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高級住宅街の一角に紛れるようにして、その家はあった。周囲の立派な家々とは違い、何故かその家だけは蔦に覆われている。明らかにここらの美観を破壊している家だが……何故か数年、十年、それ以上が経過しようとも、一向に取り壊されるような気配が微塵もないその家。
……とある恐ろしい噂があった。それは、この家に入れば、異界に引きずり込まれ、二度と現世に戻ってこられない……そんな子供だましの噂。
「ここ、ね」
その家を見上げるようにして、少女が呟く。カメラを手に家を見上げるその姿は、どこから見てもオカルトに興味を持つただの少女だ。
「……まったく、せっかくの夏だっていうのに、あの子達ったらついてきてくれないんだもの」
言いつつ、少女はゴクリと生唾を飲み込む。気のせいか、微妙に脚が震えているように見えた。
だが、
「絶対中に入って写真撮ってくる! ……なんて啖呵切ったら、おめおめ帰れないわよ。それに、興味があるには本当だしね」
震える脚を懸命に前に出し、少女はゆっくりと蔦を掻き分けて、施錠もされていない家に入り込む。
「ふぅ……」
家の中は、埃まみれではあるものの、いたって普通だ。その事に、少女が安堵の吐息を漏らす。
しかし、少女が奥の一室を覗いて写真を撮ろうとしたその時!
「ひっ!?」
背後から、少女の心臓は鍵のようなもので穿たれていた。
「私のモザイクは晴れないけれど、あなたの『興味』にとても興味があります」
少女の背後に佇むのは、第五の魔女・アウゲイアス。
スローンモーションのように崩れ去る少女。
変わりに現れたのは、巨大な黒い影のような腕だった。腕は何者かを引きずり込もうと、ずっと家の中で誰かの訪れを待っている。
●
「……怪談ですか、正直あまり得意な方ではないのですが……」
怯えたように眉根を寄せつつも、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は気丈にケルベロス達に向き直り言う。
「不思議な物事に強い『興味』をもって、実際に自分で調査を行おうとしている人が、ドリームイーターに襲われ、その『興味』を奪われてしまう事件が起こってしまったようです」
『興味』を奪ったドリームイーターは既に姿を消しているが、奪われた『興味』を元にして現実化した、巨大な腕のような形状をしたドリームイーターは、今も虎視眈々と凶行の機会を伺っている。
恐らくだが、腕の形状をしているのは、被害者の少女が異界に引きずり込まれるという噂を聞いて、想像した姿なのだろう。
「どうか被害が出る前に、このドリームイーターを撃破して下さい! また、ドリームイーターを倒す事ができれば、『興味』を奪われてしまった被害者も、目を覚ましてくれるはずです!」
セリカは資料を捲り、
「ドリームイーターは、冷静さを失わせたり、欲望を喰らう、鍵で切り裂くといった攻撃方法を主にとってくるようです。また、ドリームイーターは人間を見つけると『自分が何者であるかを問う』ような行為をして、正しく対応できなければ殺してしまうという性質を持っているらしいのです!」
正しい解答を示せば見逃してもらえるが、そう上手くいくものでもないだろう。解答を示せなかった場合は、より積極的に襲ってくるが、どちらにせよ結果は同じで倒すしかない。
「それに加え、ドリームイーターは自分の事を信じていたり噂している人が居ると、その人の方に引き寄せられる性質があります」
上手く誘き出せば、不意を突いて戦闘を有利に進められる。協力して巨大な黒い影のような腕について想像を膨らませるといいかもしれない。
「被害者の少女は少々危なっかしい面もありますが、知的好奇心を持つのは悪い事ではありません。少女の興味を利用しようとする魔の手から、どうか少女を救ってあげてください!」
