みちのく梅紀行

作者:朱乃天

 東北の地にも少しずつ春の足音が近付いてきた。
 この地域では例年なら四月頃に花を咲かせる梅の木も、今年は温暖な気候が続いたせいか既に開花が見られる場所もある。
 夜が明けたばかりの朝の薄陽に照らされて、紅白に咲き誇る梅に彩られた公園に、不審な影が足を踏み入れる。
「最近はどなたもグラビティ・チェインを集める前に、ケルベロスに殺されているようですが……」 
 声の主たる女郎蜘蛛のローカストは、幾度となく企みを阻止してきた地獄の番犬達を疎ましく思いつつ、傍らに立つ配下のローカストに視線を投げかける。
「あなたは、上手にやってくださいますね?」
 女郎蜘蛛にそう問われた下僕――赤い武者鎧のような外骨格に覆われた百足型ローカストは静かに黙って頷いた。
「ならば殺してきてください。吉報を楽しみに待っていますよ」
 妖艶な笑みを浮かべて命令を告げた後、女郎蜘蛛は朝靄の中へと消え去っていく。
 百足の武者は彼女を見送り終えると、獲物を探し求めて公園内を彷徨い歩く。そして――前を行く一人の女性の姿が目に留まったのだった。

「忌々しいローカスト達が、東北地方に目を付けて侵攻を企んでいるようですね」
 ヘリポートに集まったケルベロス達を前にして、メルカダンテ・ステンテレッロ(茨の王・e02283)がヘリオライダーから告げられた予知の内容を語り出す。
「そして今回の事件は、裏で女郎蜘蛛型ローカストが糸を引いているみたいなんだ」
 メルカダンテの隣にいる玖堂・シュリ(レプリカントのヘリオライダー・en0079)が頷きながら、事件の詳細について説明を付け加える。
 この女郎蜘蛛は、知性の低い配下のローカストを地球に送り込み、グラビティ・チェインの収奪を行う作戦の指揮を執っているようだ。
 女郎蜘蛛自体は配下を放つとすぐにどこかへと去ってしまうので、配下ローカストの撃破に専念するだけでいい。
 今回戦う相手となる個体は百足型ローカストだ。この個体は知性が低い分戦闘能力に優れているようなので、心してかかる必要がある。
 敵の攻撃方法は、巨大な牙で噛みついてきたり、腕を日本刀のような鋭い刃に変形させて斬りかかってくる。
 また、体力が消耗するとアルミニウム生命体を解放させて傷を修復させてしまう。
「現場となるのは宮城県にある公園だよ。敵は朝の散歩をしている女性を襲おうとするけど、現場にはその直前に到着できるから、急いで駆けつけて避難させれば問題ないよ」
 公園にいるのは女性一人だけなので、彼女を避難させれば他の一般人への対応は不要だ。
 必要な情報を伝えたところで、シュリが一つの提案をする。
「敵を倒した後は、折角だから観梅を楽しんでいったらどうかな?」
 朝の爽やかな空気に包まれて、梅を愛でながら春の訪れを堪能していくのもいいだろう。
 その為にも、人々を脅かす落ち武者の如き無粋な輩は早々に排除しておきたいところだ。
 一通りの説明が終わってヘリオンへ乗り込もうとした時、メルカダンテが気を引き締め直して、改めて決意を示す。
「民草を守ることがわたくし達に架せられた使命です。ローカストの陰謀を打ち破り、黒幕を表舞台に引き摺り出してやりましょう」


参加者
胤森・夕乃(綴想月・e00067)
ナレイド・ウィンフィールド(月追い黒狼・e00442)
仇町・紘(空の薬莢・e01428)
朝霧・美羽(そらのおとしもの・e01615)
此野町・要(サキュバスの降魔拳士・e02767)
リィ・ディドルディドル(はらぺこディドル・e03674)
ミャア・モノモノ(ストレイキャッツシンドローム・e07764)

