さあ、私を食べたまえ!

作者:雷紋寺音弥

●禁断のメニュー
 街外れの小さな雑居ビル。薄汚れた路地裏に入り口を構えた、地下に続く階段を降りた先。そこにある、これまた小さな店の中で、ブーメランパンツ一丁の男が身体を丸めながら頭を抱えていた。
「な、なぜだ……。なぜ、こんなことに……」
 察するに、この店の店長だった男なのだろう。もっとも、廃業してしまった今となっては、その肩書きも既に過去のものだが。
「女体盛りがあるなら、男体盛りがあってもいいじゃないか! 女はOKで男は駄目とか、どう考えても差別だろぉぉぉっ!」
 床を力強く叩き、男が吠えながら立ち上がる。その声に呼ばれたのか、気が付けば男の背後に鮮やかな色の髪をしたドリームイーターが立っていた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『後悔』を奪わせてもらいましょう」
 第十の魔女・ゲリュオン。彼女が、その言葉と共に男の胸元を手にした鍵で貫いたところで、男は力無く崩れ落ちる。そして、意識を失った男の隣には、全身に様々なモザイクの料理を盛り付けた、男そっくりのドリームイーターが姿を現していた。

●恐るべき男体盛り
「自分の店を持つっていうのは夢だと思うっす。でも、これは拙いっす……。色々な意味で、ヤバ過ぎるっすよ……」
 その日、ケルベロス達の前に現れた黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)は、恐ろしくげっそりとした表情で、自らの垣間見た未来について語り始めた。
「念願の店長になれたのに、その店が潰れて後悔してしまっている人が、ドリームイーターに襲われて『後悔』を奪われてしまう事件が起きたっす。『後悔』を奪ったドリームイーターは、既に姿を消しているようっすけど……奪われた『後悔』を元にして現実化したドリームイーターが、新たに事件を起こそうとしているっす」
 このドリームイーターを倒す事ができれば、『後悔』を奪われてしまった被害者も目を覚ます。だが、問題なのは、そのドリームイーターの姿と攻撃手段だった。
「敵のドリームイーターは、ブーメランパンツ一丁の筋肉質な男の姿をしているっす。全身にモザイクの料理を盛っていて、それを飛ばして相手に食べさせようとしてくるっすよ……」
 なんというか、色々な意味で恐ろし過ぎる敵だった。女体盛りならぬ、男体盛り。そんなメニューを扱っていれば店が潰れて当然のような気もするが、店長本人からすれば、本気で売れると信じていたのだろう。
「敵のいる場所は、潰れた店舗の中になるっす。裏通りにある古びた雑居ビルの地下にあって、他の客はいないっす」
 なお、ドリームイーターからのサービスを受け、そのサービスを心から楽しんでやると、相手も満足して戦闘力が減少するらしい。また、満足させてから倒した場合、意識を取り戻した被害者も、どこか晴れ晴れとした気持ちになれるようだ。
 もっとも、それを行うには相応の勇気と覚悟が必要になるため、問答無用で敵を抹殺してしまっても問題ない。
「人間、奇抜なアイデアを考え過ぎて、周りが見えなくなることもあると思うっす。でも、その後悔を糧にすれば、次は上手いアイデアが浮かんで来ることもあるはずっす」
 願わくは、男体盛りなどではなく、もっと健全なメニューを考案して欲しいものだ。そう言って、ダンテは改めて、ケルベロス達に依頼した。


参加者
ペテス・アイティオ(目指せ魚肉ソーセージ・e01194)
モモ・ライジング(攻勢防壁・e01721)
大原・大地(元守兵のチビデブ竜派男子・e12427)
綺羅星・ぽてと(三十路・e13821)
銀山・大輔(鷹揚に構える青牛おじさん・e14342)
シャロン・ウォーカー(モノクロドリーマー・e23331)
シャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856)
メルエム・ミアテルシア(絶望の淵と希望の底・e29199)

