星霊戦隊アルカンシェル~蒼星墜つるか

作者:一条もえる

「これは星霊戦隊アルカンシェルの、討伐作戦です」
 セリカ・リュミエールは姿を見せるなり、緊張した面もちで集まったケルベロスたちに告げた。
 これまで、ケルベロスたちはその行動を察知しておきながら、5人のエインヘリアルを相手にすることはできず、歯噛みしていたのであるが。
「それに対し、複数のチームを編成することにしました。敵を分断し、それぞれのチームで1体ずつ、撃破するのです」
 次に敵が現れる場所は、予知によって察知できている。
 そこに、編成した5つのチームから1人ずつ、『囮』を出す。その5人がまず攻撃を掛け、挑発し、それぞれのチームメイトが待つ地点まで敵をおびき出すのだ。
 鬱憤がたまっているケルベロスではあるが、敵の方も、攻性植物を撃破され続け心中穏やかではないはずだ。うまくすれば、1体ずつ釣り出すことができるだろう。
「このチームには、スターブルーを担当してもらいます。
 囮役を志願する方。この作戦の成否はあなたにかかっていると言っても過言ではありません。
 待ち伏せの皆さん。囮となる方は、姿を見せた時には……よくて……満身創痍でしょう。敵を撃破するのは、残りのみなさんの役目です」
 と、セリカはケルベロスたちを見渡して言った。
 敵を引きつけるのにも工夫が要る。
 こちらの作戦を逆手に取られ、誰かが複数のアルカンシェルに追われるような事にでもなれば苦戦は免れない。囮の危険が増すだけでなく、待ち伏せした者たちも危ない。空振りしたチームが来援するまでに全滅してしまうかもしれないのだ。
「スターブルーは一見して、任務に忠実で穏やかな物腰ですが……」
 と、セリカは意味ありげに目配せする。
「それは仮面、と見ました。その奥には多分に自尊心が高く、嗜虐的な顔が隠れているのではないでしょうか?」
 待ち伏せするのは、某所の学校である。
 広さも十分、学校関係者や近隣住民の避難も事前に済ませられる。
 校庭を利用すれば、敵を包囲するという体は取りやすい。ただ、見通しがいいぶん敵が状況を掴み、体勢を整え直すのも早いだろう。
 校舎は3階建て。「H」の字型である。こちらを戦場に選べば不意をつきやすく立体的な戦いが出来るが、それは相手も同じ事だ。
「現地でどういった作戦をとるかは、実際に赴く皆さんにお任せします。
 敵は『惨殺ナイフ』を使用してきます。十分注意してください」

「星霊戦隊アルカンシェルの活動は、エインヘリアルにとっても重要な作戦の一部だと思われます。
 各個撃破出来れば、敵にとって大きな痛手となるでしょう。どうか、よろしくお願いします」


参加者
ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)
茶斑・三毛乃(化猫任侠・e04258)
羽丘・結衣菜(マジシャンエルフ・e04954)
フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)
ローレン・ローヴェンドランテ(セカイは変わらない・e14818)
尾神・秋津彦(走狗・e18742)
神野・雅(玲瓏たる雪華・e24167)
レイリア・スカーレット(鮮血の魔女・e24721)