■リプレイ


 漆黒の紗幕に覆われた夜の世界に、白い暁の光が差し込んでくる。
 闇は次第に白みを増して藍色へと染まり、夜の終わりと朝の始まりを告げていく。
 蒼と緋が織り成す壮麗なグラデーションで描かれた黎明の空から、八つの人影が夜明けと共に地に降り立った。
「うぅん……やっぱり朝早くに起きるのはちょっぴり辛いね」
 着地をしてすぐに大きく背伸びをする胤森・夕乃(綴想月・e00067)。早朝に一般人を襲おうとするローカストを排除する為に、彼女達ケルベロスは現場となる公園にやってきた。
「早朝作戦きっつ……結局徹夜してやっとだし」
 ヘリオンで移動中での仮眠もほどほどに。起きたばかりでまだ少し頭が眠っている状態のナレイド・ウィンフィールド(月追い黒狼・e00442)は、目を擦りながら眠気を覚まそうとする。流石のケルベロス達でも早起きはやはり難敵のようだ。
「朝つらい……早起きなんて無理だから、徹夜になっちゃった」
 普段は夜型生活の朝霧・美羽(そらのおとしもの・e01615)は、少しでも眠りに就いたら起きられそうにないと悟ってずっと起きたままだった。そのせいか若干気怠そうな仕草を見せていたが、一つの目標を支えにここまで睡魔に耐えてきた。
 それは、戦いが終わった後の観梅と食事だった。華やかに咲き乱れる紅白の梅を見ながら美味しいご馳走に舌鼓を打つ。美羽は既にそのことで頭が一杯だった。
「少し朝が早いだけで情けないこと……。怠惰な者は褒美を抜きにしますよ、しっかり働きなさい」
 清らかな朝の空気に凛とした声が響く。メルカダンテ・ステンテレッロ(茨の王・e02283)は最年少だが誰よりも一番しっかりしていて、仲間達の緩慢な態度を嗜めた。
 そんな彼女の言うご褒美というのは、戦闘後に食べる予定の料理のことである。後で美味しく戴く為にも、やるべきことを成さなければならない。
「親玉でなく子分が相手だなんて、文字通り朝飯前のお仕事ね。お腹が空いたから先にご飯にしたいけど、仕方がないわね」
 大きな欠伸を一つして、リィ・ディドルディドル(はらぺこディドル・e03674)はマイペースで任務に取りかかる。まずはローカストに襲われる一般人を避難させるのが最優先だ。
 朝靄で朧気に霞む視界の中で、一般人の女性の姿を前方に捉えたケルベロス達。そして、更に離れた後方には、彼女を狙おうとする鎧武者の如き百足型ローカストの姿もあった。
 ローカストは女性に気付かれないようにゆっくりと距離を詰めていく。敵が接近するより前に女性を庇おうと、夕乃と美羽がいち早く疾走して女性の元へと駆け寄った。
 突然走り出して向かってくる二人を見て、女性は驚いて立ち止まり、ローカストは思わぬ乱入者の出現に一瞬気を取られて身構えてしまう。
 僅かに生じた隙を突き、夕乃と美羽は最短距離で女性の背後に回り込み、遮るような形でローカストの前に立ちはだかった。
「僕達はケルベロスだよ。ここは僕らが何とかするから、早く逃げてっ!」
 先行した二人に続いてやってきた此野町・要(サキュバスの降魔拳士・e02767)が、女性に短く用件だけを伝えて逃走を促した。女性は訳が分からず後ろを振り向くと、二人のケルベロスに行く手を阻まれた百足の昆虫人間がいたことにようやく気付く。
「さぁさ、早くお逃げ。後はボク達ケルベロスの出番、って奴さ」
 混乱してたじろぐ女性に対して、ミャア・モノモノ(ストレイキャッツシンドローム・e07764)が軽い調子でにっこり微笑むと、女性は安心したのか素直に従って、急いで遠くへ走り去って行った。
「さて、と……こっからが本番だな。ムカデって嫌いなんだよな……けど、酒とタダ飯のために一丁気張るか」
 女性が離れていくのを確認し終え、仇町・紘(空の薬莢・e01428)が不機嫌そうな表情でローカストを睨みつけながら銃を構える。
 刹那、一陣の風が吹き抜けて、白梅の可憐な花弁が空に舞うと同時にケルベロスとローカストが衝突し合い、戦いの幕が切って落とされた――。