■リプレイ

●人肌のお味
 薄汚れた路地裏に入り口を構える雑居ビル。据えた臭いの漂う通りを抜けて地下へと下る階段を進んだところに、その店はあった。
「『嫌悪』の次は『後悔』を奪うドリームイーターか……。でも、男体盛りって……」
 店の入り口までやって来たところで、モモ・ライジング(攻勢防壁・e01721)は思わず扉を開けることを躊躇った。
 正直、この先に待っている存在のことを考えると気が重い。が、しかし、悪いのはあくまでドリームイーター。店主に罪はない……と、思いたいので、覚悟を決めて行くしかない!
「おや? どうやら、お客さんのようですねぇ?」
 扉を開けた瞬間、テーブルの上に寝ているブーメランパンツ一丁の男と目が合った。話には聞いていたが、これはのっけから酷い。それこそ、まともな神経の持ち主であれば、丸三日間断食した直後でも食欲に足が生えて逃げ出すレベル!
「おやおや、そのお体、なかなか魅力的ですねぇ……。でも、まずは落ち着いてもらってから、ですねぇ……!」
 今にもこちらに向かってきそうなドリームイーターにシャロン・ウォーカー(モノクロドリーマー・e23331)が諭すような言葉を継げるが、しかし相手は聞いちゃいない。早速、自分を食えとばかりに、様々な料理を身体に乗せたまま器用にブリッジの体勢を取って向かって来た。
「……なぁ、シャロン。男体盛りとは、ブーメランパンツの男が料理なのか? あの男まで食べなきゃいけないのか?」
 何やら勘違いした様子で、シャルフィン・レヴェルス(モノフォビア・e27856)がシャロンに尋ねているが、それはそれ。問答無用で殴り殺してもいいのだろうが、ここまで来たら、やるしかあるまい。
「あら、すごく良い体してますね?」
 震える声を上手く誤魔化しながら、綺羅星・ぽてと(三十路・e13821)が覚悟を決めて、男の上に盛られた刺身へと箸を伸ばした。それに続き、他の者達も勇気を振り絞って料理を口に運ぶのだが……口に入れた瞬間、思わず全員の舌に衝撃が走った。
 瞬間、口の中に広がる生暖かい感触と汗の臭い。刺身に生ハム、そして焼き豚とサラダにフルーツまで。その、どれもが高級料理店で出されても遜色ない代物なのだが、男の身体から染み出た汗と油の味が、食材の魅力をブチ壊しにしていた。
 それは、喩えるなら肥溜めに突っ込んだ高級食材。素材が泣いているとか、そういったレベルの話ではない。これならば、一般食材で作られたゲテモノ料理を食べた方が、まだ精神的ダメージが少なかっただろう。
「ううううう……!?」
 早々に限界を迎え、ペテス・アイティオ(目指せ魚肉ソーセージ・e01194)が両手で口元を覆って洗面所へと駆け込んだ。が、何を勘違いしたのだか、ドリームイーターは実に嬉しそうな表情で微笑んでいる。
「いやぁ、そんなに美味し過ぎて涙が出そうだったんだね? 感激だよ!」
 そう言って、次はこれを食べてみろと、自分の股間に盛られていた刺身のツマである千切り大根を勧めて来た。
(「……ッ!?」)
 どう見てもアレな物体を想像してしまい、ぽてとの箸が一瞬だけ止まる。ポーカーフェイスを装っていたが、ここまで来ると、流石に色々な物が噴火寸前!
「あ、それは自分がいただきます」
 危ういところで、大原・大地(元守兵のチビデブ竜派男子・e12427)がツマを受け取ったことで、辛うじて大惨事は避けられた。残った料理も可能な限り、銀山・大輔(鷹揚に構える青牛おじさん・e14342)が胃袋に納めていた。
「お刺身があるなら、お酒も頼みたいだぁねぇ。できれば冷たい日本酒が良いだ」
 最後に、口直しのつもりで、そんなことを言ってみる大輔。すると、途端にドリームイーターは目を輝かせ、ブーメランパンツの中から酒とっくりを取り出した。
「冷たいのは無理ですが……ちょっと温めの熱燗なら、いつでもご用意できますよ♪ さあ、ご遠慮なくご賞味を!」
 そう言うが早いか、ドリームイーターは正座の体勢でその場に座り、自分の股の間にできた窪みに酒を注ぎ始めたではないか!
「いい加減にしなさい! それ以上やったら、通報……いえ、その場で死刑執行するわよ!」
 さすがに、こんな卑猥な酒を飲まされては堪らない。入り口で見張っていたメルエム・ミアテルシア(絶望の淵と希望の底・e29199)が踏み込んだところで、他の者達も一斉に箸を放り出して戦闘態勢に移行した。

