臆病な好色の群れ

作者:流水清風

 何処とも知れない場所に、傍目にも人外の者だと分かる2名が相対していた。
 ドラグナーとオーク、両者には明白な上下関係が構築されている。このオークは多数の配下を従える実力者だが、ドラグナーにとっては命令を下す者の一体でしかない。
 ギルポーク・ジューシィという名のドラグナーは、オークに命じた。
「グスタフよ、慈愛龍の名において命じる。お前とお前の軍団をもって、人間どもに憎悪と拒絶とを与えるのだ」
「ひゃっはー。敵がいれば逃げるが、敵がいなければ、俺達は無敵で絶倫だぜー」
「……やはり、期待は薄いか。だが、無闇にケルベロスと戦おうとしないだけ、マシかもしれん」
「ひゃっはー。その通り、色気に迷わなければ、俺達は滅多に戦わないぜー」
「……」
 これ以上の問答は無意味であると、ギルポーク・ジューシィは無言で魔空回廊を指差した。
「いゃっはー! 女共を頂きまくってやるぜー!」
 意気揚々と、グスタフは配下を引き連れ出撃して行った。
 心無しか、それを見送るギルポーク・ジューシィは頭痛を抑えているような風情であった。
 
 日本において東京と並んで有名な都市、大阪。
 その市内であっても、真夜中ともなれば光の届かない場所は存在する。
「あー、マジ最低。あの男調子のいいコトばっか言ってっけどロクなモン寄こさねえし」
 無駄に濃い化粧と過度な装飾品に身を包んだ、お世辞にも知性的とは言い難い女が、交流のある男についての愚痴を吐き捨てながら歩いていた。
「あいつはもうポイだな。あーあ、どっかに金持ちでイケメンな男いねーかな」
 そんな図々しい願望を呟いていた彼女は、闇の中から己を品定めするような視線が注がれているなどとは夢にも思っていなかった。
 だが、すぐにその事実を知ることになる。
「ひゃー、女だぜ」
「作り物の匂いが臭せーけど、それがまたいいな」
「頂きだぜー」
 直立し言語を繰る豚型の怪物に取り囲まれた女は、唐突な事態に言葉を失いただ茫然と成り行きに身を任せることしか出来なかった。
 
 竜十字島のドラゴン勢力が、新たな活動を開始した。その事実をヘリオライダーである静生・久穏はケルベロス達に告げる。
「皆さんに対処をお願いするのは、オークの群れによる女性襲撃事件です」
 この事件を起こすのは、オークを操るドラグナーであるギルポーク・ジューシィ。その配下グスタフが率いるオーク達だ。
 グスタフ旗下のオーク達は、とにかく臆病でかつ凄まじいまでの女好きという分かり易い性質の者達である。
「このオーク達は、その性格から戦いよりも逃亡を優先します」
 そのため、撃破しようにもケルベロスを発見すれば一目散に逃げ出してしまう。
「まさしく脱兎の如く……いや、脱豚の如くでしょうか?」
 オーク達に嫌悪と侮蔑を抱くケルベロスを和ませたかったのだろうが、久穏の冗談はあまり面白くなかった。
「何かしらの工夫がなければ、このオーク達を撃破することは出来ないでしょう」
 しれっと話題を戻し、久穏はケルベロス達に対処を促した。
「オークの数は8体で、戦力は通常のオークと同じです。今回、グスタフはこの場に現ることはありません」
 臆病だからといって、戦闘能力が低いということはないので、油断は禁物だ。
「出現場所は大阪市内の深夜、人気のない市街地の路上です。灯りは頼りないですが、戦闘に支障はありません」
 予知では一般人女性が襲われていたが、それより少し前の時間に囮になる女性ケルベロスがいるのなら、巻き込まずに事を済ませられるだろう。
 人気が無いため、一般人の避難などを考慮する必要もない。
「一番の懸念は、いかに逃亡を阻止するかです。重ねてになりますが、これは皆さんの工夫に頼るしかありません」
 念の為にと、久穏の要請で同行することになった霧生・彩音(en0102)がとても渋い顔をしているのは、その工夫について考えているからだろう。
 そうした苦渋を彩音だけでなく、今回の依頼に参加してくれるケルベロスに行わせてしまうことは、久穏にとっても快いものではない。
 それでも、このオーク達を撃破し女性が襲われる事態を防ぐためには、女性ケルベロスの色気という餌が必要不可欠である。
「皆さん……色々な意味で頑張ってください」
 そんな激励を掛けることしか、久穏にはできなかった。


