●
向かい合う螺旋忍軍は、それぞれ夜闇に紛れるには申し分ない黒を身に纏っていた。
「ようこそ、麗月」
目深に被ったシルクハットを僅かに傾けた片眼鏡の男が口端を歪める。歓迎を示すかのごとく慇懃に折りたたんだ腕のまま相手の反応を待つも、暫しの静寂を挟めど返答はない。
相手には口を開くつもりがないのだと察したのか、男は不遜に鼻を鳴らして言葉を続けた。
「螺旋忍軍男爵アダムスが、新たなる使命を伝える。『地獄の番犬を称するケルベロスを、殺害或いは捕縛せよ』」
ご理解頂けましたね、と、わざとらしく肩を竦める。ご丁寧に情報を提供してあげなくとも、襲撃する標的のそれなど、螺旋忍軍ならば自力で調べられるのだから。
アダムス男爵は麗月と呼んだデウスエクスを値踏みするように見遣ったのち、満足げに目を細めた。
「既に上位組織との調整は済んでいる、思う存分暴れてくるがいい」
――ケルベロスに深い憎しみを抱く麗月は、この襲撃作戦に於ける良き手駒となるだろうと。
●
「おまわりさん、さようならー!」
「はい、さようなら」
下校中の子供達からの元気な挨拶に、ジヴェルハイゼン・エルメロッテ(還らぬペルセポネ・e00004)は穏やかに微笑みを返す。
段々と日差しの強くなっていく季節、高い気温に汗ばむ自分の肌をぼんやりと眺めてから、見回りがてら街を歩く。既に地図が頭に入っているといっても過言ではない街並みの中、ふと、細い路地から車道に向かって転がっていくボールが目に入った。
あの路地の先には小さな公園があったはずだ。子供が車道に飛び出したりしないようにと、ジヴェルハイゼンはボールを拾いに走る。
そこまでは、いつも通りの、ごく平凡な日常だった。
車道に至る寸でのところで無事キャッチに成功し、軽く土埃を払って立ち上がった彼女は、唐突にやってきた違和感に浅く首を傾げた。
「……?」
違和感の元を確かめるようにぐるりと辺りを見渡して、狼耳を撫でる風の音がやけに煩いと気付く。
人が、いない。
ボールを受け取りに来る子供はおろか、通行人も、車も、先程まで和気藹々と下校していた児童達さえも。かろうじて感じる人の気配は遠く、周囲に一般人のいない事実を際立たせていた。
何故こんな不可思議な事態に陥ったのかと考えるも束の間、
「――俺の」
ビル風の隙間に男の声が混じる。
思考を走らせるだけの刹那をも許さぬ鋭い刃がジヴェルハイゼンを貫く。夥しい量の喀血がアスファルトを濡らすのも意に介さず、黒衣の螺旋忍軍は無慈悲に刀を引き抜いた。
風穴の開いた胴を押さえ膝を折るジヴェルハイゼンの見上げた男の双眸は、滾る憎悪に赤黒く彩られて。
慟哭に似た低い声は、俺の妹を返せ、と。そう言ったように聞こえた。
●
急務を要すると告げ、セリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)は早速本題を切り出した。
「ジヴェルハイゼン・エルメロッテさんが、彼女の宿敵であるデウスエクスの襲撃を受けることが予知されました」
セリカの深刻な表情から察するに、恐らく本人と連絡が付かなかったのだろう。念の為本人の安否を尋ねると、セリカは答えに窮した様子で唇を小さく噛んだ。
「今はまだ、何とも……」
しかし、彼女と連絡が取れるまで待ってみる、なんて悠長なことは言っていられない。
「一刻の猶予もありません。ジヴェルハイゼンさんが無事なうちに、救援に向かってください」
一度大きく深呼吸をし、それからセリカは改めて敵の説明に移った。
「ジヴェルハイゼンさんを襲うのは『麗月』という名の螺旋忍軍です。能力の詳細は不明ですが……恐らく、攻撃重視の性質を持っていると思われます」
