ひっそりと静まり返った店内では、女性店主がひとり椅子に座ってぼんやりとしていた。
年代物の柱時計はすでにゼンマイが切れ、時を刻むのを止めている。店内を彩る調度品も薄暗い中ではその輝きを失っていた。
「ごめんなさい。あなたたち」
ぼそりとつぶやいた店主が視線を落とす。テーブルの上では手作りのドレスに身を包んだ三十センチほどのドールがちょこんと座っていた。
ドールの外見は店主にそっくりであった。人形ゆえに美化はされているが、隣に置けばだれもが店主をモデルにしたと分かる程度にはよく似ていた。それが数多く並んでいる。
「わたしがもう少し、うまくやってれば」
静かな郊外で人形達と暮らす家をコンセプトにしたハンドメイドのドール販売店はそのこだわりを表すかのように欧米風の佇まいで、建設費も相応に高額であった。
オーダーメイドのドールという時点で客を選ぶが、店主のこだわりは経営状況をより悪化させた。
「日本中を、いえ、世界中をわたしの人形でいっぱいにするのが夢だったのに」
後悔の念にさいなまれる店主の前に大きな鍵を持った女性が現れる。あっと気づいた時には胸を刺され、意識を失って崩れ落ちた。
「貴方の後悔、私がいただいていくわ」
倒れた女性店主の傍には、人形が着ているようなゴシック調のドレスを身に付けた美しい女性がたたずんでいた。
「ドールの世界はすごいみたいっすね。こだわる人は高級車が買えるくらいのお金を当たり前につぎ込むと聞いたっす」
感心したように何度もうなずいた黒瀬・ダンテがドール販売店のチラシをケルベロス達に差し出す。
掲載されたドールの写真を興味深そうに眺めるのは和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)であった。
「可愛らしい人形ね。こんなお店があるなんて知らなかったわ」
「なにせ自然豊かな郊外にあるっすからね。いえ、あった、と言うべきっすね。女性店主の腕は確からしいっすが、こだわりの強さが災いして廃業してしまったみたいっす」
店を訪れる客は決して少なくなかったが、その大半が何も買わずに帰ってしまった。そして二度と顔を見せることはなかった。
店主が依頼を受けるのは依頼者本人を模したドールに限っていた。さらに心を込めるためとの名目で、一定量の髪の毛を提供するよう求めていた。ドールの髪に編みこむことで命が吹き込まれるというのが店主の持論である。
何らかの理由で髪が提供できない場合には爪を少しだけ切ってドールの材料とする。こちらはさらにひんしゅくを買った。
「今回の事件はそのお店で起きてしまったっす。お店を潰した後悔の気持ちをドリームイーターに狙われたっす」
店主から後悔の感情を奪い取ったドリームイーターはすでに姿を消している。その代わりに、奪われた後悔を元にして誕生したドリームイーターが店に居座っている。
「店長に成り代わったドリームイーターはお店に近づいてきた人を客として引き入れ、その人そっくりなドールを作ろうとするっす。客が拒否しようとも無理やり髪を切り刻んで爪を剥がして、どちらにしても最後には殺されてしまうっす」
危険な相手であることは間違いないため、即座に乗り込んで戦闘を仕掛けることも選択肢としてありえる。
しかし客を装って来店し、心から、自分そっくりなドールを喜んであげれば、満足したドリームイーターの戦闘力はいくか低下するだろうとダンテは語る。
「戦闘だけじゃないっす。満足させてから倒せば、女性店主から後悔の気持ちが薄れて、前向きに頑張ってもらえるようになるっす。若い店主の人生はまだまだこれからっすからね」
ドリームイーターは店内にあるドールを利用して攻撃を仕掛けてくる。
ハサミやナイフを持ったドールの攻撃はトラウマを植え付け、ドールのあざけりによって怒りを覚え、武器を絡め取られることによって武器封じを受けるなど、多種多様である。
「自分の技術が利用されたと知れば後悔の気持ちはさらに強いものになるわ。取り返しがつかないことになる前に急ぎましょう」