参加者
赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)
アルシェリーア・ヴィルフォーナ(シャドウエルフの音符術使・e00823)
緋薙・敬香(ガーネットダーク・e02710)
チェザ・ラムローグ(もこもこ羊・e04190)
正門・絵夢(正門流の妖姫・e14620)
龍・鈴華(龍翔蹴姫・e22829)
ユグゴト・ツァン(異端者・e23397)

■リプレイ

●ハニートラップ
 日本における主要都市の1つ、大阪。とは言え、その全てが昼夜問わず光と人に満ちてなどいない。夜ともなれば、人気が無く灯りも覚束なく場所など幾らでもある。
 そんな暗がりの道を、数人の酔っ払いらしき者達が歩いていた。
「クノンさんも敬香さんも、しっかり歩いてくださいよ」
「私はしっかりしてますよ~。酔ってないですったら~」
「私も素面です。手足の動きもこの通り、何も問題ありません」
 赤堀・いちご(ないしょのお嬢様・e00103)に手を引かれる2人、口調も足取りも怪しい緋薙・敬香(ガーネットダーク・e02710)と、対照的なクノーヴレット・メーベルナッハ(知の病・e01052)。これでも一応はいちごに仕えるメイドである。
「やだ、クノンさん。変なところに手を入れないでください」
 熟練のスリもかくやという俊敏かつ正確な動きで、いちごの服の隙間から手を差し込むクノーヴレット。本人の言う通り、手足の動きは問題ないようだ。他の問題はあるが。
「あ~ずるい。じゃあ私はクノンに~」
 いちごを間に挟み、敬香がクノーヴレットに抱き付く。クノーヴレットは顔色一つ変えないが、いちごの顔は赤くなる。羞恥もあるが、主に酸欠によって。
 顔が赤から青になる前にいちごはもう1人の同行者であるユグゴト・ツァン(異端者・e23397)に助けを求めるが、さして興味が無いのか助け舟が出される事はなかった。
 このままいちごが窒息の危機に曝されようとしていたその時、周囲の暗闇から8つの影が躍り出た。
「いやっはー、女だー!」
「女だ女だー!」
「俺の触手が唸るぜ!」
 暗闇から現れたのは、全身から触手を生やした直立する豚の怪物という外見の種族、オークであった。
 オーク達は、この人通りが少なく暗い路地を獲物が通るまで待ち伏せていたのだ。
 そうして哀れな獲物(女性限定)を連れ去る、はずであった。
「あら? 貴方、素敵な肉体ね。私と快楽の海を泳ぎましょう」
 普通ならば獲物は恐れ慄き逃げ出すなり震えるなりし、それを弄ぶように捉えるのがオーク達の楽しみの一つであった。だが、想定とは逆に酒瓶を手にしたユグゴトが手近なオークの1体に近寄る。
 ユグゴトが酒の匂いを纏っていた事が、オークの油断を誘ったのかも知れない。そうでなくとも、結果は同じだっただろうけれど。
「脳こそが至高。私の脳に快楽を。私達と共に、あなたも。知識を求めて」
 そう囁かれたオークは、自身の頭部と両手が椅子に置かれたという恐怖の幻覚によって、精神を抉られた。当のオーク以外も、ユグゴトの嗤い顔に恐怖を抱かずには居られなかっただろう。
「こいつら、ケルベロスじゃねえか」
「冗談じゃねえ、俺は逃げるぜ」
「女よりも命が大事だからな!」
 このオーク達は、とにかく臆病であった。最初の強気は霧散し、何の躊躇いも無く逃げ出そうとする。
 しかし、闇に潜んでいたのはオーク達ばかりではなかった。

