとりでできるマン・e12845)。
 紺の水着に身を包み、片腕に消火器を抱えた椎に隙はない。
 モリの形をしたグレイブを構え、スライムが入った魚篭を携行するのが椎のJUSTICE(正義)である。
「ビキニボーイに対抗してビキニガールを! ……ちゃうから! あくまでビキニガール(代理)やからっ! ○モシナちゃうからっ!」
 ビキニ着用NGな娘もいるであろうと、「紳士なオレが代わりに着たるっ!」と、一肌脱いだ風藤・レギナエ(啼き喚く極楽鳥・e00650)。
 はちきれんばかりのぴっちぴちのビキニ(女性もの)を纏ったレギナエに好き、いや、隙はありまくりである。
 なお、この場合、一肌脱いだというよりは、一肌着てしまったという方が正しいか。
「コンビニは夏でもおでんを推してええと思うねん! 特に関西人たるものスジは外せへん……ちゅうても何故汗だく、何故ビキニ……」
 改めて視線を下げ、己の姿を確認するレギナエ。
 なんということでしょう。
 そこにはあろうことか、スジというより、モノが(断固自主規制)。
 ちなみにどうでもいいがレギナエは三十路手前である。三十路手前である!
「これは夢なのか現実なのか――暑い真夏の夜、過熱したおでん鍋は遂に危険な領域へと突入する。ってところでしょうか」
 額にうっすらと汗を滲ませながら、パタパタと手を扇ぐ白羽・佐楡葉(紅棘シャーデンフロイデ・e00912)。
 佐楡葉はビキニではなく普段着での参加だ。
 何故か?
 それは、
「水着受理されなかったからだよおう」
 ということらしい。
 そうですか。受理されなかったのなら仕方がないですね。
 で、受理って何?
「バーベキューとは盲点でした」
 唐突に一人納得するおねーさん、クリームヒルデ・ビスマルク(自宅警備ヒーラー天使系・e01397)。
 やあ、またあんたか。
 今回は白ビキニの上にピザ屋風バイト制服的衣装着用で颯爽と登場だ。
「私にいい考えがある」
 クリームヒルデは、開始3秒で豆粒に爆破されてしまいそうな某司令官よろしく、顎に手をあてる。
 そして取り出したるは、『当店オリジナルキャベツとニラ、モツたっぷり煮込みおでん』と、でかでかと書かれた鍋。
「彼らはおでんにゾッコンLOVEだ。それを逆手にとって、ピザの宅配員を装いおでんをデリバリーしにきたように見せかける。無論、鍋にはおでんなど無い! まさに現代のトロイの木馬であるよ」
 満足そうに頷くおねーさん、クリームヒルデ。
 いやちょっと待って待って。
 そもそもピザの宅配員を装いおでんをデリバリーっておかしくね?
 というかトロイの木馬とかちょっと意味合いちがくね?
 これは俗に言う死亡フラグというやつなの?
 だが、それがいい(解決)。
「お、俺も、気合入れて、びきに一丁で来たッス! あ、バーベキューの準備してきたッスよ!」
 皆がそうするのであればと、とっておきのびきにを着用してきたラランジャ・フロル(ビタミンチャージ・e05926)。
 男物のびきにか、女物のびきにかがわからなかったので、この際、ふりふりがめいっぱい施された女物のびきにを着ているということにしてしまいたいと思う。というかそうする。
「しかし恥ずかしいッスねこれ……」
 もじもじと身体をよじりながら頬を染めるラランジャ。
 お父さん、そんないじらしい姿にちょっとキュンとしちゃったわけだけど、つまりは男の娘爆誕ということでいいのけ?
「一応ビキニ着てきたけど……男と汗の交換会はないわー。あ、わかってると思うけど、俺、変質者やないで?」
 ビキニ(無論女物)の上に羽織を着用した白・常葉(ここに称号・e09563)は、もちろん変質者ではないことをここで強く断っておきたい。
「暑いところにもって、なんでビキニパンツでオデンなのかと。いや、熱いモノもいかないと、胃腸には悪そうですし、それはそれで悪いことではないですが……」
 ビルシャナ達の意図が理解できないと、頭を抱える風戸・文香(エレクトリカ・e22917)。
 大丈夫、これからもっと理解できないことが、きっと起こるから(予想)。

●以心伝心
 なんやかんやあってアパートの前に到着したケルベロス達。
 途中街の自警団に呼び止められ、危うく3人(三十路手前のレギナエ、男の娘のラランジャ、変質者ではない常葉)の貴重な戦力が失われるところだったが、ケルベロスであるとわかったところで事なきを得ることができた。
 普段着であった佐楡葉の説得も功を奏したと言える。
「ケルベロスも大変なんだな、いろいろ」
 と、同情の眼差しを向けられたことは、実に心外と言えよう。

