煉獄の先途

作者:刑部

 愛媛県の東予地方の中心都市の一つ、瀬戸内有数の工業都市である新居浜市。
 その沿岸部にある大きな化学工場の中、暗がりに青白く発光する3体の怪魚が現れ、宙を泳ぐその軌跡が魔法陣を描く。
 その魔法陣に呼ばれる様に地面から現れたのは、元々は血であったのだろうか、赤黒い染みがこびり付いたボロボロのローブを纏うドラグナーの姿であった。
「こるぐぁ……べるしもりあぬ……」
 何を言っているのか解らないが手に持つ杖を振り上げると、その杖頭に大きな火球が現れる。
「りゅりゅしゅまりおるぐぁあ」
 また意味不明の言葉を紡ぎ杖を振り下ろすドラグナー。
 その動きに合わせて飛ぶ火球の先には、化学原料に満たされた大きなタンクがあった。

「愛媛県の新居浜市で怪魚型の下級死神が、第二次侵略期以前に死亡したドラグナーをサルベージする予知が見えたんや」
 杠・千尋(ドラゴニアンのヘリオライダー・en0044)が、自らが見た予知について説明を始める。
「またデウスエクスの死体を変異強化して、サルベージして持って帰ろうとしてるんやな。前に冬馬さんに行ってもろたんは鹿児島やったよな? 今度は四国や、ほんま色んなとこに沸いてきよんなー。けど、ほっといたら死神の戦力が増えるだけやし、今回は特にほっとかれへん感じやから、ご苦労さんやけどまたお願いするわ」
 頷く桐生・冬馬(レプリカントの刀剣士・en0019)らケルベロス達を前に、千尋が肩を竦める。

「場所はさっきも言うた通り愛媛県の新居浜市で、現場は化学工場の中や。
 24時間体制で警備さんが居るそうなんで、今、構内の照明の点灯と残っている人が居たら避難する様に連絡をとってもろてる最中や。あと消防も来てもらう様に連絡してるわ」
「で、先程の『特にほっとかれへん感じ』とは?」
 地図を広げて説明を始めた千尋に冬馬が尋ねる。
「ん、奴さんら……死神は2mの怪魚タイプが3体、怨霊弾放ったり噛み付いてきたりしよる。ほんで死神がサルベージしたんは、ボロボロのローブを纏ったドラグナーやねんけど、こいつが火球飛ばして化学原料の入ったタンクを爆発させよる」
 千尋が×印を付けた場所の近くにある丸い建造物に指を動かすと、何人かのケルベロスが息を飲み、
「うちは科学の知識はあんまりないからよう判らんねんけど、予知では凄い勢いで燃えてよろしくない感じの煙が出とったわ。しかも……次々と別のタンクの化学原料に引火しよった」
 続けて千尋の口から出た言葉に、冬馬の眉間に皺が寄る。
 通常、この様な化学工場のタンクでは、爆発した場合上方向にその圧が逃げる様な構造になっているのだが、横から破壊力のある火球をぶつけられる事が、大参事を引き起こす事になるのだろう。
「ドラグナーは2m程で杖を手に持ち、赤黒いボロボロのローブを纏ってる。さっきも言うた通り、杖を振るって火球をとばしたりしてきよる。あとなんか喋りよるけど、サルベージの影響か知性は失ってるっぽいから、会話は成立はせぇへんと思うわ」
 千尋は元凶となるドラグナーについて、予知で見えた範囲の説明を付け加えた。

「まぁ壊されてもヒール出来るっちゃー出来るんやけど、できたら食い止めたいところや。みんな頼んだで」
「非才不徳の身ではありますが、出来る限りの事をやりましょう」
 千尋の期待に応える様にケルベロス達が頷くと、冬馬も息を吐いて大きく頷いたのだった。


参加者
囃羽・宴(夜鳴鳥・e00114)
アマルティア・ゾーリンゲン(リビングデッド・e00119)
八王子・東西南北(ヒキコモゴミニート・e00658)
八剱・爽(ヱレクトロニカオルゴォル・e01165)
辰・麟太郎(剣花角・e02039)
シルキー・ギルズランド(呪殺系座敷童・e04255)
キーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)
ティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467)