●色香に迷う
 闇から現れたのは、やはりケルベロスだ。オーク達を包囲し逃走を阻む。
 それでも、この時点でオーク達8体が有機的に協力し、かつ個々が全身全霊を賭して逃亡を図っていたのなら、或いはケルベロスの包囲網を突破出来ていたのかも知れない。
「オークさん達♪ 大丈夫だよー♪」
 黄色い声でオーク達を呼び止めた龍・鈴華(龍翔蹴姫・e22829)は、実に煽情的な服装であった。背中と胸元が大胆に開いたチャイナドレスであり、スカート部分も極めて短く脚線美が露わという域に留まっていない。
「ひゃっはー、美味そうなふとももだー!」
 その魅力に惹かれたオークは、何の迷いも無く鈴華へと直行する。一応はケルベロスが相手であるために、触手での殴打を行ってはいるが。
 鈴華に襲い掛かったオークとは別に、前方のケルベロスを蹴散らそうと尖った触手を伸ばした者もいた。
 鋭い触手に服を裂かれた正門・絵夢(正門流の妖姫・e14620)は、服の裂け目から覗く素肌を隠し怯えた様子を見せる。
「ひっ……こ、来ないでください!」
 その仕草に加虐心を刺激されたのか、相変わらず単純に好色さ全開でなのか、絵夢に触手を向けたオークは逃走を忘れていた。
「いやぁ! み……見ないで! 来ないで!」
 などと怯える被害者を演じている絵夢だが、その実は自分に襲い掛かっているのとは別のオークをクイックドロウで銃撃していたりする。冷静に考えれば、わざわざ隠れて逃亡を阻止しに来たケルベロスが少々の事で怯え竦むはずがない。
 銃撃に気付いていない点といい、このオーク達はオツムが残念なようだ。
「ボクの脚の魅力にメロメロみたいだね。どの蹴りがお好きかなー、いくよっ♪」
 鈴華に蹴り飛ばされるオークは、心なしか喜んでいるように見えなくもなかった。

●偶発的誘惑行動
 ケルベロス達は予めオーク達の性質を知っていたため、逃走を阻止するための手段として女性の魅力を活用すると決めていた。
 顕著な例として、アルシェリーア・ヴィルフォーナ(シャドウエルフの音符術使・e00823)に至っては自身の肉体的未成熟さを補うために、素肌に呪装帯を巻いただけという出で立ちであった。
(「オークの逃走を止める為に有られもない格好をしましたが、オーク殲滅の為です。ち、痴女とかじゃありませんよ」)
 心中で釈明するアルシェリーア。彼女にとって、これはとても大事なのだろう。
 アルシェリーアのある意味で捨て身の覚悟。それに惑わされたオークは、悲惨な末路を辿ることになる。
「さあ、覚悟は出来ましたか? その脳漿に刻まれた記憶を事象の彼方に消し去って上げます」
 複数のオークがアルシェリーアを標的と定め触手をうねらせる。そこへ高速の回転斬撃が襲い、薙ぎ払うのだった。
 こうした意図的な行動だけでなく、偶発的にオーク達を足止めするケースもあった。
「逃がさないんだからね。観念してよー」
 オーク達の前に立ちはだかったチェザ・ラムローグ(もこもこ羊・e04190)だが、オークの苛烈な触手攻撃によって態勢を崩してしまう。
 そこへ別のオークがチェザを弾き飛ばして逃走しようとする。そうはさせじと妨害しようとしたチェザとオークはもつれ合って転倒してしまった。
「あいたた……。ん~、どうしたのかなぁん?」
 状況の割りには、のんびりと独特な口調で動きの止まったオークを疑問視するチェザ。
 転んだ拍子にチェザのスカートがめくれ下着を隠すものが無い状態になっている。さらに、オークは顔がチェザの下着のすぐ目の前という態勢で起き上がることも忘れていた。
 人によっては羨ましいと思うハプニングなのかも知れないが、そのオークは、ケルベロス達の集中砲火を浴びたことは言うまでもない。

