空から襲い掛かる豚の群れ

作者:なちゅい

●翼を持ったオーク達
 それはどこかの一室。
 薄暗い場所にて、数体のオーク達を前にしていたのは、マントを羽織った男だ。
「ムムム、量産型とはいえ、実験ではこれ以上の性能は出せないなァ。これ以上の性能を得るには、新たな因子の取り込みが不可欠だ」
 テンション高くぶつぶつと独り言を呟くこの男は、マッドドラグナー・ラグ博士という。ときおり漏れだす笑い声からも、男の異常性を垣間見ることが出来る。
「オークどもよ、人間の女を襲って来い。そして、子孫を生み出してくるのだ」
 ラグ博士は、実験で生み出した飛空オークに対して、指示を飛ばす。色欲にまみれた豚どもは、望むところだと大声を上げた。
「お前達が産ませた子孫を実験体にすることで、飛空オークは更なる進化を遂げるだろう!」
「「「ブヒイイィィィィ!!」」」
 女性を襲う行為のみに価値を見出す下衆な豚どもは、やる気満々に歓声をあげるのだった。
 
 時と場所を移し、とある女子高のテニスコート。
 そこでは、沢山の女性達がテニスで汗を流していた。テニスウェア姿の彼女達は、非常に眩しい。
 しかしながら、そこへ上空から降り立ってきたのは、その場とはあまりに不釣合いな風貌のオーク達だった。
「きゃああああっ!」
 ラケットを手に逃げ出す女子高生達。しかし、オーク達は滑空して降下し、逃がさじと立ち回る。そいつらは女子達の手足に触手を巻きつけ、完全に拘束してしまう。
 ぺろりと舌なめずりする豚達の触手によって、女子達は服を剥ぎ取られて……。
「い、いやああああっ!」
 オークの強力な力に、女子高生は成すがままにされてしまうのである……。
 
 ケルベロス達は新たな敵の動きがあったと知り、ヘリポートへと移動していく。
 そこで待っていたリーゼリット・クローナ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0039)は、神妙な面持ちでケルベロス達を待っていた。
「竜十字島のドラゴン勢力が、新たな活動を始めたようだね」
 ある程度の人数が集まったところで、彼女は説明を始める。
 今回事件を起こすのは、オークの品種改良を行っているドラグナー、マッドドラグナー・ラグ博士が生み出した、飛空オークという、飛行型のオークだ。
「飛行型オークだけれど、高い場所から滑空して目的の場所に移動するだけの能力で、自由に飛行する事はできないようだね」
 だが、高所から滑空しながら襲撃目標である女性を見つけ出して、その場所に直接降下するという攻撃方法はかなり効率的で脅威となるだろう。
「皆には、飛空オークに襲撃される女性を守り、飛空オークを撃破してもらいたいんだ」
 場所は、宮崎県にある女子高だ。
 現場となるのは、2コート分あるテニスコート。そこで練習を行う20名ほどの女子高生達が襲われてしまう。新入部員も入った直後とあって、活動が活発になっているようだ。
 練習を行う彼女達の上空から、6体の飛空オーク達が襲い掛かる。
「飛空型だけど、戦闘能力自体は、通常のオークと大差ないよ。対処もそれほど変わらないはずだね」
 戦闘に関してはいいのだが、問題はそれまでについてだ。
 飛空型オークは滑空しながら襲撃場所を探す為、事前に避難活動をしてしまうと、予知と違う場所に降下してしまい、事件の阻止が出来なくなってしまう。
「だから、女子高生を避難させるなら、オークが降下する直前から行うようにしないと、オーク達は別の場所を狙ってしまうよ」
 また、避難を行わない場合でも、オークが好きそうな行動を女性達が行わなかった場合なども、襲撃場所が変更になる場合があるという。
 例えば、ルックスのよい男性ケルベロスが現場にいるだけで。また、女子高生達がお淑やかな態度をとったり、過剰に身だしなみを整えたりしようとするだけでも、オークの好みから外れてしまう場合がある。
「少し難しいところだけれどね。そういった男性は一旦物陰に隠れておくとか……。あるいは、女性メンバーがオークを引き付けるといいかもしれないよ」
 厄介なオーク達だが、放置するわけにもいかない。
「皆なら、飛空オーク達から女子高生を救ってくれるって、ボクは信じているよ」
 最後に、リーゼリットはそうケルベロス達へと笑いかけたのだった。