ケルベロスに強い憎しみを抱く麗月は、何より、ケルベロスを叩き潰すためにその力を使うだろう。搦め手よりも、その圧倒的な攻撃力への警戒が必要かもしれない。
「配下の存在はありませんし、人払いは既に済んでいる状態です。ですので、皆さんはジヴェルハイゼンさんの救出と敵の排除に専念してください」
早口で説明を行うセリカの頬に汗が伝う。
緊迫した空気がヘリオン内を満たしていた。
「今回の事件は、螺旋忍軍の新たな作戦によるものです。ケルベロスの皆さんを各個撃破し、こちらの戦力を着実に削っていく目論見のようです」
仲間の無事だけに留まらず、今後のデウスエクスの動向も、ケルベロス達の一挙一動に掛かっている。
「どうか、ジヴェルハイゼンさんを無事に救出し、ケルベロスを襲撃しても無駄だという事を敵にわからせてあげてください」
皆さんの無事もお祈りしています、お願いしますと深く頭を下げ、セリカはヘリオンの操縦席へと急いだ。
参加者 | |
---|---|
ジヴェルハイゼン・エルメロッテ(還らぬペルセポネ・e00004) |
トレイシス・トレイズ(未明の徒・e00027) |
伏見・勇名(鯨鯢の滓・e00099) |
ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720) |
レティシア・リシュフォー(声援アステリズム・e01576) |
百鬼・澪(澪標・e03871) |
ユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876) |
スズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079) |
●
冷たい刃の感覚が腹を貫いたかと思えば、突然の出来事に驚いた身体が事態を把握すると同時に傷は熱を孕んでジヴェルハイゼン・エルメロッテ(還らぬペルセポネ・e00004)を苛む。
痛みをペインキラーで押し殺し、眩む目を眇め。見上げる螺旋忍軍の顔は底知れぬ憎しみに染まっていた。ともすれば、深すぎる怨恨が彼の表情から憎悪以外の感情を抜き去ってしまったかの如く。
強襲を仕掛けてきた男の髪目の色には見覚えがあった。奴の言う妹とは、恐らく、あのデウスエクスのことだろうと見当も付く。ただ――、
――だから、何だと言うのだ。
口の中に残る鉄の味を嚥下して、ジヴェルハイゼンは口端を吊り上げる。
「返せない代わり、妹と同じところに送ろうか」
誰の妹だろうが恨みを買おうが関係がない。屠ってきたデウスエクスの一体が奴の大切な存在であった、と。彼女にとってはただそれだけの話だ。
そも、過去潰した相手も『今から潰すお前』もデウスエクスなのだから、容赦も罪悪感も持ち得ない。
軋む音の聞こえそうなくらい強く奥歯を噛み締める敵を見据え、ジヴェルハイゼンは狼煙代わりのドラゴニックミラージュを打ち上げる。
「例え僕がお前の仇だったとしても……悪は、お前だ」
ジヴェルハイゼンの瞳もまた、デウスエクスへの厭悪に満ちていた。
異変にいち早く気付いたのはヘリオンから位置把握に努めていたトレイシス・トレイズ(未明の徒・e00027)だった。物音や人の流れに注意を向けていたスズナ・スエヒロ(ぎんいろきつねみこ・e09079)も銀の狐耳をぴんと立たせ、同じ方向へ反応を示す。
急ぎ現場に降り立ち、ノーフィア・アステローペ(黒曜牙竜・e00720)は見極めた射程ギリギリの距離から麗月を狙う。
「奪え、ただその闇が欲する儘に!」
