七夕モザイク落とし作戦~デートが成功しますように

作者:なちゅい

●短冊の願いは夢喰いの手で
 7月7日、七夕の夜。東京上空……。
 大きな鍵を手にした『赤い頭巾のドリームイーター』が、ひとり、空を漂っていた。
「綺麗……短冊に込めた人々の願い事が、まるで宝石のよう。
 あの輝きが欲しくて、あなたは『モザイクの卵』を降らせたのね。
 でも、鎌倉の戦いでこしらえてもらった卵も、あと少ししか残っていないのね。
 …………。
 いいわ、あなたの夢、私が手伝いましょう。
 だって、あなたの夢は、きっと私と同じだから。
 だから、残った卵を私に頂戴。
 あなたをこの星に呼んであげるわ……ジュエルジグラット」
 
 岡山県岡山市のとある商店街。
 笹の葉に括られたたくさんの短冊。そこには、様々な願いが記されていて。
「デートが成功しますように」
 そんな可愛らしい文字で書かれたのは、どんな女の子のものなのか。
 その短冊がふわりと浮かび、近くを浮遊していたモザイクの卵へと吸収されていく。十分力を蓄えたのだろう。卵は鼓動を始め、ゆっくりと孵化していく。
 孵ったのは、おめかしした少女の姿。見た目だけなら中高生にも見えそうだが、いかんせん身長が3メートル近くもある。
 胸の辺りはモザイクとなっていて、その中にはおそらく、取り込んだたくさんの短冊があるのだと思われる。
「デート……成功させなきゃ……」
 まだ生まれたばかりで、その相手もいないはずだが、ドリームイーターはふらふらと、笹の葉の周りをさまよい始めたのだった。
 
 とあるビルの屋上にやってきたケルベロス達。
 そこにいたリーゼリット・クローナ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0039)は、笹の葉に願い事を書いた短冊をくくりつけていた。
 やや可愛らしい文字で書かれた短冊の隅には、リーゼリットのフルネームが記されている。
「ようこそ、皆もどうかな」
 彼女はペンと短冊をケルベロスへと差し出す。様々な願いを短冊に託すケルベロス達。それにリーゼリットは目を細める。
 一通り短冊を括り付け終えたところで、彼女は依頼の話を始めた。
「ドリームイーターが七夕を利用して、大作戦を行う事が判明したんだ」
 この作戦は、ローデッド・クレメインス(灰は灰に・e27083)さん他、多数のケルベロスが予測して調査してくれた事で事前に知る事ができたが、どうやら、ドリームイーターは、鎌倉奪還戦時に失敗した『モザイク落とし』作戦を再び起こそうとしているらしい。
「モザイク落としが行われれば、日本に巨大なモザイクの塊が落下してしまうよ。こうなると、大量のドリームイーターが出現し、日本中が大混乱となるだろうね」
 敵は、残存するモザイクの卵を使用して、日本中の七夕の願いをドリームイーター化し、そのドリームイーターを生贄に捧げる事で、モザイク落としのエネルギー源にしようとしている。
 七夕の願いから生まれたドリームイーターは出現してから7分間で、自動的に消滅し、モザイク落としの儀式のエネルギーに変換されてしまう。
「皆には、ドリームイーターが現れる地点に向かい、7分以内にドリームイーターを撃破して欲しいんだ」
 ドリームイーターが現れるのは、岡山県岡山市のとある商店街だ。この場所に飾られていた笹の葉に括り付けられていた短冊。それを体内に取り込んだモザイクの卵がこの場で孵ってしまうらしい。
「ボクが視たドリームイーターが取り込んだ願いは、『デートを成功させたい』というものだね」
 七夕の願いから生まれたドリームイーターは、その願いの内容に合わせた見た目のグラビティを使用して戦う。
「デートにちなんだグラビティのようだけれど……。おそらくは、吸収した女性達の願いが込められているのかもしれないね」
 もちろん、避難を行いたいところだが、今回の1件には少しばかり厄介だ。
「短期決戦で臨んでほしい。猶予は孵ってから7分。その間に撃破できないと、そのドリームイーターは消滅してしまい、倒すことができなくなってしまうんだ」
 他のヘリオライダー達も全国各地で発生する別の夢喰いの出現を予知しているはずだが、その過半数を撃破できなれば……。
「モザイク落としが実現してしまう」
 モザイク落とし……巨大なモザイクが地球の夢を吸収して、大量のドリームイーターを生み出してしまう。それだけはなんとしても阻止せねばならない。
「逆に、ほぼ全てのドリームイーターの撃破ができたなら、モザイクの卵による事件は今後起きなくなると予測されているよ」
 この差はケルベロスの活動において、非常に大きい。ともあれ、1つ1つの事件を解決を、生まれるドリームイーターの撃破を、確実に行いたい。
 一通り説明を終えたリーゼリットは、先ほどケルベロス達が書いた短冊を見上げつつ告げる。
「七夕の願いをドリームイーターに利用させてはならないよ。短冊に願いを込めた人は、純粋な願いを込めて記したはずなのだから」
 また、モザイクの卵の事件の撲滅につながる可能性もある。この機を逃してはならないと彼女は付け加えた。
「それじゃ、行こうか。皆はボクの願いを叶えてくれると信じているよ」
 リーゼリットの書いた短冊には、『地球が平和になりますように』と書かれてあった。


