
「いや無理だろコレ!?」
「あそこで死ぬとかマジねーわー。金返してほしいんですけどー」
軽口を叩きながらも、表情は愉快そのもの。男子学生たちは再びゲーム筐体にコイン投入。
駅前のゲームセンターは、平日の午後は学校帰りの学生らが寄り集まって俄かに活気づいている。皆、仲間たちで笑いあい、ふざけあいながら実に楽しそうな時間を過ごしていた。
場所はゲーセンではあるものの、ゲームは二の次。とにかく友人と面白い時間を過ごせれば良い。学生時分の考え方とはとかくそういうものだ。
だが、それが許せねえ。
という空気とか一切読めない狭量なアイツ出現。バッサバッサ。
「ちゃらちゃらゲームやってんじゃねえぇぇーーーーーー!! 男なら、いや女でもそれ以外でもっ! ゲームやる時は命懸けで挑むもんでしょうがあぁーーーーーーっっ!!」
数名の男たちを伴って例の鳥人間が現る。たぶんゲームを文字どおり命懸けでプレイしていた人が運悪くビルシャナになってしまったのだろう。
男子学生たちに痛烈なドロップキックをかまして退場させたビルシャナは、ゲーセンの中央でそれを叫んだ。
「ゲームはなぁ……ゲームは……ゲームは遊びじゃねーんだよーーーーーーーんっ!!!」
「なんていうか……すごいの出たね!」
「ビルシャナは辞書を引いたりしないのでしょうか……」
ケルベロスたちを待ってたわいない話に興じていた水守・蒼月(四ツ辻ノ黒猫・e00393)とセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は、招集した者たちがやってくるとすぐにそちらに顔を向けた。
「ゲームは遊びじゃない、と豪語するビルシャナが駅前のゲームセンターを襲撃しました。ゲームは命懸けでするものと主張して施設を占領、不休の命懸けでゲームをプレイ中だそうです」
阿呆なビルシャナに呆れながらも、セリカは説明を続ける。
ビルシャナは教義に賛同した信者たちを配下として従えていて、そのまま戦闘突入となれば彼らも戦闘に参加してくる公算が限りなく高い。しかしビルシャナの主張を覆すインパクト大な主張をぶっこんで信者たちを説得できればその状況を回避できるようだ。ビルシャナを倒せば彼らは元には戻るのだが、戦闘に介入されては厄介なことになるのでなるべく説得できたほうが良いだろう。
現場の状況は、幸いながらゲーセン内の人々は無事に逃げおおせているらしい。避難誘導などに手を割く必要はないとのことだった。
「ビルシャナは閃光や氷を飛ばしてくる攻撃に加え、何故かキレのあるドロップキックをしてくるそうです。ビルシャナに賛同している一般人は6名いて、やはり中途半端にゲームをプレイすることを許せなく思っているようですね……。ただ、友人たちでワイワイ楽しんでいる姿を羨ましく見ていたフシもあるそうです。この情報が何かお役に立てば良いのですけど……」
信者たちは教祖様ほどの覚悟をもってゲームに臨んでいるわけでもない、ということだろうか。どの道阿呆ではあるのだが。
「賛同している人たちはビルシャナの影響を受けているので、理屈を説いて説得しても成果は得られないと思います。何かそういう理屈を超えたもので訴えかけていくのが効果的だと思いますよ」
肝心なのはインパクトである。それをどう演出してみせるか、といったところを考えるのが良いかもしれない。
「このままゲームセンター荒らしのような存在を放置するわけにはいきません。どうか皆さんの手で、ささやかな平和を取り戻して下さいね」
参加者 | |
---|---|
![]() 水守・蒼月(四ツ辻ノ黒猫・e00393) |
![]() ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611) |
![]() 鏑城・鋼也(悪機討つべし・e00999) |