参加者
リーズグリース・モラトリアス(怠惰なヒッキーエロドクター・e00926)
ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)
ルティアーナ・アキツモリ(秋津守之神薙・e05342)
佐々塚・ささな(やりたいほうだい・e07131)
クリスタ・アイヒベルガー(森の餓狼・e09427)
アウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)
ガンバルノ・ソイヤソイヤ(リペイント・e18566)
夜識・久音(ホーリープレイ・e20233)

■リプレイ

●空を飛ぶ汚らしい豚について考える
 宮崎県某所。
 女性ばかりのケルベロス達は、とある女子高までやってきていた。
「まったく、不逞の輩にも困ったものよ……」
「また汚いものが降ってくるですね。消毒なのです」
 ルティアーナ・アキツモリ(秋津守之神薙・e05342)は悪態をつく。クリスタ・アイヒベルガー(森の餓狼・e09427)は空を見上げ、これから降ってくるであろうデウスエクスを想像して表情を歪める。
「むぅ、とうとう飛空オークまで出ちゃった、ね……」
「……飛ぶ豚、というとメルヘンに聞こえますが、それがオークではそうもいきませんね」
 リーズグリース・モラトリアス(怠惰なヒッキーエロドクター・e00926)の言うように、相手は空を滑空するという。夜識・久音(ホーリープレイ・e20233)はその姿を想像してしまい、げんなりしてしまう。
「手段を選べぬのやもしれぬが、もう少し美意識というものをじゃな……」
 空を飛ぶことよりも見た目をどうにかと、ルティアーナは呆れる。
「相も変わらず女の敵ですね。オークさん達はまったく」
「数ある敵の中でもオーク程、汚らわしくて許し難い存在はいないわね」
 ティオ・ウエインシュート(静かに暮らしたい村娘・e03129)もアウレリア・ノーチェ(夜の指先・e12921)は嫌悪感を露わにする。オークという種族はそれほどに醜悪なのだ。
「オークから女子高生達は守らないと、ね」
「頑張りましょう」
 リーズグリース、久音は女子高の校門を前にし、意気込む。
 その後ろでは、佐々塚・ささな(やりたいほうだい・e07131)が1人で唸っている。
「うーん、マッドドクター。なんだかすごいデジャブを感じるけど気のせいか」
 余裕があればオークを問い詰めようと考えながらも、ささなは敷地内に入った仲間を追っていくのだった。

