
●薄暗い研究室
紫色のマントを纏った男が、実験で生み出した飛空オークを集めて熱弁をふるう。
「これ以上の性能を得るには、新たな因子の取り込みが必要なのだ! だからお前達は人間の女を襲って、新たな子孫を生み出さなければならなァい!」
男がそう言うと、飛空オークたちは喜びの歓声をあげた。
「子孫を実験体にすることで、飛空オークは更なる進化を遂げるのだ!」
飛空オークたちは男の命に従い、喜び勇んで出発するのだった。
●山奥の温泉地
春爛漫、ほのかに花の匂いが香る山奥の温泉地。
春の連休を利用して、女子大柔道部の合宿が行われていた。
「さすが地元の人にしか知られてない穴場! 私たちの他には誰もいないわ!」
「貸切ですね、花山せんぱーい」
「さあ、皆! 私たちは今日、自然に還るのよっ」
花山先輩は服を全て脱ぐと、バスタオルを体に巻いて、温泉へと走っていく。
「先輩、待ってください~。というか、タオル巻いたまま入るんですか?」
同じようにタオルを巻いた部員たちが追いかけてくる。
「そりゃ、一応混浴だし、誰か訪れる可能性も……」
「恥ずかしがることなんてないわ。ここには私たちだけですもの」
「先輩の鍛え抜かれたその体。おっぱいも筋肉でできてるってホントですか?」
「触って確かめないと、皆、かかれー!」
きゃあきゃあ笑いながら、部員達は一斉に主将の花山先輩に飛び掛かっていった。
「ちょっと、いやあん、やめてーっ」
花山先輩が皆の手から逃れるために、温泉に飛び込もうとしたその時だった。
「グヘヘヘ、タオルなんてジャマジャマ」
突然、強い力で女性達のタオルがはぎとられる。
「ブヒャヒャ~。俺の好みのカラダだ。おマエもらう」
「俺はコッチの、もっとヤワラカそうなのを持って行く」
空から降ってきた触手が、女性達のタオルを剥ぎ、清らかな体を縛り上げていく。
「ああっ、いやあーっ!」
明るい笑い声が、悲鳴へと変わった。
●とある食堂
「今回の事件は……ええっと」
何故か顔を赤らめながら、黒瀬・ダンテ(オラトリオのヘリオライダー・en0004)が話しだす。
「北海道の山奥の温泉に、飛行型のオークが5体現れるっす」
柔道部の合宿で訪れた女性達が、温泉に入ろうとした時にオーク達は空から現れるのだという。
「触手で捕まえて、女性達を連れていってしまうっす。あ、飛行型といっても、空を飛び回れるわけじゃなくて、高い場所から滑空して移動するだけの能力っす」
だから、空へ連れていかれるわけではない。
「竜十字島のドラゴン勢力が、新たな活動を始めたようっす。今回の事件はオークの品種改良を行っているドラグナー、マッドドラグナー・ラグ博士が生み出した飛空オークという、飛行型オークによるものっす」
滑空だけとはいえ、見つけた女性のところに直接降下するという攻撃方法は、かなり効率的で危険と思われる。
「降下して襲うのは、君達ケルベロスも得意だろ?」
ダンテの隣に、もう一人男性がいた。
「この方は特殊メイクアップアーティストの古川さんっす……」
少々複雑そうな顔で、ダンテが古川を皆に紹介した。
オークが女性達を襲う前に女性達を避難させてしまったり、男性が紛れていたのなら、オークは別のターゲットのもとに向かってしまうかもしれない。
ケルベロス達は女性として潜入するか、オークが女性達に襲いかかる直前に駆け付けることになるだろう。
「俺がどんな素材でも、魅力的な若い女に変身させてやるぞ~。もしくは、お前達も飛行型オークになって、女の子を奪って救うのさ!」
古川は性格はともかく、腕のいい特殊メイクアップアーティストだ。
「もちろん俺も現場に行くぞー。飛行型オークの身体を直接じっくり見たいしな」
「古川さん、むしろ被害者たちに興味があるんじゃ……」
「うるさい。お前は喜びから苦悶に変わる女性達の顔も、そして肢体の全ても既にじっくり観察済みなんだろ」
「ち、ちが……」
