
夜更けの繁華街、とあるビルの屋上。
黒い女物のスーツを身に着けた黒髪の女性は、螺旋の仮面をつけた少女に命じる。
「あなたへの命令は、地球での活動資金の強奪、或いは、ケルベロスの戦闘能力の解析です」
その声は淡々として、余計な情緒や感情というものを感じさせない。
「あなたが死んだとしても、情報は収集できますから、心置きなく死んできてください。勿論、活動資金を強奪して戻ってきてもよろしくってよ」
普通の神経を持つ人間であれば、非道と感じるに違いない命令。
だが、仮面の少女もまた無感動に、ただ黙って頷くのみだ。
そして少女……螺旋の忍び『月華衆』は、小柄な身体を夜の街に溶けこませていった。
ところは変わって、繁華街の片隅にある大手チェーンの金券ショップ。
主にブランド物や宝飾品などの買い取りを行っているその店舗は、店頭のガラスショーケースに、高級ブランドのバッグや金ピカの腕時計など、分かりやすく高額な品々を並べている。
「…………」
月華衆の少女は、仕掛けられたセキュリティをあっさりと無効化し、堂々とドアから店内に入り込む。そして、ショーケースに飾られた品々を、手持ちの風呂敷にしまい込んだ。
時間にして、わずか数分ほど。
金品を回収した少女は、再び闇に消えてゆくのだった。
「押忍! 皆、よう集まってくれた。螺旋忍軍が現れて、金品の強奪事件を引き起こすんが予知されたんじゃ」
円乗寺・勲(ウェアライダーのヘリオライダー・en0115)は背筋を伸ばし、ケルベロスたちに事件の説明を始める。
「今回狙われるんは、地方都市の繁華街にある金券ショップじゃ。時計や宝飾品の買い取りと販売を手掛ける、大手チェーンの店の一つじゃな」
勲によると、盗まれる金品は高額だが特別なものではなく、おそらく地球での活動資金に充てるために盗もうとしているのだろう、ということだ。
「こん事件を引き起こしてる螺旋忍軍は、『月華衆』っちゅうてのう。小柄で素早く、隠密行動が得意で、皆が似通った容姿を持つ少女たちで構成されちょる一派なんじゃ」
続いて勲は、『月華衆』の特徴的な戦い方について説明する。
「奴らは、特殊な忍術を使う連中でのう。自分が行動する直前に使われたケルベロスのグラビティの一つをコピーして、同じものを使用してくるんじゃ」
その性質上、相手となるケルベロスたちの技全てを使うことができるが、攻撃手段そのものは、このコピー忍術一つのみだという。
「それとのう。理由は分からないんじゃが、奴らは『その戦闘で自分がまだ使用していないグラビティを優先して使用する』っちゅう特徴もあるようじゃな」
使用していないグラビティが複数ある場合は、その中からどれか一つを選んで使用してくるようだ。
「じゃけん、この特徴をふまえて作戦を立てれば、戦いを有利に進めることができるかも知れん。色々工夫してみると良いじゃろうな」
有利になるも不利になるも作戦次第になるだろう、と勲はケルベロスたちに念を押す。
「こん事件で予知されとるんは金銭的な被害だけじゃが、放っておけば、デウスエクスの力を強化してしまうことになるじゃ。よう分からんことも多い敵じゃが、その思惑をしっかり断ってきて欲しいじゃ……押忍っ!」
いつも通り気合の入ったエールで、勲は皆を送り出すのだった。
参加者 | |
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![]() ヒスイ・エレスチャル(新月スコーピオン・e00604) |
![]() ヴェルセア・エイムハーツ(無法使い・e03134) |
![]() タンザナイト・ディープブルー(流れ落ち星・e03342) |
![]() パトリシア・バラン(ヴァンプ不撓・e03793) |