■リプレイ

●強大すぎる敵
 深夜、住宅街の近くにある小さな公園。
 予知にあったとおり、星霊戦隊アルカンシェルはそこに姿を現した。
 これまでと同じく、彼らはなにやら周囲の様子を窺っている。オーズの種を探しているのだろう。
「スターブルー……!」
 茂みに隠れてそれを窺っていたフローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983)は、思わず唾を飲み込んだ。やたらと喉が渇く。
「……行きましょう。ココロの力、それを信じるのみです!」
 携帯電話でイリス・ローゼンベルグに合図したフローネは、立ち上がりアルカンシェルの前に姿をさらした。
「高名なスターブルー殿とお見受けします。いざ、尋常に勝負を!」
「……一騎打ち、だって?」
 スターブルーは呆れたように肩をすくめるが、フローネはかまわず仕掛けた。
 弓弦を力の限り引き絞り、妖精の加護を宿した矢を放つ。命中こそしたものの、スターブルーは平然とした顔で肩から矢を抜いて放り投げた。
 視線を巡らせば、イリスが攻性植物を槍のように尖らせスターローズに襲いかかっている。
「アグリム軍団『暴厳の斧鉞』でさえも突破できなかったこの『紫水晶の盾』、貴方に破ることができますか!」
「……身の程というものがわからなくなった者は、度し難いね」
 フローネがオーラを膨らませて放った『気咬弾』を、スターブルーは軽く跳躍しただけで避ける。
「……思い知らせてやろうか」
 来るッ!
 フローネは身構えた。盾を構え、両足でしっかりと地を踏みしめて。
 薄く笑ったスターブルーは迅雷のごとき速さで懐に飛び込むと、惨殺ナイフを煌めかせる。それは深々とフローネの脇腹を切り裂いた。
 苦痛を見せまいとしていたのだが、漏れ出た悲鳴は隠しきれない。おびただしい血が辺りに飛び散り、フローネは膝をついて悶絶した。
「ぐ……」
 甘く見ていた。
 とても防ぎきれるものではなかった。内蔵が傷ついている。身体に力を込めると、喉に血がこみ上げてきた。
 血塗れになった口元を拭いつつ、なんとか立ち上がった目の前に、口の端をつり上げたスターブルーがすでにいた。再び、ナイフが煌めく。
 1対1では、とても勝負にならない。時間稼ぎにさえ。挑発も演技も、圧倒的な力の差には無力。
「それでも、約束の地点まで、必ず……!」
 朦朧とし始めた意識の中、フローネはアメジスト・シールドを展開して攻撃を防ぐ。
 だが。
「苦しむ時間が増えるだけのことだ」
 スターブルーのナイフがフローネに無数の傷を増やしていき、彼女の意識はついに途切れた。
 遅れて突入したロア・イクリプスとガロンド・エクシャメルの両名も強大な敵の前に圧倒されている。このままでは全滅も時間の問題。
 止めを差さんと、スターブルーがナイフを振り上げた、そのとき。
 茂みから身を踊らせ、飛びかかったのは白波瀬・雅。閃光のごとき蹴りが、スターブルーを弾き飛ばした。
「……ぐっ!」
 驚愕の表情を浮かべて、スターブルーが受け身をとる。なんという、その威力!
 暴走した白波瀬・雅の力。アルカンシェルが動揺した隙に、ロアたちは戦場を離脱していく。
「ルージュ、ローズ、ジョーヌ! それぞれ後を追え! 俺は……奴らをしとめる!」
 仲間たちに指示を飛ばしたスターブルーは、苛立ちを見せつつ白波瀬・雅たちを追った
「申し訳ありません、不甲斐ない……」
 白波瀬・雅に抱き抱えられたフローネは小さく呟き、また意識を失った。