![]() 日崎・恭也(明日も頑張らない・e03207) |
![]() ゼフト・ルーヴェンス(影に遊ぶ勝負師・e04499) |
![]() 四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129) |
![]() セテカー・ラムセス(サハラアッシュ・e27078) |
![]() レスター・ストレイン(デッドエンドスナイパー・e28723) |
●命を懸けるなら命を賭けろ
ケルベロスらは無人のゲーセンに到着。
「んじゃとりあえず手筈どおりに」
日崎・恭也(明日も頑張らない・e03207)が気だるげに声を発すると、水守・蒼月(四ツ辻ノ黒猫・e00393)、ティセ・ルミエル(猫まっぷたつ・e00611)、鏑城・鋼也(悪機討つべし・e00999)はさりげなく店内を回り、作戦決行にふさわしい場所を探す。彼らはいわば“エンジョイ勢”。
そして残された別働の隊には、ゼフト・ルーヴェンス(影に遊ぶ勝負師・e04499)、四方・千里(妖刀憑きの少女・e11129)、セテカー・ラムセス(サハラアッシュ・e27078)、レスター・ストレイン(デッドエンドスナイパー・e28723)が残っている。彼らはいわば“デスゲーム勢”。
先行するのはデスゲーム勢。信者たちが一心不乱にゲームに興じているところに彼らが踏みこんでいくと、ビルシャナが目ざとく反応した。
「ゲーセンは命懸けし者たちの聖地! 軟弱な気持ちで踏み入るのは許さぬ!」
「ゲームは命がけか。俺の人生も命がけのハード仕様ダイハードモードだったけどそう言うなら本当の命がけって奴を教えてあげようじゃないか」
甲高い声でケルベロスらを追い出そうとしたビルシャナの言葉尻を捉え、レスターは自分の半生を思い返しながら応じた。
「ほう! 俺たちのゲームに懸ける覚悟を見せてやるぜ!」
「ならゲームをしよう……もちろん賭け金は“命”で……」
血気に任せてレスターの言葉に反応した信者たちだったが、ためらいもせず命を賭けると言った千里の冷たい目を見ると幾らか狼狽した様子を見せる。
「ルールは団体戦……勝ち抜き方式……使用するゲームはそれでいい……」
千里は信者らが死ぬ気でプレイしていたガンシューティングを指差した。
「時間、が、惜しい。さっさと、始めよう。命を、賭けた、ゲーム、を」
言葉を細かく区切る独特な発音でセテカーがいよいよデスゲームへの参加を促す。
「い、いやでもな……ほら、俺らが命賭けるメリットないっつーか……」
煮え切らない様子の信者たち。やはりデスゲームには気が進まないらしい。デスゲームの提案は効果大と判断し、ゼフトは切り口を変えて信者たちに働きかける。
「いきなり命を賭けるだなんて所詮無理だったか? ならそうだな、腕の1本ぐらいでどうだ? 安いものだしやるだろ? そもそも勝てばいいんだから」
チップを引き下げ、挑発するように冷たく笑うゼフト。信者たちは腹を立てたが誘いに乗る気概もなく閉じた口をもごもごと動かすだけだった。だが命を賭けることを恐れもしない教祖様はゼフトの提案を了承。
「いいだろう! 受けて立つ!」
「ちょ!?」
「お、俺たちは今回はパスで……!」
教祖の命令は絶対ですと言わんばかりの強制に2名の信者が離脱。彼らは残るエンジョイ勢がどうにかしてくれるだろう。残った信者は体を震わせながら渋々ゲームの舞台に上がる。対戦型のゲームでないためスコア勝負。恐怖感で思うようにプレイできなかった信者は早い段階でゲームオーバー。
「俺は今まで負けたことがない。だから、ハンデとしていつも右手だけしか使わない」
左手を背に隠し、ハンデを課してプレイしたゼフトは、予定どおりに信者よりも早い段階でゲーム終了。敗者としてチップを支払うことになる。
「仕方ないな。条件どおり、俺の腕をあげよう」
「お、おい……」