●混戦混迷
 当初逃げ出そうとしたオーク達は、もはやその事をすっかり失念している様子であった。
「私に勝利すれば、貴方達の玩具が増える。うふふ」
 襲い来るオークの触手に撃たれながらも、その耳元で妖艶に囁くユグゴト。
 着用しているつなぎのホックを外し身体のラインを見せるユグゴトに、オークも惹き付けられずにはいられなかったようだ。
 ケルベロス達とその使役するサーヴァント達、そしてオーク達が入り乱れ、それほどの広くはない路地は混戦の様相を呈していた。
「うふふ……、積極的ですね。ですが、もっと激しくしてくれないと足りません」
 オークの猛攻に対しても余裕を見せるクノーヴレットは、戦闘行為としては全く無意味だが主であるいちごを抱き締めたりする。
 しかしそのままではいちごは動けないので抱擁から抜け出してオークと対峙するのだが、あっさりと触手に弾き飛ばされ敬香に受け止められたりと、あまり状況は変わらなかった。
「わんっ。主様、大丈夫?」
「ごめんなさいっ」
 作戦のためにいつもより露出度の高いメイド2人に、いちごは顔を真っ赤にして頭を下げる。
 そんな遣り取りすらも、オークを誘う一因となっていた。羨望なのだろうか。
 オークが逃げる様子が無くなったのは良いのだが、その代償として行動が活発化している節がある。
「よくもやってくれましたね!」
 オークの攻撃でさらに服が破損した絵夢は、本気で反撃を行っていた。ある程度は作戦上仕方ないと許容できるが、それにも限度がある。
「女の敵、絶対に許しませんよ。って、避けないでくださいよ!」
 頭上からの攻撃を躱したオークに、アルシェリーアは心外だとばかりに憤怒する。そもそもこの事態を誘ったのはケルベロス達なのだが、それはそれ、これはこれ、だ。
 互いに積極的な行動によって、戦場は混迷の色合いを強めていく。

●奮戦奮闘
 概ねケルベロス達の作戦は的中し、逃走の足を止めたオーク達はケルベロスの攻撃によって負傷を重ねている。もっとも、それはケルベロス達も同様で、無傷で済んでいる訳ではない。
 今のところ無傷なのは、作戦面の問題で後方からの攻撃に徹している霧生・彩音(地球人の刀剣士・en0102)くらいであった。敵にとって脅威ではないため放置されている可能性もあるが。
「オークって初めて見たけど、これはキツイわね」
 戦闘かもしくは違う理由かで興奮するオークが触手を蠢かせている姿は、女性でなくとも大抵の見る者に生理的嫌悪感を与えるだろう。
 仲間達の作戦に心から感謝と安堵を覚える彩音であった。
 そして彩音のサポートを買って出てくれたフィオレンツィアによる治療が、オークの触手によって傷付いた仲間達を癒してもいる。
 オークを抑え込むことについては、大成功と言えるだろう。
 しかし、作戦が図に当たったケルベロス達だが戦闘を優位に進められているのかと言うと、そう甘くはない。
「まだまだ、大丈夫なんだよー」
「みんなっ、気合い入れていっくよー!」
 チェザの治療だけでは追い付かず、鈴華も回復行動を取る。
 臆病かつ好色であるため侮ってしまいかねないが、このオーク達は他のオークに比べて戦力が劣るということはない。
 それを承知して戦術を定めて戦うケルベロス達だが、それでも無意識の内に軽んじてしまっていたのだろう。戦闘において無意味な行動を所々で行ってしまっている。
 そして何よりも、興奮したオーク達は想定異常の奮闘を見せていたのだった。
「俺の触手が唸るぜー!」
「いやっはー、女を触手で攻めるのは最高だー!」
 こんな感じである。

