種を奪われたオーズの種?

作者:なちゅい

●奪われたオーズの種
 長野県長野市、市街地にあるとある公園にて。
 そこに、5人組の一際目を引く一団の姿がある。戦隊物のヒーローなのかと思わせるような風貌だ。
 しかし、彼らの正体はエインへリアル。体格が普通の人間よりも大きいのが特徴的である。
 そんな5人組の紅一点、ピンク基調の服を纏ったスターローズが呟く。
「やっぱり、面白くないわね。私は直接グラビティ・チェインを集めたいのだけれど」
「まあ、分からんでもないが、ケルベロスが何時来るかもわからん。俺達がこうした活動を行っていれば、あちらも気づいて仕掛けてくることがあるだろう」
 ローズをなだめるのは、黒い男、スターノワールだ。同じく、青、スターブルーが頷く。
「スターノワールの言う通り、今回の任務は戦闘では無く、オーズの種の回収だからね。襲撃が無い限りはケルベロスと戦う必要は無いよ」
 あくまでも、任務に忠実に。ブルーはそう語る。ぶつくさと文句を垂れていたローズだったが、おもむろにオーズの種を発見し、それを赤、スタールージュへと報告する。
「ルージュ、ここ」
「よし、皆、グラビティを高めろ。グラビティ・チェインを注入するぞ」
 指令を出したルージュの鎧が輝く。続いて、他のメンバーの鎧も輝き始めて。その光は黄色、スタージョーヌの持つバズーカの中へと吸い込まれていく。
「ほな、いきまっせー……どっかーん!」
 スタージョーヌはその言葉と主に、バズーカを発射させる。
 すると、突如として地面から現れる巨大な植物。……それは、オーズの種が発芽したモノ。そいつは夜の公園に勢いよく現れ、触手を天に向けて伸ばすのだった。
 
 ビルの屋上でケルベロス達を待ち受けていた、リーゼリット・クローナ(シャドウエルフのヘリオライダー・en0039)。その表情は険しい。
「かすみがうら市から飛び散ったオーズの種の回収を、エインヘリアルの部隊が開始しているようだね」
 彼女はいきなり、本題から入る。
 動いているのは5人組のエインヘリアルで、何らかの方法で居場所を特定した、地下に眠るオーズの種に、大量のグラビティ・チェインを与えて強制的に発芽させるようだ。
「発芽したオーズの種は、全長7mの大型の攻性植物だね。でも、発芽直後に『オーズの種の部分』がエインヘリアルによって奪われてしまうんだ」
 オーズの種を回収したエインヘリアルはその場から撤退するが、残された攻性植物は、奪われたオーズの種の分のグラビティ・チェインを早急に回復しようと、市街地の一般人を虐殺して回るようだ。
 攻性植物の戦闘力はかなり高いが、中枢であるオーズの種を奪われている為、耐久力が低い。
「グラビティ・チェインを補給する前に戦う事ができれば、勝機は十分にあるはずだよ」
 短期決戦を臨むべき。リーゼリットはそうケルベロス達へと告げた。
 攻性植物は1体のみで、配下はいない。
「全長は7mもある攻性植物だよ。他の個体に比べれば、やや幅広くグラビティを行使するし、その威力も高い」
 だが、先に説明した通り、種を失っていることで、戦闘開始時には体力が減った状態となっている。とはいえ、オーズの種は脅威だ。舐めてかかると深手を負うだけではすまないだろう。
 場所は、長野県長野市の市街地にある公園だ。
「若里公園という場所だね。戦うには広い場所だから、公園外周部にある建物方面に向かわせなければ、被害は少なくてすむはずだよ」
 だが、失敗すると、直接被害は市街地へと及んでしまう。できるならば、この場で倒してしまいたい。
 リーゼリットは説明を終え、少しだけ考える。
「他のヘリオライダーとも話しているけれど、エインヘリアルがオーズの種を回収する理由が分からないんだ」
 目的は不明ではあるが、現状、エインヘリアル5人と直接戦うのは自殺行為だ。だから、彼らが去った後で、公園を彷徨う攻性植物を対するのがいいだろう。
「皆の作戦の成功を、ボクは願っているよ」
 彼女はそう告げ、ケルベロス達へとヘリオンに乗るよう促すのである。