●禁断の調味料
「うん、じゃあ楽しんだところで、そろそろ反省会にしよっか?」
 満面の笑みを湛えつつ、ぽてとが自らの拳をオウガメタルで覆って行く。もっとも、言葉とは裏腹に、微笑みの奥底には耐え難い怒りを湛えていたのだが。
「おや、どうしました? 遠慮せず、最期まで召し上がっていただかないと……」
 不気味に身体をくねらせつつ、ドリームイーターが自らの肌に密着しているモザイク料理を飛ばしながら迫って来た。
「……しょっぱ、しょっぱいよー!」
 飛んで来たモザイクの生ハムを口の中に押し込まれ、モモが思わず咳込んだ。
 先程の料理も凄まじい物体だったが、それにも増して、これは酷い。肉の隅々まで浸透した汗の味。それは、さながら禁断の調味料!
「刺身とか生ハムっていうのは、食べる直前までキンキンに冷やすから美味しいんです! 炙ったりするのも、適度な熱を短時間に加えるから美味しいんです! ヌルい人肌で長時間放置って最悪じゃないですか!?」
 ようやく洗面所から戻ってきたペテスが、目の前の光景に早くもブチ切れながら叫んでいた。
「まあ、確かに……美味しく頂く前に、ちゃんと火を通さないとねッ!」
 とりあえず、今度はこちらが調理してやる番だと、モモが先程の返礼とばかりに紅蓮の蹴撃から炎を飛ばす。同じく、ペテスも巧みに竜語を操り、掌からドラゴンの幻影を召喚した。
「オッホォォォゥッ! これは強烈! お客さん、さては炙り焼きの方がお好きなんですねぇっ!?」
 だが、全身を燃え盛る火炎で焼かれながらも、ドリームイーターは男体盛りを勧めることを止めようとはしない。ともすれば、この程度はご褒美であると言わんばかりに、気色悪い動きで身体をくねらせているから堪らない。
「う~む……。ゲイ界隈ではアリと言うか、裏商売になるような気もしますが……」
 さすがに、全身をバーナーで炙るパフォーマンスは拙いだろうと、大地が掌から巨大な光弾をお見舞いした。ボクスドラゴンのジンも加わり、ブレス攻撃を仕掛けたところで、敵の身体が盛大に爆発し。
「……ゴフォッ! お、お客さん! お料理は、残さず食べないと駄目で……!?」
 吹っ飛ばされたドリームイーターが、自らの身体に乗せたモザイク料理を庇うようにして床を滑った。が、そんな彼の言葉が最後まで紡がれることは、残念ながら許されてはおらず。
「わがまま抜かすな、この変態筋肉!!」
 爆風が完全に晴れるよりも先に、ぽてとの拳が敵の尻を殴り飛ばしたのだ。その瞬間、ブーメランパンツがズタズタに破れ、ドリームイーターは尻の割れ目を押さえながら飛び回った。
「ひゃぅっ!? お、お尻が見えちゃぅ!!」
 これで破れたのが正面だったら、危険なポロリになっていたところだった。ダメージを稼ぐにしても、技を選ばねば変態な……否、大変なことになりそうだ。
「こっちは任せて、皆は存分に戦うだよ」
 これ以上、色々と精神的なダメージを負わされては堪らないと、大輔が縛霊から紙兵を散布して行く。キワモノ料理の穢れを払うための身代わりにされる紙兵達が、少々哀れな気もするが、それはそれ。
「正直、俺には少し理解できない料理だったな。とりあえず、かにばりずむ的なものではないことが分かってよかったが……」
 真に自由なる者のオーラで自分の口に残る感触を癒しつつ、シャルフィンが微妙な表情で敵を見据えた。その隣ではシャロンもまた、桃色の霧を噴出させて、仲間達の主に精神面を癒して行く。
「お客さぁん……なに、やってるんですかぁ? 早く……早く、食べてくれないとぉ……」
 それでも、未だ倒れる素振りを見せないドリームイーターが、しつこく料理を勧めて来るのがキモ過ぎる。あまりに強烈なインパクトに、このままでは懐石料理やサラダの類が、二度と食べられなくなりそうだ。
「あら? 焼きが足りなさそうね。ちゃんと中まで火を通さないと……」
 そんなに食べて欲しいなら、骨までしっかり焼いてやる。一切の情けも容赦もなく、メルエムが幻影の竜を呼び出したところで、再び敵の身体が真っ赤な炎に包まれて燃えた。