![]() ウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426) |
![]() 草間・影士(焔拳・e05971) |
![]() ジルカ・ゼルカ(ショコラブルース・e14673) |
![]() 知井宮・信乃(特別保線係・e23899) |
●月下の蕾
夜の街に、ケルベロスたちが集う。
目的は『月華衆』の少女による金品の強奪阻止と、彼女の撃破だ。
「螺旋忍軍は相当お金に困っておるようじゃのう。ひもじい想いをして諜報活動を……って違うのじゃ。諜報活動にはお金がいっぱいかかるのじゃな」
物陰から標的となった金券ショップをそっと見つめ、ウィゼ・ヘキシリエン(髭っ娘ドワーフ・e05426)は立派な付け髭に手をやりつつ、その可愛らしいしたり顔で一人ボケツッコミのようにつぶやいた。
「金品が盗まれたり、お店が壊されたりしても、デウスエクスが相手では泣き寝入りになっちゃうんですよね。当たり前ですけど、請求書を書いても払ってくれないから……」
知井宮・信乃(特別保線係・e23899)はウィゼの隣で、使命感を新たにする。デウスエクスという理不尽な災難を未然に防ぐことができるのは、自分たちケルベロスだけなのだから。
「そうじゃのう。だからこそ、あたし達が頑張らんとのう……と、来たのじゃ」
ドワーフの夜目を凝らして店の入口を注目していたウィゼが、仲間たちに注意を促す。その視線の先に居るのは、螺旋の仮面を被った小柄な少女だ。
「……」
少女は迷いのない足取りで、店の入口正面に向かい堂々と歩いてゆく。罪の意識などは微塵も感じさせずに淡々と使命を果たそうとする様子は、いかにも忍びの者といった風情だ。
(「月華衆の相手はこれで二度目ネー。懲りる様子がないってことハ、一定の成果があるってことデスネ。使い捨てるコストよりメリットが上回る……と。フムン」)
そんな少女の振る舞いを観察しながら、パトリシア・バラン(ヴァンプ不撓・e03793)は緑色の瞳の奥で思考を巡らせる。一見非効率的にも見える作戦の奥にある敵の真意は、果たしてどんなものか……ともあれ、今回のシンプルな目的はただ一つ、相手を確実に殲滅するのみだ。
「日本のニンジャって、かっこいいと思ってたケド。捨て駒で、誰かの借り物で……なんだか、ちょっとだけ、可哀想だね」
「少女の見た目、目的は盗み、戦闘はデータ収集でしかも使い捨て……やりにくいですね、どうにも」
ジルカ・ゼルカ(ショコラブルース・e14673)とタンザナイト・ディープブルー(流れ落ち星・e03342)は、少女を目の前にして思う所ありげだ。心優しい二人にとっては少しばかりやりにくい任務でも、相手がデウスエクスである以上、ケルベロスたちのやるべきことは変わらない。つくづく番犬は楽ではない、とタンザナイトは心の中でひとりごちる。
そんな二人の思いなど知る由もなく、月華衆の少女はあっさりとセキュリティを破り、店のドアを静かに開けた。
「オヤオヤ、強盗かイ? いけねぇなァ、盗みは犯罪だゼ」
「……!」
頃合いと見て、ヴェルセア・エイムハーツ(無法使い・e03134)が少女の背中越しに声をかける。自分自身も欲望のままに欲しいものを手に入れる怪盗を自認しているヴェルセアは、余裕しゃくしゃくの皮肉な視線を少女に送り、くるりと器用にナイフを構えた。
月華衆の少女は声を上げずに素早く振り向き、瞬時に状況を理解したようだ。
「忍者だけあって器用なものだ。まあ、折角だ好きなようにしておけ。冥土の土産代わりにな」
「ふふ……私たちのグラビティ、タダで盗ませるつもりはございませんよ」
