ケルベロス大運動会~進め!大河に挑む24時間!

作者:青葉桂都

●運動会前夜への誘い
 第一回ケルベロス大運動会、インドにて開催。
 超人たちの一大競演。
 今まで危険すぎて開催できなかったハイパーエクストリーム・スポーツを世界中のプロモーターが持ち寄った。
 そして巨大で危険なスポーツ・アトラクションを作り上げたのだ。
 ……ほとんどのケルベロスにとって、その情報は既知のものだろう。石田・芹架(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0117)は淡々と語った。
「この運動会への背景にエインへリアルとの二度の戦いにローカストとの決戦と、立て続けにケルベロス・ウォーを発動したことがあります」
 無論、ケルベロスたちの戦いに異を唱える者などいない。
 いないが、結果として世界経済は現在大きく疲弊し、苦しむ人が出ているのだ。
「大がかりなイベントをしかけて経済を活性化しようというのが今回の試みです……が」
 芹架は言葉を切る。
「皆さんが政治や経済についてあまり意識される必要はないでしょう。ケルベロスに期待されているのは、人々が熱狂する派手な活躍になります」
 経済が停滞して、困窮する人々のためにも協力して欲しいと芹架は告げる。
「さて、ここからが本題です」
 運動会についての説明は前振りだったようだ。
「実は大運動会にさきがけて、『インダス川遠泳大会』が開催されることになりました。前夜祭のようなものとお考えください」
 いくつかの部門で競われるという大会のうち、芹架は『最長遠泳王決定戦』についての説明を始めた。
 舞台はインドの西、パキスタンを流れる世界有数の大河、インダス川。
 総延長3200kmもあるこの川を24時間でどれだけ泳げるか競うのだという。
「最長遠泳王に挑戦する場合は、10日早朝……いえ、まだ深夜の時間にアラビア海に流れ込む河口をスタートしていただくことになります」
 そして制限時間である24時間後までに、どれだけインダス川をさかのぼって泳げるかを競うのだ。
 なお、市街地なら多少なりと明かりがあるだろうし、仮に月明かりや星明かりだけでもケルベロスなら泳げる。夜間の水泳に問題はない。
 もちろん、基本的には明るい昼間のほうが泳ぎやすいだろうが。
「いちおう最長でチベットの源流までということになりますが、ゴールがある競技ではありません。さすがに24時間で3200km泳ぐのはケルベロスといえども無理でしょうから」
 川幅がキロ単位もあるため、他のケルベロスとの衝突などは心配する必要ない。地形の面でも、ケルベロスが泳げないような難所はないだろう。
「ポイントは24時間にいかにペース配分をするかといった戦術になるでしょう」
 それから、食事や睡眠をどうとるかも重要だ。
 当然、そのための時間や場所が用意されているわけではない。基本的には食事は携行することになるだろう。
 自分で工夫してどうにかする必要があり、これも勝敗を左右するポイントになる。
「大会は大運動会を見に行けない方のためという側面もありますが、距離が長い分見物客も多いと考えられます」
 沿道ではおそらく周辺住民が現地や日本の旗を振って応援してくれるだろう。
 ちなみに終了後の移動手段は確保してあるので、大運動会参加には影響ない。
「泳ぎは得意な方、あるいはイベントをより盛り上げようという方は、是非とも参加いただければ幸いです」
 芹架は頭を下げた。


■リプレイ

●夜明けに向かって泳げ!