●急げ、仲間のもとへ!
 待ち伏せ地点である、学校。
 そこに控える尾神・秋津彦(走狗・e18742)の持つ携帯電話に、メールの着信があった。
「これは……まずいことになっておりますぞ!」
 秋津彦どころか、それをのぞき込んだ全員の表情が青ざめる。
 スタールージュ、スターローズ、スタージョーヌの三者をそれぞれ釣り出すことには成功したものの、スターブルーはフローネらを追い始め、スターノワールもその援護に向かっているというのだ。
 それをフローネは、半ば意識を失いつつ伝えてきてくれた。
「つまり……あっしらはここで待ちぼうけッてぇことかい」
 茶斑・三毛乃(化猫任侠・e04258)は冗談めかして言ったが、その目は鋭く細められる。
「こうなっちゃったからには、ここにいたって無駄! 早く助けに行くわよ!」
 まったく、羽丘・結衣菜(マジシャンエルフ・e04954)の言うとおりだ。
 彼らは待ちかまえていた学校の校庭を放棄し、救援に駆けつけるしかなくなった。
「急いでも……5分ほどはかかるか」
 レイリア・スカーレット(鮮血の魔女・e24721)がちらりと、時計に目を走らせる。
「戦いの音が、ここまで響いてくるね」
 と、ローレン・ローヴェンドランテ(セカイは変わらない・e14818)は呟いた。
「みな、無事でいてくれよ……!」
 神野・雅(玲瓏たる雪華・e24167)は歯を噛みしめつつ、走る。
 一瞬のうちに同胞の元にたどり着けぬ我が身が、実にもどかしかった。
 鎮守の森はすでに、激戦の爪痕が刻まれていた。
「思い出すか、悪夢を?
 もっともお前たちの最大の悪夢は、ここで切り刻まれ、死ぬことだろうけれどね!」
 スターブルーが、倒れたアルヘナ・ディグニティにナイフを向ける。今にも止めをささんと、それを振り上げた。
「さ、させねぇべッ!」
 ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)は叫んで飛び出すと、
「起動、クロノスハートッ! 粉砕レベル金剛石! 砕け散ってくださいッ!」
 腕装着型の粉砕機を振り上げた。
 ティオはその巨大な腕の中にスターブルーを押し包もうとしたが、すんでのところで逃げられてしまった。
「お勤めご苦労さんです。後はあっしらが引き受けやした。しばし、お休みを」
 と、三毛乃は傷ついたケルベロスたちを労る。
「またしても、ケルベロスか」
 スターブルーが渋面を作り、ティオを睨んだ。
「射程範囲に捉えたわよ、アルカンシェル!」
「この地を害するエインヘリアルよ、貴様たちを始末するのが私の使命。覚悟してもらおう」
 結衣菜とレイリアがそれぞれ、スターブルーとスターノワールとに得物を突きつけて身構えた。
「いよいよ、年貢の納め時ですぞ!」
 と、秋津彦も敵を囲む輪に加わるが。
「……どうだろうね。ボクらのほうが、返り討ちかもしれないよ」
 ローレンの小さな呟きを耳にして、頬をひきつらせた。
 そのローレンが纏うブラックスライムが、大きく『口』を広げてスターブルーを飲み込んだ。
 そこから脱したスターブルーはこれまで浮かべていた嘲笑をおさめ、表情を消す。
「すまない、俺の判断ミスだ。これはケルベロスどもの罠だ。我々を分断し、ひとりひとり殺していくための。
 ……これではアルカンシェルの参謀などと名乗れないな」
「貴様は、必ず此処で斬り捨てるッ!」
 レイリアが繰り出してきた神速の突きをナイフで受け止めて弾き、スターブルーは自嘲めいた呟きを漏らした。
 スターノワールは肩をすくめ、
「謝るな。そんなゆとりがあるなら、足掻いてみせろ。参謀殿、ここからの最善手はなんだ?」
「分断された仲間を集め、ケルベロスどもを撃破する態勢を整える。何人でかかってこようと、5人そろったアルカンシェルの敵ではない」
「ならば、お前は急いで仲間の元へ。
 ここは……俺が抑えるッ!」
「すまない!」
「まさか、しっぽを巻いて逃げる気ですか? まぁ、アルカンシェルの中では一番弱そうですから。賢明かもしれませんね」
 と、ティオが鼻を鳴らした。
 口では小馬鹿にしたことを言っているが、内心は。スターブルーに睨まれると膝がガクガク震えて、もぉ泣きそうである。
 加えてレイリアも、
「我々を始末する余裕さえないわけか」
 と、嘲りの顔を向けた。
 しかしスターブルーは視線をそらして跳躍し、森の中へと消える。
「あ、待ちなさいッ!
 音も光も拍手もないマジックショーは、これから開幕よ!」
 結衣菜は叫んだが、
「俺を無視するとは、いい度胸だ!」
 と、スターノワールが立ちはだかり、やむを得ず『無明凶襲』はそちらに向かって放たれた。傷を負ったスターノワールは一瞬だけ顔を歪めたが、
「ブルーが間に合えば……星霊戦隊は生き残る。俺は……」
 消えた仲間の方を見やって呟いたのち、ケルベロスたちを睥睨する。
「……互いに思惑通りにはいかなかったようだな。術策の出番はもう終わりだ。後は力が、全てを決める。さあ、掛かって来い! 星霊戦隊のスターノワールが、相手になろう!」「予定とは変わりましたが。相手が強敵であっても、ここにいる全員で立ち向かえば必ず勝てますぞ!」
 秋津彦は『天狼星の瞳』を、仲間たちに宿す。
「天狼星の瞳は、スターノワール……貴殿の骸をはっきりと映しておりますぞ!」