参加者
シェラーナ・エーベルージュ(剣の舞姫・e00147)
白神・楓(魔術狩猟者・e01132)
セシル・ソルシオン(修羅秘めし陽光の剣士・e01673)
ロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)
コール・タール(多色夢幻のマホウ使い・e10649)
風音・和奈(固定制圧砲台・e13744)
ランドルフ・シュマイザー(白銀のスマイルキーパー・e14490)
ハンス・ドレイク(ドラゴニアンの降魔拳士・e18232)

■リプレイ

●戦隊物の姿をした集団
 長野県長野市、若里公園にやってきたケルベロス達。
 公園を前にした、セシル・ソルシオン(修羅秘めし陽光の剣士・e01673)は、満面の笑みでロディ・マーシャル(ホットロッド・e09476)の頭をグシグシと撫でる。
「おぅ、ロディ。改めて、頼りにしてるぜ!」
 ヘリポートを発ってからされるがままのロディだったが、嫌な顔はしていない。セシルは頼れる兄貴分なのだ。
「……いたわよ」
 近くの街灯に登り、双眼鏡を使って園内を観測していたシェラーナ・エーベルージュ(剣の舞姫・e00147)は仲間へと呼びかける。園内で一際目立つ5人組を発見したからだ。
「5人組で赤、青、黒、黄、ピンクねえ……後から緑とか金とか銀とか、追加で来ねえだろうな?」
 ランドルフ・シュマイザー(白銀のスマイルキーパー・e14490)は増援を懸念する。ああいう姿の敵がさらにいるとは、考えたくないものだが……。
 ケルベロス達はそのエインヘリアルの一隊……アルカンシェルにある程度近づき、物陰から様子を伺う。
(「日曜の朝に、ああいうの見たことあんな……」)
 白神・楓(魔術狩猟者・e01132)は敵の姿を見て、そんな感想を抱く。ケルベロスよりも体格が大きいエインヘリアルが、並々ならぬ力を持っているのは間違いない。
 ランドルフも敵の強さを肌で感じ、尻尾の毛を逆立ててしまう。
「くやしいが、今の俺らじゃ、あの5人に勝ち目はねえか。……今は、な」
「特攻が十八番の俺でも、さすがに5人同時相手はねぇわ」
 普段は強い者と相手をしたいと考えるセシルも手を横に振る。だが、いつかは戦ってみたいと本音を漏らす彼に、ランドルフも「そうだな」と同意した。
 ロディも悔しさをにじませている。悔しいが、これから現れる攻性植物とエインヘリアルを一緒に相手をすれば、周囲へと被害を及ぼすのは避けられないと考えていたのだ。
 そのロディは、エインヘリアルを観察しつつ手配書を作成しようとしていた。ただ、物陰では敵の姿をはっきり認知できず、完成には至らなかったようだ。
 その頃、公園の中心には、オーズの種から現れた巨大な攻性植物が現れていて。それから種だけを取り出したエインヘリアルは、いずこともなく去っていく。
「発芽した攻性植物からオーズの種だけを回収って、あの戦隊物は何がやりたいんだろうな……」
 去り行く敵の背中を見つめる楓。敵の狙いは一体何なのか……。
 ともあれ、ケルベロスは接触を避けるべく、回り込むようにして攻性植物へと近づいていく。
「ったく、何かこっちが悪役やってる気分だぜ!」
 ランドルフは悪態付きながらも、敵に近づく。念の為にと灯りを手にするシェラーナが殺界を作り上げる。
 同じく、コール・タール(多色夢幻のマホウ使い・e10649)も殺気を放って一般人の立ち入りを防いだ上で、仲間と共に攻性植物を取り囲んでいく。こちらは、敵が公園周囲の施設に近づかないようにする為だ。
「なんて大きさ……これは絶対に野放しにしておけないよ!」
 7mもある敵の姿を間近で確認した風音・和奈(固定制圧砲台・e13744)は驚く。噂には聞いていたが、オーズの種は本当に厄介だと彼女は感じていた。
「大丈夫だ」
 ハンス・ドレイク(ドラゴニアンの降魔拳士・e18232)は和奈の頭をぽむっと撫でる。怖気づいているわけではなかったが、和奈はそれで元気付けられ、敵を倒す為に武装を展開する。
 コールは去り行くエインヘリアルが手にする種を見逃すことに対し、非常に悔しがっていた。
「だが、今は我慢だ。今は、目の前の驚異を片付けよう」
「まあ、考えるのは後だね。今は目の前の植物を処理しようか」
 楓も敵の狙いを計りかねていたが、種を奪われてグラビティ・チェインを満たそうと暴れる敵を抑えるのが先だ。
 ケルベロス達は攻性植物を倒すべく、武器を突きつけていくのだった。