「さっさと終わらせて優雅な朝食と洒落込もうかね!」
 早く料理にありつきたいが為に、ナレイドが目の色を変えて積極的に攻撃を仕掛ける。螺旋の力を用いて発生させた二つの竜巻を鎧百足にぶつけて風の刃で斬り刻んでいく。
「ムカデも女にうつつを抜かすか。ここは一つ、痛い目に遭わせてやりましょう」
 メルカダンテが二本のチェーンソー剣を振り回して鎧百足に斬りかかる。巨大な鋏で断ち切るかのように横薙ぎで挟んで斬り払い、摩擦で生じた炎が鎧百足の身体を包み込む。鎧を斬り裂く金属音がけたたましく鳴り響き、鉄と血と肉の灼け焦げた臭いが周囲に漂った。
「聖杯の騎士、君の出番だよっ」 
 鎧百足に向けて要が放った護符は、蒼く輝く氷の騎士となって召喚される。騎士が突進して槍を鎧百足に突き刺すと、冷気を浸食させて傷口を凍てつかせていった。
「春の陽気につられて、キミたち虫さんが出てきたくなるのも分かるけど。そういうのはもっと、楽しい場面にしなくちゃ」
 ミャアが猫のように気紛れな仕草を見せながら、しなやかな動作から繰り出された素早い蹴りは、残像を残して鎧百足の側頭部に叩き込まれる。
「俺達も続くぜ、妹ぴっぴ。遅れを取るんじゃないぞ」
「分かってるって紘ぴっぴ。そっちこそ、ボクにちゃんとついてきてよね!」
 よろめく鎧百足に紘と美羽が追い討ちをかける。美羽が駆けるとエアシューズのローラーが炎を纏い、俊敏な身のこなしで鎧百足の脇腹めがけて回し蹴りを食らわせる。
 更に紘が息をもつかせぬ早業でリボルバー銃を撃ち、的確な射撃で鎧百足の腕の関節を寸分の狂いもなく撃ち抜いた。
 順調に攻撃を積み重ねるケルベロスだが、ローカストも戦闘能力に秀でているだけあってここまでの損傷は微々たるものだった。
「キシャアアアァァァッ!」
 いきなり奇声をあげて反撃に転じるローカスト。日本刀の如き鋭利な刃に変形させた腕を夕乃に振り下ろして襲いかかる。夕乃は咄嗟にルーンアックスで受け止めようとするが間に合わず、肩を斬られて赤い血が鮮やかに飛散した。
「くっ……でも、まだ傷は浅い」
 痛みに堪えて夕乃がルーンアックスを頭上に掲げると、癒しをもたらす聖なる光が身体を包んで肩の傷痕を消し去った。
「ユーノを傷付けるなんて。リィの前で好き勝手な真似はさせないわ」
 リィが怒りを押し殺しながら光の盾を展開させて、敵の攻撃に備えて防御を高める。
 ――戦場に吹き荒れる風が木々を揺らして、舞い散る花弁が戦いに彩りを添えていく。
 剣戟の音は止むことを知らず、戦闘は激しさを増してより一層混迷を深めるのだった。