何もそこまで、と信者が言いかけた瞬間。無言で接近してきたセテカーがゲシュタルトグレイブを振り上げ、ゼフトがかざした左腕を2つに断ち切った。鮮血が噴きあがり、飛沫が信者たちの顔に付着する。
「え、マジ……!?」
ある者は耳をつんざくような悲鳴を上げ、ある者は眼前の惨劇に茫然自失、ある者は口を手で押さえてトイレに駆けこんでいった。
「ゲーマーの、命は、腕。命を、賭けた、ゲーム、ならば、当然」
「なんてことを……」
平然と敗者の運命だと断ずるセテカーに、信者たちは眉をひそめた。
「――これが、命賭けのゲームだ。これが、望みか?」
非難するような視線を気に留めるふうもなく、セテカーは信者らの気持ちを確認する。
「まだだ。次は俺が勝つ。生きるか死ぬか……これが醍醐味だ。どうだ、お前達はこれでもゲームに命を懸ける覚悟があるのか?」
止血しながらゼフトは継続の意志を問うた。実はセテカーに斬られた左腕も血も作り物であり、本物の腕を服の中に隠しただけの演技だ。
「どっちだい?」
急かすように、レスターはバスターライフルを信者らに突きつける。
「う……俺たちは……!」
口ごもる信者たち。拍子抜けしたレスターは武器を仕舞いこみ、代わりに信者の手を取って自らの首にあてがわせ、「絞め殺せ」と促した。当然ながら信者たちは困惑する。
「俺は元暗殺者なんだ。命がけって言葉の重みを知ってる」
「何を言って……」
「本当に命をかける覚悟があるんだよね」
自分の首を明け渡しても、レスターは微笑んでいる。しかしその目は一切の笑いも含んでおらず、信者らは恐怖に身をすくませた。
「俺は嫌だ……死ぬのも殺されるのも……」
レスターの首にあった信者の手がだらりと下がる。ビルシャナが何やら外野で騒いでいるが、その声は彼らの耳に届きはしないだろう。
「軽々しく、命を懸けるなんて言ったらいけない……。命は取り返しがつかないから……。君たちには、あんまり実感できることじゃないけど……」
力なくへたりこんだ信者たちに、千里は己の思いを伝える。それは日々“命を懸けて”戦うケルベロスである彼女だからこそ言えるものだった。命を懸けることは、重いことだ。平穏の中に暮らす信者たちには死生など縁遠いものだろうが、今回の事件で少しでもその重みを伝えたかった。
「そうだよな……。死んだら何もかもなくなっちまう。ダメだよな……」
「わかってくれればいい……」
改心した信者たちは深々と頭を下げてから、ゲーセンを去っていった。
●ゲームとは遊戯
「ゲームは楽しく遊ばないとです。遊び方は人それぞれなのです」
「何に命をかけるかも人それぞれだけど、今回はどうも違うよね? 楽しく遊べるなら遊んじゃった方が良いと思うんだけどね。あぁっ!」
「あたしの勝ちなのです」
デスゲーム勢の手から逃れてきた者たちを拾って説得するエンジョイ勢である蒼月とティセはレースゲームで楽しく対戦していた。
「最近のゲーセンは進化してるんだな。映像がすごすぎて酔いそうだ……」
2人のレースを観戦していた鋼也は、目元を押さえて手近な筐体のシートに座って休む。
「ははーっ、やっべぇ! 速すぎてどこ走ってんのかわかんねーわ!」
恭也は馬鹿でかい声で仲間に笑いかけ、更にレースでは逆走してフリーダムにエンジョイ。とにかく楽しんじゃってる雰囲気を演出していた。
と、そこにデスゲームに参加しなかった2人の信者がやってきた。気づいた4人は彼らに声をかけ、デスゲームとは別ベクトルの説得を試みる。
「あんたらは……?」
「いやー脅されて逃げてきた感じ? ゴメン演技だよ。でもマナー違反はイカンよ?」
仲良さげに肩に手を回し、恭也は隣人力を発揮して2人を順調に落ち着かせていく。
「彼らは命の重さを知ってるんだ。あまり悪く思わないでやってくれ」
鋼也は一応、デスゲーム勢へのフォローを入れる。仲間が非道な連中と思われるのは彼としても嫌だった。
