ホムンクルスの小瓶

作者:波多蜜花

 今はもう誰も住んでいない、朽ち果てた館。その西洋風の館は、怪しげな研究をしていた老人が住んでいただの、黒魔術を行う団体が住んでいただのと噂の尽きない館だった。
「本当にそれっぽい館だなぁ……! ここには昔、錬金術師が住んでいて怪しい研究をしてたって話があるけど、間違いなさそうだ!」
 ギィィ、と音を立てて開いた玄関を通り、少年は館の奥へと進む。
「本で見た錬金術師が造りだす小瓶に眠るホムンクルス、絶対この館のどこかにいるに違いないよ!」
 興奮気味に少年がそう言った刹那。とんっと胸に走る衝撃に少年が自分の胸へと視線を落とせば、そこから生えるのは鈍く光る真鍮でできたような大きな鍵だった。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
 第五の魔女・アウゲイアスがそう囁くように言うと、少年はその場に崩れ落ち、その横には大きな瓶の中に眠る少女――幼くも美しいホムンクルスの姿があった。

「皆はホムンクルスって知ってるやろか? 錬金術師が造りだしたって言われる人工生命体のことなんやけど」
 信濃・撫子(サキュバスのヘリオライダー・en0223)が集まったケルベロス達へ説明を始める。諸説あるが、生まれながらに様々な知識を持ちフラスコの中でしか生きることができない小人であるという。
「ホムンクルスに興味を持った少年がな、錬金術師が住んでたーやの、黒魔術教団がいてたーやの噂のある、誰も住んでへん洋館を調べに行ったんやけど、そこでドリームイーターによってその興味を奪われてしもたんよ」
 既に『興味』を奪ったドリームイーターは姿を消してしまっているが、奪われた興味を元にして現実化されたドリームイーターはまだ洋館の中にいるのだと撫子は言った。
 もしこのドリームイーターが洋館の外へ出ようと動き出せば、どんな被害が起こるかわからない。それに、このドリームイーターを倒さなければ、被害者も目を覚まさないらしい。
「ドリームイーターは1体や。大きなフラスコに入った幼く可愛い少女の姿をしてて、人間を見つけると『自分が何者であるか』って質問してくるみたいや。正しく答えられへんと、殺してしまうらしいけど……まぁ、どのみち倒す相手やからなぁ」
 見た目が可愛くても、ドリームイーターには違いないよってと分厚い手帳を捲る。
「それから、このドリームイーターは自分の事を信じとったり噂しとる人がおると、そっちへ引き寄せられる性質があるみたいや。ドリームイーターがおるんは洋館やし、玄関入ったすぐんとこがホールになっとるから探し出すにしても誘き出すにしても、上手い事そこに誘導できたら戦いやすいと思うわ」
 少年は二階にある部屋の一室、書斎に倒れているという。
「本で見たホムンクルスに興味を持つ、それ自体は問題ないし知的好奇心ってやつや。せやけど、その興味を使って化け物を生み出すんはまた違う話やからな」
 犠牲者が出ないよう皆の力を貸してな、と撫子が微笑んだ。


参加者
ベルフェゴール・ヴァーミリオン(未来への種・e00211)
エレ・ニーレンベルギア(追憶のソール・e01027)
シロン・バルザック(彗星少年・e02083)
御子神・宵一(御先稲荷・e02829)
メリノ・シープ(スキタイの羊・e02836)
大上・零次(螺旋の申し子・e13891)
五十嵐・蘭丸(陽の閃・e18571)
ナハト・オルクス(終夜礼讃少女と眠れ・e21881)

