明けた朝の空の下、かすみがうら市のビル街。
とある不良グループのリーダーで、攻性植物の少年に異様な影が2つ接触していた。
「おめでとう。君は、進化の為の淘汰を耐え抜き、生き残る事が出来た。その栄誉をたたえ、この種を与えよう。
この種こそ、攻性植物を超えアスガルド神に至る、楽園樹『オーズ』の種なのだ」
少年にそう告げるのは、シャイターンのシルベスタ。そして傍らの攻性植物のユグドラシルガードモデルラタトスクが、少年の反応など意に介さず『種』を渡す。
『ッ……があぁ!? ぁガあアア!!』
途端に身悶え、苦しみ始める。
攻性植物から白い糸が何十本、何百本と伸び周辺の壁を破壊。同時に、糸の壁や柱や屋根が形成されてゆく。
『これで誰もが俺に及ばない。だれも俺を……はは、あはは! ハハハハハハ!!』
天を仰ぐ少年を見届けたデウスエクスたちは、満悦そうに立ち去った。
「かすみがうらで発生している攻性植物の事件と、人馬宮ガイセリウムで発見された、『楽園樹オーズ』との関連について調査していた白神・楓(魔術狩猟者・e01132)から、緊急の報告が入った」
召集への迅速な対応への感謝と共に、ザイフリート王子(エインヘリアルのヘリオライダー)は時間を惜しむように説明を開始する。
「かすみがうらの攻性植物事件の裏には、楽園樹オーズの種を利用するシャイターンめの暗躍があったらしいな。お前達ケルベロスの介入や攻性植物同士の抗争事件などを生き抜いた不良達に、より強力なオーズの種を与え、かすみがうら市街で一斉に事件を引き起こさせたようだ」
街の現状も穏やかではない、と話が続く。
「オーズの種を与えられた攻性植物達を中心に、市街地は密林のような街に変貌し始めている。周囲の市民達は植物に巻きつかれてグラビティ・チェインを吸い取られているらしい。
このままでは市民は干からびて死亡し、大量のグラビティ・チェインを得た攻性植物達は、新たな力を手に入れてしまうだろう」
耳を傾けていた者たちの顔色も変わる。
かすみがうらに向かって、オーズの種を手に入れた攻性植物を撃破する。
それが今回の目的である。
倒すべき敵は1体。接触するのは市内のビル街。
種を与えられた攻性植物の少年は、植物の特徴と白い髪をしていたことから「イト」と呼ばれていた。
中性的な顔つきで痩身、一見繊細で理想高いが、他者を蹂躙する欲望が見え隠れする。
彼の攻性植物は肉厚の葉から伸びる糸を自在に操る。加え、バトルオーラと同性能のグラビティを使用する。
「体長は種の影響で3メートルほどになっているが、植物化した建造物は彼奴の一部だ。巨体では奇襲などできないだろうという考えは捨てたほうが良い。警戒して行け。
……もうひとつ懸念すべき点がある。周辺には捕われた多くの市民がいる」
その数は、200名程度。にわかにざわめく。
「見過ごせないという者もいるだろう。
まとわりつく植物を引き離し始末することで救出は可能だが、それにより敵はお前達の存在に気がつく。
場所も屋内と屋外でひとまとめにされているわけではない。救助に時間をかけすぎたり、救助にばかり気をとられていると、奇襲を許すことにもなりかねない。
攻性植物本体を撃破すれば市民を捕えた植物も消えるはずだが……。
どのような方法で『倒し』、『救う』のか。よく話し合うといい」
相手は特別な力を得たデウスエクス。決して油断できる相手ではないのだから、とザイフリートは付け加えた。
「今回の好機を握ったのは白神、およびお前達ケルベロスが調査を諦めずにいたからだろう。根本的な解決の機会とはいえないが、今のかすみがうらを救えるのはお前達だけだ」
兜で目を隠したザイフリートのその声は、実に信頼に満ちている。
事実、その言葉の通りなのだから。
参加者 | |
---|---|
マキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701) |
ソーヤ・ローナ(風惑・e03286) |
山田・ビート(コスプレ刀剣士・e05625) |
氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716) |
紅・マオー(コンビニ拳士・e12309) |
カティア・アスティ(憂いの拳士・e12838) |
簒奪・蒐集(現住所はダンジョン・e14165) |
アドルフ・ペルシュロン(緑の白馬・e18413) |
●つなぎとめ
降り立った街の惨状は想像以上だった。
事前に聞いていたとはいえ、「街」らしい面影はほとんど失われている。百貨店や総合ビルの整然とした趣きは見る影もなく、四方八方から多肉植物と白糸が貼りつき、食い破るオバケ植物があるだけだ。
「植物園っていうかジャングルっていうか……。ほんと、デウスエクスにかかれば景色も一瞬で変わっちゃうわね……」
反射的に糸から身を引いて氷霄・かぐら(地球人の鎧装騎兵・e05716)が小さな声でこぼす。
足元を確認する。地面に気を配っていれば植物を避けて歩くことはできそうだ。
「街がこんな姿に……敵も一筋縄ではいかなそうだ」
紅・マオー(コンビニ拳士・e12309)とオルトロスのわんこさんが観察を凝らす後ろから、山田・ビート(コスプレ刀剣士・e05625)がついて来る。
「大丈夫! きっとなんとかなります!」
憧れの人との任務にいつも以上に気合が入っているようだ。
ヘリオンから降りる前に目視できる範囲でチェックした植物の少ない場所を、『アイズフォン』を利用して電子マップに記録するマキナ・アルカディア(蒼銀の鋼乙女・e00701)。
「この駐車場なら広さもあるし、一時避難所に良いんじゃないかしら。準備完了よ。行きましょう」
「そうですね。思うところは色々ありますが、まずは人々を助けないと」
ソーヤ・ローナ(風惑・e03286)が仲間を振り返り、それぞれ『市民の救出』と『救出中の敵警戒』の役割につく。彼らは、敵に見つかることを覚悟で、市民の安全の確保を優先すると決めていた。
●たぐりよせ
「皆さん! もう大丈夫です!」
救助劇の中でも、ビートが発揮した『スタイリッシュモード』の効果は異彩を放っていた。
不気味な植物の篭城に囚われた絶望の中、見えた光――もとい颯爽と表れたスタイリッシュな少年。
「あ、あなたたちは……! 助けにきてくれたのね!」「おおっ、なんと感動的な……!」と市民はなんだか必要以上に元気が出ている。
腰に下げた刀、クールな緑色のつなぎ。そのすべてがなぜかとても粋で洗練され、輝いて見える――らしい。市民には。それでいいのだ。
「今助けます! もう少しだけ頑張ってください!」
ビートは勇気づける言葉も忘れない。
(「あまり大声を出さないように、慎重にね」)
かぐらは植物を引き剥がしながら、市民に植物へ触れないよう念押しで『接触テレパス』で伝える。
「安心して、ケルベロスよ。助けに来たわ。体の方は大丈夫かしら?」
マキナは掌の立体映像を見せることで避難場所へと誘導。『怪力無双』の用意もあったが、余力のある市民が自発的に他の者を手助けする様子も見えた。これもケルベロスが現れたことへの安心感と、励ましの効果なのかもしれない。
『隠された森の小路』で植物を避けながら救助活動を行っていたアドルフ・ペルシュロン(緑の白馬・e18413)は、他の場所で捕われた市民がいたかどうかを尋ねた。
「この先の交差点はいつも人通りが多かったみたいっす。間に合うといいんすけど」
救助担当と警戒担当、全員がかたまって動くことを決めていたため、この場の市民を助けてからでなければ移動することはできない。
「もうあちらは私たちの介入を察知しているでしょうに。だとしても、寧ろ早く撃退することで救助できる可能性が上がりそうですね」
低空飛行を続ける簒奪・蒐集(現住所はダンジョン・e14165)は冷静に周囲を警戒している。
植物に触れぬよう、ミミックを抱えて。焦っても来るものは来るのだ、とある種の寛容さすら持ち合わせ、今は慎重に広い路地を行く。