「さぁさ、もっと楽しもう。オイタはダメ、って奴さ」
 助走をつけてミャアが高々と飛び跳ねる。空中で身体をくるりと回転させて、加速を増した飛び蹴りは重い一撃となって鎧百足の腹部に叩きつけられる。
「僕のとっておき、見せてあげるよ」
 要の片腕から溢れ出るオーラ、それはかつて彼女が奪ったデウスエクスの魂だ。降魔拳士の力、魂を喰らう闘気が激しく渦を巻く。
「発現……纏、練気から、形成……っ! 行くよっ!」
 螺旋を纏った腕を突き出して、掌を鎧百足の胸に押し当てる。捻りを加えた掌底突きが打ち込まれると大きく爆ぜて、魂の一部を脈打つように吸い上げていく。
「グギギギギッ……!」
 幾度となく攻撃を浴びせてくるケルベロス達に鎧百足は怒りを露わにし、巨大な牙で要を捕らえて離さず渾身の力で噛み砕く。
「大丈夫、すぐに回復させるよ!」
 傷を負った要に、美羽がすかさず癒しの力を施した。広げた手を振り翳し、願い事を込めて指先で虚空をなぞる。指が示すは流れ星の軌跡。祈りは光となって星の福音が仲間達に降り注ぐ。
 彼女の願いは皆で一緒に梅を見ながら美味しいご飯を食べること。その為にも、目の前の邪魔者を排除するのみだ。
 再び襲いかかろうとする鎧百足の前に、ビハインドのシホが幻影のように姿を現して敵の動きを抑え込む。
「――これが私に、出来ること」
 夕乃の口から紡がれる詠唱は、内に秘めた魔力を凝縮して一つの弾丸を生成させる。銃から放たれ敵に着弾した魔力の弾丸は半球体の空間と化し、鎧百足を昏き虚無の世界に飲み込み生命を削いでいく。
「奇跡を殺せ、ルクスリア」
 敵の意識が前衛陣に向いている、その隙を縫うようにしてメルカダンテが巫力で錬成した槍でひと思いに刺し貫いた。猛々しい穂先は指で毒でも塗り込むかのように容赦なく抉り、疼き止まない傷を刻み込む。
 蓄積されるダメージは確実に鎧百足の体力を蝕んでいく。鎧百足は体内からアルミニウム生命体を解放させて傷を修復し、生体金属の鎧を纏って強度を上げる。
「そんな鎧、ぶち抜いてやるよ。速攻で沈ませてやる!」
 ナレイドの腕が獣の形に変貌を遂げていく。荒々しい闘気を込めた拳撃がローカストを捉え、その凄まじい衝撃は金属の鎧をも打ち砕く。
 例え戦闘特化の個体であっても所詮は多勢に無勢。ケルベロス達の畳み掛けるような猛攻の前にローカストは成す術もなく、次第に追い詰められてもはや虫の息状態だ。
「別に同情はしないわ。どうせ命乞いをするような知性も無いのでしょう? 遠く異郷の地で、孤独に果てなさい」
 その言葉には一片の憐れみすらもなく。ボクスドラゴンのイドの属性をインストールしたリィが蔑むような眼差しで鎧百足を見下して、息の根を止めようと力を行使する。
「おいで黒蛆《ディドルディドル》、食事の時間よ」
 虚空を裂いて這いずるように現れたのは――タールのように溶けて混じり合う、幾千幾万のデウスエクスの魂の集合体だ。新たな魂を喰らおうと蛆虫の如く蠢いて、全てを捻じ伏せるかのように鎧百足を貪り尽くして飢えを満たすのだった。
 それでもローカストはまだ倒れない。鎧百足は最後の力を振り絞って足掻こうとするが、その抵抗を阻んだのは紘だった。
「春ってのは害虫が増えて面倒ったらないぜ。駆除する役目はだいたいオレらだ」
 紘はリボルバー銃の銃口を鎧百足の頭に当てて、冷たい視線で見つめて表情一つ変えずにトリガーを引く。
「――GAME OVER」
 零距離から撃ち込まれたグラビティの弾丸は脳天を射抜き、鎧百足の身体が崩れ落ちていく。力尽き果て倒れた骸の上に紅梅の花弁がはらりと舞い降りて、ローカストの死体は春霞のように儚く消滅していった。