古川の言葉に、ダンテはまた少し赤くなった。
「ごほんっ。そういうわけで、ケルベロスの皆さんだけがホント頼りっす。女の子達を色んな手から助けてあげてくださいっす!」
参加者 | |
---|---|
![]() 鈴ヶ森・真言(心象監獄の司書・e00588) |
![]() 神籬・聖厳(日下開山・e10402) |
![]() 深緋・ルティエ(紅月を継ぎし銀狼・e10812) |
![]() 天野・司(不灯走馬燈・e11511) |
![]() 旋堂・竜華(竜蛇の姫・e12108) |
![]() アルテミス・カリスト(正義の騎士・e13750) |
![]() メレアグリス・フリチラリア(聖餐台上の瓔珞百合・e21212) |
![]() レイン・プラング(解析屋・e23893) |
●山奥の温泉
「この無防備な格好なら、オークも警戒しないはずです! ……ちょっと心許ないですが」
正義感の強いアルテミス・カリスト(正義の騎士・e13750)は、バスタオルを一枚巻いただけの姿で、温泉に浸かっていた。
「綺麗なお肌ね、バスタオルとっちゃいなさいよ~」
腰にタオルを巻いた女性が、先ほどからアルテミスにべたべたしている。
(「あれ古川さんですよねぇ、ふふふ」)
深緋・ルティエ(紅月を継ぎし銀狼・e10812)は、にこにこ湯船の2人を見守る。
オークが好みそうな雰囲気を崩してしまうと、オークが現れなくなる可能性がある。
故にアレが古川だと分かっても、排除することはできないのだ。
(「古川のヤロウ……」)
オークが現れやすい雰囲気を作ってる……てわけじゃないだろうなと、鈴ヶ森・真言(心象監獄の司書・e00588)は苦笑。
中身おっさんな真言は女性陣に気を使って景色に目を向けているというのに。古川の奴め、けしからん。
「あなたもタオルを巻いてたら、体綺麗にならないでしょ」
続いて、バスタオルを巻いたまま体を洗っているレイン・プラング(解析屋・e23893)に、古川が近づいてきた。
「おねーさんと、流しっこしない?」
古川の手がレインのバスタオルに伸びる。
「やめてください。犯罪です」
レインは自分のバスタオルをぎゅっと掴んで、咎めるように古川を睨んだ。
(「古川様、不逞が過ぎる様ようですね♪」)
旋堂・竜華(竜蛇の姫・e12108)は、脱衣所の近くで艶やかに微笑んでいた。
「あら、先客がいるのね」
脱衣所から女性達が顔を覗かせる。柔道部員達だ。
「一緒に入りましょう。……女性しかいませんし」
内心謝りつつ、竜華は彼女達に微笑みかける。
「お先にゴメンね! 実はあたし達さあ……」
メレアグリス・フリチラリア(聖餐台上の瓔珞百合・e21212)は、女性達に近づくと、和やかに詳細の説明を始めた。
彼女達がオークに見初められ、襲われるという話を――。
メレアグリスは全て正直に話し、女性達に協力を頼むのだった。
突然の話に怯え、躊躇する娘もいた。
「大丈夫よ、あたし達に全て任せてちょうだい。あなた達は、あたし達に身も心も委ねていればいいの」
メレアグリスは怯える娘をラブフェロモン全開で説得していく。
「……はい、お姉さま……」
うっとりとした表情で、女性達は従いだした。
ちらりと様子を見ながら、真言は息をつく。
(「ひやっとしたが、いい雰囲気になってきたか。しかし古川……」)
「皆さん、柔道部なんですかぁ? 寝技教えてくださーいっ」
女性に扮した古川は、既に女性達に積極的に絡んでいる。
「寝技はここじゃ教えられないし、こっちで満足しときなって」
メレアグリスが古川をぐいっと自分の方に引っ張ると、ロケットの如く突きだした自分のおっぱいの中に、彼の顔を埋めさせる。
「ほれ、ほれほれお好きにどうぞー」
「うほ~うっ」
古川は奇妙な声をあげ、メレアグリスに絡みつくのだった。
「私達も温泉を楽しみましょう」
竜華は主将と思われる女性近づいて、囁きかける。