再度、香蓮はその手に握られたチラシを見やる。
「それに、彼女がつくるドールにもとても興味が有るわ」
人には理解されづらいこだわりを持っているとはいえ、女性店主がドールにかける思いは本物である。ドールの優しい微笑みはそれを物語っているかのようだった。
参加者 | |
---|---|
エルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216) |
新条・あかり(点灯夫・e04291) |
セット・サンダークラップ(青天に響く霹靂の竜・e14228) |
銀山・大輔(鷹揚に構える青牛おじさん・e14342) |
暁・万里(紅蓮の飼い猫・e15680) |
ガンバルノ・ソイヤソイヤ(リペイント・e18566) |
イリュジオン・フリュイデファンデ(堕落へ誘う蛇・e19541) |
夢見・カンナ(北の大地の雷・e28700) |
●街外れのドールショップ
すでに閉店が決まり、店主以外だれも立ち寄る者もなかったドールショップが、今日は新規オープン時にも見られなかった活気に満ち溢れていた。
欧米風の店構えを少し離れた場所から眺めているのはエルネスタ・クロイツァー(下着屋の小さな夢魔・e02216)と暁・万里(紅蓮の飼い猫・e15680)である。時おり窓から店内を覗くと、店主に成り代わったドリームイーターと楽しそうに談笑している仲間達の姿が見えた。
「(自分そっくりの縛りさえなければな)」
店内に飾られたドールに目をやった万里が心の中で本音を吐露する。
「おみせはりっぱだし、ドールもしゃしんでみるよりかわいーみたい」
外周をぐるっと回って戻って来たエルネスタが、こだわりの詰まった店構えを見上げながらつぶやく。
「うまくやればもっとおきゃくさんきてくれそーだよね」
「僕もそう思うよ。このまま閉じちゃうなんて、ちょっともったいないよね」
万里は自分の内心などおくびにも出さず、人懐っこい笑顔で答えた。
外で待機している二人を他所に、店内では着々と準備が進められていた。
「それではお客様、ドールへの想いを込めるために身体の一部を、髪の毛か爪の先をご提供いただきたいのですが」
「いいよ。これくらいで大丈夫?」
林檎色の髪にハサミを入れた新条・あかり(点灯夫・e04291)は髪型が変わらない程度の量を店主に差し出す。
「ありがとうございます。とても綺麗な髪ですね」
「そう、なのかな。自分ではあまりわからないけど」
口調は淡々としていたが、長い耳は喜びを隠しきれずにぴこぴこと動いていた。
「おいらにそっくりな人形かぁ。何か手伝えることあるだか?」
「お任せいただければすべてこちらで致しますが、もしお客様のこだわり等ございましたらご相談させていただきます」
テーブルの上にドールを作るための材料がいくつも並べられる。
銀山・大輔(鷹揚に構える青牛おじさん・e14342)はその中から特に目立つ、ガラス製の目を手に取った。
「はぁー、まるで本物みたいだねぇ。けっこう重みもあるだよ」
「これでもまだ完璧には程遠いですね。目はドールの命ですから」
店主にうながされるままに、自分のドールに使うパーツを選び終えた。
「お店のドール達が見本っすね。近くで見せてもらってもいいっすか」
「どうぞ、もしよろしければお手に取ってご覧ください」
許可を得たセット・サンダークラップ(青天に響く霹靂の竜・e14228)は手近なドールの一体を大切に抱え上げる。
お姫様が着るようなドレスに身を包んだドールは細部まで作りこまれており、製作者の強い想いが感じ取れた。
「(このドール達も、敵になるのか)」
セットは複雑な心中を悟られないよう店主から顔を背けた。
「表情なども、選べるのでしょうか」
こっそりと尋ねたガンバルノ・ソイヤソイヤ(リペイント・e18566)に、店主は笑顔でうなずく。
「もちろんです。お客様でしたら、笑顔のドールがお似合いかと思うのですが、いかがでしょうか」
「……おすすめには素直に従っておきましょう。あ、でも時間がかかるようでしたら私のは作らなくてもいいですよ?」