指差した先、立体的な魔法陣が展開する漆黒の着弾をしかと濃紅の双眸に捉え、ノーフィアは膝を付く銀髪の人影へ声を投げ掛けた。
「ジヴェルハイゼンかな? 無事?」
「みつけた」
問われた本人より先に伏見・勇名(鯨鯢の滓・e00099)が応じる。初撃に不意を打たれた麗月に畳み掛けるように蹴り技を放ち、勇名はジヴェルハイゼンと敵との間に割り込んだ。
自分の胸に芽生えた気持ち――『友人を助けたい』想いは、未だ勇名にはあまり自覚がない。けれど、振り返れば、きっと彼女は無理をしてでもいつも通りの笑顔を見せてくれそうだから。
(「じぶが痛いの、ぼくはいやだ」)
そう思う理由はわからなくても。
「……やらせない。ぼくたち、相手、する」
立ちはだかる救援のケルベロス達はジヴェルハイゼンを守るように麗月に猛攻を浴びせる。
凶刃の矛先が届かぬうち、回復の任を負う百鬼・澪(澪標・e03871)と彼女のボクスドラゴン、花嵐がジヴェルハイゼンに癒しを施していく。
「奇襲を受けるなんて不甲斐ないな……」
申し訳なさそうに苦笑するジヴェルハイゼンへ、澪はたおやかに微笑んで。
「助けます、必ず。――千槍、賦活」
治癒力を高める緋色の微弱電流に重ねて流麗な花嵐からの属性インストールを受け、腹部の傷はじわじわと塞がりゆくものの、やはり完全には出血を止められない。
各個撃破を目論む螺旋忍軍のやり口は確かに効果的なのだろう。一体ずつ確実にと敵戦力を削る思考形態はケルベロスのそれに近く脅威だ、とトレイシスは麗月を睨んだ。
「我々はケルベロスだ! それ以上の暴挙は止めろ!」
宣言と共に鋭く禍つ針を穿つ。引き摺り出すまでもなく憤怒に塗れた麗月は姿勢を低くしたまま刀の柄をきつく握り締める。
「番犬風情に収める刃など持ち合わせていない」
「左様でございますか。では」
冷淡な声音で言い、ユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876)は優雅な仕草でスカートの裾を摘み上げて折り目正しく一礼する。
美しい立ち居振る舞いはメイドとして、守る者としての矜持を醸し出していた。
「神宮寺家筆頭戦闘侍女、ユーカリ。参ります」
●
ケルベロスの暗殺。敵の作戦概要だけ聞くといかにも螺旋忍軍らしい。
以前にも一般支援者を標的にした暗殺作戦があったことを思い出し、レティシア・リシュフォー(声援アステリズム・e01576)の武器を持つ手には自然と力が籠る。
「誰を標的にしようと同じことですっ!」
いつだって、完璧に防ぎ切ってみせるまでだ。
心優しい少女の抱く守護の想いが星座の輝きとなって仲間達を包み込む。高い攻撃力を誇る麗月との戦線を維持するにはとにかく持ち堪えるしかない、と戦場に視線を走らせる。
油断も慢心もしない。努めて冷静に対処することが仲間を守ることにも繋がるのだ。
施された加護に礼儀正しい謝辞を手早く述べ、スズナは麗月との距離を詰めた。
「何があなたを、そこまで動かすんですかっ!」
スズナの疑問に応えることなく、さりとて歩を止めるでもなく。麗月は流星の煌めきを伴った一閃を左腕で受け止めて彼女をねめつける。
「な、なんなんですか、その眼……っ!」
クラッシャーのスズナが与えるダメージは当然少なくない筈だが、しかし麗月は己の傷に動じることすらせず、真っ向から痛烈な斬撃を返してくる。主人の危機にミミックのサイが庇いに入るも受ける衝撃は思いの外深く……更に、刀に籠められた負の力であろうか、裂傷からサイに掛けられていた守護の力が破壊されていくのが感じ取れた。
澪が地面に展開する加護の鎖陣が前衛を守るように敷かれるが、回復や守護を重ねられるだけ重ねても、一度に削られるダメージ量を考えればそうそう喰らっていい攻撃じゃない。