「私達と離れてから狙われたら守れなくなります。側にいてください。そして不自然にならいようお気を付けください」
「そ、そうね。皆、温泉を楽しみましょう」
「はい、先輩」
女性達はしっかりタオルを巻き、固まって湯船へと歩く。その直後。
「グヘヘヘ、女、イッパイ」
飛空オークが5体、触手を女性達に伸ばして急降下してきた。
「現れましたね!」
アルテミスは、瞬時に湯船から飛び出す。
「邪悪なオークは、この正義の騎士アルテミスが退治します! 一般人の皆さんは今のうちに避難を!」
同時に、空から現れたボクスドラゴンのブランがオークに体当たり。
真言が禁縄禁縛呪で、そのオーク一体の動きを封じる。
ブランは柔道部員達の下に飛び、カードしていく。
「落ち着いて避難してください」
ルティエは触手を伸ばしたオークを殴り飛ばし、バスタオルの中に隠しておいた武器を取り出した。
「あとは任せてください」
竜華がバスタオルの下の体に巻き付けてあった、竜縛鎖・百華大蛇を用い猟犬縛鎖でオークを締め上げる。
「フググ、イイ女……俺が縛りタイ……グギギッ」
清楚なお嬢様風でありながら、色っぽさを醸し出している竜華。
締められながらもオークは鎖の合間から伸ばした触手を竜華に絡ませ、彼女を欲する。
「温泉で事件起こす阿呆は滅んどけや」
温泉から飛び出て、真言は髪の中に隠していた六十六式護法呪符を取出し、【悪戯猫の召喚】でオークを攻撃。
竜華の体から触手が離れた。
「オンナ、俺ノ、オンナー!」
真言が初手で捕縛したオークが背後から触手を伸ばしてくる。
女性達は必死にその場から離れようとしている。
「古ちゃんも逃げときな」
メレアグリスは絡みついてる古川を突き飛ばすと、着流しだけ肩に羽織りオークの下に走る。
「あたしが相手になるぜ! ヤるならヤりやがれ、このふにゃふにゃ駄豚が!」
裸に近い状態のメレアグリスに、オークは喜び勇んで触手を伸ばしてきた。
転んでしまった女性にオークの触手が絡んだ。
「グフッ」
次の瞬間、ヘリオンから降下してきたボクスドラゴンの紅蓮が、そのオークにボクスタックル。そのまま配置につく。
拘束を解かれ、跳ねた女性の体は別のオークがキャッチした。
「ひゃっはーマブい女の子だー!」
「きゃあああーっ」
叫ぶ女性を、腕に青い布を巻いたオークが攫っていく。
(「青い布は、司さん。任せておいて大丈夫ですね」)
アルテミスはオークに扮した天野・司(不灯走馬燈・e11511)に女性を任せ、地上に降り立ったオークの前に飛び出る。
「オーク程度、騎士であるこの私の敵ではありません! さあ、私の剣を受けてくださいっ! ……あっ!」
しかし、バスタオル1枚のアルテミスの腰にいつもの愛剣はない!
「ゲフ……ッ、グフフ、可愛いオンナ」
グラビティの効果により顔をしかめたオークだが、すぐににやけた笑みになる。
「け、剣がなくてもオークごとき素手で十分ですっ!」
聖なる加護全開で、勇ましくオークに向かっていくアルテミス。
「きゃっ!」
しかし、落ちていた石鹸を踏みつけてしまい、すっころぶ。
はらりと、纏っていたタオルが舞い、無防備な姿をさらしてしまう。
オーク達が歓声をあげ、触手が一斉にアルテミスに伸びる。
「きゃあっ! い、いやっ!」
2体のオークの触手が絡みつき、彼女の体を縛り愛撫していく。
「ニガサナイィィ。オレのオンナー!」
紅蓮の体当たりで飛ばされたオークが、逃げる女性達に触手を伸ばす。
「ああっ」
最後を走る花山先輩の体に絡みつき、彼女を転ばせた。
そのまま引きずりよせ、手に入れようとする。
「コノオナゴハ、ワシガツレテイク。オヌシハ、ホカノオンナヲ」
そこに空からもう1体、オークが降下してきて、強引に花山先輩を奪い取った。
花山先輩に絡みついていた触手に残ったのは、彼女が巻いていたバスタオルだけだった。
「スグニモドル」
そう言って、花山先輩を抱えて走り去るオークは赤い布を腕に巻いていた。