参加者 | |
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ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956) |
ヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128) |
ヤマダ・タエコ(ボッチなアニソンロッカー・e11869) |
ソル・ログナー(夜闇を断つ明星・e14612) |
音無・凪(片端のキツツキ・e16182) |
植田・碧(紅の癒し・e27093) |
フィマリア・フィーネス(ウィッチドクター・e28502) |
ルシェル・オルテンシア(朽ちぬ花・e29166) |
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夜。高級住宅街の一角だけあり、件の廃屋周辺は、不気味な程シーンと静まりかえっていた。
「やれ、幽霊とはな。鬼が出るか、蛇が出るか―――そも、デウスエクスも幽霊みたいなものか」
ソル・ログナー(夜闇を断つ明星・e14612)は、苦笑しながら蔦に覆われた廃屋の扉を開け放つ。
……キィィーという、本能的恐怖を呼び覚ます木製扉の音、割れた窓に軋む床、誇りっぽい屋内。そのどれもが、王道ホラー映画じみた気配を醸し出している。
「祖国の諺で……好奇心は猫を殺す、というのがありますが、そうならない様にしないとですね」
ラインハルト・リッチモンド(紅の餓狼・e00956)は、奥の部屋で意識を失っている加藤・サヤカに思いを馳せた。
「 だが、興味は人に必要なものさ。興味を持たねば、只受け答えするだけの人形になってしまうからな」
対して、ヴィンチェンツォ・ドール(ダブルファング・e01128)が言う。そもそも、興味は人に制御できるものではなく、自然と沸き起こるものだ。その点で、興味を狙うドリームイーターは非常に厄介だった。
「それにしても、腕といっても具体的にはどんな形なのかしらね? 黒くて大きい影……人を丸呑みできるぐらい大きいのかしら?」
呟くルシェル・オルテンシア(朽ちぬ花・e29166)の声は、少しだけ弱々しい。この廃屋のような、いかにもな雰囲気は得意じゃないらしく、時折視線を彷徨わせていた。
ただ、ルシェルはこうも思っていた。これからドリームイーターか、はたまた本物の幽霊が出てくるにせよ、誘い出しのためにルシェル達とは少し離れた場所を歩くグループに入らなくて、本当に良かった……と。
「……ひっ」
植田・碧(紅の癒し・e27093)は、不気味な隙間風が通り抜ける音に反応し、思わず漏れかけた悲鳴をなんとか噛み殺す。
碧は恐いのは苦手だが、興味はあるタイプ。分かりやすく言えば、強がってお化け屋敷に入るものの、入ってすぐに後悔してしまう少女だった。
碧は自分自身の足音にすらビクッとしてしまう有様ではあるが、ドリームイーターの誘い出しのため、声を絞り出すようにして言った。
「こ、高級住宅街に建っているだけあって、なかなか広いわね。こ、このまま探索して『黒い影のような腕』を見つけるのもいいけど、できれば早く出てきて欲しいわね。は、早く見てみたいし……」
そんな碧の僅かに震える声に応じたのは、ヤマダ・タエコ(ボッチなアニソンロッカー・e11869)だ。熱の込もった声で、バラード系アニソンの歌詞のようにタエコは歌う。
「会いたい、会いたい、この地で探せばきっと、異形異界の闇の中から現れる腕、溢れ出る想いを言葉に表せず……」
また、タエコはぼんやりとしている普段からは考えられない程、周囲を忙しなく眺めている。それは、ドリームイーター以前に、ここの噂が本当だった場合の事を想像しているからだ。
「異界とは、もしかすると冥界の事かもしれないですぅ。そこには、偉大なロッカー、わたしにとっての神がいるかもしれないの……」
