山陰地方の山奥。
人跡未踏の山肌には、働き蟻ローカストによって作り出された異形の建築物が立ち並んでいる。
異形の建築物はそれ自体が生命体のように有機的に積み重なっており、更に、上空や周辺から完全に隠蔽される構造となっていた。
この異形の建築物の中心にある宮殿には、アリ系ローカストの支配者たる、狂愛母帝アリアが鎮座し、ローカストのゲートの地球側出口を守護していた。
そのアリアの元に、兵隊蟻ローカストの一体が駆け込んでくると、緊急の報告をする。
「大変です、アリア様! ゲートから大量のオウガメタルが出現、我等の制御を受け付けず、都市区域から逃走しようとしています!」
大量のアルミニウム生命体『オウガメタル』がゲートから現れ、そして、逃走しようとする。
この事態は、狂愛母帝アリアにも予測不能だった。
だが、最も重要なゲートの守護を任された実力者であるアリアは、すぐに打開策を考え実行に移す。
「今すぐゲートに向かい、ゲートを一時閉鎖する。お前達はただちに出撃し、逃げ出したオウガメタルを一体残らず殲滅するのだ。奴らが、他のデウスエクスやケルベロスの元に逃げ込めば、我等のゲートの位置が割り出されてしまうやもしれぬ」
その言葉に、弾かれるように退出した兵隊蟻ローカストに見向きもせず、アリアはゲートへと向かった。
「この前、黄金装甲のローカスト事件を解決してくれた人らが、黄金装甲化されていた『アルミニウム生命体』と絆を結ぶことが出来たそうで、その結果アルミニウム生命体は、『オウガメタル』という名前の種族で、『自分達を武器として使ってくれる者』を求めとるって事が分かったんや」
杠・千尋(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0044)が、集うケルベロス達を前にそう口を開く。
「現在、オウガメタルを支配しとるローカストは、グラビティ・チェインが枯渇しとるさかい、オウガメタルを使い潰す様な使い方をしとるっちゅー状況らしいんや。
特に、黄金装甲化っちゅーんは、オウガメタルを絶滅させる可能性すらある残虐な行為らしく、オウガメタルに助けを求められたっちゅー訳やな」
千尋の説明に頷くケルベロス達。
「ほんでや。オウガメタルと絆を結んだ人らが、オウガメタルの窮地を感じ取ったらしい。オウガメタル達は、ケルベロスに助けを求めるべく、ローカストの星から、ゲートを通じて脱出逃走して地球に来たみたいなんや。
当然、最重要拠点であるゲートには、ローカストの軍勢が居る訳やから、放っといたらその軍勢によって、オウガメタル達は遠からず殲滅されてまうやろう」
オウガメタルの危機的状況を説明する千尋。
「で窮地を感じ取った人らによると、オウガメタル達がローカストの追跡を受けとるんは、山陰地方の山奥っちゅー事になる。ヘリオンかっとばすさかいに、追跡しとるローカストを撃破を撃破して、オウガメタルを助けたって欲しい。
作戦に成功したらオウガメタルを仲間に迎えるだけでなく、ローカストの最重要拠点である『ゲート』の位置も、特定する事ができるかもしれんへん。
反対に『ゲート』の位置がこっちに漏れる可能性がある訳やから、ローカスト達も本気でオウガメタルを殲滅しようとしてくるやろ、厳しい戦いになると思うけど、宜しゅー頼むで」
千尋がそこまで言うと、一息ついてケルベロス達の顔を見回した。