 アラビア海に臨むインダス川の河口には、出発の時間を待つケルベロスたちと、物見高い一般人たちが集まっていた。
「ま、ゴールできるなんて考えず、ゆっくりと泳ぐかな」
 水無月・鬼人は準備運動をしながら呟いた。
 同じく準備運動をしながら、あるいは準備してきた装備を確認しながら時間を待つケルベロスたち。
 自分を誘った大学の同級生に夜薙・暁彦はいつも通り生真面目な調子で問いかける。
「……こういった催しは必要なのか。何故泳ぐのかは判らないが……」
 だが、問われた伊織谷・恵兎はそれに答えるどころではなかった。
 着替えた暁彦の姿に唖然としていたからだ。
「ススススク水ー!?」
 驚愕の言葉に気づかぬように、当たり前のような顔でラジオ体操を始める彼を真似て恵兎も体を動かし始める。
 今のうちに腹ごしらえをしているのは、旅団『―幽世蝶ノ瞑狼華―』の面々だ。
「一日食事不要とかすごいよね、それ」
 風空・未来がみんなが食べているちくわを指す。
 一本で一日食事不要というふれこみの『ちくわ大明神』だ。効果のほどは試してみなければわからないが、手軽に食べられて栄養価も高いのは確かなのだろう。
 もちろん未来自身も用意してきている。
 やがて、スタート位置につくよう合図の笛が鳴った。
「では、行きましょうか」
 関・白竜が勢いよく施術黒衣をはだけると、その下から真っ赤な男性用のビキニ、ムタンガが現れた。
 肩にかかった紐のような布地が股間へと向かい、局部を包み込む。
 当然ながらそれは中身の大きさをはっきりとあらわにしていた。
 白竜ほどの男ともなれば、色物のような衣装も無論、上質の品を使っている。とはいえ、どよめく見物客たちの視線は素材ではなく彼のとある一点注がれていた。
「之は己の戦いであり修練でもある。優勝は目指すがな」
 体を冷やさぬよう、タイツ式の水着に見を包んで皇・絶華が軽やかにアラビア海に飛び込んだ。
 幅数キロにも及ぶインダス川は河口ももちろん広い。
 概ね一列になるように、ケルベロスたちは広がっていく。
『―幽世蝶ノ瞑狼華―』のメンバーたちはなるべく近くに固まるように位置った。
「さーって楽しんでいこうぜみんなァ!!」
 ブリュンヒルト・ビエロフスカが仲間たちに呼びかける。
「拙者、皆と一緒に泳ぐの、楽しみにしてたのでござる! さぁーて。泳ぎ切れるように頑張るのでござるよーっ!」
 フェル・オオヤマが彼女の言葉に答えて拳を突き上げた。
「ふふ、人魚の如く何処までも泳いで魅せるぜ。ディオ、フェル、ヒルト、零、未来、頑張ろうな♪」
 リョクレン・オルヴィアグレスが仲間たちへと優雅に微笑みかけた。
 続々と水に入っていくケルベロスたち。
 ただ、2人だけまだ岸に残っていた。
「あ、夜薙ほらスタートだってスタート俺らも」
 友人はしっかりとラジオ体操を最後までやりきるまで動く気がないようだった。
「あっ終わった!? 終わったな!? ああー第三ー! 俺第三は知らねぇ夜薙物知りィ!」
 入念な準備運動を終えた暁彦は恵兎へ声をかけた。
「……馬鹿者、スクール水着はれっきとした番犬の防具だ。水の中で呼吸もできる。お前は食べ物に関し気にしているようだが、これを着ればいい」
 何を言っているのかと思ったが、体操の前にあげた驚愕の声に対する反論のようだ。
「ああもー! ちょお、置いてくなって!」
 渡された服に慌てて着替えて暁彦を追う。
 魚をモチーフにした装飾が可愛らしいメイド服、マーメイド服に身を包んだ19歳の青年が飛び込む様を、一般人たちがなぜか感嘆の声をあげて写真に撮っていた。
 スタートの合図が高らかに鳴り響く。
「張り切っていこうか!」
 赤褌姿のクリス・クレールは、笑顔でシオン・プリムに告げた。
「ああ、お互い準備万端だな!」
 シオンは彼の頭の上をじっと見つめた。
 ドワーフである彼とは身長差があるが、水の中ではもう関係ない。どんな準備をしてきたのか、クリスの赤い髪には防水であろうバッグがくくりつけられていた。
 大きな胸は競泳水着でしっかりと押さえ込み、長い髪もシリコン製のキャップの中にまとめて準備は万端。
 2人は競い合うようにまず全力で泳ぎだす。
 ペース配分が必要だということはもちろんわかっていても、まずは全力を比べることを楽しみたかった。
 そして、最初から一気に進もうとした者がいま一人……。
 ノーザンライト・ゴーストセインはいつも通り何を考えているかわからない表情で合図を聞いていた。
 だが、彼女が岸辺の観衆を見上げて言った言葉に、一気に注目が集まる。
「沸け観衆よ。ここで、一気に加速する秘策を見せる」
 その口から紡ぎ出すのは精霊魔法の詠唱。
 他のケルベロスたちが彼女の周囲を離れる。
 呼び出された吹雪の精霊は水面を凍らせ、彼女はその上に飛び上がろうとした。
 観衆たちが期待と応援の声をかける。
 ノーザンライトは片手を上げてその声に答え……そして次の瞬間、水飛沫を上げてインダス川の底へと没していった。
 残念ながら攻撃のための技を移動手段として使うことはできないようだ。

●陽光の下を泳げ!