参加者
リヴィ・アスダロス(魔瘴の金髪巨乳な露出狂拳士・e03130)
丹羽・秀久(水が如し・e04266)
吉野・雪姫(桜白雪姫・e04533)
志穂崎・藍(ウェアライダーの降魔拳士・e11953)
緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)
シルヴィア・アストレイア(祝福の歌姫・e24410)
金澤・慈狼(仔狼・e25339)

■リプレイ

●七夕を食い物にする夢喰いに……
 七夕の夜。
 ドリームイーターが現れるという岡山県岡山市の商店街へと、ケルベロス達はやってきていた。
「七夕、か……。どれだけの願いがこの小さな紙に込められているのだろうか」
 街中を歩く緋色・結衣(運命に背きし虚無の牙・e12652)が、笹に括られた短冊を目にして呟く。
 夢喰いが利用する短冊に書かれた願い。それは、『デートが成功しますように』というものだ。
 七夕に女の子が恋の成功を願うのは、とても素敵なこと。それだけに、吉野・雪姫(桜白雪姫・e04533)はドリームイーターの所業に憤る。
「恋の成功を願う女の子の気持ちを利用しようとか、許せないよ!」
「恋をすると満たされる反面、不安になる気持ちは俺も解ります」
 金澤・慈狼(仔狼・e25339)はなんとなく、自身の心情を吐露する。現状、自身の想いが通じることはないと苦笑いをしながらも。
「だからね、恋心を利用する奴は――俺が、ぶっ壊して差し上げますよ」
 そう仲間達へと、慈狼は笑顔で告げた。
「その気持ちは兎も角、それを利用されてモザイク落としなどをされては、な」
「女の子の純粋な思いを叶える為にも、ドリームイーターのモザイク落としは防がないと駄目にゃ」
 モザイク落とし。それが起こされれば、地球はさらに混乱の渦へと飲み込まれてしまう。リヴィはそれを懸念していた。志穂崎・藍(ウェアライダーの降魔拳士・e11953)も同じく、モザイク落としを阻止する為にと人肌脱ごうと考えていた。
「俺が願うことは何も無い。ただみんなの願いを守る為に、俺は戦う」
「なんとしても阻止して、みんなの願い事が叶えられるようにしないと!」
 結衣は決意を口にする。丹羽・秀久(水が如し・e04266)も七夕の願いが成就する為にも夢喰いを止めねばと意気込むのに、仲間達は頷くのだった。