■リプレイ

●洋館の噂
「いかにも何か出そうな雰囲気ですけど、ドリームイーターはお呼びじゃないんですよねえ……」
 古ぼけた洋館を見上げ、エレ・ニーレンベルギア(追憶のソール・e01027)が最近増えたドリームイーターの事件に、困った話ですねと呟く。今回の事件もそのひとつで、シロン・バルザック(彗星少年・e02083)も美しい絹のような光沢を放つ尻尾を揺らしながら大きな洋館を見上げると、ボクスドラゴンのメテオも同じように尻尾を揺らす。
「噂につられて探検したくなる気持ち、なんとなくわかる気がするニャ」
 それでも、その気持ちを弄ぶような真似は許せないと門に手を掛けた。錆付いた門は鍵も掛かっておらず、荒れ果てた洋館へとケルベロス達を誘っているようだった。
「ホムンクルスよりも、お、お化けが出そうだね……?」
 おっかなびっくりといった様子で、メリノ・シープ(スキタイの羊・e02836)が夜じゃなく昼間で良かったと心底思いながら辺りを見回すと、前を歩いていたライドキャリバーのアシを連れた五十嵐・蘭丸(陽の閃・e18571)がその様子を見て手を差し出した。
「怖かったら手繋いでてもいいっすよ? あ、服の裾とかでも!」
 面倒見のいい彼のこと、つい差し出してしまったけれど初対面の女の子だったと慌てて言い直す。その気兼ねない優しさに、メリノはそれじゃあ後ろに隠れさせてねと少し恥ずかしそうに微笑んだ。洋館の扉の前に着くと御子神・宵一(御先稲荷・e02829)が、
「開いています」
 と、ほんの少しの閉め忘れのような、猫が通れる程の隙間を指さした。
「訪れた少年が閉め忘れたのかな……?」
 あるいはわざと閉めなかったのかもしれないね、とベルフェゴール・ヴァーミリオン(未来への種・e00211)が扉を開く。
「ホムンクルスの噂か、この手の噂話はどこにでもあるよな。子どもなら信じ込んじまうのも無理はないよな」
 俺もそうだったし、と過去の自分に仕方無さそうに大上・零次(螺旋の申し子・e13891)が笑って中へと入った。中は外から見るよりもかなり広く、玄関ホールは確かに戦闘に適しているように見える。
「……ホムンクルス。懐かしい響き、ですね」
 ナハト・オルクス(終夜礼讃少女と眠れ・e21881)がホールの中央から周囲を見回し、噂話を始めましょうかと薄く微笑んだ。
「この洋館にホムンクルスがいるってほんとかニャ?」
 噂を聞きつけてやってきた好奇心旺盛な夏休みの小学生、といった感じでシロンが少し大きめな声で言うと、メリノが蘭丸の後ろからそっと顔を出して、
「曰くありそうな館ですよね……本当に何か出そうかも?」
 と、できればお化けは出ないで欲しいと思いながら控え目に声を発した。
「ホムンクルスはフラスコの中でしか生きれないと言いますけれど……成長したりしないんでしょうか」
「俺は大きなフラスコに入った幼く可愛い少女がいるって聞いたんだけど、そんなに大きなフラスコなんてあるのかな?」
 エレの話に、蘭丸が疑問を重ねる。すると、宵一がそっとスマホで検索した画像を見せてくれる。
「想像に過ぎないですが、一般的には普通のフラスコのサイズみたいです」
 ただこの洋館にいるのはそうじゃないみたいですが、と狐耳をパタリと動かした。
「ホムンクルスの生成に成功したのはパラケルススだけと言われているな」
 その生成方法は極めて非現実的ではあるが、パラケルススは男性のみの力で人間は生まれる、ということを証明したかったみたいだと零次が口にすると、静かに聞いていたナハトがひやりとした声を響かせた。
「……以前、これを作製しようとしたことがあります」
「ホムンクルスを……?」
 ホムンクルスに興味があるというベルフェゴールが、話の続きを期待するかのように目線を遣るとナハトがええ、と頷いた。
「人間なのです。興味が沸けば最後だ……結果は、内容物が腐るだけ、でしたが。生命を作ろう、なんて。おこがましい考えだ。私の結論は、それだけです」
「そうか……なら、この洋館にいるというホムンクルスには俄然興味が沸いたね……」
 結果的に失敗であったと聞き、やや落胆したベルフェゴールが気を取り直してホールにある大階段を見上げると、エレがぽつりと呟いた。
「パラケルススの死後、ホムンクルスが産まれなかったのは、世界の理に背いたから、だったりするのでしょうか」
「難しいことはわかんねぇニャ、でもここにいる奴は倒さなきゃいけないニャ!」
 シロンが叫ぶ、それは二階の暗い廊下から自分達が捜し求めてきたホムンクルスが現れたからだった。宙に浮く大きなフラスコ、そしてその中には――。
「幼く可愛い少女、本当だったみたいっすね!」
 蘭丸がそう言うと。姿を現したホムンクルスのドリームイーターは、ケルベロス達に向かって人形のような美しい笑みを浮かべたのだった。