 競技が始まってから何時間かが経過した。
 太陽はすでに登っており、。
「そろそロ、体も慣れてきましたタ」
 機械的な調子でエンミィ・ハルケーが呟く。
 夜の間はゆっくりめに泳いでいたため、今はどちらかというと下位の方にいる。
 だが、ここからは少しペースを上げていくつもりだった。
「バタ足、し過ぎは疲れルとのコト。ストロークを大きく取って泳ぎまス」
 アイズフォンを使うために閉じていた片目を開く。
 一度目のエネルギー補給は先ほどすませた。肩に結んだ防水袋を一度確かめてから、エンミィは大きく腕を動かして水をかく。
 イスクヴァ・ランドグリーズは見慣れた赤い髪が水面下を進んでいるのに気付いた。
「いたな」
 スピードを上げた彼女は白戸神・ユストを追い抜いた。
「勝負だ、ユスト」
「遠泳での勝負か。望む所だ、イスクヴァ」
 ドラゴニアンの青年は彼女の姿を見て不敵に笑う。
「泳ぎも戦士には重要な技能だ。お前も立派な戦士だが、俺とて引けを取るつもりは無い」
 応じる彼と、イスクヴァは視線を交わす。
 どうして彼との勝負に固執するのか、自分でも理由はわからない。
 だが、負けたくないという気持ちははっきりしていた。
 徐々に上っていく太陽の下で、2人は少しずつ加速していく。
 日が高くなると見物人も徐々に増えていった。
 岸辺で旗を振る人たちに向かって、ウォーレン・ホリィウッドは手を振る。
 景色を楽しみながらのんびりと泳いでいた彼だが、見ている人がいるならばと少し速度を上げていく。
 動きも大きく、格好良く。
「泳ぐのは好きだし、インダス川で24時間も泳げるなんて滅多にある機会じゃないからね。精一杯頑張るよ」
 速度を上げていくウォーレンに歓声が上がった。
 時間がたつにつれてケルベロスたちの間でも距離が開いていく。
 ただ、無線機を用意してきていた旅団『―幽世蝶ノ瞑狼華―』の面々は今のところ連絡を取り合えていた。
「……泳ぎキッツイ……ッ!!」
「くぅーっ! 流れが激しいのでござるよ!」
 上野・零やフェルの言葉が無線機で届く。
「けど、思いっきり泳ぐってのは気持ちが良いな」
 リョクレンが言う。
 声をかけあいながら、旅団の仲間たちはともに進む。
 太陽は一番高いところまで登ろうとしていた。
 食事や休憩のポイントが用意されていないということは、それぞれ自由なタイミングでとっていいということでもある。
「そろそろお腹がすいてきましたわね」
 赤い水着を身に着けた少女、シエナ・ジャルディニエはボクスドラゴンのラジンシーガンに呼びかける。
 ラジンシーガンが、浮き具で浮いているシエナに近づいてくる。
「ありがとう、ラジン」
 食べさせてくれたサーヴァントに礼を述べて、彼女は再び攻性植物泳法で泳ぎだす。
 天崎・祇音も、一緒に参加している一色・紅染に声をかけた。
「紅染、栄養補給じゃ……ちゃんとしたご飯は、あとで作るからの?」
 用意してきたのは蜂蜜入りのスポーツドリンクとバナナ。
 背泳ぎに切り替えて、紐でくくりつけていた桶を引きよせる。
「祇音、ありがとう。……無理、していない? 大丈夫……? ご飯は……作る時は僕も、手伝うよ。……一緒に、がんばろ」
「ならば、それを励みに最後まで頑張るとしようかのう」
 食事を終えると、紅染が食べ物を引くのを引き受けて、2人はまた進んでいく。
 氷砂糖を口に入れて、七種・酸塊は空を見上げた。
「日中はやっぱり暑くなるなあ。ムリはしないで、日が暮れてから頑張るぜ」