「ローカストらは、兵隊蟻ローカストが働き蟻ローカスト数体を率いた群れ単位で、山地の広い範囲を探して、逃走するオウガメタルの殲滅を行っとるみたいや。
かっとばすけどヘリオンが現地に到着するんは、夜半過ぎになるやろう。逃走しとるオウガメタルは、発光信号のように銀色の光を光らせよるから、それを目印に降下したら、オウガメタルのそばに降下する事が出来るはずや」
ケルベロス達の反応を見ながら千尋が説明を続ける。
「まぁ多少の誤差はあるやろうから、直ぐそばに降下できる訳やないけど、そうやな……百メートル以内の場所には降りれると思うから、合流は難しない筈や。
追っ手の兵隊蟻ローカストはかなり強いみたいで、ゲートを守るっちゅー役割からか、不利な状態になっても逃げたりせーへん」
と肩を竦める千尋。
「働き蟻ローカストは戦闘が本職ちゃうけど、それでもケルベロス数人分の戦闘力は持っとる。
ただ、働き蟻ローカストについては、兵隊蟻ローカストが撃破されて状況が不利やったら、兵隊蟻ローカスト程の強固な意志を持っとる訳やないから、逃げ出すかもしれへんわ」
ケルベロス達が状況を確認できた事に、千尋が大きく頷いた。
「黄金装甲のローカストの事件がこんな事になるとは思わんかったけど、絆を結んだ人らを頼って逃げて来たオウガメタルを助けたらなあかんし、ゲートを見つけたらローカストをケリをつけれるかもしれへん。
さぁ、気張っていかなあかんでー」
千尋はそう八重歯を見せて発破を掛けるのだった。
参加者 | |
---|---|
弘前・仁王(魂のざわめき・e02120) |
スヴァルト・アール(エリカの巫女・e05162) |
ラームス・アトリウム(ドルイドの薬剤師・e06249) |
ヴァルスタート・オラクル(愛を求めるガンスリンガー・e08415) |
早乙女・スピカ(星屑協奏曲・e12638) |
浦戸・希里笑(黒鉄の鬼械殺し・e13064) |
愛沢・瑠璃(メロコア系地下アイドル・e19468) |
柚野・霞(玄鳥の魔術師・e21406) |
●
山陰地方の山脈、夜陰。
森の中に僅かな光を見つけ、彼らはヘリオンから飛び降りた。
「助けを求める者には救いの手を。それがデウスエクスであっても、わたしたちに助けを求めている以上――伸ばされた手を掴まない理由にはなりません」
「間に合うでしょうか?」
空中で瑠璃色の翼を広げ、滑空する様に光の元へと飛ぶのは柚野・霞(玄鳥の魔術師・e21406)。その霞から半身遅れて飛ぶ早乙女・スピカ(星屑協奏曲・e12638)の唇から、心配する声が漏れるが、髪に咲くかすみ草を揺らす夜風がその言葉を攫ってゆく。
「っと、少し流されたかかしら? 待っててよオウガメタル」
エアライドで華麗に着地した愛沢・瑠璃(メロコア系地下アイドル・e19468)も、上空を舞うウイングキャットの『プロデューサーさん』を追う様に地面を蹴る後ろ、大きな音を立て落下した『モノ』が駆動音を響かせ砂煙を突き破ってくる。
「オウガメタルの救出に成功すれば、ローカストのゲートの位置が判明する……重要な任務になりそうだね」
その『モノ』……重騎士の如きライドキャリバー『ハリー・エスケープ』を駆った浦戸・希里笑(黒鉄の鬼械殺し・e13064)が時折、木の幹にぶつかりながらも夜の森を疾駆する。
オウガメタルの放つ銀色の光を正確に捉えるべく、灯りを使用しない一行。僅かな視界を頼りに銀色の光の見えた方角へと急いでいた。
ガシン! ガシン!