「とんでもありません。ご満足いただけるよう精一杯務めさせていただきます」
「可愛い娘になってくれると嬉しいですね」
一応の選択肢は与えられているとはいえ店主の勧めは誘導的であり、結果的には全員が決められた通りのパーツを選ぶ形に落ち着いた。
「衣装はどう致しますの。ドレスなどを見繕ってくださるのでしょうか」
和気あいあいと話す仲間達を微笑ましく眺めていたイリュジオン・フリュイデファンデ(堕落へ誘う蛇・e19541)がふと気づいて尋ねる。
「もしよろしければ、皆様の衣装をドールのサイズで再現させていただきます」
「わたしはそれでお願いしたいなっ! いつも通りのほうがおねーさまも喜んでくれそう!」
夢見・カンナ(北の大地の雷・e28700)の希望を受けてさっそく衣装を描き起こした。
店主のミシン使いは熟練の域に達しており、半時間ほどでドール一体分の衣装が出来上がった。
全員分が仕上がるといよいよ完成したドールのお披露目会となった。
「うわぁ……すごいそっくり……」
カンナは目を輝かせて自分にそっくりな人形と見つめ合う。
「とっても素敵なお人形! ありがとうおねーさん!」
その隣ではイリュジオンもまた、自分のドールを愛おしげに抱きしめていた。
「有難う御座います。こうして眺めているだけで、不思議と幸せが溢れてくるようです」
「最上級のお褒めの言葉をありがとうございます」
「ずっと大切に致しますことを誓いますわ。衣装のことなどでまたご相談願いたいですわね」
ケルベロス達は互いのドールを見せ合いながら、そっくりだと喜び合う。
あかりは本人以上だと頬ずりし、大輔はこだわり抜いた眠たげな目をいたく気に入っていた。和泉・香蓮(サキュバスの鹵獲術士・en0013)のドールも小柄ながらにナイスバディで、ほのかな色気を感じさせる。
普段は無表情なガンバルノですらも、にっこりとほほ笑むドールを前に蕾がほころぶような笑顔を浮かべた。
「こんなにそっくりとは思わなかったっす。地球人以外もきれいに作ってもらえるんすねー!」
竜派のドラゴニアンであるセットはドールもまたドラゴンの姿をリクエストした。それが地球人と遜色のない出来であったことに感激しきりだった。
たくさんの感謝と喜びに溢れた店内で、店主は穏やかな笑みをたたえている。
喧騒がおさまると、身を乗り出すようにして新たな提案を持ちかけた。
「実は、さらに完成度を高める方法があるのですが」
声のトーンを落とした店主が笑顔のままにじり寄る。
異変を感じたカンナは仲間の背に身を隠しながら外で待機している二人に連絡を取った。
「これ以上は無いと思うのだけど、何を協力したらいいのかしら」
「目はドールの命と申し上げました。そこで皆様の、美しい眼球をご提供いただきたいのです」
「それはさすがに、やり過ぎじゃないかと思うべ」
「いいえ。わたしの可愛い貴方達も、それを望んでいるのですから」
ケルベロス達の手に抱かれたドールが自我に目覚めたかのように動き出す。
身体をよじ登り、えぐり出さんばかりの勢いで眼球に手を伸ばした。
「そこまでだよ!」
乱暴に開かれたドアからエルネスタと万里が雪崩れ込む。
正体を現したドリームイーターは自分そっくりのドールと格闘するケルベロス達から視線を外し、新たな来客に振り返った。
「こんなにたくさんのお客様においで頂けるなんて。今日はなんて素晴らしい日なのでしょうか」
●マッド・ドール
店内に並べられたドール達が一斉に笑い声を上げる。
表情の変わらないドールの大合唱はそれだけで不安を掻き立てた。
「ドールへの想いを共有してるんっすよね。だったらドールを傷つけず、夢を店主に返したらどうっすか、ドリームイーター!」
無駄だと知りながらもセットは必死に説得を試みる。
そんな気持ちをあざ笑うかのように、セットのドールが腕に噛み付いた。
店主を模したドールはそれぞれが裁ちバサミやナイフを手に取ってケルベロス達に襲い掛かる。最初の標的として、最も手近にいるあかりに斬りかかった。