 照り付ける太陽のもと、ケルベロスたちは泳ぎ進めていく。
 ……1名を除いて。
「そうだ、犬掻きが、あった……わたし狼だけど」
 最後尾を泳いでいたノーザンライトは突如として狼に変身し、むしろやったことのない泳ぎを試したせいでまたしても水底へと沈んでいった。

●夜に向かって泳げ!
 太陽は中天から地平線へ向けて移動していた。
 ヒナタ・イクスェスは赤いペンぐるみの胸元に手を入れ、栄養ドリンクを取り出す。
 着ぐるみは水を吸って重くなっているが、独特の思考回路を持つ彼にとって人生ハードモードはいつものこと。
「くぁ! 遠泳王にワ~タシはなる!」
 栄養ドリンクを一気に飲み干すと、ヒナタはペンぐるみのまま器用にクロールで再び泳ぎだした。
 タンザナイト・ディープブルーは川の隅を泳いでいた。
 誰かに妨害されることを警戒していた彼だが、人目もある中で暴挙に出るケルベロスはさすがにいないようだった。
(「ですが……ついてきている人がいますね」)
 おそらくは大柄なドラゴニアン。妨害をするつもりではないだろう。消耗を抑えるための方策といったところか。
「気にしては逆に不利になります。タンザはタンザのペースで進みましょう」
 携行食料を小物入れから取り出して、彼は手早く食事をとった。
 24時間の間、眠らずに進むのは逆に不利。ケルベロスたちはそれぞれのタイミングで岸に上がり仮眠をとっていた。
 仮眠はさすがに岸に上がらないわけにはいかないが、川の中で眠れるように工夫をしてきたものも多い。
『―幽世蝶ノ瞑狼華―』の1人、ディオニクス・ウィガルフはサーフボードの上で目を覚ました。
 武器であるオウガメタルを水底に沈め、碇代わりにして固定していたのだ。仮に落ちても水中呼吸ができるので問題ない。
「もう日が暮れてきたな。他の連中はどうしてるかね」
 再び潜り始めながら、彼は無線機で仲間たちに声をかけた。
 潜って泳いでいた八島・トロノイが林・瑞蘭のそばに浮上してくる。
「もう日が沈むね。瑞蘭さんは大丈夫だったかい?」
「ええ。なるべく日陰を泳いでいましたから」
「そうか。幸い具合の悪そうな人もいないし、最長遠泳王決定戦目指して頑張ろうな」
「はい、行けるところまで行きましょう!」
 岸近くの浅い部分に移動し、2人は暗くなっていくインダス川を泳ぎ続ける。
 日が沈み、月が昇る。
 だが、スパートをかけるとしたら深夜が近くなってからだろう。
 タイヤを使った簡易ゴムボートを引きながら、ミスティアン・マクローリンは上っていく月を見上げた。
「あと3分の1くらいかな。ちょっときつくなってきたわね。まぁ、参加する事に意義があるのよねー」
 最初のうちはともかく、ひっくり返さないように引きながら泳ぎ続けるのはけっこう消耗する。
 はるか先を先行するケルベロスの姿が見える。だが、無理はしない。最後まで彼女はマイペースに泳ぎを続ける。
 逢魔・琢磨が目を覚ますと、自分を見下ろすキサナ・ドゥの顔が月に重なった。
 頭には柔らかな彼女の太ももの感触。
 起き上がらなければならないが、まだそれを感じていたい。
「くひひ、30分じゃ足りないか? ……足りねーよな、うん」
「そうですね。こういう時間が長く続けば……いや、続いたら1位とれないし……」
 キサナは琢磨の頭をトントンと軽く叩く。
「それじゃその辺は、帰ってから埋め合わせしよーぜ、琢磨」
「ええ。今度はキサナさんが休んでください」
 身を起して、今度は琢磨がキサナを膝枕をした。

●明日に向かって泳げ!