その間にも、ケルベロスたちは手際よく散開し、少女を取り囲む。草間・影士(焔拳・e05971)とヒスイ・エレスチャル(新月スコーピオン・e00604)は、それぞれカバーする範囲をしっかりと意識しながら、万が一にも少女を逃がさないように立ちふさがった。
●開花
「……」
包囲された月華衆の少女は、静かに月下美人の模様が彫り込まれた武器を構える。素早さを活かした戦い方をするとの事前情報通り、その動きはケルベロスたちの誰よりも早かった……が、仕掛けてくる様子はない。もう一つの特徴的な事前情報、使用された技をコピーするという特性のゆえだろう。コピーする元がなければ、動きようもない。
「ちょこまか動かれると厄介ですので、止めさせていただきますよ」
その隙を逃さずこちら側の一番槍を取ったのは、ヒスイだ。相手の機動力を奪おうと、重力を宿した流星の蹴りが少女に襲いかかる……が、直撃すればただでは済まない火力を持つヒスイの一撃は、惜しくも紙一重でかわされてしまった。回避と命中を高める戦術を取ることで元々の素早さをさらに補強している少女に攻撃を当てるのは、やはり容易ではないようだ。
「チ、鬱陶しいナ……!」
ヒスイに続き、ヴェルセアも煌めく蹴りに力を込める。こちらは命中を高める立ち位置が効いたのか、何とか少女の身体を捉えることができた。
「……さあ、飛んで」
ジルカは前に立つ味方たちに、きらきらと銀色に輝く『妖精の燐粉』をふぅ、と吹きかけて支援を施す。厄介な相手だからこそ、着実にできることを……そんなジルカの願いが通じたのか、追加効果は二重にも三重にも前衛たちを包み、頼もしくその身体を守護している。
「もしあなたが、ワタシが前に殺したニンジャの情報を持ってるナラ、ワタシの技を見なくても使えるんじゃない?」
「……」
(「……応えてくれるわけもなし、か」)
分身を身にまとい己の抵抗力を高めるパトリシアの問いに、少女はまったく反応しない。予想通りの反応に、パトリシアは心の中で軽く肩をすくめ、再び戦いに集中する。
「紳士たる者、いかなる困難にも屈せぬのじゃ」
ウィゼも続いて、振りかかる困難を慌てず優雅に乗り越える者、誇り高き紳士の魂……すなわち付け髭を取り出し、鼻の下にひょいと乗せて己の力を蓄える。回復役をしっかりと務め上げるため、ぬかりなく準備万端に。ウィゼは小さな身体で堂々と胸を張り、しっかりと大地を踏みしめた。
またタンザナイトと信乃も、月華衆の戦い方がもたらした初手の余裕を強化に充てる。タンザナイトは地面に描いた守護星座の軌跡で、信乃は幻影を纏った分身で、味方たちの抵抗力を高めていった。
「……行くぞ」
火力役に集中するため全て攻撃グラビティで揃えてきた影士は、仲間に貰った支援を力に変え、一気に少女との間合いを詰める。そして力任せに叩きつけるように、己のグラビティ・チェインを乗せた一撃を繰り出した。
「……紳士たる者、いかなる困難にも屈せぬのじゃ」
ケルベロスたちの攻撃が一通り回ったところで、月華衆の少女は初めて声を発した。ついさっきウィゼが言ったものとまったく同じ、それでいて少し棒読みな台詞。ヴェルセアと影士に攻撃を叩きこまれた少女は、己の体勢を整える選択をしたようだ。律儀なことに、どこからともなく取り出した付け髭までしっかりつけている。
「お、お主その付け髭をどこで手に入れたのじゃ。その紳士の誇り溢れる姿、で、できるのじゃ」
ウィゼはむむぅと唸り、少女の手を抜かないコピーに思わず感嘆の声を漏らす。威力の大きな自己限定回復技とあって、ヒール可能な範囲の傷はほぼ塞がってしまったようだ。
「どんな技でもつかえるようになる、ってのはとっても便利だわ。……でも使えるってことと使いこなすってことは別よ、お嬢ちゃん。いや、坊ちゃんかもしれないけど?」
「……っ!」