「ゲームは楽しむ為にあるんだからさ、遊びだろ? 命がけとかしんどいだけじゃん。どんなに下手でも激難でもクソゲーでも、ダチと協力したりネタにして騒げば楽しいじゃん。そんな怖い顔してないでさ、オレらとバカ騒ぎしようぜ? クレーンゲームで散財したりとかして☆」
「え……俺ら一緒しても良さげ……?」
どぎつい体験の後だと少しの優しさでも相手が神仏の類に見える。誰かと一緒にゲームで楽しむなんていうのは彼らが夢見た世界。
「ゲーセン久しぶりで何があるか分からないんだよな。なァ、一緒にいろんなゲームやってみようぜ!」
「いいね! 僕、ふたりのプレイ見たいなー!」
「あ、あたしもクレーンゲームのお手本見せてほしいです~!」
鋼也、蒼月、ティセの積極勧誘も奏功して信者らの表情はだらしなく緩まり、心の防壁はあっさりと瓦解した。
「孤独に磨き上げたゲームテクを見せてやるぜぇー!」
「じゃーまずこれしようよレース! さっき負けちゃったから上手くなりたいんだよねー」
「任せとけぇぇーーー!!」
蒼月の手の平の上で転がされて、信者2人はお手本プレイと称して腕前を披露。ハンドルさばき、コース取り、妨害タイミング、達人の妙技が冴え渡る。
「凄い! 今のどうやったの? もう一回見せて~」
「ハハハお安い御用だ!」
「目が慣れてきたし俺もひとつやってみるか」
「鋼也さんもやろうやろう。対戦で盛り上がろうよ!」
エンジョイ勢は伊達ではない。蒼月と鋼也はゲームを楽しみがてら、順調に信者の心をほぐしていた。
他方、もうひとりの信者はティセがクレーンゲームに誘っていた。
「わーん、うまく取れないのです。どうやれば良いのです?」
「えー、しょうがないなぁー」
プリンセスモードでゲームヒロイン風に変身したティセに上目遣いでお願いされて、信者は完全にデレッデレです。年下女子に頼られるなど彼の人生では一度たりともなかったことなのだ!
おかげで注意散漫プレイを見せて、ティセが欲しがってた景品を取り損ねた。
「あにゃー、惜しかったのです……」
「まだまだぁ!」
気持ち沈んでしまったティセの表情を見るや否や、彼はコイン投入。取るまでやめるつもりはない。
「わー、すごいです~」
「まだまだまだぁぁー!」
「えへへ、これ欲しかったのです~」
「すべて、すべて取りつくすぞぉぉ!」
自分の腕に抱きついてにこやか笑顔でプレイを眺めているティセのために……信者は財布を空にする覚悟を決めた。
「……南無三」
哀れなる信者の散財を横目に見て、恭也が唱えた。自分の予告どおりになってしまったことに心を痛めた……こともなく彼は説得そっちのけで普通にゲームを楽しんでいた。
「おい、金銭的ダメージがでかそうだが……恨んでビルシャナの配下になったりしないよな?」
信者の散財っぷりに気になった鋼也は、恭也にひそひそと耳打ちした。
「え? あぁ、そっかビルシャナ殺るんだったな……。大丈夫じゃね? 見ろよあの顔」
恭也に言われ、鋼也はティセに貢ぎまくる信者の顔を確認した。
実に、幸せそうだった。
恐らく彼はこれまで味わったことのない充実感を抱いていることだろう。つまりオールオッケー。
「……あぁ、もはや何も言うことはない」
少しの間、友人とゲームを遊ぶ気分に浸れた信者たちの頭からは『命がけ』とかいう単語は綺麗に消え去っていた。
「ねっ? こういう風に話したり騒いだりするのも悪くはないでしょ?」
「やっぱりゲームはこうじゃなきゃ、ね」
「あぁ、俺たちが間違っていたよ……!」
毒気の抜けた晴れやかな顔で、2人の信者は満足気にその場を去っていった。
●フルボッコタイム
説得を済ませてケルベロスたちは素早く合流、教祖様の処刑を始める。
配下を失ったビルシャナはそれはもうボッコボコにされた。多勢に無勢、厚い前衛にボコボコにされ、中衛後衛にもサクサク撃たれたり裂かれたりした。