カティア・アスティ(憂いの拳士・e12838)も翼をはためかせ、建物内を見て回る。幸い、今は人が少ない時間帯。清掃をしていた老年の女性2人を見つけ助けにかかるが、カティアの内心はけっこう必死だ。
(「その、何というか……白い糸が、にゅるにゅる、して……気持ち悪い、なぁ……うわぁ……」)
植物を引き剥がすたび、口には出さないがどうしても顔に出てしまう。
(「いくら、力を、得ても……この、見た目は……」)
引き剥がすたびにおっかなびっくりではあるが、それでも命を助けたい想いには変わりはない。『怪力無双』で2人を地上へと運ぶ。
ケルベロスたちは誘導の合間も、五感で察知できることにも警戒をはらっていた。
空気の流れ、物音、植物の動き。ケルベロスと一般市民の存在によるそれ以外の変化は、今のところ感じられない。
ソーヤ、マオー、蒐集は救助班が市民に集中できるよう神経をそそぐ。
ここら一帯の植物は敵の一部だ。そしておそらく、ケルベロスの存在は既に知られている。
それに、干渉してくるのは“あちら”にとって最も都合の良いタイミングだろう。
次第に四方に視界が開けた交差点にたどりつく。
近辺では最も人が多そうだ。ざっと3、40人だろうか。
さっそく救助にあたる仲間を背に、崩壊しそうな建物は無いかと周辺に眼を向けていたマオーは、取り出し口から白い糸をびっしり吐き出した自動販売機を見つけた。
肉厚の葉がべっとりともたれ、その縁から無数の糸が伸びなんだか気味が悪い。
缶ジュースがそこらに散乱している。足場の邪魔になりそうなそれを蹴飛ばし販売機にぶつかった時に、わずかな変化に気がついた。
糸が数本、動いている――次の瞬間には自身を絡め取ろうとしたそれに臨戦態勢をとり。
「来たぞ! 敵だ!」
身動きを封じられながら、まずは接敵を仲間に報せる。それが最優先だ。マオーの声と音を聞きつけたメンバーが戦闘態勢に入る。
『うーん。ちょっとうまくいかなかったな』
ビルの隙間からズリズリと這い出る植物の巨体と白い糸……いや、白い髪だ。地に着くほど長い髪の下から、幼さの残る少年“イト”の顔が覗く。
●からめとり
『1匹引きずり倒せば、なんとかなると思ったけど……11匹もいたとは。計画的だねえ』
植物の感触だけでは具体的な妨害者の数を把握できなかったようだ。多少の人数差はそう重要ではないだろうが、より計画的に行動していたことは想定外だったようだ。
戦闘に集中できる者はすでにイトへの攻撃体勢にはいる。
「皆さんの避難を優先するっす……!」
アドルフがライドキャリバーのカブリオレと共に救助にあたる。どんなかたちであれ、市民を巻き込むわけにはいかない。
「ええ、こちらは任せてください。……イト!」
ソーヤは掛け声とともに、指鉄砲を向け気を集中。一見何も起きていないように見えるが、それが彼女の固有技『乱意衝波』の特徴だ。
イトは瞬間痛烈に歪めた顔を寄せてくる。
『なん、だ。あんた。なんかイライラすんなァ』
「奇襲を企んだ者の言葉ではないですね。それに、あなたは強くなったつもりでしょうが、そんなことはありません」
『……はぁ?』
「本当に強い存在はわざわざ弱者を踏みつけにして自らの強さを確認する必要はないから。あなたは結局弱い三下でしかありません」
『……はぁああ??』
ソーヤの毅然とした態度。挑発の意味も込めているが、その言葉に妥協や建て前は無い。
植物と糸が蠢く物体ともいうべき化物に対峙する少女との差は、歴然だが。
少女は退かない。
『俺はさぁ』
イトの眼は見開き、口元は明らかにいびつだ。
『頂点を突破して、さらなる力を得たんだよ! そしてここは、俺が支配してる!! 三下じゃあない!!』
グラビティにより激昂させても、不意の判断で無関係の者を狙う可能性もある。が、無抵抗で捕獲も容易な一般人よりも、抗ううえ自身の命を脅かすケルベロスたちのほうがイトにとっては排除したい存在だ。
特に、個人的な感情で頭に血がのぼっている今は。
「いまのうちに……! 逃げて、ください!」
着地し戦列につくカティア。市民たちに呼びかけると地を蹴り、鉄塊剣でイトに斬りかかる。