●コートに降ってくる豚ども
 女子高を訪れたケルベロス達。
 まず、ルティアーナやガンバルノ・ソイヤソイヤ(リペイント・e18566)が自分達の素性を教員達に明かし、助力を願っていた。
 生徒が危険に晒されることに学校側は難色を示すが、なんとか許可を得た後、ケルベロス達はテニスコートにて、女子テニス部員と試合を行う。
 女子高生達には、敢えて予知を告げないことにしていた。心苦しい作戦であったが、余計な混乱を生まぬ為と、ケルベロス達は割り切る。
 そんなわけで、テニスウェアを着たささなや久音が相手することに。
「腕試し、よろしくお願いしますっ!」
 特にささなは体を動かしたいということで、本気で相手をしようとする。
 同じく、テニスウェアに身を包んだ久音。あまり着慣れぬスポーティーな衣装に違和感を覚える彼女。そのスタイルのいい体が強調されていた。
 さて、試合はというと。
「うぅー、この弾道難しいー!」
 ささなは積極的に攻めようとするのだが、ロブで空振りを連発してしまう。ジャンプしてみても、ラケットはむなしく宙を仰ぐだけ。
 それを見て呆れていたのは、コーチ役に扮していたアウレリアだ。髪を纏めており、一見それらしく見える。
 ガンスリンガーの優れた動体視力を生かして、球筋を見切るのは得意なアウレリア。ただ、テニス自体の経験はほぼないらしく、スコアを取りつつ、アイズフォンでルールの確認を行っていた。
 そんな状況だった為、仕舞いには部員達からコーチしてもらう状況になってしまっていたようだ。
 他のメンバーは、それぞれ敵の出現に備える。
「敵が現れるまでがんばるっ」
 意気込むガンバルノは高校の制服を借り、見学に訪れる生徒を装って警戒していた。
 出来る限りの装備で敵に備えるクリスタは、螺旋隠れでコートの柵に紛れるように隠れ、上空を確認していた。彼女曰く、「私の身体能力だとスポーツは反則なのです」とのこと。また、動くとお腹が空くことも懸念していたらしい。
 物陰に潜むメンバーは彼女だけではないが、テニスコートに物陰はほぼない。ルティアーナなどは、わざわざ別の場所からベンチを持ってきた上で隠れていたようだ。
「吾は連中の眼鏡には適わぬからの。……適いたくもないが」
 そんな主張をし、彼女は身を潜めていた。
 程無く宙から舞い降りてきた鈍重そうな生き物達。汚らしいオークらはテニスをする女子高生達に対して舌なめずりし、翼を操って滑空してくる。
「ヤバっ、オークだ! 逃げて逃げて」
 試合どころか指導を受ける形となっていたささなが、部員達へと避難を促す。テニスウェアが眩しい彼女達は敵の格好の的だ。
 そのうちの1体が、ささなにも襲いかかろうとする。
「にぎゃーっ! くるなーっ!!」
 彼女は手にするラケットを振り回してぶん殴ろうとするが、オークにはほとんど効果はない様子だ。
 見学を装って待機していたリーズグリースの衣装は露出が大きく、一際目立つ。オーク達はそれ目掛けて舞い降りてきた。
 6体全てが降り立つのを見て、ルティアーナは隠れていたベンチから飛び出す。
「絡めようとしておる? 叩ききってくれるわえ!」
 叫び、戸惑うテニス部部員達を守るように立つルティアーナ。しかしながら、接近してくるオークの体は威圧感がありすぎた。
「だぁー! 暑苦しい気持ち悪いべとべとするこっちに来るでないわぁー!」
 抑えながらも、ルティアーナはジタバタと暴れて叫ぶ。
 オークはケルベロスをすり抜け、女子生徒を狙おうとするが、出入り口付近になぜか置かれてあった不自然なスポーツバッグ。それもまた突然、ジタバタと動き始める。
 その中から、頭と手足をにゅっと伸ばしたのはティオだ。
「ふっふっふ……、まさかこんな所にいるとは思わなかったでしょう。ちっちゃいながらの利点です!」
 ティオはバッグを脱ぎ捨て、敵の触手を受け止めて見せた。
 降り立ったオークは、柵を壊さねばコートから出られぬはずだ。そばでは、クリスタが女子部員達へと外へと出るよう促す。
 汚らしいオークの襲撃にパニックになりかけた彼女達に、アウレリアは重武装モードになってから励ます。物陰に隠れてもらっていたボクスドラゴンのコーラスをそばに呼び寄せた久音も、スキル効果を併せて女子部員達を落ち着かせるよう努めていたようだ。
 その上で、彼女達は改めてオークに向き直る。
「やっぱり何度見ても、慣れられる気がしません」
 それまでおっとりとしていた彼女だったが、敵と対してから凜とした表情で臨む
 同じく、オークの気を引くガンバルノ。
「未来ある女の子達に、トラウマ押し付けるわけにはいきませんからね」
 ケルベロス達も大概の者はそうであろうが、それはそれ。一般人とは割り切るべきである。
「……ま、あれです。女の子達をしっかり守るので、オークさんがたは覚悟してね?」
 ガンバルノは無表情のまま、ケルベロスカードから武器を取り出し、敵へと突きつけるのだった。