●商店街に現れた夢喰い
 夜も更けてきた。
 間もなく、この地の人々の願いの書かれた短冊が括られた笹の近くへ夢喰いが現れる。
 その前にと、ケルベロス達はできる限り、現場から一般人を遠ざけようと全力で動く。
 シルヴィア・アストレイア(祝福の歌姫・e24410)は商店街の責任者へと連絡を試み、事件の説明を行う。区域の街灯など、光源を利用できるようにと彼女は依頼していた。
 現場では、エヴァンジェリン・ローゼンヴェルグ(真白なる福音・e07785)、藍が一般人に避難を呼びかける。
 秀久は隣人力を使い、さらに可能な限り声を上げて人々に脅威が近づいている事を知らせていた。
 だが、夢喰いはそれを待ちはしない。いつの間にか、モザイクの卵から孵っていた夢喰いがケルベロスの前へと姿を現す。
 私服中学生といった印象だが、何より3メートルもある全長、そして、胸のモザイクが夢喰いであることを主張している。
「少しでも遠くへ走るんだ。安心しろ、息を切らす頃には終わらせる」
 ドリームイーターが出現したとあらば、避難ばかり当たってもいられない。結衣は前へと出て、敵に視線を向けたまま避難を呼びかける。
 LEDライトを光らせたシルヴィアも駆けつけ、エヴァンジェリン、秀久も声がけこそしてはいたが、避難の手を止めて敵の前へとやってきた。
「超短距離競争みたいなものかな。とにかく全力で、だね!」
 雪姫の例えはひとまず置いておき、猶予はたったの7分しかない。
 プリンセス変身で人々を励ましていたリヴィ・アスダロス(魔瘴の金髪巨乳な露出狂拳士・e03130)は魔導書を広げ、古代語の詠唱を始める。
「時間も無い以上、速攻でドリームイーターを仕留めねばなるまい……!」
 しかしながら、奇襲とはならず、敵はリヴィが飛ばした魔法光線を避けてみせた。
 駆けつけてくるケルベロス達は、戦闘態勢を整える。
「多くの人達の純粋な願いを糧にして、自分達の夢を実現させようなんて……。そんな貴方達に夢を叶える資格なんてないよ……!」
 夢喰いが叶えようとしているモザイク落とし。それを叶えさせまいと、シルヴィアが声を荒げる。
「さぁ、いこうか……」
 逆に、小さく自身を奮い立たせるように呟くエヴァンジェリン。
 七夕の夜に現れた災厄の芽を立つべく、ケルベロスの戦いが始まる。

●激しく、短いデート
 攻撃に乗り出したドリームイーターの攻撃は素早い。
「……嫌われたりしないかな」
 そいつは、どこからか取り出した鍵をケルベロスへと突きつけてくる。一見可愛らしい姿だが、そいつは夢喰いに他ならない。
 その鍵を前に出て受け止めたのは、秀久だ。
(「女性メンバーは自分より年下しかいないし、怪我なんてさせられないな」)
 鍵によって心をえぐられた秀久は若干トラウマを覚えてはいたが、あくまで盾役に徹する彼は、ヒールドローンを展開してさらに盾を厚くする。
「デートを成功させたいのだろう? 少々私達が相手をしてやろう。少しばかり激しめにだがな……!」
 改めて、リヴィは攻めに出た。先程、攻撃を避けられている事もある。自身の固有技の命中率に難を覚えた彼女はまず、敵の足止めをすべく高く跳躍した後、エアシューズで流星のごとき蹴りを夢喰いへと食らわせる。
 その隣で、エヴァンジェリンがアームドフォートを構える。火力重視の為、敵の射線を気にかけるのはなかなか難しいが、それでも彼女は敵の立ち回りを見つつ、命中させた物の時間を凍りつかせる弾丸を撃ち放つ。
 命中した弾丸が腰の辺りを凍結させたところに、鉄塊剣を振り上げた結衣が迫る。
「生まれたばかりで気の毒とは思うが、大人しく夢へと還れ」
 力の限り、握り締めた剣を叩きつけた結衣。
「嫌よ、邪魔、しないで……!」
 その衝撃で、夢喰いは彼へと怒りを覚える。
 火力となるメンバー達の後ろでは、彼らを援護するよう立ち回るメンバーがグラビティを行使する。
「皆、頑張るにゃ」
 藍がその身に纏わせたオウガメタルから粒子を放出し、仲間の感覚を覚醒させる。
 雪姫は近場に一般人がいないかと気にかける。迅速な避難の甲斐もあり、夢喰いの攻撃が届く距離にはもう人はいなくなっていた。
「それじゃ、レースを始めようかな!」
 馬が大好きな雪姫は、馬や競馬に物事を例えるのが大好きだ。この戦いも、彼女は競馬の1レースのように例えているかもしれない。ただ、負けられない大勝負に変わりはない。
 そんな雪姫は、全身のオーラを撃ち出すことで、敵の肩口を凍りつかせていた。
 さらに、盾役となる雪属性のボクスドラゴン、ラビが吹雪のような息を吹きかけてケルベロスがつけた傷を広げ、慈狼が拳に纏わせた鋼のようなオウガメタルと共に、力強く夢喰いを殴りつける。
「させません。必ず貴方をぶっ壊して差し上げます」
「ううっ、なぜ、デートの邪魔を……」
 願望のままに動く夢喰いは戸惑いを見せるが、すぐにケルベロスへとモザイクを飛ばしてくる。
 だが、すぐさまラビがそれを遮ってみせた。
「ここからは、私達のステージだよっ!!」
 その後ろのシルヴィア。初撃は攻撃を行っていたが、彼女は次手としてギターを抱えて叫ぶ。
「デートのお相手は私がしてあげるよ……。僅か一晩、この一時だけのお相手だけどね……」
 彼女は、立ち止まらず戦い続ける者達の歌を歌い始める。
「違う、違う……」
 それに苛立つ夢喰い。こんなのは求めるデートではないと。そいつはまたモザイクを操り攻撃してくるのだった。