焦りは内心に押し込め、澪は、口元に穏やかな笑みを添える。ちらりと澪と目を合わせた花嵐の攻撃と入れ替わるようにしてノーフィアの拳が麗月を襲う。
「ほら、また奪われる」
食い千切らんばかりの勢いで顎門の如く迫る掌底を受け、麗月の歩みが止まった。僅かに生じた隙をつき、ボクスドラゴンのペレから属性を付与されたユーカリプタスが肉薄する。
「まずは防御を崩します」
高速演算で導き出された一撃は麗月の身を幾分か下がらせた。それでもなお、敵の表情に変化はない。暗闇の奥底を覗くような目で血涙を流す相手へ、トレイシスも電光にも似た剣撃を放ちながら口を開く。
「何故、強者がそこまで恨みを募らせる?」
自分が手に掛けた者の縁者も、このデウスエクスのように恨みを抱いたのだろうか。
命を奪う術を、命を生かす術へ変えたいと願った自分は、それでも殺しの刃をこの手に携えている。
トレイシスの迷いを感じてか、麗月は薄く口を開いた。
「奪われたから憎む。当然だろう」
――募る喪失感を埋めるものは、もう、どこにもない。
「ああ、わかるよ」
麗月の言葉に、ジヴェルハイゼンが浅く頷く。
「引きずり下ろしてあげるよ」
ざわりと肌を粟立てる怨嗟は数多の黒い人影となって麗月の足元を這いいずる。
「哀より重く、怨より深く――僕と同じところへ落ちろ」
互いにぶつけ合う憎悪。渦巻く闇に魅入られた二人の姿は、まるで歪んだ合わせ鏡のようだ。
奥を見ようとすればするほど、光も届かず、影すらも滲むような。
●
ぐるんと振り被られた巨大な歯車が肉を抉る様はさながら重厚な車輪の蹂躙を思わせる。相殺を狙ったペレが果敢に立ち向かうも、頭突きは重々しい音を立てて弾き飛ばされてしまった。
「ペレー!?」
光の粒になって姿を消すボクスドラゴンの名を叫ぶノーフィア自身の傷も深い。削れた轢傷を必死で塞ぎにかかるメディックの頬に汗が伝った。
「持ち堪えて下さいですっ!」
己の命すら顧みず復讐に全てを注ぐ麗月への対抗手段は、相手の持たぬ連携にあるとレティシアは信じていた。事実、息を荒くする敵が倒れるまで耐えられれば、沈むのは向こうだ。
麗月が戦う動機が、任務だから、という単純なものだけではないのは百も承知だが、
「生憎身に覚えのない事で殺されて差し上げる気にはならないですっ!」
「大体ねぇ!」
軋む身体を最大限に動かして両手の剣を振るうノーフィアも声を張り上げる。
「返せっていうかそもそもそっちが資源を強奪しに来た結果だよねどれもこれも!」
辿れば、こんなものは、侵略者の身勝手な復讐劇なのだと。
「少なくとも私が知る限り、教わる限り。先に力を振るったのは地球人じゃあ、ない」
誇りあるドラゴニアンの少女の言は尤もだった。ジヴェルハイゼンに葬られた件のデウスエクスが何者で、どんな悪さをしていたかなんて知らないけれど、地球に赴いていたからには『彼女』にも何か、地球での任務があったはずなのだから。
ゆらりと傾いだ麗月の口角が歪む。
「それがどうした」
どす黒く粘つく灼熱のような声だった。
自らに疾る斬撃も打撃も跳ね除け、麗月は傷の塞がりきらないノーフィアに手裏剣を叩き降ろさんとする。
「トラッシュボックス仕事をなさい」
が、ユーカリプタスの命令で躍り出たミミックのトラッシュボックスがそれを防いで掻き消えた。すぐさま、ユーカリプタスが腕を掲げる。
「星々の癒し光よ。ここに!」
蠍座の力を解放したユーカリプタスから放たれる治癒の朱い光が前衛に降り注ぐ。
幾重にも積まれた炎の状態異常に身を内側から焼かれながらも、麗月は衰えぬ闘争心でケルベロスに刃向かう。