●オークの駆除を!
 ルティアーナは、女子テニス部員達の避難に当たる。
 ティオもまたドローンを展開した上で、女子高生達の守りに徹していた。
 敵は鈍重そうだが、突き出される触手は素早く、そして鋭く尖り、ティオの服を破こうとする。
「アイタタ、無事ですか? ここは引き受けます。その間に敵を!」
 他のメンバー達はオークの駆除に全力を尽くす。久音は縛霊手から巨大光弾を飛ばし、敵の体に痺れを走らせていた。
「食べられないから、豚さん以下のど畜生なのです」
 クリスタは妖精弓「黒い稲妻」を構える。腹ペコの彼女にとって、食えない豚に興味はない。
「トンカツにもなれない汚物は消えるです!」
 クリスタが矢を射抜くと、妖精の加護を宿した矢が飛ぶ。それは手前のオークの体を射抜いた。
 ガンバルノは敵の正面へと躍り出て、敵に制服姿を見せつける。
「とくと見さらせ。好きなんでしょう? こういう女の子が」
 小柄な彼女だが、これでも21歳である。節操のないオークは鼻息荒くしてガンバルノにも襲いかかってきた。
「メイン火力はソイヤちゃんにお任せです」
 敵はほとんど布陣など考えてはいない。ならば、仲間と攻撃を重ねようと、ガンバルノは自らに向かってきたオークへとゲシュタルトグレイブを振るう。しかしながら、オークは跳びのいてその一突きを躱してしまう。
 仲間を援護する為、敵を引き付けつつ雷の壁を張るリーズグリース。露出の高い服装の彼女へと鼻息荒く襲ってくる敵へとアウレリアが告げる。
「この星に貴方達が触れて良い女性等、ただの一人たりとて存在しなくてよ」
 アウレリアはこの場を離れる女子高生達へと目をやりながら、さらに攻撃を重ねる。
 銀髪をなびかせたビハインドが敵の背後から攻撃を叩き込む。それに合わせ、アウレリアは地面を蹴って燃え上がるエアシューズで敵を蹴りつける。そいつは全身を燃え上がらせ、煙を上げながら地面へと落ちていった。
「彼女達に触れようとするなら、その汚らしい手を全て吹き飛ばしてあげるわ」
 アウレリアが威嚇すると、オーク達は少しだけ後退りをしていた。しかし、溶解液を飛ばすそいつらがまだ戦意をなくしていないことを窺わせる。
「いかがわしい真似をしようったって、そうはいかないよ!」
 ささなは触手を伸ばす敵へと近づき、降魔の拳を叩き込む。ぐらりと揺らぐオークだが、まだ倒れない。
 そこで、女子部員の避難を済ませたルティアーナが敵の前へとやってくる。
「まず、数を減らしたいのぅ」
 敵はまだ5体もいる。彼女は魔力を秘めた瞳でオークを凝視する。すると、オークの1体を惑わしていたようだ。
 オークどもはそれでも怯まず、女性ばかりのケルベロスに対して汚らしい笑みを浮かべていた。