森に木霊する鉄を打ち鳴らす様な音。それに伴って広がる衝撃波が木々を揺らして木の葉を散らす。
「チッ、敵さんの方が速いか。オウガメタルが美少女型に変化したら、たぶん傍らに着地できたんだがなー」
その音と衝撃波が、ローカストがオウガメタルを攻撃しているものと判断したヴァルスタート・オラクル(愛を求めるガンスリンガー・e08415)は、軽口を叩きながらも急いでいた足を更に速める。
「させない……のです」
「ギギッ!」
オウガメタルを攻撃していたローカスト目掛け、闇の森を突っ切りツインテールに纏めた金髪を棚引かせたスヴァルト・アール(エリカの巫女・e05162)。
隠された森の小道の力で一気に森を抜けた彼女が一番槍となった。
驚く働き蟻ローカストに、吶喊の勢いを乗せたルーンアックスの一撃を見舞って押し返すと、その傍らに霞とスピカが降下して来て灯りで辺りを照らす。
「ケルベロスか!」
オウガメタルを断片を踏み潰した兵隊蟻ローカストが、状況を瞬時に理解し顎を打ち鳴らして破壊力のある音波を発生させるが、その音波がオウガメタルの前に翳された大きな盾『黒曜壁』に遮られる。
「利用するだけの関係なんて続けさせるわけにはいきません。互いに認め合って、尊重し合ってこそです」
その盾を掲げた弘前・仁王(魂のざわめき・e02120)は、眼球を抱え込んだ様なボクスドラゴンの相棒を見て、決意を新たにする。その場には幾つものオウガメタルの断片が無残に屍を晒していたが、生き残った一塊がケルベロスの後ろへと逃れようとする。
「させるか! 掛れ!」
再び兵隊蟻が顎を鳴らし、働き蟻が腕を大きな鎌に変じて襲い掛かって来る。
「させない……」
「おっと、俺を置いて始めるなんてつれないよねぇ。ま、女王様自らお出ましして欲しかったけど……そのハート、撃ち抜くぜ」
右の森から飛び出して来たハリー・エスケープが、ぎりぎりの所でオウガメタルを庇って攻撃を受け、その機乗から希里笑の翼型砦砲艤装『瑞天』が働き蟻目掛けて火を噴き、左から割って入ったヴォルスタートが、兵隊蟻を狙って魔弾を放つ。
「はじめまして! あたし達はあんたたちの友達よ……。これから地球の良さをいっぱい知ってもらうんだから、こんなところで殺させたりしないわ」
と、ケルベロス達の後ろへと逃げてきたオウガメタルに微笑み掛けた瑠璃は、
「その子たちは将来あたしのファンになる大事な子たちよ! あんたたちみたいにこき使う連中に渡したりしないんだから、あきらめておうちに帰りなさい!」
兵隊蟻に人差し指を突き付け宣言すると、魔力を込めた赤茶色の瞳で鎌状の腕を振るう働き蟻を凝視する。
「もし私たちに力を貸していただけるなら一緒に戦いましょう。それが叶わなくても大丈夫、私たちが貴方達を守ります」
最後尾に位置するスピカが語り掛け、
「……もしもそちらがいいのであれば、私は装備してもいい。……共にこの戦場を乗り切ろう、オウガメタル」
同じく最後尾に陣取ったラームス・アトリウム(ドルイドの薬剤師・e06249)が手を差し伸べると、絡み付く様にして腕を登ったオウガメタルが、ラームスの体へと装着される。
「これが、オウガメタル……」
感慨深げに呟いたラームスの眼前、衝撃波によって木の葉散る夜の森での戦闘は。激しさを増そうとしていた。
●
「さぁて……この壁二枚を突破して指揮官を倒さねばなりませんね。……あなた達の屍を礎にして、世界は新たに構築される」
鎌状の腕を振るう2体の働き蟻を前に緑色の瞳を細めたスヴァルト。
彼女の起こした血煙の如き霧が意志を持って働き蟻に襲い掛かると、
「基本的に虫って火に弱いって相場が決まってるけど、どんなもんかねー?」
ヴァルスタートの向けた掌からドラゴンの幻影が現れ、スヴァルトの起こした霧を後押しする様に炎を吐いた。