神籬・聖厳(日下開山・e10402)が扮したオークである。
「タタカイニマキコンデ、ホントウニスマナイト、オモッテイル。ケガハナイカ?」
花山先輩を岩陰に避難させた聖厳は、オークになりきっていた。
触手手袋を装備した手で、彼女の身体をくまなく触診していく。
「ひゃん……だ、大丈夫です。あ、あの……ケルベロスの方ですよね?」
彼女の胸には、オークに引きずられた時にできた擦り傷があった。
「グオオオオォォォー!!」
聖厳は気合いを入れる為に、雄叫びを上げた。
悲鳴を上げる花山先輩の胸を包み込み、気力溜めで傷を癒す。
「ココニカクレテオレ」
裸の彼女に赤い布をかけてあげると、聖厳は仲間の下に急いだ。
「―――解析完了、データリンクします」
武具を装備したレインは、手前の飛空オークを調査、解析して導き出された予測を仲間へと伝えていく。
「あっ、いやあっ」
アルテミスは3体のオークの触手に縛られ、弄ばれていた。
「グヒャヒャヒャ、繁殖ダ」
最初にアルテミスを捕らえたオークが、気色悪い笑い声をあげながら自分の下に彼女を引き寄せる。
イヤイヤしながら引き寄せられるアルテミス。流石に大ピンチだ。
「良く頑張ったな!」
そんな彼女の前に颯爽と現れたのは、青い布を巻いたオーク……司だった。
逃げ遅れた女性は岩陰に隠したし、ボディに装着されていたカメラは背に付け替えたし。
準備万端。あとはディフェンダーとして前線で戦うのみだ。
「お前らオークの癖に女の子の扱いもわからないのか!」
叫びながら無駄にポーズを決め、マインドシールドを発動。光の盾を具現化し味方を防護させる。
「……能無し共が」
低いうなり声のような声響くと同時に、アルテミスを弄ぶ触手の一部が斬り落された。
「グギャーッ、繁殖のジャマスルナー!」
触手を切られたオークが、怒りの形相で声の主であるルティエに襲いかかる。
「……触るな」
ルティエは自分に伸びた触手をスパッっと切り捨て、俊敏に突撃し、オークの脇腹に拳を叩き込んだ。
「まずは、このオークから……アルテミスさん、もう少し耐えてください」
レインは蹲ったオークへ突撃し、惨殺ナイフでオークの太い体を切り刻む。
「大丈夫です。この程度の攻撃では、騎士である私を倒すことなど……ああ、いやっ、見ないでください……っ」
オークの触手が減ったせいで、四肢を絡み取られたアルテミスの清らかな体がより露になっていた。
「心穏やかにいる女子の美しさを知らない豚め!」
後ろを気にしつつ、アルテミスの前でポーズを決めながら叫ぶ司。
「ジャマダ!」
オークが触手から溶解液を放つ。
「くっ、生きとし生ける女子の敵め!」
メイクの一部が溶け、司の肌が露わになった。
更にもう1体のオークが、猛烈な勢いで触手を叩きつけてきた。その攻撃を受けたのは、ボクスドラゴンの紅蓮だ。
「紅蓮、回復だ」
言いながら、ルティエは自らのターゲットに惨殺ナイフを向けた。
「焼き豚? 唐揚げ?」
「お前、イラナイ! グ、ォォォォ!」
血だらけのオークが、雄叫びを上げて攻撃力を高める。
「そうか、不要か。安心しろ、形を残す気は無い」
オークが攻撃に転ずるより早く、ルティエは地獄の炎を纏わせた武器を叩き付ける。
身を焼かれ、骨を砕かれ、オークは倒れた。
「次の2体、撃ちます」
レインは布を巻いた仲間を撃たないよう十分注意して、アルテミスを狙うオークに大量のミサイルを浴びせていく。
紅蓮の属性インストールで回復した司は、またまたポーズを決めて、オークをびしっと指差した。
「定命化して出直してこい!」
マインドインフィニティを発動――司は光の巨人へと姿を変えると、光を纏ってオークに突撃する。
勢いよく吹っ飛んだオーク1体は、そのまま絶命した。
「跡形もなく、消えろ」
ルティエが跳び、惨殺ナイフでもう一体のオークの身体を斬り裂いて止めを刺す。
●増援?