●立ち向かうべき巨大な相手
 巨大な攻性植物はすぐさまケルベロス目掛けて大きな口を開き、食らいついてくる。
 それを、ロディが全身を毒に侵されながらも抑える。確かにその力は脅威。ロディはその一撃だけで、体力が大きく削がれていくのを感じた。
「正直、空っぽのてめぇに興味はねぇんだよ!」
 その前に、躍り出たコールが種を奪われて空っぽの攻性植物の前へと飛び上がった。彼はそのまま重力を宿した蹴りを食らわせ、敵の足を止めようとする。
「ぶつけてやろうぜ、オレ達のありったけ!」
 なんとか初撃に耐え切ったロディも精神を極限まで集中させ、攻性植物の口を狙って爆発する。
 セシルもエインヘリアルを見逃すしかなかった鬱憤を発散すべく、電光石火の蹴りを太い幹に食らわせていた。
 敵は攻撃力こそ高いが、耐久力は低いという。だから、ロディはセシルとツートップで敵を抑えようと考えていた。
 同じく、ハンスも仲間の盾となるべく身構える。その上で彼は地面に守護星座を描き、その輝きによって仲間を守らんとしていた。
 後衛のランドルフも、仲間を守る為にリボルバー銃を撃ち出す。グラビティ・チェインと気を練り合わせ、回復を行う気弾を生み出し、仲間達へと叩きつける。ただ、それは痛さを伴うことがあって。
「当たって痛いのは、生きてる証拠! 文句は後で聞いてやらあ!」
 痛みを覚える仲間に、ランドルフはそう叫びかけていた。
「OverDose……手加減も調整もしないよ!」
 和奈が手にしたのは、麻酔弾だが、魔力による電流を纏わせる。それらをガドリングガンに装填し、攻性植物目掛けて集中砲火を浴びせていく。
(「リーゼリットの言っていた通り、速攻で植物を……」)
 楓も、依頼説明をしたエルフ娘の言葉通り、一気に攻めていこうと考える。その為に、自身の立ち位置も考え、まずは敵の足止めを試みることにした。
「頭上注意、だ」
 楓も重力を宿した蹴りをと高く飛び上がるが、彼女はさらに高く跳躍し、敵の脳天へと流星の煌きのごとく踵落としを叩き付けていた。
「今代が剣の舞姫が舞いる!」
 足を鈍らせた攻性植物へ、両手に斬霊刀を握ったシェラーナが2つの刃を振るう。狙うは眼前の、しかも巨大な敵だ。それに向け、敵の霊体だけを切り裂く衝撃波を飛ばす。
 直接、霊体を裂かれた攻性植物。元より核となる種を奪われていたそいつは、グラビティ・チェインの枯渇に苦しみながらもなお、ケルベロスへと攻撃してくるのだった。