……恐い物知らずとはこの事か。とにかくタエコは、碧とは対照的に恐怖の片鱗すら感じさせず、どころか瞳を輝かせていた。
「異界への誘い、ねぇ……。ゲートの存在とかを考えりゃ理解不能な話じゃないけどさ、一般人からすりゃ超常現象には変わりないか。……けれど、もし、グラビティで説明の付かない本当の“神隠し”とやらがあったとするならば……それは、とても興味をひかれる出来事だろうね」
冷静に音無・凪(片端のキツツキ・e16182)は言った。ケルベロス達のような存在や力が明らかになった今、説明できない事象はまさしく怪異と呼べるのかもしれない。
ただ、そんな一般人からすれば及びもつかない力を持つ彼ら彼女らも、幽霊やそれに類する存在に怯えるというのは、なんとも興味深く、そして微笑ましいものであった。
ただ―――。
「デウスエクスや巫術士が居るくらいなんだから、幽霊くらい居るにきまってるじゃない。もしいるなら、捕まえてどんな実験しようかしら♪」
いつの時代にも、そういった通常の感性から外れた例外というのは存在するものだ。
フィマリア・フィーネス(ウィッチドクター・e28502)はカメラのシャッターをパシャパシャときりながら、楽しげに言った。
「この廃屋には、巨大な黒い影のような腕が彷徨ってるらしいわよ~。でね、「自分は誰か」って質問に答えられないと殺されちゃうって話よ~」
ただ、フィマリアのような知識欲の強い人間の存在よって、世界は新たな一面を見せるものでもある。
そういった意味では、今回無謀とも思える行動をとったサヤカも、可能性に満ちた少女に他ならない。
そして―――。
「来たみたいだぜぇ?」
凪が鋭い声を上げたと同時に、巨大な黒い影のような腕は、誘い出しグループの背後に姿を表した。
●
それは、まさしく影のようであり、ユラユラと陽炎のように揺れている。
だが、そんな冷静な観察はともかく、重要なのはその腕の影がサヤカを襲ったドリームイーターであるだろうという事実のみ。
ケルベロス達の周囲に、緊張感が満ちる。無言の睨み合いの中、先に動いたのは腕の影であった。ただ、それは攻撃ではなく、
―――私ハ何者デアルカ?
そういった疑問を腕の影は、廃屋の壁に刻んだのだ。
「異界、大きな手となれば……鬼の手、かねぇ?」
問いに、凪は率直な返答を返した。……自分は何者であるか、それは凪自身こそが誰かに教えてもらいたいぐらいだ。
「……自分が何者か? それくらい自分で考えなさいな。少なくとも、人に聞いて得られる答えではないんじゃないかしら?」
影の腕の出現と共に、余裕を取り戻した碧が胸を張って言った。
「…………」
すると、影は不満を示すようにブルブルと震えた。そして、敵意を示すように腕の先にある指が蠢き始める。
「―――破ッッ!」
だが、影の腕の暴力が顕現するより早く、横合いからソルの電光石火の飛び蹴りが炸裂し、腕の影は吹き飛んだ。
「よう、幽霊……いや、化け物サンよ」
ボロボロの壁が崩れ、粉塵が巻き上がる中、ソルは中指を立てて言う。
「てめぇはただの化け物さ。人を食い物にするヤツァ、総じてそう言われンだよ」
「……ふん、まったくだな」
ソルに続き、言葉と同時に放たれるのは二丁拳銃による舞う様な全方位射撃。
「お前は怪異だ、その腕で人を異界に連れ込む、な」
ヴィンチェンツォは銃口から噴き出す煙にフッと息を吹きかけ、
「ジャポーネでは怪異は調伏させるのだろう?大人しく主の元に帰らせてやろう」
そうギザに言い放った。
「好奇心は誰もが持ち、抑えるのが中々難しい……だからこそ、それを狙ったのは見事だとは思いますが……」
ラインハルトが日本刀の切っ先をカチリと影の腕に向ける。
「その行いを許すかどうかは別問題です、その首……頂いていきます!」
そして、一喝しながらラインハルトは己の魔力と血で生み出された剣を複数生み出し、影の腕に放った!