●フラスコの中の世界
「ぴっ!? お、お化け!? 食べないで! 美味しくないです! ウェアライダーじゃないです! サキュバスです! 美味しくないです!」
 蘭丸の後ろにしがみ付くようにしてお化けと勘違いしたメリノが半泣きになりながらそう言うと、ホムンクルスの姿をしたドリームイーターは首を傾げて鈴のような声を発した。
「わたしは、なぁに?」
「…………」
 問い掛けられたメリノは、怖いのも手伝って答えない。代わりにメリノを背中に庇った蘭丸が口を開く。
「自分が何者であるか。それ、他人に聞いてもわかんないっすよ。自分の在りようを決めるのは自分自身の積み重ね、生まれたばかりの君じゃ、きっとわからない」
 真摯な瞳で見つめ、そう告げるとホムンクルスは可愛らしい顔を歪めた。それは少女の求める答えではないのだろう。
「……ホムンクルス、だよね」
 ベルフェゴールの声にホムンクルスが笑みを取り戻し彼の方を向いた瞬間、ベルフェゴールが手にしたリボルバー銃から電光石火の如き弾丸が発射され、ホムンクルスを襲った。その銃声は、戦いの始まりを告げるものでもあった。
 銃撃によってホムンクルスが入った大きなフラスコが揺れた瞬間を見逃さず、宵一が攻勢に出る。
「……捉えました」
 家伝の太刀、若宮から放たれた『浮木』がフラスコへ確かな一撃を与えると、エレが流星の煌めきと重力を秘めた飛び蹴りを喰らわせた。
「ホムンクルスっていうからには、そのフラスコが割れたら……どうなるんでしょうね?」
「し、死んじゃうのかな?」
 エレの問いにメリノが答えつつ、手にした攻性植物に収穫形態を取らせ黄金の果実を宿させる。そして果実が前衛に向かって清らかな光を放つと、その光を忌々しそうに目を細めて見つめたホムンクルスは、可憐な唇を震わせた。それは不思議な旋律で、聞く者を惑わすような歌声だった。フラスコの中で増幅されたその音が、零次へ向かって放たれる。
「させないっすよ!」
 その攻撃を瞬時に察知し、零次の前に立ったのはクラッシャーを優先して庇いに行ける立ち位置を取っていた蘭丸だ。概念の鎖ヴェルザンディで繋がれた二槍一条の姉妹槍、『ウルズ』と『スクルド』を構えて衝撃に備える。一瞬くらりとした頭を軽く振ってホムンクルスを睨んだ。
「大丈夫?」
「これくらい、どうってことないね!」
 気遣うベルフェゴールの声に、笑って蘭丸が立ち上がる。
「わたしは、なぁに?」
「美人なお姉さんじゃなきゃ答えねーニャ!」
 再びの問い掛けに、シロンが拒絶を示す。手にした鎌を投げつけようかと考えたけれど、思い直したようにホムンクルスに向かって魔力を籠めた咆哮を放った。続いてメテオがエレに向かって属性インストールを注入する。
「余所見は困るなぁ。俺はこっちだよ?」
 両手を大きく広げ、欄丸が声高にホムンクルスを煽るように笑う。『敵意誘導』によって少女は長い髪の毛を靡かせ、フラスコの中から彼を見た。それを見逃さぬよう、アシが内臓されたガトリング砲でなぎ払うように射撃する。
「……つまらない、ですね。……本物ならば、もっと、楽しかったでしょうに」
 ナハトがそう呟くと、ケルベロスチェインを展開し魔方陣を描き出す。それは蘭丸を癒し、守護の力を巡らせた。連続するかのような動きを見せたのは零次で、彼の全身を覆うオウガメタルを鋼の鬼と化してその拳をフラスコへと叩き付ける。
「割れろぉ!」
 ピシリ、とフラスコから音がしたのは気のせいではないだろうと、零次はニヤリと笑ってみせた。