●強力な攻撃に耐えながら
 苦しみながらも、巨大な攻性植物は地面に根を張り、周囲を大地へと融合させていく。ケルベロス達は大地の侵食に抗いながらも、戦いを続ける。
 自身の腕に巻きつけていたブラックスライムを解き放ったコールは、それを敵へと巻きつけていく。抗う敵は拘束から逃れようと、触手を動かす。
「ただの攻性植物じゃねぇって言いたいのなら、少しぐらいは証明して見せろ。……ちっぽけな意地を見せてくれよ」
 コールはそんな呼びかけを行う。オーズの種に対する興味もそうだが、彼は種を奪われたこの植物に少なからず感情移入していたのかもしれない。
 もちろん、破壊活動を行い、人命を奪うデウスエクスを、ケルベロスとして見逃すはずもない。
「いいの……? アタシを放置してさ!」
 壁となる仲間の後ろから、和奈はチェーンソー剣を携えて飛び出し、仲間の与えた傷を抉る。敵はさらに体を痺れさせ、動きを鈍らせていた。
 そこに近寄るロディは、敵の弱点を分析しながら攻撃を仕掛ける。狙うは、敵の中心となる幹。そこを目掛け、彼はアームドフォード『ファイヤー炎神』の主砲から砲弾を叩き込む。
「幹は効いているっぽいか……?」
 敵の状態を見ていたロディらディフェンダー陣の防御をかいくぐり、攻性植物は蔓触手をセシルへと絡ませてくる。巻きついた触手は、身が裂けるかと思うほどに締め付けてくる。
 それを確認したランドルフは、溜めたオーラを打ち出してセシルを拘束から救い出した。
「……高くつくぜ?」
 拘束から逃れ、体力を幾分か回復したセシルは、敵を睨みつける。その瞳が真紅に輝き出した。
 己の血を見て、半暴走……修羅となり、理性を失うことがある彼だが、ギリギリのところで理性を押さえつける。
「っはははは!! やるなデカブツ! 愉しいじゃねぇか!!」
 セシルは高々と笑い声を上げ、喰らいつくオーラの弾丸を放った。
 敵の攻撃を危険視した楓。幹への攻撃が効果的と感じて、袖口からブラックスライムを飛ばす。溢れ出すそれは鎌首をもたげる様に攻性植物へと襲い掛かり、その幹を絡めとる。ただ、敵は元々弱っており、比較的どこを攻撃しても効果的なダメージになっているのが実情だ。
 そこへ、速度を生かして立ち回るシェラーナが、空の霊力を帯びた斬霊刀の刃で切りかかっていく。
 その斬撃に耐えた攻性植物は周囲から光を集め、破壊光線を打ち出す。光線からケルベロスを庇ったのはビハインドのクマンサ。けなげにその身を投げ出した彼女は強烈な光に耐え切れず、その場から消えてしまう。ハンスはそれを、苦々しい顔で見やった。
 仲間が攻撃を繰り返す中、攻性植物はさらに、蔓触手を伸ばしてくる。しかも、それは、和奈を狙っているようにハンスには見えて。これ以上、仲間を傷つけるわけには行かない。
「喰らえっ!」
 ハンスは魂をも奪う力を爪に一転集中させて、攻性植物を薙ぎ払う。一閃した爪は、数本の触手を切り落としていた。
 そこで現れたのは、人造魔物。いつの間にか、楓がその『失敗作』を押し込めていた空間から呼び出していたのである。
「そらっ、餌の時間だぞー」
 まるで鳩に餌でもやるようなトーンで楓が呼びかけると、破壊欲と飢えに充ちたその『失敗作』は敵を蹂躙するかのごとく、攻性植物を食い破り、引き裂き、喰らっていく。ある程度満足したそいつは、再び元の空間へと戻っていた。
 とにかく手数を。シェラーナは再度、二つの刀から衝撃波を振るう。そして、またも霊体を裂かれる苦しみに、攻性植物は悶える。
「根元から……ぶったぎってやるよ!!」
 今度は、和奈が唸るチェーンソー剣で、敵の根元を狙って切りかかる。幹を抉られた攻性植物は、蔓触手や根をジタバタともがくように動かしていた。
 あるべき種を失った巨大な攻性植物は、ただグラビティ・チェインを失われていく。すでに体力は尽きかけ、極限にまで疲弊していた。
「……無理やり奪われる苦しみは、俺にも分かる。敵だと分かってはいるが、同情はしてやるよ」
 コールは瞳を閉じ、詠唱を行う。
「―――火、水、風、土、そして空。元素は混ざりて星となる―――」
 今まで鹵獲してきた技術、そして知識全てを使用し、作り上げた儀礼用ナイフ。それを触媒にして生成した擬似エーテルを、コールは放出する。それは、敵が光を撃ち出す発射口を貫いた。
 さらに、それまで回復に当たっていたランドルフが畳み掛ける。
「お前に『春』は訪れない……凍て付け、徒花」
 彼は氷結の螺旋を放ち、攻性植物の幹の一部を斬り付け、その箇所を凍らせてしまう。
 しかし、攻性植物はしぶとく抵抗する。傷口から体液が流れ出す敵は、またも口を開いて食らいついてくる。敵の注意を引いていたハンスはきりもみ回転することで、それを見事に躱してみせた。
 その間に、セシルがロディとひそひそ話をしていて。
「よし乗った、面白いじゃねぇか。それで、あのデカブツにとどめ刺してやろうぜ!!」
 2人はすぐさま、攻性植物へと仕掛ける。
「ターゲットロック! 奔れ、青い流星!」
 消防車型アームドフォート『ファイヤー炎神』のはしごに似た形の砲塔から、ロディは冷凍ビームを撃ち放つ。
 ビームを浴びて身体を凍らせる敵。だが、それすらも目くらましだ。すでに、セシルが肉薄していて。
「ふはははは!! これで、終わりだ!!!」
 セシルは日蝕の残像を纏い、深紅に輝くゾディアックソードで敵を切り刻む。その剣戟によって氷片が飛び散り、深紅の光が乱反射して煌く。
 その光が止むのと同時に、攻性植物も完全に動きを止めた。グラビティ・チェインが失われた攻性植物の身体からは水分がなくなり、徐々に枯れていったのだった。