●黒き星、墜ちるか
「今宵語りしは黄金郷に住まう少女の譚……彼女は癒す者、其の身を捧げて万人に祝福 を与えた聖乙女!」
 雅の秘術。その癒しの術で、先発したケルベロスたちの傷を癒す。
 アルカンシェル2人を相手に、勝ち目などないと悟った彼らは我が身を盾として、持ちこたえてくれていたのだ。
「あっしらが来たからには、好きにはさせねぇ! このオーラ、とくとご覧ッ!」
 三毛乃が放った『気咬弾』が、漆黒の鎧で弾ける。
「ふふ、その程度か。手本を見せてやろう!」
 相手も同じくオーラの弾丸を放ち、必死に避けようとした三毛乃だが弾き飛ばされて、大樹の幹に背を打ち付けた。
「言うだけのことは、あるじゃない!」
 ローレンが放った流星の蹴りを正面から受けたスターノワールは、しかしそれで怯むこともなく、拳を繰り出した。
 とっさに腕を交差させたローレンだが、その腕ごと吹き飛ばされる。
「ぐぅッ……威力が段違いなのは、認めるしかないでござんすね」
「そのことだけが勝敗を決めるわけではないだろう。
 三毛乃殿、私は医者だ。医者は何のためにいる……?」
 雅はケルベロスチェインを地に展開して起きあがった三毛乃の傷を癒すとともに、仲間たちを護る力をそそぎ込む。
「そう、迫る死を遠ざけるために……だ!」
「ショーは簡単には終わらないわよ!」
 と、結衣菜も守護星座を輝かせる。
「心強ェことさァ!」
 三毛乃がニヤリと笑って立ち上がった。
 スターノワールはそれを見て、かかってこいとばかりに手招きする。
「余裕か。はたしてそれがいつまで続くのか、試してやろう!」
「逃がす気はありませんからね!」
 レイリアの全身が光の粒子へと変じ、ティオは高速で身体を回転させ突進した。
 スターノワールは身をよじり、ティオが激突したのは樹齢数百年の大樹。しかしわずかに生まれた隙が、レイリアの突進を避け得ないものにした。
 さしものスターノワールからも、苦悶の声が漏れる。
「私たちの底力、見せてあげるわ!」
 ゾディアックソードを両手に構えた結衣菜が斬りかかる。しかし相手は右手の剣をわずかに上体を反らしただけで避けると、左手めがけて音速の拳を打ち返してきた。
「舐めるなッ!」
「きゃあッ!」
 吹き飛ばされた結衣菜はゴロゴロと地を転がり、土にまみれる。鈍い痛みは、骨にヒビでも入ったからかもしれないが、こんなものッ!
 その結衣菜に光球が飛んできて、ぶつかる。
「その傷、小生がふさぎますぞ!」
 それを放ったのは秋津彦だ。
 スターノワールは音速の拳とオーラの弾丸とを立て続けに繰り出し、それを喰らったケルベロスたちは何度も膝をついた。
 しかしその都度、誰かが仲間を庇い、癒しの技が飛ぶ。
 満身創痍となっている先発組も、痛みを押しつつ戦い続けている。
 リリー・リーゼンフェルトの放つグラビティが、仲間たちを癒やしている。
 池・千里子の蹴りが僅かにスターノワールの態勢を崩し、流水・破神のチェーンソーが唸りを上げてその足を裂く。
 それだけではなく、
「逃がさないわよ、お生憎さま。私、今日のラッキーカラーは黒なんだわ……悪運、だったけどね!」
 一式・要のオーラが激流を思わせる轟音と共に、スターノワールに襲いかかった。