 しかし、そんな3人の変質者がパーティにいたとしても、依頼となれば話は別。
 玄関の扉の前で互いに目を合わせ、一つ頷き合えば、それ以上語ることは何もない。
 言葉を交わさずとも絶妙なコンビネーションを魅せることができる、それが今回のパーティである。
「おねーさんピザの宅配が、おでんデリバリーにやってきたぞー!」
 手に鍋(熱い熱湯のみ投入)を持ちつつ、玄関の前で声をあげるクリームヒルデ。
 それを合図にレギナエはガスコンロで丁寧に扉を焼き始める。
 弱火でじっくり、遠赤効果も狙、
「ケルベロスだ!」
 佐楡葉は問答無用に扉をぶち開け突入。
「ちわーッス、ラランジャっす! 夏と言えば外でBBQッスよ!」
 側面から窓ごとブチ壊しあがりこむラランジャ。
 ちわーッスって。
 男の娘なのにはしたない!
「こんなクソ暑い季節に締め切った室内でおでんとか正気かお前ら死人が出るぞ。マジで」
 さらにその横(わざわざ)の壁をぶっ壊し乗り込むダレン・カーティス(自堕落系刀剣士・e01435) 。
(「とりあえず分かったのは、暑さに中てられて俺も仲間もなンかおかしくなってるってコトだ。とりあえず家屋倒壊と火事は御免だぜ」)
 ここまでの状況で、既に何かがおかしいとダレンは薄々感じていた。
 しかしダレンは意外と冷静だった。
(「テンションおかしいのは暑さの所為。全て夏の所為。太陽と君の笑顔があまりに眩しいから仕方ないのさ……ラララ」)
 そしてダレンは意外と冷静ではなかった。
「あちらのお嬢さん方からですー! おでん以外つついとる場合とちゃうで! とりあえず夏はカレーや! ってあっつー!!!」
 再び玄関前。
 ノブに手をかけた常葉は、もんどりうって階段から転げ落ちる。
 玄関扉を丁寧に焼き上げていたレギナエのおかげで、ノブは灼熱の凶器と化していた。
 階下ではじたばたしながら蠢く常葉。
 その羽織ははだけ、あまつさえビキニを晒す(ちょっとずれてる)という暴挙に出ており、常葉が変質者ではないということが、はっきりと証明されている。
「動くな! けーさつだ! ごめんなさい違います!」
 ズザザザ。
 常葉の決死の試みで開かれた扉をすり抜け、スライディング土下座で侵入する椎。
「まいどー! 出前ですー!!」
 そして満を持して現れた文香は、最高の笑顔で正面玄関から侵入を遂げたのだった。

●Chaos ODEN
 絶妙なコンビネーションから繰り広げられた奇襲のおかげでビルシャナ達は既にあんぐり状態だ。
「上半身裸は、余計暑くありませんか?」
 早速オカモチからバーベキュー道具と食材を取り出す文香。
「暑いときに熱いモノは悪くは無いとは思いますが、度を超してはアセモが出来ますよ~」
 そして胸元を団扇でぱたぱた仰ぐ。
 見え……ない!
「そうだよ」
 なお、ダレンの相槌も効果は抜群だ。
「オレ知ってんねん! OP情報は絶対やねん! どっかのゲームが言うてた! つまりはこうや!」
 ボードを取り出し語りだすレギナエ。
『○モシナではない
 ↓
 なのに露わな姿でおでん
 ↓
 なぜ?
 ↓
 おでんといえばリアクション芸
 ↓
 みんなで和気藹々とリアクション芸をしてる!』
「こりゃ西の名探偵も真っ青の名推理やで! ということでおでん以外の食べ物でもリアクション芸を楽しむために『激辛カレー・ワサビ寿司・かき氷』をご用意いたしました~~! 食べたらアカンで! 絶対食べたらアカンでっ!! って、辛~っ染みるッ! 冷た~っ!! はあぁぁぁ!!」
 一人ノリツッコミを炸裂させながら、窓から身を投げ出すレギナエ。
 無論ビキニで。
 これって説得?
「そうだよ」
 うん、ダレンさんがそうおっしゃるのであれば間違いない。