「……何かを、壊して、誰かから、奪うことが、そんなに、愉快、ですか……!?」
『愉快なことこの上ないね。俺が全部持ってればイんだから』
「そんなことを……!」
苦手とする剣を握る手は懸命だ。受け止めたイトの苦と悦が混じった声。斬りきれなかったが、手応えはある。振り払うと同時にイトを瓦礫の山の前に追いやる。
影から飛び出したのは、集中力を高めていたビートだ。
見開かれた眼とイトの眼がかち合い。
「刹那に輝き、全てを切り裂け!」
咆哮と共に発する裂帛の気合、彼の中のグラビティ・チェインがその強靭な意思を刃とする。
その名も……!
「奥義! 幻心錬成刃・一閃!」
『ぐわああああああ』
一撃を与えたつなぎの少年がスタッと地に降り立ち、更に。
「楽園樹オーズの種を植え付けられた攻性植物か。美味そうだな」
舌舐めずりをしたマオーが獲物に狙いを定め、鎌を一投。ブォンブォン回転する曲刃はイトの頭上をかすめ。間髪入れずオルトロスのわんこさんが剣で翻弄する。
「加勢するわ!」
かぐらも攻撃の要として動く。攻性植物の根が剥きだした肩に爆破を引き起こす。イトの破壊力は自分たちの比ではない。威力を少しでも削ぐつもりだ。
『寄ってたかって……鬱陶しいなぁ!!』
「……!」
八つ当たりよろしく弾丸のごとき闘志の波動が襲い来る。直撃を覚悟したかぐらの前に、蒐集のミミックが飛び出し受け止める。
「一人では及ばないのは認めるわ。でもケルベロスは――群れてデウスエクスを追い詰めるのよ?」
マキナがウィッチオペレーションを施すと、アドルフが戻ってきた。
「市民の皆さんは、解放してきたっす! いま避難場所に向かってもらってます」
戦闘開始から数分。全員が揃った。
『なら、回復源を、ぶった切る』
いい加減プッツンしたのか、むしろ冷静になったのか。
ともかく彼の次の狙いは回復手のマキナだ。
「ほう。すこしは頭も使えるようだな」
と、おどけた声がした。蒐集だ。
「てめえ用に調整した特殊な粘菌だ。たっぷりと味わえ」
悠然と魔導書を構える蒐集。戦闘前までの紳士の仮面はもはや脱ぎ捨てられていた。
不敵に笑う狂気の学者の貌。
どちらが本当の姿か。そんなことを考える間に、彼の粘菌に内部から喰われてゆくであろう。
そうしてケルベロスたちの総力戦が続くうちに、イトの消耗は目に見えて激しくなっていた。
「イト、あなたは大したことのない相手です。あなた程度の敵は今まで戦ってきましたし、それ以上の敵もいました」
追い打ちのように告げるソーヤの眼はしかとイトを捉える。
「それに強さと言うのは無闇に振り回すものではありません。必要な時に、必要なだけ。ただの怪物となったあなたを倒すために私は力を使います」
いけるかどうかの一手。
地を駆ける双脚のシューズに燃え盛る炎をまとう。そのままイトの胴体ど真ん中を蹴りこんだ。
明らかな手応え。これが致命傷かに思えた。その時だ。
『まだ……まだだ! オーズの種よ! 俺に力を!!』
「なにっ……!?」
瞬間。
イトの身体の眼に見えた損傷が癒え、葉はうねり、次第に活気を取り戻す。
完全な回復とはいえなさそうだが、どうやらオーズの種にはこの『恩恵』もあったようだ。
『クッソ……餌が少ないとこんなもんか。半分くらいだろうが、まあいい』
「囚えた人々から吸収したグラビティ・チェインで回復したのか? なんとまぁ……」
呆気にとられながらも冷静に分析する蒐集。ケルベロスたちが救助した人数は不明だが、50~60人程度ではないだろうか。救助をしていなかった場合、どれほどの回復量だったのだろうかと頭を過る。
ケルベロス達も皆、無傷ではない。いざ事態が覆されると少なからず動揺はある。
それでも。
「まだ、こちらの優勢に変わりはないわ。みんな、最後まで諦めず戦いましょう」
マキナの鼓舞に真っ先に応えたのはアドルフだ。
「そうっす! 何度のぼりつめても引きずり下ろすっす!」
『そうはいかねえよ!!』
アドルフがイトに向かいゲシュタルトグレイブを構える。矛に稲妻を携え、突進!