「はあはあ……ゆ、許しません」
「ジブンノミヲ、ギゼイニスルトハ」
片言の言葉が響き、拘束から逃れたばかりのアルテミスの胸に、背後から触手が絡みついた。
触手はわしわしとアルテミスの胸を揉みしだく。
「あううっ」
「グオオオオォォォー!!」
悶えるアルテミスの胸を揉みながら、オークは雄叫びを上げた。
「数が増えた? 増援でしょうか」
レインは目印の布がないことを確認してから飛び掛かり、オークの肌を斬り裂く。
「オヌシヤリオル……」
「はあはあ……もう……」
解放されたアルテミスは涙目だった。
「アルテミス、大丈夫かーっ!?」
司が意気揚々と駆け寄ってくる。
「いやーっ」
その場にアルテミスの身体を隠すものはない。
恥ずかしさのあまり、アルテミスはハウリングフィストをオークに決めながら、共に温泉に飛び込んだ。
2体のオークをメレアグリスが裸に近い姿で翻弄していた。
滑らかな髪を裸身に張り付かせ、頬を上気させつつも余裕ある笑みで挑発。襲い来る触手を手刀で退ける。
その間に、竜華は岩場に隠してあった鉄塊剣を鎖で取り寄せた。
「さぁ、遊んであげます……こんがりと焼かれなさい!」
地獄の炎を纏わせた剣を、背後からオークに叩き込む。
悲鳴を上げながら、オークは触手をうねらせ、竜華に打ち下ろした。
が、その一撃は彼女に当たらず、ボクスドラゴンのブランが受けた。
竜華は大蛇・灼華繚乱を発動。真紅の炎を纏った8本の鎖が、オークを串刺しにする。
「炎の華と散りなさい!!」
そして、オーラを纏った剣で、オークを斬り裂いた、
「卑猥な豚は焼かんとなぁ?」
もう一体のオークは真言が、熾炎業炎砲で焼き捨てる。
「不味そうな焼豚だぜ!」
メレアグリスは、光の巨人に変身し、光を纏うとオークの懐に入り込み止めを刺した。
「アルテミスさん、大丈夫ですか? すぐに治療を……」
レインが湯船に近づき、バスタオルを広げてアルテミスを迎える。
「ありがとうございます。私なら大丈夫……です」
不思議と痣は残っていなかった。誰かが癒してくれたようだ。
「あー……せっかくですし、もう一度温泉に入りなおしましょうか。それと」
皆を見回し苦笑しつつ言いながら、ルティエは司の背に手を伸ばして何かを握りつぶした。
「あ、ああっ、それは貴重な資料……」
「……何か問題でも?」
「うううう……」
カメラを壊されてしまった司はその場にしゃがみこんだ。
なにせ今回最初の観察の時点から、大して楽しめなかったのだ。女性陣殆どみんなバスタオル巻いてるんだもん。
「資料ですか。聖厳様のオークにもそういったものが仕込まれているんでしょうかね」
竜華が隠れていた古川を鎖で繋いで、引きずってきた。
「オークのことなど忘れて温泉を楽しみたいですね……研究の建前が無ければカメラを持ち込んだりもしないでしょうし。しませんよね古川さん?」
レインがじっと古川を見つめると、古川は「古川ってダレデスカー」と、目を逸らした。
「……そういえば、聖厳さんは?」
ルティエは辺りを見回すが、聖厳の姿はなかった。
「ん? なんだあれは……」
真言が湯船を指した……そこには、傷だらけの人が。
なんと、聖厳がぷかぷか浮かんでいるではないか!
「どうしてこんな酷い目に。まさか……一人で増援と戦っていたのですか!」
即座にアルテミスは湯に飛び込んで、彼女を抱え上げる。
「真実が知りたければ、カメラを探し出すがよい」
とかなんとか言ってる古川を縛り上げて、竜華は岩に吊るしあげる。
「飛空オーク……決して許すわけにはいきません。騎士アルテミスの名にかけて!」
アルテミスは空を見上げて、殲滅を誓うのだった――。
作者:如月せりあ |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
![]() 公開:2016年5月6日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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