●色香に迷ったオークの最期
 好色という気質を全開に奮闘したオーク達だが、それでもケルベロス達に勝ることは出来なかった。
「覚悟してくださいね。あなた達みたいな厄介なのは、ここで仕留めます!」
 絵夢が繰り出した稲妻を帯びた超高速の突きが、一体のオークを貫いた。倒れ伏し触手がビクビクと悶えるも、その身体に一欠けらの力も残されていないことは明白であった。
 これを切っ掛けに、やたらとしぶとかったオーク達も、櫛の歯が掛けるように一体また一体と力尽きて行く。
「見えた!」
 鈴華の蹴撃を受けたオークが最期に放った言葉は、どうしようもなく俗なものであった。
「冥途の土産ってやつかな? 特別大サービスだよ♪」
 何かを成したかのような満足気な顔で逝くオークは、本懐を遂げたのであろうか。
 それとは対照的に、悔いを残して敗れたオークもいる。
「せめて、女にやられたかった……」
 チェザが使役するボクスドラゴンの体当たりによって倒れたオークは、あまりにも遣り切れないという苦渋の言葉を残した。
「シシィはこんなにふわふわで可愛いのに、何が不満だったのかなぁん?」
 本気で疑問を抱くチェザ。その価値観は決してオークとは相容れないものだろう。
 しかし、このオークはまだ幸せだったのかも知れない。
「想いの炎の激しさで、燃え尽きなさい!」
 いちごに傷を負わせたオークは、敬香の逆鱗に触れてしまい、炎を纏った二振りの刃に切り裂かれていたのだから。
「Temps pour le lit」
 切り捨てたオークを省みることもない敬香に、慈悲の言葉は無い。
「敬香ったら、相変わらずご主人様の敵には容赦ないですね」
 そう言うクノーヴレットも、いちごに触手を叩き付けたオークに黒色の魔力弾を撃ち込み悪夢の中で絶命させるという、恐ろしい報復を行っているのだが。
 もちろん、いちごも敵にいいようにやられてばかりも、2人のメイドに守られてばかりではない。
「敬香さん、クノンさん、トドメお願いします……って、そっちじゃないです!」
 ブラックスライムを捕食モードに切り替えオークを捕えたいちごがメイドにトドメを促すが、クノンは隙あらばいちごに手を伸ばすのだった。
 オークへのトドメは敬香がキッチリと刺していたので問題は無いが。
 そんなこんなで、ケルベロス達とオーク達との熾烈な戦いは、ケルベロス達の勝利によって幕を閉じた。
「帰還の後は避けを。脳の観察を。貴方は私の快楽と成った」
 そう呟き、ユグゴトはオークの頭部を眺める。女性という獲物を求めて暗躍したオーク達だが、自分達が獲物として狩られる結末を想定することはできなかったのだろう。
 敵の撃破に成功したことで、予知に見られた通りすがりの女性がオークの犠牲になる未来も回避された。
 上々の結果を収めたケルベロス達だが、アルシェリーアは満足していない。
「女性の敵は殲滅できましたね。このまま、オークを根絶やしに出来れば良いのですけどね」
 ケルベロスの使命と言うよりは、個人的な目標なのだろう。
 誰が目撃することも無い夜闇の中での戦いが決着した後には、オーク達の触手によって削れた道路の破損が僅かに激闘の跡となりその事実を伝えるだけであった。
 この後に、この道を通る者がこの傷跡を見ても、色香に迷った哀れなオークの末路を知ることはない。
 そして、女を敵に回すと怖いという教訓を学ぶ者もいなかった。

作者:流水清風 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年4月25日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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