「別に貴方達が真夏にナニしようが個人の勝手です。ただ大の大人がパンツ一丁でくんずほぐれつ野獣のような吐息を撒き散らし食べるおでんなど、汗が滴り落ちてもはや汗鍋ですよ。熱気の篭ったこの部屋では知らず知らずおでんに汗が沁み込んでるんですよ! 嬉々として男の汗を好むホ○呼ばわりされたくなくば悔い改めなさい!」
 凛とした声で一喝する佐楡葉。
 信者達の反応を見ることしばし。
 が。
 あまりにも色々と唐突な出来事過ぎて、ビルシャナと信者達は身動きをとることができない。
「そうですか。仕方がないですね。ならば」
 おでんに汗は一切染み込んでないことをもし理論的に証明されたら、信者を鍋にぶち込もうかと思っていた佐楡葉だったが、なんかこの際どうでもよくなったのでとりあえず有無を言わせずぶち込むことにしてみた。
「やっぱりホ○シナじゃないですか」
 ところ狭しと詰め込まれた信者達(ぬるぬる)を前に、冷たく言い放つ佐楡葉。
「そうだよ」
 ダレンさん、グッドタイミング!
「おねーさんはオトナなんで、モツ鍋とビールで乾杯なの。君は人生の大きな舞台に立っているのです。夏はモツ鍋。良い汗流そうぜ☆ 互いの汗が混ざり合う位、密着して無心に頬張るのだ☆」
 夏はモツ鍋一択と、ビール片手にキューン、とポーズをとるクリームヒルデ。
 そこにはもはや食欲しかない。
 つまりはさっき佐楡葉が調理した鍋がモツ鍋ということなのだろうか?(下品)
「そうだよ……アイスうめえ……そうだよ……アイスうめえわ……」
 えっ、ダレンさん!? どうしちゃったの?
 本当は信者達の説得のために、と用意したものだったけれど、遂に本格的にこの熱気にやられてしまったのか、ダレンさんもまた、この際なんかもういいかなって感じになってきてしまったのですか!?
「みんなでワイワイ肉とか野菜とかマシュマロとか焼い……あれ……なンか湯気と煙にまみれたら訳わかンなくなってきたッス。敵におでんの大根押し付けたり焼けた肉押し付けたりしたいッス。わくっとするッス。それらは押し付けた相手に食わせるッス。あとは軍手で炭持って投げつけたいッス。こっちもアツアツっすよ! おでんにも味噌ダレっ……げほげほ。なんでもねッス……俺、なんでこんなコト言ったッスか?」
 気がつけば部屋の端っこでしゃがみ、『る』と『え』を延々書き続けながら独り言を繰り出すラランジャ。
 ムンムンの熱気にやられたとはいえ、いくらなんでもこれはあかん、あかんやつやでー。
「思い出してみ? 青春時代に夏空の下で食ったカレーを。青い空、白い雲、程よい辛味! 甘酸っぱい失恋に友との友情! 家族と! 彼女と! 親友と食った懐かしの味! もう一度味わいたくなってきたやろ!」
 ノスタルジックな照明を背負い、鍋に詰まった信者達に極上の笑みを浮かべる常葉。
 本人は超決まったと言わんばかりに大満足な感じだが、なんせビキニなものだから、変態(変質者とは言っていない)ここに極まるといったところである。
「そうッス……そうッスよ……友情! 家族! 彼女! 親友と食った懐かしの味!! 俺は今まで何をやっていたッスか!? ヒャッハー! 夜空もむせる激しいダンスを踊るがいいッス! 志半ばでくんずほぐれつするコトを許して欲しいッスー!」
 常葉の説得が琴線に触れ、ついに心が解き放たれたラランジャは一直線に走り出す。
 常葉に向かって。
「ちょ、おまっ」
「ッスー!!!」
 そのままラランジャは常葉に飛び掛ると、先ほどレギナエが身を投げ出した窓から二人でダイブを敢行。
「「「アッーッスー!!!」」」
 そして、辺りには三人のケルベロスの歓喜の声が響き渡った。
「やっぱりホ○シナじゃないですか」
 そして佐楡葉は表情を変えず、信者達が詰まった鍋をそのまま鍋ごとその窓から放り投げるのだった。
 飛び散るおでん汁は、そのままに。

●しね
「私のターン! ドロー! しね!」
 物騒すぎる気合とともに佐楡葉はビルシャナに襲い掛かる。
 まるで、やるせない怒りをそのままぶつけるかのように。
「う、うぬっ、そうはさせるかっ!」
 傍らの鍋に手をかけ、佐楡葉に投げつけるビルシャナ。
 ビルシャナ、初めてしゃべったね。出番があってよかった。
「やだ、こんにゃくが顔に当たってどろどろするしお汁が服にかかって濡れ透け……なんて期待するなです。単純に熱くて火傷するだけです! つまり……」
 速度を緩めずビルシャナとの距離を縮める佐楡葉。
 そして、
「ころすです!!!!!!」
 Bloody Messをおもくそ叩き込む。
「この状況を解決するには! 鳥野郎! テメェにさっさとぶっ倒れて貰う必要があるってワケだな!」
 アイスのおかげか、遂に正気を取り戻したダレン。
 この状況がどの状況を指すのかわからないが、多分この混沌の状況を指しているのだろう。
「そうだよアイス」
 まだ完全に正気に戻っているわけではないみたい。
 それでも紫電一閃がまともにヒット。
(「それにしても、私がビキニとは……ちんちくりんになりませんか?」)
 そんな中、文香は目で仲間に訴える。
「「「「「「男の娘アターックっス!!」」」」」」
 窓の下からは、きっといい夢を見ているのであろう大勢の彼らの声が聞こえてくる。
 少し視線をうつしてみよう。

 ――以後、大変お見苦しい描写が続きますので、ここで椎と通りすがりの人の超かっこいいポーズをご堪能ください(BGM:爆破オチは嫌いじゃない~椎with通りすがりの人~)――

「それではみなさん、飛んじゃってくださーい」
 そしてなんだかんだあって最後は椎の消火器が炸裂し、椎を除いた全て(通りすがりの人含む)がぶっ飛んでいったということで終わりにしたいと思う。
 ついでにアパートは爆発した。
 椎も飛んでった。
「nice bomb.」
 クリームヒルデの声が聞こえた気がした。
 もう、全部夏のせいということにしまおうか。

作者:湯豆腐 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年9月30日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 4/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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