「…………」
起き上がり、なんとか体勢を整えた影の腕は、襲い来る複数の鮮血剣を鍵で捌こうとするが、間に合わず、至る所に傷を作る。
「どうやら奇襲は成功みたいね」
誘導組とは違う、別グループ最後のルシェルが姿を見せる。舞うように放たれた高速の蹴りが、影の腕の指を一本へし折った。
「あら、でも少し待ちくたびれちゃったわ?」
「そうよ~。特に男性陣くん、女を待たせるのは感心しないわよ?」
朗らかに笑って冗談を言いながら、碧がカラフルな爆風を発生させて仲間の後押しを、フィマリアが全身の装甲からオウガ粒子を放出してエンチャントを付与していく。
「ハアアアアァァッッ!!」
仲間の援護を受け、凪が声を張り上げながら卓越した技量の一撃を放った。すると、影の腕も負けじと凪の肩口に食らいついてくる。
そしてそのまま痛み分け―――とはならない。
「もしも本物の怪異がいるのなら、紛い物の行為が許せないのなら、排除してみせて、その姿をわたしに見せて!」
祈るように囁きつつ、タエコが「鋼の鬼」と化した拳を影の腕に叩き込む。この後に及んでまだ怪異を諦めていないのかという視線がいくつか向けられるが、
「……?」
タエコはその視線を意味をよく理解できずに首を傾げた。
●
「(……まったく、貴方のせいで今日は散々な一日よ!)」
言葉にはされずとも、きっと碧が恐がっていたのはバレていたに違いない。その羞恥を誤魔化すように、碧は腕の影にしかけておいた爆弾を炸裂させる。
その爆発で、ルシェルの攻撃によって折れていた指が霧散した。
「…………ッ」
ダメージの蓄積があるのか、腕の影がビクリと痙攣する。
「怪異さん、怪異さん、いるなら早くっ、早くっ! 偉大なロッカーにわたしを会わせてくださいませぇー! Let's Go!」
腕の影が痙攣している隙に、タエコは崇拝するロックスターへの愛を熱唱しながら、原初のリズムに乗って連続で攻撃を打ち込んでいく。
「1.2.3.4.――流転せよ」
タエコの熱唱を引き継ぐように、ルシェルは情熱的な舞を見せた。そして、舞の最後に4拍地面をタタタタンッと踏みしめると、ルシェルの舞踏魔術は発動する。
「ッッ!!」
だが、腕の影もまだ終わる気はないのか、ガムシャラに鍵を振り回す。
偶然狙われたヴィンチェンツォにとって、それは避けようもないタイミングであり―――。
「やらせるかぁ!!」
だが、寸での所で凪が庇いに入る。腕の影が振るう鍵は、凪の肌を切り裂き、その脳裏に忌々しい光景を幻視させた。
「(……………オイ、“ソレ”をあたしに見せるなよ)」
ギロッと、凪の鋭い眼光が腕の影を射貫いた。
「ましてやまやかしで見せるたぁ、覚悟は出来てんだろうなぁ……?」
身を走る苦痛を激昂で塗り潰し、凪は地獄の炎弾を放つと、腕の影の二本目の指を打ち抜く。そして、同時に与えたダメージの三割程度を吸収してほっと息をついた。
「誰か! 凪に回復を!」
だが、凪の傷は決して癒えきってはいない。ヴィンチェンツォが凪に感謝を伝えるように片目を瞑りながら、援護を呼びかける。
「ええ、すぐに!」
それに素早く反応したフィマリアは、凪に桃色の霧を放出し、
「スノーもお願い!」
碧の指示に従って、スノーも前衛に羽ばたいて邪気を払っていく。
「中々にしぶといが、そろそろ終わりの時間だ」
ヴィンチェンツォは告げる。何よりも、このまま終わったのでは男としてのメンツが立たない。
「Numero.2 Tensione Dinamica」
ヴィンチェンツォの銃を雷神の哮りが包み込む。放たれた白銀の弾丸は光を放ち、腕の影の肢体を締め上げた。
「―――」
そして、最後の攻撃に移ろうとしていた腕の影の動きが、痺れたように停止する。
「「自らの疑を晴らすために人を喰らう者よ―――願いを満たせぬまま、現在に滅べ!」」
ソルの右拳に数多の魂が収束する。そして、その高められた力が腕の影に叩き付けられると、ソルの身に刻まれた忌まわしい呪文ごと激しい光を放った。
そのソルの一撃は指をさらに二本吹き飛ばし、腕自体にも亀裂を入れるが、まだ倒れない。
「止めです」
静寂の中で、ラインハルトは納刀した刀の柄に手を掛けた。……一呼吸、二呼吸……ラインハルトは加速度的に集中を高め、抜刀!