 その後も、オークに攻め込むケルベロス達。
 優勢に戦っていたようにも思えたが、敵は女性に対して己の欲望をむき出しにする外道どもだ。
「やっ、そこは……!」
 狙われた久音がオークの触手に縛り付けられる。テニスウェアの上からくっきりと彼女の豊満なラインが浮き出ていた。
 そこへ、別のオークが溶解液を浴びせてきた。テニスウェアが溶け、露出した彼女の柔肌に触手が……。
「い、いやああっ……」
 気持ち悪い触手。しかし、彼女は敏感に感じてしまう。
 同じく、リーズグリース。前衛を突破した触手が彼女も締め付けていたのだ。
 雷を放って反撃するのだが、セクシークロスを破かれ、ボロボロになってしまっていた彼女は弱いところを攻められて……。
「んぁ、あぁん」
 オークは女性の弱いところを熟知している。その胸の先端に触手を絡みつかせていく。下着をつけていない彼女はそれを直に感じてしまって。
「んんん、そ、そこはぁぁ、だ、だめぇぇぇ」
 耐えようとするも、リーズグリースは喘ぎ声を上げてしまい、腰砕けになってしまう。
 だが、ケルベロス達はやられてばかりではない。
「黒き森の娘が願う……降り灑げ、慈しみの雨よ!」
 クリスタは生命力に溢れた慈雨を降らせ、触手に屈しかけた仲間を癒す。
「邪魔な触手を狩りましょう! 断界一閃!」
 ティオはゾディアックソードを一度鞘に納め、ドワーフの腕力と技術、そして居合いで敵を切り伏せる。敵の触手が飛び散り、本体もまたコートの上に落ちた。
 ガンバルノはオークの所業には目を瞑り、やる気をグラビティに変えてオークの足元からマグマを噴出す。それに包まれたオークは、全身を溶かしてなくなってしまった。
 敵が徐々に減り、久音は仲間の被害を省みて、祈りを捧げる。
「聞こえませんか、祈る声が。……闇夜に届け!」
 蒼き星の祈り。それが仲間に祝福をもたらす。不浄を払った彼女へとオークが触手を伸ばすが、それはコーラスがしっかりと受け止めてくれていた。
 ある程度避難が完了したことで、ティオは攻勢に打って出る。
「覚悟してください! これが私の本気です!」
 ティオはドワーフとしての腕力と技術で居合いを放ち、敵を薙ぎ払う。オークは視界がずれていくのを感じながら、意識を閉ざしていった。
 敵が少なくなり、ささなはここぞとオークの体に掴みかかる。
「ラグ博士はどこ?」
 だが、知らないのか、知っていて言わないのか。オークは応えない。
「そう、それじゃ、これはお礼!」
 ささなは敢えて礼と共に左手で引き寄せた敵を、猫の右手で思いっきり殴りつけ、敵を昏倒させていた。
 仲間を失い、戸惑うオーク。逃げようとするが、体から出現させたミサイルポッドからミサイルを浴びせかける。ビハインドもまた心霊現象を起こし、そのオークの動きを封じていた。
「うわっと!?」
 そこで躍りこむルティアーナは豪快に転倒してしまう。オークは隙と見て触手を伸ばす。
「かかりおったな、うつけが!」
 しかし、それはルティアーナの策略。起き上がりざまに思いっきり足を蹴り上げる。その上で、ブラックスライムを捕食モードにして、敵を飲み込んだ。
 頭部を失ったオークは触手をへたらせ、崩れ落ちていったのだった。

●事後、テニスコートにて
 オークを討伐したケルベロス達。
「皆、お疲れ様、ね」
「鉄板入れといたので、平気だったです」
 リーズグリースは仲間を労う。クリスタは胸などに鉄板を仕込んでおり、被害が少なかったと主張するが、後方にいたことも幸いしていたようだ。
 そのクリスタは周囲にヒールを施しつつ、仲間へとパウダーを差し出す。
「ねちょねちょを拭いて広げるより、粉末混ぜて固めて落としたほうが早いです」
 びちょびちょのケルベロス達はそれを使い、ぬめぬめした粘液を落としてしまう。
「一件落着です。でも、オークさん達が滑空しかできないタイプでよかったです。ずっと飛んでいたら、かなり厄介な敵でした」
 ティオもそのパウダーを体にかけつつ、飛空オークの厄介さを考える。あれが自由に空を飛べると思うと、恐ろしい事この上ない。
 そのオークどもの死骸を片付けた頃には、女子部員達が戻ってきた。この状況でも部活をする彼女達はなんともたくましい。
「できれば再戦したいな。身体を動かすって気持ちいいしね!」
「せっかくじゃし、テニスも体験してみるかな?」
 ささなは改めて、女子部員達に勝負を挑む。ルティアーナもこの機会にテニス体験と考えたのだが。
「ぬ、意外に大きい。それに広いものじゃなっ!?」
 6歳の彼女には、ラケットやコートがさぞ大きく見えることだろう。
 新たな勝負に挑むメンバー達を、リーズグリースはぐったりとベンチに座って眺める。
「むぅ、疲れた、よ。帰って寝たいね」
 彼女はテニスの観戦をしていたのだが、散々な負け方をすることになる仲間を見ることなく、眠りへと落ちていったのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年4月24日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 3
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