 闇夜の中、街灯の光がケルベロス達を、そして、ドリームイーターを照らし出す。
 敵のモザイクの的となるのは、主に結衣だ。だが、秀久やラビがさせじとモザイクを受け止め続ける。
「ファイトー」
 彼らが傷つけば、藍がエネルギー光球を飛ばして回復してくれる。彼女は戦場を飛び回り、猫のような軽快さで飛び回りながらも敵を翻弄していた。そうして、藍は仲間の回復に当たる。仲間が攻撃に専念できる為に。
「これでもヴァルキュリア……私の武器は歌だけじゃないよ♪」
 シルヴィアは歌を一旦止め、マインドリングから具現化した剣に空の霊力を纏わせ、仲間のつけた傷口を斬り広げていく。
「……手、つなごっか」
 敵が伸ばす手をギリギリのところで躱しながらも、リヴィは音速を超える拳を叩きつける。夢喰いの手はしっかりと結衣が受け止め、そこから流し込まれるモザイクに耐えていた。
 その横から、エヴァンジェリンが軽々とルーンアックスを振り上げて高々と跳躍し、夢喰いの頭を叩き割ろうとする。少女の姿をしているだけにやりづらい部分もあるが、相手は夢喰い。遠慮などはない。
「汝は忌むべき生命と知れ。逃れ得ぬ罪を、抗えぬ罰を――その身に刻め」
 結衣はまたも『レーヴァテイン・エクセリオ』の刀身に獄炎を纏わせ、さらに周囲に漂う非業の魂を招き入れて炎へと同化させ……刃を振り下ろす。残された時間は少ない。
「皆の成功の為にも、頑張らなきゃ!!」
 それは、夢喰いの討伐もそうだが、デートの成功を願う乙女の為にも、だ。
 雪姫は仲間と共にドリームイーターを囲うように攻め入る。彼女は2枚のシャーマンズカードを使い、黄金の融合竜を呼び出した。煌く竜は夢喰いを腕で薙ぎ払い、2つの首で喰らい付く。
 慈狼も続く。ヴァルキュリアとして光の翼を暴走させた彼は、全身を光の粒子に変えて突撃する。ラビもまた封印箱へと入ってタックルをかましていた。
「残り、1分を切ってるにゃ!」
 藍が仲間達に告げる。刻々と過ぎ行く時間。メンバー達は全力で夢喰いを叩く。
「私のこと好き?」
 夢喰いがそこで、ケルベロスへと問いかける。惑わせてきているのは、作戦なのか、それとも、集めた少女達の願いによるものなのか……。
 最後までそれに耐え切った秀久。かなり消耗は激しいが、それでも藍達の支援あってこそ、こうして持ちこたえられた。
「時間が無い以上、あまり悠長に出来んのが、な……!」
 リヴィはこれまで討ち取ってきたデウスエクスの恐怖を暴風に変えて、夢喰いへと吹きつけさせる。
「極大の恐怖の嵐に、震え上がるがいい!」
 彼女はその暴風を纏い、回し蹴りを夢喰いの腹へと叩き込む。
 逃がすわけには行かない。結衣は自身の暴走も視野に入れつつ、レーヴァテイン・エクセリオに獄炎と救われぬ魂を纏わせ、漆黒の牙となして夢喰いの体を切り刻む。
「もうちょっとにゃ」
 敵も確実に体力がなくなってきている。体の端々がモザイク化しかけているのがその兆候だ。後は間に合うかどうか……。藍も回復の手を止め、宙返りしながらもケルベロスチェインを伸ばし、夢喰いの体を締め上げる。