イトは迎撃の体勢をとる。
押しのけられそうになるが、荒れ馬のごとく勢いを落とすことなく植物に喰い込ませるアドルフ。
相殺の勢いで互いの身体が飛ぶ。反射的にカブリオレがアドルフの身体を受け止めた。
『今度こそ潰す!』
イトの狙いは変わらず回復手に向いている。一点集中でチームワークを崩そうというのだろう。
だが、このチームには防御を担う要がいる。前に出たのは――ミミックだ。
植物の毒に侵されるのも束の間、サーヴァントは消え去った。
『また邪魔が入った』
「こっちも無敵ってわけじゃないんだが。一般人はもっと別だ。犠牲者増やすわけにはいかねぇ」
サーヴァントの行方を見届けた蒐集が指を弾けば、書から召喚した弾丸がイトの胸を貫く。
「痛いですか。痛くない戦いなんてどこにもありません」
ソーヤは厳しい声のまま瓦礫を飛び伝い、スターゲイザーを見舞う。
「当たりさえすれば……!」
かぐらは星辰の長剣を振り下ろして徹底的に追い詰める。序盤に重ねたグラビティの特殊効果は、まだイトを苦しめているはずだ。
マオーはフェイスマスクを外して襲い来る植物を焼き千切り、そのままイトを灼熱の炎で包み込む。
続くビートによる絶空斬がその傷口を広げればイトが悶え苦しみ。
迫り来る執拗な糸を、カティアは聖なる光で断ち切った。
「私に心を与えてくれた人々のためにも。誰一人失わせないわ。さあ……終わりにしましょう」
マキナの砲撃が、イトの腹に大きな穴を穿った。
『あああああぁぁぁ……』
巨体は真っ二つに、ズシンと音を立てて落ち。
白い糸がはらりはらり。
最後には萎れてただの枯葉と糸くずとなった。
「あ、あれは……!」
干からびた植物から光を見つけたのはビートだ。
それは少年に植え付けられたオーズの種だろうと、直感的に判断する。
「今ここで、破壊します!」
すかさず刀を振るうが、種は一度や二度の攻撃ではビクともしない。
そうする間に、光輝く種はあっという間に彼方に飛び去ってしまうのだった……。
●ゆいなおす
その行方は気がかりだが、種が去った今、この場所でこれ以上の悲劇が起きることはないだろう。
グラビティ・チェインの吸収の心配も無くなり、残された市民たちの保護にあたる。
シャイターン暗躍への危惧は消えない。が、疑念と警戒から最悪の事態は免れたのだ。
そして人々はきっとまたこの地へ戻るだろう。
ケルベロスたちは破壊された建物や公共物へのヒールを施すことも忘れなかった。
彼らが守り心を添えたものが、ゆっくりとまた、人々の拠り所を成してゆく――。
作者:木琴鶏 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年3月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 10/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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