 こちらも負けてはいられない。
「楽しいかい、戦いは! はは、そのとおりだね。皆、一緒。同じ仲良し、友達、でしょ?」
「生憎と、そいつもいつまでもは続きゃァしないのさ。御照覧、こいつがあっしの爪でござんす!」
 微笑みを浮かべたローレンが創り出した蒼い炎の刃が、まるでローレンと同じ傷跡を残そうとするかのようにスターノワールを襲う。
 三毛乃の爪によって深々と切り裂かれた胸から噴き出した血が、彼女に降り注いだ。
 暴風のごときスターノワールの動きが、さすがに止まる。
「皆さんの覚悟、引き受けます!」
 跳躍したティオは大上段から、大斧を振り下ろした。スターノワールは腕を交差してそれを防いだが、腕甲を砕き、深々と刃は食い込んだ。
「もはやここまでであります! ふたつの星座の超重力で、墜ちよ、黒き星よッ!」
 秋津彦の放った十文字斬りで、スターノワールは動きを止めた。
 ……かに、見えたが。
「うおおぉッ! まだだ、星霊戦隊アルカンシェルは、この程度で敗れはしない……!」
「なんという……」
「しぶとさなの! そんなアンコールなんていらないから!」
 と、気力を溜めて立ち上がったノワールの姿に、雅と結衣菜も驚きで目を見張った。
 それでも、癒しきれない傷はある。全身から血を噴出させ足下に血溜まりを作りつつ、スターノワールは進む。そして変わらずの恐るべき威力を秘めた拳で、襲いかかってきた。
 仲間たちが庇いきれなかった一撃が、レイリアを襲った。それを喰らった彼女も口の端から血をこぼしつつ、呟いた。
「敵ながら天晴れ……と、認めないわけにはいかないな」
 拳を喰らっても、彼女は再び立ち上がった。その後ろには、助けてくれる仲間たちがいるのだ。
「それでも、貴様がこの地を害する者であるかぎり……これが、私の使命だ」
 空の霊力を込めた、斬撃。
 それはスターノワールの全身の傷を斬り広げ、ついに強大な敵は血の海に沈んだ。

「互いに策も、力も、出しきったな……俺の、負けだ。だが俺も……ブルーを護り抜いた。悔いは、ない……」
 それが、スターノワールの最期の言葉だった。思いの外、穏やかな表情で。
 それを見下ろした雅は急ぎ、フローネに駆け寄る。重傷を負っているが、幸い命は無事だ。しかし暴走した白波瀬・雅の姿は、いつの間にか見えなくなっていた。
 結果。スターローズとスタージョーヌの撃破に成功したという連絡はあったが、スタールージュは逃してしまった。また、彼らの支援に失敗したスターブルーの行方も、ようとして知れない。
「満願成就、とはいかなかったでありますな」
 秋津彦が口をへの字に曲げ、ため息をついた。
「それでも、私たちは生き残ったのだ」
 傷つきながらも奮闘した仲間たちの姿を見やりつつ、雅は頷いた。

作者:一条もえる 重傷:フローネ・グラネット(紫水晶の盾・e09983) 
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年6月3日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
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