 戦いが終結した公園は、本来の寂静とした空気を取り戻していた。
「さて、ここからは観梅を楽しみましょうか。サンドウィッチも用意してきましたよ」
 メルカダンテが芝生の上にラグマットを敷いて、手際よく宴の準備に取りかかる。手に提げたバスケットの中には高級そうなフルーツサンドが詰められていた。
「わあー、美味しそう! ボク、メルカダンテのお弁当を楽しみにしてたの」 
 待ちに待ったサンドウィッチを前にして、美羽は目を輝かせながらゴクリと喉を鳴らす。その一方で、ナレイドは紙コップとビールを取り出して、酒盛りを始めようとしていた。
 一回百円でお酌してあげようかと言う美羽の隣で、紘がこっそり手を伸ばして彼女のサンドウィッチを掠め取る。
「うわ、この紘ぴっぴ大人げない。ちょー大人げない!」
「隙を見せた妹ぴっぴが悪いのさ。それはいいからオレにもお酌しなさいよ」
 美羽は紘の傍若無人ぶりにぷくっと頬を膨らませ、リィに甘えるように泣きついた。
「サンドウィッチはたくさんありますから、喧嘩をしなくてもよろしい」
 メルカダンテは溜め息混じりに語らいながら、紘と美羽の二人をジト目で睨んで戒める。
「サンドウィッチ、僕も貰ってもいい、かな……?」
 自前で弁当を用意してきた要だったが、見た目も美味しそうなサンドウィッチに惹かれて遠慮がちにおねだりをする。
 艶やかに咲く梅の花香が風に運ばれて、心地良い仄かな甘い香りが鼻を擽る。
「ところで、梅の花って食べられないのかな?」
 戦いを終えて空腹状態のミャアは、梅を眺めながらそんなことを考えていた。野良猫気質で食べ物に飢えている彼にとっては、梅の花も食料に見えてしまっているようだ。
「……いや、花は食べないよ。食べない。サンドウィッチの方がおいしいよね」
 梅の花はどんな味がするのだろうとちょっと未練を残しつつ、ミャアは皆と一緒に加わってサンドウィッチを味わうのだった。
「ふふふっ、みんなもとっても楽しそう」
 すっかり宴会気分で賑やかに盛り上がっている輪の中から少し離れるようにして、夕乃は春の訪れを一人静かに堪能していた。
 麗かな陽光を浴びて程良い暖気に癒されながら、カメラ片手にファインダー越しに見える景色を写真に撮って、仲間達の和気藹々とした様子に心和ませる。
 紙コップに注いだ黄金色の液体をくいっと飲み干すナレイドだったが、今一つ気持ちよく酔える気分ではない。先ほどからずっと感じる奇妙な視線が気になって、本能的に身の危険すら感じるほどだ。
 その視線は向かい合わせに座っている紘から発せられていた。ふと、目と目が合ってしまって二人は互いに見つめ合う。
「……ナレイドってさ。いい胸筋してるよな」
 ほろ酔い加減で見つめる紘が顔を赤くしながらポツリと呟く。その瞳はどこか焦点が合っていないようで、ナレイドに近付こうと身を乗り出して迫ろうとする勢いだ。
「ふーん、アダマチとナレイドってそういう仲だったのね。でも、いいと思うわ。愛に種族や性別は関係ないもの」
 リィがサンドウィッチを頬張りながら他人事のように感想を口にする。メルカダンテは見て見ぬふりをして少しずつ距離を取り、他の女性陣も二人から離れて後は平和にピクニック気分を満喫するのだった。

 空から差し込む眩い光芒に照らされて、凛と美しく咲き誇る紅白の花。
 緩やかに揺蕩う時の流れの中で、ケルベロス達は聞こえてくる春の足音に耳を傾ける。
 廻る季節にその身を委ね、柔らかい風の温もりに新たな息吹を感じ取っていた。

作者:朱乃天 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年3月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 1/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 4
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