●ホムンクルスが見た夢
 数回の攻防が続いた後、ホムンクルスの入ったフラスコには亀裂が見られた。攻撃を受ける度、仕掛けてくる度にホムンクルスはまるで人のような表情を浮かべ、問い掛けを繰り返す。それはまるで感情を持つ普通の人間の少女のようにも思えた。
「わたしは、なぁに?」
「ただの夢喰い。……以外に、答えがあるのですか?」
 ナハトの答えにホムンクルスが頬を膨らませると、ベルフェゴールが胸部を展開させて奔流の如きエネルギーを持った光線を放つ。
「……そうだね、ホムンクルスの姿をしていても……これはドリームイーターだよ」
 どんなに人間らしい表情を浮かべたとしても、生み出されたドリームイーターだとベルフェゴールが呟くと、静かに宵一も頷いた。
 読書を好む宵一は今までに西洋錬金術等も読んでいる、だからこそホムンクルスに対する知識は若干あるし、今相対しているホムンクルスの動きも興味を持って見ていたけれど、それでも敵である事には違いない。振り切るように宵一が白蔵主を勢いよく振りかざし、殴りつけると同時に網状の霊力を放射していく。
「私は、私に出来る精一杯をやるだけです!」
 幼い少女の見た目であっても、それは変わらないとエレが動きの鈍くなったホムンクルス目掛けてブラックスライムをけし掛ける。それは捕食するかのように敵を包み込んだ。
「お願い、力を貸して」
 グラビティの力によってメリノが無数の蔦や根を伸ばしホムンクルスを攻撃する。それはグラビティを代償に植物にお願いを聞いてもらうメリノの力、『Force of Nature』だ。立て続けの攻撃に、ホムンクルスが自身を抱き締めるようにしてふっと目を閉じる。それは不思議な光を放ち、フラスコに入った激しい亀裂を修復していく。
「まことのみんなの幸のために私のからだをおつかいください」
 ホムンクルスの回復を見て、シロンが『童話召喚・【蠍の火】』を行使すると、その力はフラスコを炎で包みそのまま焼き尽くそうと火炎を上げた。主人であるシロンの意図を組んだメテオはパタパタと羽を動かしながら属性インストールに励んでいる。苦しげな表情を浮かべたホムンクルスは、それでも自分は何者かと問い続ける。
「自分が何者か、その答えがわからないうちに君を倒……いや、殺さなくちゃいけないんだ」
 そうでなくては、被害者の少年が目覚めないばかりかもっと被害が増えてしまう。蘭丸が真剣な表情を浮かべたまま、姉妹槍を構え卓越した技量を持ってして成せる一撃を放つと、アシが炎を纏って突撃していく。
「墜ちよ、果てよ。――夢を視ろ」
 ナハトが紡ぐのは正しく悪夢。それは彼の声、唇から放たれる『囁』、祝詞であり呪いの言の葉であった。ホムンクルスがその顔を歪めると、その期を見逃さぬようにと零次へ目配せを送る。任せろとばかりにフラスコに触れると、己の螺旋の力で生み出した獲物を捕食し浸食する霊体のような触手を流し込み、ホムンクルスのエネルギーを奪い取った。
「接近戦はあまり得意じゃないんだけどね……」
 幻影のミサイルを大量に飛ばすと同時に、大量の剣撃がホムンクルスのフラスコ目掛けて放たれる。ベルフェゴールの『幻剣舞』が再びフラスコに亀裂を走らせると、宵一が刀を持たない方の手を狐のそれに獣化させ速さと重さを兼ね備えた一撃を静かに放つ。
「フラスコの世界はどんな風に見えるんですか?」
 エレがホムンクルスに問い掛けるけれど、少女は答えない。
「大いなる空、母なる海……。その狭間に住まう、小さき我らに力をお貸しください……!」
 最初から答えを求めていた訳ではないけれど、と呟いてエレが空と海に住まう神々へ祈りを捧げ、力のカケラ請い願う。それは聞き届けられ、天から不思議な色合いの光の刃がホムンクルスのフラスコへと突き刺さった。ピシピシと音を立て、フラスコの亀裂は修復しようがない程に広がって――砕け散った。
 フラスコが砕け散る瞬間、ホムンクルスの少女は宙へと手を伸ばす。その表情は笑っていたのか、泣いていたのか、苦しんでいたのか……それはケルベロス達にしかわからなかった。

●夢の終わり
 いくら広いといっても戦闘の爪痕はそこかしらに残っており、ケルベロス達は誰も住んでいないとはいえ修復を怠ったりはしなかった。
「こんなものかな……?」
 ベルフェゴールが自分の修復した箇所を見つつ、ホールの中央へと戻ると、癒しの雨を床に降らせていたエレが大丈夫だと思います、と笑顔で答えた。紙兵による修復を終わらせた宵一と、オウガ粒子によってヒールを行った零次が共に戻ってくると、せっせと後片付けを行っていたメリノがお疲れ様ですと出迎える。
 そうしていると、二階の書斎へ少年を探しに行っていたシロンと蘭丸、そしてナハトが少年を連れて戻ってきた。
「男として、興味ある場所へ探検したい気持ちはすごくわかるニャ。でも、これからは危ないか危なくないか、よーく考えて行動するように!」
「そうだよ、面白そうなのはわかるけどそれで危ないトコ来ちゃダメだよ? またこんな目に遭わないようにちゃんと反省すること! いいっすね?」
 シロンと蘭丸が軽くお説教をすると、少年はごめんなさい……それからありがとう、と頭を下げる。
「興味が、あるのであれば。少しだけ。探検、しましょうか」
 錬金術が本当に行われていたのかどうか、確認もしたいですし、という呟きは漏らさずにナハトが提案すると、少年の顔がぱっと輝いた。
「ようし、それなら一緒に行くとするか」
 零次が少年の頭を優しく撫でると、宵一がその狐尻尾をふわりと揺らして二階を眺める。
「……ちょ、ちょっとだけ探検してみようかな」
 メリノもビクビクしてはいるけれど、皆がいるなら大丈夫だと微笑んで、蘭丸の後ろに付いて行ったのだった。
 洋館の思い出は、少年の夏の冒険としてずっと心に残るだろう。そしてケルベロス達の胸にも――。

作者:波多蜜花 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 6
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