「離れてっ!」
とっさに自分そっくりのドールを引き剥がしたあかりの腕にナイフの刃が突き刺さる。もう一体のドールは床に転がったあかりのドールとぶつかり、裁ちばさみを落として倒れ込んだ。
「なんだろう。仲間割れ?」
もつれ合う二体のドールをちらりと見下ろす。
すぐに視線を前に向け、手のひらからドラゴンの幻影を放った。
偽の店主が業火に包まれる。燃え盛る炎を振り払った後には店主とは似ても似つかない、悪意に満ちた表情を浮かべるドリームイーターの姿があった。
「どうして抵抗なさるのですかァ。貴方達もドールの一部になれるのですよォ」
「あなたの願いとは人をドールに変えてしまうことなのですか。それは、店主さんの本当の想いではないはずです」
グレイブの一振りで周囲を飛び回るドールを薙ぎ払う。難を逃れたガンバルノのドールが足首から再び身体をよじ登ろうとするが、店主を模したドールと足の引っ張り合いになって互いに転がり落ちた。
「何故か反目し合っているように見えますわね。統率が取れていないとでもいいましょうか」
サポートに徹しながらもイリュジオンはドール達の動きを注意深く観察する。
店主のドールもケルベロス達のドールも、どちらも攻撃を仕掛ける意思に変わりはない。先を争う中で互いにぶつかり合い、それが結果として利敵行為に繋がっていた。
「自分のドールを傷つけずに済むならそれに越したことはないだぁね。このまま一気にいくだよ!」
攻めに転じようとする大輔の腕に自分そっくりのドールが絡み付く。
その上に別のドールが重なり、手首につかまったまま取っ組み合いを始めた。
「あっ、こら、ケンカならよそでやるべ! いつつ……いい加減にしないと怒るだぁよ!」
二体のドールに邪魔されながらも、強引に氷結の螺旋を投げつけた。
凍り付いた敵が怯んだ隙に、太刀を抜き払ったカンナが飛び掛かる。
「集中集中……狙いは、そこだっ!」
身をかがめた体勢から素早く胴体を斬り裂く。度重なる斬撃の締めには、返す刃で脇腹を突き刺した。
さらなる追撃は自分を模したドールによってさえぎられる。こちらでも店主のドールとの小競り合いが発生した。
思うように攻められず、偽の店主は悪態をつく。ドールを作成していない万里にまで狙いを広げ、一斉に取り囲んであざけるような笑い声を上げさせた。
「これは……」
笑い声に包まれる中、万里の周囲が真っ暗闇に覆われる。
暗闇の中央で、店内のものとは違う、黒い髪を伸ばした人形が現れた。
ぎらつく翆色の目を見開いた人形は恨みがましい絶叫を上げる。
『ユ・ル・サ・ナ・イ』
トラウマを刺激する叫びとともに人形は消え去った。周囲を包む闇も晴れ、視線の先ではドリームイーターが興味深そうに万里を見つめていた。
「貴方も何か、人形に想いをお持ちのようですねェ」
「残念だけど、君みたいな歪んだ気持ちは持ち合わせてないよ」
笑顔で返した万里はトラウマを振り払うようにガトリングで応戦した。
連携が取れていないとはいえドールの数は多く、ケルベロス達は対応に苦慮していた。正面を防げば後方から、そちらに気を取られているうちに上から下からと、縦横無尽の攻撃は幾度と無く繰り返される。
「まっててカンナちゃん。すぐになおしてあげるからね!」
エルネスタは特に深手を負っているカンナをサキュバスミストで包み込む。
透明化した霧は瞬く間にカンナの傷を癒やし、その姿を覆い隠した。
「あ、ありがとうエルネ――」
自分の声がいつもより高くなっていることに気付いたカンナが口元を押さえる。
振り向いた先ではエルネスタがいたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「きにしないきにしない。あひるみたいでかわいーよ」
「おねーさまがびっくりしそう……」
しっくりといかないながらも傷の治ったカンナは再び刀を構えた。
戦闘が激しくなるにつれてドールの損傷も激しくなる。髪がちぎれ、腕が取れ、目玉が零れ落ちるなどの無残な姿に、セットは少なからず罪悪感を覚えた。