●何か手がかりは……
 攻性植物が完全に萎れたことを確認したメンバー達は、戦闘によって侵食された地面や、壊れた備品に対してヒールを施す。
 傷を負ってはいたが、大事に至ってはいないハンスは、和奈と一緒に破壊された公園にヒールを施しつつ、公園を回る。
「オーズの種は地下に埋まっていたんだよね……? 一体、どうやって見つけたのかな……」
 和奈はそんな疑問を口にする。エインヘリアルがオーズの種を発見した方法は、残念ながら謎のままだ。
 しかしながら、攻性植物が残した跡からならばあるいは……と、ランドルフは一度敵を撃破した現場に戻る。
 現場では、シェラーナは攻性植物が出現した穴を調べていた。灯りを照らし、穴の中を入念に調べては見たものの、取り立てて目に付く物は発見できず、シェラーナはやや落胆していたようだ。
 コールはと言うと、攻性植物の残骸を調べている。エインヘリアルがオーズを使って何をするのか、少しでも手がかりが欲しいと考えていたのだ。
 何も残されてはいないだろうが、一応……。そう考えながらも捜索を続けていると、コールは枯れた蔓草の中から何かを発見した。
「……なんか動い……、え……い、生きてる……」
 コールが掴んだのは、攻性植物の残骸。しかしながら、それは、もはや本来の使命と力を失い、ただグラビティを求めて動くだけの存在と成り果てていた。
 もしかしたら、コールの呼びかけによって、攻性植物は生きようともがいていたのだろうか。こいつなりの意地なのかもしれない。
「お前……」
 必死に生きようとするそれを掴んだコールは、自身の腕へと装着したのだった。

作者:なちゅい 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年3月27日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 10/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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