「あらわれて! 紅のミスパーフェクト、その完璧なる走りを今魅せて!」
 雪姫がそこで、紅のオーラで構成されたサラブレッドを召還する。まさに、最終直線の追い込みを思わせる走りで夢喰いに向けて疾走し、突撃する。
 続けて、慈狼が2本のゲシュタルトグレイブを夢喰いへと突き出していき、ラビもまた雪のブレスを吹き付ける。
 それでも、夢喰いを倒すには、少しだけ足りない。
 …………暴走すべきか。
 慈狼の脳裏にそんな考えが過ぎる。このまま夢喰いを逃がすくらいならば、自身の犠牲で倒せるのであれば安いもの。慈狼はすっと息を吸い込む。前線にいた結衣も同様のことを感じて、その準備を始めていたようだ。
 だが、まだ諦めていないメンバーもいる。シルヴィアがギターを手にして歌う。
「貴方に捧げる……。これは現在の困難に負けず、未来を作り紡いでいく為の祈りの歌……。貴方に、力を……」
 明日を信じ、未来へと紡ぐ祈りの歌。その歌声によって、エヴァンジェリンは限界以上の力を全身に漲らせて。
「これで……、仕舞いだッ!」
 斧に刻まれたルーンを発動させたエヴァンジェリンはその呪力を光り輝かせ……夢喰いを真っ二つに断ち切る!
「いやだ……こんなの……やだ……よ……」
 崩れ落ちる夢喰いの体。全身がモザイクに包まれ、しまいにはそれが晴れていき、何もなくなってしまった。
 暴走を仕掛けていた結衣、それに慈狼。敵の殲滅を確認した2人は、脱力したように座り込んでいた。

●短冊に願いを込めて
 無事に、ドリームイーターを撃破したケルベロス達。
 戦場となった商店街にも多少被害が出ていた為、秀久は気力やドローンを使って補修を行う。
 それも程なく終わり、彼はカメラを使って記念撮影を一通り行っていた。
 その後、誰からともなく、短冊に願い事を書こうという話になる。
「しかし、私の願い事かー……。やはりデウスエクスを打倒し、平和な時代が来ることだろうなー……」
 リヴィが言葉通りに短冊へと記すと、仲間達もそれに続き、同じく世界平和を祈ろうと同様の言葉を記していく。
「やっぱり、世界が平和になりますようにかにゃ。でないと怠けられないにゃ」
 藍は本音を漏らしつつ書いていたし、秀久はこっそりと『彼女が欲しい』と別のことを短冊に書いていたが。
 ともあれ、そんな願い事を込めて。
「さぁ、みんなの願いが叶う様に、祈りを込めて歌うよっ♪」
 シルヴィアが短冊に想いを込めた人々の夢を守ることができたことを祝い、1曲歌い始める。
 空に浮かぶ星々。織姫と彦星が無事に出会えることを願って。集まる人々はシルヴィアの歌に合わせて歌い始めるのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年7月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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