パトリシアは臆せず少女の身体に絡みつき、しなやかに身体を反らして捻る。これぞ、彼女秘伝のフォーティーエイトアーツ・ナンバートゥエンティトゥ、すなわち和風に言えば四十八手の二十二番。『バビロンストレッチ・TG』、またの名を大淫婦乱れ絡みだ。パトリシアのぷるんと張ったバストや太腿は少女の身体を艶やかに締め上げ、少なからぬダメージを与えたようだ。
「シシッ! じゃあ俺ハ、こいつだナ」
パトリシアの色々な意味で身体を使った技に呼応し、ヴェルセアは素早く唸る拳を振るう。できるだけ属性を合わせることで、あわよくば相手の攻撃に見切りを誘う作戦だ。
「全く、死をも恐れずに命令を遂行するその姿、虫唾が走ります」
ヒスイも同じ技で続き、属性を合わせる作戦をアシストする。普段は柔和なヒスイの、笑顔を崩さないながらも辛辣なその物言いは、ある種自分に境遇の近い少女との戦いを楽しんでいるのだろうか。
「器用に真似るようだが、この太刀筋は写せるかな」
続く一撃は、影士だ。素早く刀を抜き、緩やかな弧を描く斬撃が少女に吸い込まれてゆく。
「……」
少女は返事代わりに、影士がたった今放ったものとまったく同じ軌道を描いた一閃を寄越した。
「……! 凄い、始めて使う技のはずなのに、強い……」
影士めがけて放たれた一太刀をかばって受けたタンザナイトが、思わず声を漏らす。守り手として防御を固めていてもなお鋭く切り裂かれた一撃は、一人で任務におよぶデウスエクスの力量を物語っているかのようだ。
「み、みんな……全員で属性を合わせるのは、ちょっと、難しい、かも!? 見切らせるの、こだわり過ぎないで、自分の得意な技、確実に使っていく、ほうがいい、かも」
ジルカが、少し震え気味の声を仲間に送る。味方の技と少女の技を注意深く確認していた彼は、属性を合わせる作戦を意識している仲間と、そうでない仲間が混在していることに気付いたのだ。
「イエス、了解デース!」
ならば、こちら側も見切りのリスクを負う作戦は捨て、それぞれの得意な戦法を着実に叩き込むまで。パトリシアの陽気な返事と共に、ケルベロスたちは戦いの佳境に備えるのだった。
●綻ぶ花弁
「俺が謂うなら本当ダ。三度唱えて現実となル」
ヴェルセアの手に三本のナイフが現れ、曲芸師の手妻のように複雑な軌道で少女の手足が斬りつけられる。それとほぼ同時に、ヒスイが指輪から発する光の剣の切っ先を合わせた。
「ねえ、この人数差で勝てると思ってる? 逃げた方が得策じゃナイ? どう考えてもワタシたちを殺す準備ができてるとは思えないケド」
仲間たちの連続攻撃に、パトリシアは左右の腕に纏った金と銀の籠手の加速を乗せながら、少女に語りかける。
「俺が謂うなら本当ダ。三度唱えて現実となル」
「……っ!」
相変わらず、少女の応えはない。ヴェルセアの詠唱と三本のナイフをコピーした一撃は、本家本元に勝るとも劣らない威力で、信乃の武装を激しく切り裂いた。守りの構えを取っていてもなお手痛い一撃に、信乃の口から抑えた悲鳴がこぼれる。
「む……無理して倒れちゃだめだよ!」
「大丈夫、回復ならあたしに任せるのじゃ」
仲間が傷つき焦りを見せるジルカごとフォローするかのように、ウィゼは強引な施術ですかさず傷を癒やす。癒しの戦術で高められた回復力で、信乃はどうにか体勢を持ち直した。
(「……! 怖くない、なんてウソだけど、でも……俺は俺の望むホンモノに、なりたい」)
ウィゼの頼もしい癒しに、ジルカも自分を取り戻す。憧れの人の頼もしい背中を思い浮かべながら、ウィゼはファミリアロッドをしっかりと握り直した。
「当ったれぇ!」
ウィゼの気合いと共に、本来の姿に戻った杖は激しく少女の身体を打ち据えた。気力が乗って本来の威力を大幅に上回る一撃に、少女の身体がぐらりと揺れる。