そのヴァルスタートのドラゴンの吐く炎にに晒されながらも、鎌腕を振るい、ケルベロス達を顎で噛み砕きに掛る働き蟻。だがその前にスパークする雷の壁が現れ、働き蟻の足を止める。
(「さて、どういった力が使えるのか……」)
ライトニングロッドを振るってその雷の壁を起こしたラームスは、自分に六芒魔法陣を展開した霞が、スピカに同じ様に六芒魔法陣を展開するのを傍目に、己が装備したオウガメタルの力を測りかねていた。
ライドキャリバーを駆る希里笑と続いた瑠璃が激しく働き蟻を攻撃する中、その激しい剣戟の音を掻き消す様に、兵隊蟻が顎を打ち鳴らす金属を打つが如き音が、衝撃波となって前衛陣に襲い掛かる。
その衝撃が頭をクラクラさせたのか、仁王とその相棒が頭を押さえる様な仕草をする。
(「これは……」)
それを見て特選薬草の瓶詰を取り出し、薬液の雨を降らして仲間を回復しようとしたラームスが、内なる衝動に身を任せて胸を張ると、オウガメタルからオウガ粒子が放出され、前衛陣の傷を癒し、その感覚を覚醒させた。
「あの顎を鳴らすやつは洒落になってないねぇ」
帽子を押さえて横へ展開しつつ、ヴァルスタートは牽制の意味を込めて跳弾で兵隊蟻を狙い、
「お、なんかいい感じです」
オウガ粒子を受けたスヴァルトは、【t】と柄に刻まれた愛用のルーンアックスを的確に働き蟻に叩き込み、その斧をくるくると回して刃に付いた体液を払い、再び地面を蹴って攻勢に出る。
「もういい様に使わせたりさせません」
攻撃を受けながらも、プロデューサーさんが引っ掻いた、働き蟻の中に居るオウガメタルに声を掛ける仁王。
「無駄無駄無駄無駄ァ!」
そんな仁王を嘲笑うかの様に、兵隊蟻が顎を開いて突出して来る。
「守られるだけでなくて前に出てくるのね」
それを見て、働き蟻に斧を振るっていた瑠璃は、迎撃する様に動いた相棒とハリー・エスケープを駆る希里笑らに続いて、蹴りを見舞うべく跳躍する。
「笑止ッ!」
兵隊蟻は相棒の入ったボックスをその顎に捉え、炎を纏って突っ込んだライドキャリバーを、一歩も引く事なく受け止めて横撃を加えると、瑠璃の蹴りにも微動だにせず、顎に挟んだボックスを噛み砕く。
満身創痍の相棒がよろよろと箱から飛び出す中、光の剣を具現化させた霞と、ルーンアックスを小脇に抱えたスヴァルトが吶喊してゆく。
「凄まじい攻撃力です……この身に宿るは戦場の力!」
その破壊力を目の当たりにした仁王は、強固にしたグラビティを仲間達に纏わせ、傷の回復と護る力を与えるが、働き蟻を後退させ左右に配した兵隊蟻は、三位一体となって攻勢を掛けるケルベロス達に次々と出血を強い、ラームスとスピカは回復に忙殺される。
「やってくれるわね。でもこっちも負けてないわよ」
遂に攻撃を蓄積された相棒がその姿を掻き消す中、瑠璃とプロデューサーさんの連携の取れた一撃を受けた働き蟻の片方が、呻きながら片膝をついた。
「もらった……」
片膝をついた働き蟻にアームドフォートを連射し、マフラーを棚引かせながらハリー・エスケープを駆る希里笑。
体を次々と銃弾に穿たれた働き蟻は、仰向けに倒れた所をライドキャリバーに轢かれ、その身に轍を刻まれた。……が、
「希里笑さん危ない!」
スピカの叫びは間に合わず、踏鳴を起こして一気に踏み込んだ兵隊蟻が、希里笑の肩口に喰らい付くと、ライドキャリバーに横合いから拳を叩き込んで吹っ飛ばし、首をぶんぶんと振って宙ぶらりんになった希里笑の体を振り回す。
「癒しの花よ……我が声に応え千々に謳え」
「その口を離すのです」
スピカの足元の魔法陣から花が舞い上がって希里笑を癒し、霞がAnulus Solomonisから出る蒼い光の刃で斬り掛ったのを皮切りに、瑠璃とヴァルスタートも標的を兵隊蟻に変え追撃を図ると、働き蟻の抑えを仁王に任せたスヴァルトも兵隊蟻への戦列に加わる。
「ガハッ! 雑魚どもが群れおって!」