頑張って閃光とか放っても、恭也の気のない「ま、気楽にいこうぜ?」の一言でサクッと回復されたりするとさすがの命がけビルシャナさんも心折れる。
「飛んでけにゃんこ、その胸に~」
「い、痛いにゃん!」
ティセの雷撃纏うメタルピックが超速で撃ちだされ、軽くないダメージが敵の体に襲いかかる。思わずにゃんと言ってしまうほど心折れてるのがおわかり頂けるだろうか。
「お待ちかねだろ? さあ、ゲームを始めよう。運命の引き金はどちらを選ぶかな」
「ちょま」
眉間を捉える銃口。ゼフトの恐ろしき弾丸は容赦なく撃ちこまれると、ビルシャナは頭を抱えてもんどりうった。
「ゲームってのはストレス発散して楽しく遊ぶためにやるもんだ。容易く命かけていいものなんかじゃねえんだよ!!」
全身を赤く燃えたぎらせ、鋼也は一閃の光と化して超加速。Hi-Arts『Scarlet Arcadia』でビルシャナの胴を打つと、敵は勢いよく壁面に激突。騒音と土埃が店内に充満する。
「……おのれ喰らえぃ! 我が命の炎を乗せたキックを!」
辛うじてメンタルを回復させたビルシャナは瞬時に飛び起き、ドロップキックが水平に蒼月の胸にヒット。キレッキレの技ではあるが、蒼月の膝を屈させることはできず、逆に反撃を喰らう。
「命、命って、ゲームは無理して命かけない方が楽しいよ?」
地に伸びる蒼月の影から、無数の猫たちが飛び出す。幻術『猫誘導弾』に切り裂かれ、ビルシャナは本物の血飛沫を噴く。
「うぐぅ……っ!」
「どうした、命がけ、の、ゲーム。楽しんだら、どうだ」
セテカーが振るうは神速の稲妻突き。敵は回避を試みるも穂先は腿を貫き、体の痺れが自由な動きを阻害してくる。
「シューティングは得意だ」
動きの鈍い的なら外すことはない。レスターの終止路の死十字が脳天を撃ちぬくと、ビルシャナはすでに瀕死の状態に陥っていた。
「命がけのゲームに、負ける……これも本望、か」
「……さよなら」
介錯を務めたのは千里。刀身を敵の胸に突き刺し、内奥に発生させた斥力がビルシャナを爆散させる。
やかましかったゲームセンター荒らしは、こうして事も無げにケルベロスたちに駆逐されたのだった。
●お片づけ
「やることやったし、後はゲーセンで遊び倒そうぜ!」
「掃除してからね。筐体壊れてないかもチェックだよ!」
「ですよねー」
蒼月がニッコリ笑顔でモップやら雑巾を皆に手渡していき、恭也は盛大なため息。掃除までがお仕事、これ当然。ゼフトは血糊をぶちまけたことを少し後悔した。
「後始末はつけないとな」
「オレら血糊はやらねーからな」
文句を言いつつも店内清掃に勤しむ鋼也と恭也。デスゲーム勢も豪快にぶちまけた血糊をふきふき。
「ねぇ皆、ルービックキューブやらない? レベルや経験値の概念のない単純な――」
「掃除してからね!」
「ですよねー」
掃除回避を試みたレスターも蒼月にあえなく投降。やはり渋りながら血糊除去に頑張る。
ヒールと清掃の甲斐あって、ゲーセンは多少ファンタジックに様変わりはしても元の機能をしっかり取り戻した。むしろ変わった施設として人気出るかもしれない。
もちろん、その後はしっかり皆でゲーセンを満喫。セテカーやレスターは新鮮な驚きを感じて大変喜んだ。レクリエーションはティセの「ゲームは1日1時間です!」の声で適度な時間で切り上げられたが、蒼月はその言葉に何事かを思い出して小さく苦笑いしたらしい。
作者:星垣えん |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2016年7月6日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 5
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