「これ以上、店主さんのドールが傷つく前に!」
身を危険にさらしてまで急接近したセットが敵を組み伏せ、腹部を深く切り刻む。
その背中にドールが集まり、刃物をふるいながら二人を引き離した。
「貴方達、も、お人形、喜んで、くれたでしょォ。どうして、わたしとドールの、邪魔をするのォ」
ドールの力を借りてどうにか起き上がったドリームイーターが怒りの声を上げる。
息も絶え絶えな偽店主の全身を、あかりのブラックスライムが丸呑みにした。
「あなたのやり方じゃ、あなたの夢を叶えることはできないからだよ。だって、だれも喜ばないもの」
捕食されたドリームイーターの悲鳴が店内に響き渡る。
声が止むと同時に、自我を失ったドールがぱたぱたと床に倒れ込んだ。
しばらく警戒を続けていたが、傷だらけの人形が動き出すことは二度となかった。
●次なる夢に
助け出された女店主はケルベロス達から事情を聞き、失意に沈んでいた。
自分の想いがデウスエクスに利用されたことを悔やみ、自分のドールが迷惑をかけたことに何度も頭を下げた。
「店主さんの大切な子ども達、いっぱい傷つけちゃいましたね。ごめんなさい」
「いいえ。皆様のおかげで、この子たちが人を殺めずにすみました。本当にありがとうございます」
詫びるガンバルノに店主は感謝の言葉を返した。
「わたしの想いは、間違っていたんですね」
「そんなことはありませんわ。このお人形、とても素敵ですもの。想いがなければこれほどの感動は生み出せませんわ」
自分そっくりのドールを大事そうに抱えたイリュジオンは笑顔をたたえたまま断言する。
ケルベロス達の依頼したドールは相手をする必要がほとんどなかったこともあり、服を修繕するくらいの被害で済んでいた。
「おいらも気に入ったべ。宝物にさせてもらうだぁよ」
大輔もドールを手のひらに乗せ、嬉しそうにほほ笑んで見せた。
「本人の人形に限るのも、体の一部を求めるのも、それだけドールを大切にしてもらいたいからだよね」
万里の問い掛けに店主は力なくうなずく。
「大切に思う気持ちって、見た目や使われてる道具だけで決まるものじゃないと思うんだ。これだけの人形を作る技術があるんだから、もっとお客さんの気持ちに寄り添った形でも実現できるよ。必ず」
「そう、なんでしょうか」
こだわりを肯定しながらも、多くの人に満足してもらうための妥協を訴える。
不思議と気持ちの和らいでいた店主は態度を軟化させ、考えてみますと穏やかな表情で答えた。
「それならだいじょーぶ。かいぜんあんをたくさんよーいしたから!」
待ってましたとばかりにエルネスタが一冊のノートを差し出す。
ひらがながびっしりと書き込まれたそれは、待機中にエルネスタが用意した経営改善計画であった。
「まずはドールのおようふくやアクセサリーのはんばいをちゅーしんに。ゆーめーになってからじょーれんさんにオリジナルをてーあんするの」
「あ、あの」
「それとね!」
「は、はいっ!」
ハキハキと話すエルネスタの勢いに押され、店主は背筋を伸ばした。
「せっかくいいかんきょーなんだから、あいこーかのあつまるカフェもほしいよね。おにんぎょーとのティータイムがたのしめるおみせ。うん、これでいこう!」
仲間達の見守る中、本職顔負けの経営指導は深夜遅くまで続けられた。
作者:稀之 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
|
種類:
公開:2016年8月2日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
|
||
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
|
||
あなたが購入した「複数ピンナップ(複数バトルピンナップ)」を、このシナリオの挿絵にして貰うよう、担当マスターに申請できます。
|
||
シナリオの通常参加者は、掲載されている「自分の顔アイコン」を変更できます。
|