(「闇討ちしてきて、かつ多対一でも戦える敵……」)
スズナの小さな肩が微かに震える。
「恨み辛みのちから、これほどまで……!」
大切な者を想う気持ちの反動は、こんなにも。
怖気を振り払うように発揮させた狐の妖力、天気雨の双砲が敵を貫く。続く勇名は一度だけジヴェルハイゼンを見遣り、それから低く地を蹴った。
自分はどこか壊れてしまったのではないかと疑念を抱くほどに淡く湧いて出た『心』が勇名を突き動かしている。
勇名の破鎧衝が敵の胴を穿ったのは、脳裏に色濃く残るジヴェルハイゼンの胴に開けられた刀の傷へのお返しか、敵の構造的弱点を見抜く計算処理の結果か。反撃を喰らった勇名へは、的確に声掛けを行う澪の癒しが飛ぶ。
いかに攻撃を繰り返そうにも、一人潰すよりも早く、どのポジションからも治癒が飛び交う。憎々しげに怒号を上げる麗月に、澪が静かに告げた。
「誰であれ、自分なりの正義があるのでしょう」
ずっと羨ましく思っていた怖くて美しい世界で、誰かのために力を使おうと心に決意を秘める女性は、それそのものを否定しはしない。
「けれど、貴方の正義と私達の正義は相容れなかった……それだけです」
「ふざけるな!!」
返る罵倒が耳を劈く。
「正義が何の足しになる。お前達を殺すのに必要なのは力だけだ」
双方満身創痍ではあれど、麗月にはケルベロスを屠るだけの力はもう残されていないだろう。復讐鬼と化した敵の在り方を前に、巡る思考に止まりかける足を「戦いに集中しろ」と叱咤するトレイシスの一閃が螺旋忍軍の左腕を肩口から両断した。
「……ッ」
息を詰めた麗月の鋭い視線の先には、酷く冷酷なジヴェルハイゼンの瞳。
囁くように唇を動かし、ジヴェルハイゼンは魂喰らう棺を具現化する。大きな棺は麗月を呑み込むようにして跡形もなく消失した。
●
「よかった」
それだけ呟いて、気力だけで立っているようなものだった勇名はふらりと倒れてしまった。もしジヴェルハイゼンが無茶をする気だったら、殴ってでも止めようとしていたのだ。緊張の糸が切れてしまったのかもしれない。
疲れ果てて眠ってしまった小さな友人を抱え上げようとしたジヴェルハイゼンも、ぐら、と世界の回る感覚に尻餅を付く。
「わわ、大丈夫です?」
慌ててレティシアが回復を施す。くたくたの身体をむりやり起こして周囲を見回せば、仲間達は皆、自分の心配をして集まってくれたのだと気付いた。
「……皆、ありがとう」
「いえいえ、ジヴェルハイゼンさんがご無事でよかったです!」
藍色の瞳を柔らかく細めてスズナが答える。ユーカリプタスも度々仲間を庇って負ったダメージを澪に癒されながら、丁寧に礼をしてみせる。
ジヴェルハイゼンを支えるトレイシスは、今回の戦いが彼女に刻んだ傷の惨さに眉根を寄せた。怨念の狂気をまざまざと見せつけられた気分だ。
(「男爵の目論み、外れていないのだろうな」)
敵がこのまま各個撃破の作戦を続けようものなら、たまったものではない。
ともあれ、
「助けられて良かったよー」
ほっと一息ついたノーフィアののんびりとした口調が、戦いが終わった実感を連れてくる。
賑やかな明るさを取り戻し始める街に、ヘリオンのプロペラ音が響いた。
作者:鉄風ライカ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年6月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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