 夜の闇がインダス川を包み込み、沿岸で見物する一般人たちはだいぶ減ってきた。
 数百キロを泳ぐ間にケルベロスたちの間にはすでにキロ単位で差がついている。先頭を行くものは数人に減っていた。
 残りは1時間。
「限界を超え……修練を超えた先にこそ己を高める物がある。自分で限界を決めない」
 絶華は23時間ごろに力尽きるであろうペースで進んでいた。だからもはや腕も足も十分には動かない。しかし、力尽きたその先に、高みがあると信じて気力を振り絞る。
「一位を取るというタンザの願い、叶えて見せます!」
 小物入れを捨てて、タンザナイトはスパートをかける。
「オラ、根性見せろよ」
 満月に似たエネルギー光球をディオニクスは自分にぶつける。疲労が回復するわけではないが、凶暴性を増した動きで彼は水飛沫を上げた。
「目指せ、優勝」
 耐水性の時計で時間を確かめながらエンミィは水をかきわける。
「丸一日はさすがに経験なかったが、こんな機会めったにないからな! 最後まで楽しんでくぜ!」
 酸塊は日が暮れてから全力で進みまくっていた。
 先頭にいるのは5人。少し遅れた位置でトロノイと瑞蘭、リョクレン、ウォーレンの4人が続く。
 だが幅も広い川で、しかも夜間となれば、先頭グループといっても互いの姿は見えるものではない。
 前方から聞こえる水音、見える水飛沫は他の選手のものなのか、それともただ川の流れによるものか……。
 後はどこまで頑張れるか、自分との戦いだった。
 ちなみにぶっちぎりで最下位なのはノーザンライトだった。
「ケルベロスは、ギブアップしてはいけない……観客も、見てる……」
 結局ペースも作れず、不眠不休で泳ぎ続けた彼女は執念だけでなんとか泳いでいた。
 もっとも、彼女を知る者はきっと、この競技に参加し、最後まで泳いでいるだけで奇跡的と言うかもしれない。
 そして、時間が訪れた。
 ――先頭争いではないが、別の勝負も決着がついていた。
「私の勝ちのようだな」
 イスクヴァがユストに告げる。
「ああ、完敗だ。勝者の特権だ、何か1つ望みを言え」
「そうだな。ではまた勝負してくれ。それが望みだ」
 差し出した手を、ユストが握る。
 個人的な勝負に決着をつけた2人が語り合う間に、先頭で最長遠泳王が告げられる。
 皇・絶華。
 戦術は誰もが劣らず、全力も尽くしている。限界をあえて超えようという気概で、僅かだけ彼女が上回った。
「そうか……また少し高みへと登れたか」
 力尽きて立つこともままならない絶華の言葉に、観衆たちが称賛の声を送った。

作者:青葉桂都 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年8月11日
難度:易しい
参加:29人
結果:成功!
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