●ナマモノ、ゲテモノ、極めたモノ!
 雑居ビルの地下で繰り広げられる、ケルベロス達の変態の死闘。主に精神的な面での戦いになっていたが、実際はそこまで苦戦をしている訳でもなかった。
 敵の攻撃は予想に反して威力も低く、さりとて高い防御力を誇っている訳でもなければ、状態異常効果に優れている訳でもない。
 どうやら、先に料理を我慢して食べたことで、弱体化には成功していたらしい。調子にのって酒まで頼んだことで、相手も少しは気を良くしてくれたのだろうか?
 もっとも、仮に戦闘力が低下したところで、敵のキモさまで緩和されることはないのが厄介ではある。叩いても、叩いても、次々に飛んでくるモザイク料理の雨を前に、とうとう温厚な大輔でさえもブチ切れた。
「テメェ、調子に乗って変なもんまで食わせてんじゃねぇぞゴルァァ!!」
 いつもの調子はどこへやら。荒れ狂う猛牛の如き勢いで、力任せに敵を殴りつける。展開する網状の霊力が相手を捉えたところで、今度はシャルフィンの放った矢が、丸出しになった敵の尻を貫いた。
「くふふふ……さぁ、おいでなさい? 俺の忠実な眷属よ……」
 尻の矢を抜こうと絶賛悶絶中のドリームイーターに、意味深な笑みを浮かべてシャロンが魔導書のページを開いて行く。浮かび上がる、光の文字列。それはやがて一つに集まり、長い舌を持った妖怪の似姿へと形を変えて。
「ブジュルワァァァッ!!」
 寄生を発しながら、不気味な文字列の物の怪がドリームイーターへと襲い掛かった。長い舌を武器に、敵の料理や身体の隅々まで、溶かすように舐め取って行く……のだが。
「はぁ……はぁ……も、もっと舐めていいんですよぉ♪」
 身体を舐められる度に恍惚とした表情を浮かべるパンイチの変態。なんとも酷い光景が繰り広げられることなり、とうとうメルエムの心が決壊した。
「も、もう無理……! 見てられない!」
 いったい、何が悲しくて、自分はこんな変態と戦っているのだろう。記念すべき、ケルベロスとしての初仕事。それが蓋を開けてみれば、早くも忘却の彼方に封印すべき、禁断の黒歴史になろうとは。
 こんな敵、一刻も早く石化させて、木っ端微塵に砕いてやらねば。躊躇うことなく古代語の呪文を詠唱し、魔法の光を解き放つ。だが、光線が下半身に直撃したことで敵の股間を無駄に強調させた姿で固めてしまい、更なる吐き気を催すことに。
「御嬢さん達、もしかして固いのがお好きですか? どうせ食すなら、冷凍フルーツの方が良かったですか?」
 もはや死に掛け同然でありながら、それでも諦めずモザイクのフルーツを飛ばして来るドリームイーター。だが、そこは大地がさせはしない。
「これで守る!」
 太陽の大盾を構え、飛来するフルーツを間一髪で受け止める。しかし、色々と汚い物を見せられ過ぎて、他の面々は精神的に限界だった。
「むきゅぁああ!? なぜ、日本にはこんな変態が多いですか!? 温暖化ですか!? 地磁気ですか!? もう、ビルごと壊して廃墟にすればいいですか!?」
 完全に発狂したペテスが、見境なくグラビティを乱射し始めた。これは拙い。このまま崩落でもさせられたら、変態と一緒に生き埋めになってしまう。
「オウガちゃん、頼んだよッ! ………喰らえッ!」
 もう、この辺でトドメを刺さないと危険であると判断し、モモはオウガメタルにて生成した黄金の弾丸を敵の身体に叩き込む。炸裂した鋼の弾は体内で銀の龍へと姿を変えて、内部から敵を食らい付くし。
「どう? 私のオウガちゃんの弾丸のお味は!?」
 そんなに食べて欲しいなら、中から食らい尽くしてやろう。どこからどう見ても完全な死刑宣告。しかし、今のドリームイーターにとっては、それさえもご褒美にしか過ぎないのが恐ろしい。
「いい加減にせんかぁぁぁっ! このド変態がぁぁぁっ!!」
 とりあえず、四の五の言わずに往生しろ。蔓刈り用の大鎌を構え、最期はぽてとが渾身の力を込めて振り下ろす。現時点で、己の持てる最大最強の威力を誇る技。虚の力を纏った刃で、敵の身体を両断したのだが。
「……っ! うげぇ……さ、最悪……」
 攻撃力を優先した結果、勢い余ってドレインスラッシュで倒してしまった。生命力と同時に淀んだ不純物まで取り込んでしまった気がして、ぽてとはガックリと膝を折り、項垂れた。