目にも止まらぬその居合いは、腕の影の最後の指を切り飛ばし、本体も滑らかな断面を持って二つに切り裂くのだった。
●
奥の一室にて、サヤカは無事目を覚ました。
そんなサヤカの目に映った光景といえば……。
「おっ、目が覚めたか。……大丈夫か?」
「具合はどうだ、シニョリーナ?」
ソルとヴィンチェンツォに加え、その背後で気遣わしげにこちらを見つめるラインハルトだった。
ケルベロス達はともかく、サヤカからしてみれば、見知らぬ男三人に囲まれている状況。警戒しない訳がない。
そんなサヤカの心情を察したのか、ラインハルトが慌てて弁解する。
「僕達も例の噂を調べる為に廃屋に来たんですが、そしたら貴女が倒れていたので……」
同時に、ケルベロスである事を伝えると、ようやくサヤカはほっと息をついた。
「あ、その……助けてくれてありがとうございました!」
「当然の事だ。立てるか? 無理はするな」
感謝を示すサヤカに微笑みかけながら、ヴィンチェンツォは手を貸して彼女を立ち上がらせる。
そうしていると、部屋に歌いながらタエコが入ってくる。熱唱しているタエコに、サヤカは何事かと目を見開くが、あまりに気持ちよさそうに歌っているものだから、何も言えない。ただ、タエコの歌声に癒やされるように、サヤカは目元の緊張を解いていく。
「お疲れ様ー!」
「はぁ~、帰ってお酒飲みたいわ~」
やがて、周辺のヒールを終えた碧とフィマリアも合流する。碧とフィマリアは、無事そうなサヤカを見て、心から安堵する。
「とりあえず外出ましょうか、大勢なら怖くないでしょ?」
ルシェルに賛成して、ケルベロス達とサヤカは薄暗くて不気味な廃屋から脱出する。
「元気そうじゃん」
「はい、皆さんのおかげです」
夜空の下、サヤカの安否を確認した凪が背を向けて手を振る。
「(そう言えば、興味を奪われちまったらどうなるのかねぇ)」
内心、そんな事を考えながら。
「さて、夜も遅いし送ろう。―――あ、加藤さんだっけ? 腹減ってねぇか? ラーメンでも……」
ソルは、恐らくまだ不安がっているだろうサヤカをラーメンに誘おうとするが、返ってきたサヤカの表情は苦笑いだった。
「女の子を深夜にラーメン屋に誘うって……」
「ん~、これはソルちゃん赤点ね」
サヤカだけでなく、碧とルシェルにも辛辣に言われてソルがガックリと肩を落とした。
そんなソルの姿を見て、サヤカは慌てて謝り、他のケルベロス達は笑い出す。
笑いが落ち着くと、サヤカは思い出したかのように言う。
「……そういえば、結局あの噂は、それと私はどうして―――」
サヤカが続けようとした言葉をヴィンチェンツォが止めた。
「怪異か、なにやら居たようだが、さてどのようなものだったか」
すべては一夜の夢だった。それが、サヤカへの最良の答えだろう。
ただ……。
「好奇心旺盛なのは良い。結果を出そうとしたのも良い。―――が、何たらは猫をも殺す、なんて言うだろ?」
危ない事もほどほどに。
ソルはそう締めて、たとえ一人でもラーメンを食べに行く事を決意するのだった。
作者:ハル |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年8月4日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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