「もう止めませんか? 地球に来るなら、歓迎しますよ? タンザ達は少なくとも貴方を道具扱いしたり、こんな風に一人ぼっちで戦地に送り出すような真似はしません」
小さな身体に大きな傷を負った少女に、タンザナイトが呼びかける。今までの様子から届かない言葉だと分かっていてもなお、黙って見過ごすことなどできない……それは彼の信念だった。
「……」
やはり少女の返事はなく、黙って武器を構えるのみだ。タンザナイトは胸中を押し殺し、ゾディアックソード『大星願』を振り下ろした。
「……あなたはヤッパリ、使い捨て? 人材が豊富で羨ましいことダワ」
戦いもそろそろ終盤に近づいてると察し、パトリシアは温存していた気脈を断つ力を込めた指先を、容赦なく少女に突き立てる。
「……忍者は隠れてこそ強さを発揮するもの。見つかった忍者なんて、潜れなくなった潜水艦のようなものです!」
彼女に続いて、達人の技を乗せた信乃の刀が振り下ろされる。バスケットボールのディフェンスのように張り付いて、少女の進路を塞ぐことも抜かりない。任務におよぶ螺旋忍軍が逃げる可能性は少なくても、物を壊したり悪あがきの盗みを働くかも知れない……信乃は戦いが終わった後のことも考え、念には念を入れて動く。
「……!」
短い気合いを入れ、少女は信乃の一撃を真似た反撃の刀を振り下ろした。残る力を振り絞るかのような斬撃は、強烈な当たりとなって影士にたたらを踏ませる。
「写せるものなら写してみろ。お前の魂に焼き付けてな」
だがそれこそが、少女の限界が近い証……そうと察した影士は、素早く体勢を整えていったん距離を取り、己の魂から生み出した炎の弾丸を打ち付ける。
敵の不意を付く様に、此処で決めるという意思を表すように。炎が吸い込まれた少女の身体を影士は空中へ叩き上げ、炎をまとった拳を激しく叩き落とした。
「写せるものなら……」
それでもなお技を真似ようとした少女の声が、かすれて途切れる。
それが、写そうとして写しきれなかった忍びの、最後の言葉だった。
●献花
「……ごめんなさい。次は、真っ当に愛される生になれますように」
タンザナイトは戦いで荒れた店の壁にヒールを施しながら、月華衆の少女に追悼を捧げる。
「被害状況は軽微ですね、後は彼女が盗んだものを戻して……って、あっ! ヴェルセアさん、何やってるんですか!」
少女が盗んだものをディスプレイし直そうとしていた信乃が、見過ごせないものを見つけてしまい、強い口調で咎め立てる。怪盗の習性で、ちゃっかり宝飾品を懐に入れていたヴェルセアだ。
「なんだヨ、これくらい正当報酬ってもんだろうガ」
「…………」
「わぁーったヨ、手癖でやっちまっただけダ。もとからこんな安モン興味ねぇサ」
規律正しい鉄道員の誇り溢れる睨みでじっと見つめる信乃に、ヴェルセアはあっさり折れて宝飾品を棚に戻す。元の場所に戻されたアクセサリーは、月の光を受けてきらきらと輝いた。
「……俺はやっぱり、かっこいい忍者がいいな」
その光をまぶしそうに見つめ、ジルカがぽつりとつぶやく。
月下美人の忍びは、何を思ってこの任務に及んでいたのか……月の光は、ただ黙って煌めきを照らすのみだ。だが相手の目的が分からなくとも、ケルベロスに被害を見過ごすという選択肢は存在しない。
夜の街は、静かにいつもの平穏を取り戻していった。
作者:桜井薫 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2016年6月11日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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