流石に形勢不利と判断したのか、希里笑から顎を外して跳び退きアルミニウムで鎧強化を図る兵隊蟻。
同じ様にラームスが希里笑に回復を飛ばす間に、
「今の内に片付けます。ゼバオトよりもたらされた光、受けてみると良いのです」
羽ばたきによって体の向きを変えた霞が、仁王と斬り結ぶ働き蟻に光の戦輪を投じると、側背を突かれた形となった働き蟻に仲間達が波状攻撃を仕掛け、最後はスヴァルトの一撃を受けて崩れ落ちた。
●
立ち上がった希里笑にハリー・エスケープが寄り添い、彼女はスピカとラームスにもう大丈夫とジェスチャーで示す。
「やはり奴らではオウガメタルは倒せても、ケルベロス相手は無理か」
屍を晒す2体の働き蟻を一瞥した兵隊蟻は、そうごちてケルベロス達を睨み腰を落とす。
「後はあんた一人だぜ。ここはおとなしく退いたらどうだ?」
銃口を向けたままヴァルスタートが言うが、
「ギギッ。このアリア騎士ヴドロボグを侮らないで貰いたい、貴様らなど俺一人で十分よ」
小さく顎を鳴らしてヴァルスタートに答えた兵隊蟻は、大きく顎を鳴らして前衛陣に衝撃波をぶつける。
「バカの一つ覚えだな」
「何度でも支えて見せます」
直ぐにラームスが薬液の雨を降らせ、スピカがケルベロスチェインを展開して回復を図る中、
「では、その大言に見合うだけの動き、見せて貰いましょう」
その衝撃を黒曜壁で受けながら吶喊する仁王が、盾の横からから切っ先を繰り出し、兵隊蟻の纏うオーラを砕きに掛る。
「遅い!」
ニヤリと笑いその切っ先を弾き返す兵隊蟻……だが、仁王の盾の影から左へと躍り出る金髪のツインテール。
「二の矢、三の矢があれば遅くても構わないのです」
スヴァルトが掌を向けると兵隊蟻の口元で爆発が起こり、頭ががくんと後ろへ逸らされる。
「グ……」
「まだまだなのです」
半歩だけ下がって堪えた兵隊蟻が戻した頭。その視界に映ったのは盾の後ろから舞い上がる霞の放った時空凍結弾。今度はギリギリのところで首を横に倒してその弾丸を避ける兵隊蟻。
避けきれなかったのか、側頭部の一部が凍る中、プロデューサーさんの飛ばしたリングと共に、
「四の矢、五の矢も用意しているわ、よっ」
「そうそう。んじゃ最後の仕上げと行きますかー」
瑠璃の放った凍結光線が兵隊蟻の体を強かに撃ち、ヴァルスタートの恋の魔弾が兵隊蟻の脇腹を貫いた。
「グ……ガ……騎士団が揃っていれば貴様らなどに……」
呻いた兵隊蟻が顎を鳴らして衝撃波を飛ばすが、くどいほどに重ね掛けされた数々のエンチャントにより、大した傷も効果も及ぼさなくなっていた。
「こう、なのか?」
ラームスが天に向かって腕を掲げると、黒太陽が具現化し兵隊蟻を黒光で照らす。
その照らされた兵隊蟻の足をハリー・エスケープが轢いて、巻き上げた砂を掛けつつスピンする中、その兵隊蟻の胸板に突き入れられたのは、光武繰輪『閃麟』からいでた光の刃。
「お返し……」
「こむす、め……」
そのまま睨む希里笑に手を伸ばした兵隊蟻が、彼女のマフラーを掴むが、左右後ろから次々と攻撃を浴びせられると、黒い体液を吐いて膝から崩れ落ちたのだった。
「さて、他はどうなったんだろうね。鉢合わせしなきゃ良いけども」
ヴァルスタートが闇の森に目をやる。
この地にはオウガメタルを助けるべく、他に幾人ものケルベロス達が展開しているはずだった。
ヴァルスタートの言う通り、鉢合わせの危険を鑑みた一行は、仲間達の無事を祈りつつ、助け出せたオウガメタルと供に撤退したのだった。
作者:刑部 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年6月22日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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