●精神の衛生も管理しましょう
 戦いは終わった。戦闘力こそ低かったものの、今回の相手は別の意味で強敵だった。
「人生はチャレンジです! 失敗なんか何回したって、また休んで立ち上がればいいんです!」
 ただ、次からは人のアドバイスを聞いてみるのも良いと思うと、ペテスは意識を取り戻した店長に告げる。
「需要は……無ぇことはねぇ、と思うだ。きっと、そういうのも好きな人もいると思うだよ」
「客を選ばないのでしたら、同性愛者を相手にしてみては?」
「男体盛りも人によってはいいでしょうけど、そういうのはサキュバスの前だけにしておくといいでしょうねぇ?」
 大輔と大地、そしてシャロンの三人も、それぞれ夢破れた店長に励ましの言葉を掛けた。
「っていうか、男体盛りでも女体盛りでも、実際にやったら食品衛生法に抵触するからね?」
「まあ、人肉料理でないのなら、俺はどっちでもいいんだけどな」
 ぽてととシャルフィンの二人に至っては、身も蓋もないことを言っている気もするが、それはそれ。
(「ごちそうさまでした、美味しかったーよ。でも、今度はまともなアイデアを考えてね?」)
 去り際に握手を交わしながら、モモが自らの想いを接触テレパスで店長へと告げた。ドリームイーターを満足させてから倒したことで、店長も前向きになれたようなので、結果としては上々だ。
 ちなみに、店内で魔女の痕跡を探していたメルエムだったが、それらしいものは何もなかった。代わりに発見されたのは、店長が秘蔵していたブーメランパンツのコレクション。
 薄明かりの中、男物のパンツが山のように入った箱を前にして、メルエムが死んだ魚のような目をしていたのは、言うまでもない。

作者:雷紋寺音弥 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月14日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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