■リプレイ


「こるぐぁ……べるしもりあぬ……」
 赤黒いローブを纏い意味不明の言葉を紡ぐドラグナーの周りの宙を、3体の死神達が嬉しそうに周遊していると、バン! という音と共に構内の照明が一斉に点灯しサイレンが鳴り響く。
「『緊急放送、緊急放送。構内にデウスエクスが出現、ケルベロスが到着し戦闘に入ります。構内に残っている方はC-4地区を避け、保安前に集合の事、繰り返す! ……』」
 サイレンに続いて響く構内放送の中、次々と構内に降り立つ者達か居た。
「くるむてぃぽりおす?」
 それに気づいたドラグナーがそちらに向き直ると、死神達も周遊を止め牙を鳴らす。
「そこまでだ、と言わせてもらおう。それにここは日本だ。ドイツ語とは言わん、せめて日本語で喋れ」
 赤い羽織を外套の如く翻して着地するや否や、そう吐き捨てたアマルティア・ゾーリンゲン(リビングデッド・e00119)が、ゆらりと刀を抜き赤いポニーテールを踊らせ駆け出す後ろ、
「化学プラントか……行くよ、プリンケプス」
 瞼の裏に浮かぶケルベロスになる前のある出来事の情景を、頭を振って振り払ったティ・ヌ(ウサギの狙撃手・e19467)は、ボクスドラゴンの『プリンケプス』にそう声を掛けると、双剣を手に地面を蹴り、ボクスドラゴンの『パフ』を従えるアマルティアに続く、そこに死神達の放つ怨霊弾が次々と襲い掛かる。
「汚ねぇもん吐きやがって……愛媛っつーから鯛の刺身で一杯と思ったんだが……こりゃ不味そうだ」
 その怨霊弾の直撃を免れた辰・麟太郎(剣花角・e02039)のフォートレスキャノンの砲身が、狙いを定めて動き、
「よぅ兄ちゃん。起きたばっかで悪ぃが、また眠ってくれや」
 麟太郎の声と共に火を噴いた。
「ぺるごれてぃむみえるぇあ……」
 ドラグナーが杖頭を向けると、ドラグナーと死神達の前に炎の壁が現れ、ケルベロス達の接近と攻撃を阻もうとする。
「それしきの壁でわしを押し留めようとは……災いを宿し大海よ、自由を奪い、全てを飲み込め」
 その炎の壁を鼻で笑ったキーリア・スコティニャ(老害童子・e04853)が、災厄の津波を起こしてその壁にぶつけ朦朦とした水蒸気が立ち込めると、彼のミミックである『千罠箱』が嬉しそうに跳ねてゆく。
「お前、主人の竜にどんな顔向けるつもりなの」
 その間に水蒸気を突っ切り。ガントレットの人差し指を突き入れた囃羽・宴(夜鳴鳥・e00114)が問うが、
「……どろうぺりむぐちか」
 ドラグナーの口から漏れる言葉は相変わらず意味を成していない。
 そのドラグナーに殺到するケルベロス達に、死神達が次々と怨霊弾を飛ばしてくる。
「ふはははは、ドMのボクにはこの程度……ご褒美です」
 ヒキコモゴミニート略してゴミこと八王子・東西南北(ヒキコモゴミニート・e00658)が、怨霊弾を受けながらもサキュバスミストを纏い、眼鏡をくいっと押し上げて一番近くにあるタンクとの間に割って入ると、彼のテレビウムである『小金井』の画面に、やれやれといった風の顔文字が浮かび、
「皆来てくれてマジ助かる! 頼りにしてるぜー♪」
「さぁ爽、今日の移動サーカスはアンコールは無しだ。さっさと片付けてしまおう」
 続いた八剱・爽(ヱレクトロニカオルゴォル・e01165)が振り返り嬉しそうに声を上げると、紙兵を散布したヒルダガルデ・ヴィッダーら名無しのサーカスの面々が展開し、支援に当たる。
「私達はあちらのタンクを守りましょう」
「了解だぜ」
 最初に突っ込んだ面々がドラグナーや死神と鎬を削る中、桐生・冬馬(レプリカントの刀剣士・en0019)は狩魔・夜魅と共に、東西南北や爽らが防衛態勢を整えたタンクの、次に近いタンクを守りに回ろうとするが、その夜魅に、
「夜魅……責任重大だから……もしタンクが爆発したら……夜魅が損害賠償してね………」
 シルキー・ギルズランド(呪殺系座敷童・e04255)がそう声を掛け、ドラグナーに飛び蹴りを見舞おうと距離を詰めるキーリアを御業で護ると、
「なんでそんなにオレにばっか、プレッシャーかけるんだよ………」
 と、夜魅は唇を尖らせ、冬馬の後を追う。


「目標単体、取り憑け」
「お、これは心強い」
 名無しのサーカスの面々の一人、クリス・クレールの殺気が麟太郎に取り憑き防御力を増大させると、視線を向けた麟太郎に親指を立てるクリス。それを支えに今一歩踏み込んだ麟太郎は、引き絞った弓からエネルギーの矢を放つ。
「べるくいわるが……」
「断ち――――斬るッ!!」
 その矢に思わず仰け反ったドラグナーに、通常ではあり得ない加速で距離を詰めたアマルティアが跳び掛って得物を振り下ろし、更に踏み込み横薙ぎの斬撃を放つ。斬れたローブの切れ端が飛び、蹈鞴を踏むドラグナーに更に余勢を駆って斬り掛るが、
「……っ!」
 3体の死神から放たれた怨霊弾が、アマルティアと続いて攻撃を仕掛けたティらに襲い掛かり、アマルティアは大きく地面を蹴って後ろへと跳び、その視界の端に映るパフの灼熱した胴の色が元に戻ると、吐かれたブレスが死神達を灼く。
「あたしらがお相手だ。余所見しないでくれるかな?」
 隙を突く為、動き回りながら睨み付ける麟太郎から視線を逸らし、原料タンクに視線を這わせたドラグナーに、側面から宴。
「ぐるてぃぼるしあ!」
 ドラグナーは顔を宴に向け杖を振るうと炎の触手が襲い掛かり、宴は次々と襲い来る触手を電光石火の蹴りで叩き落とす。その間に東西南北や爽らが攻勢に転じる。
「タンクを見やがったぞ、気を付けろ!」
「繰り返すものかと私は誓った……ッ」
 麟太郎が声を上げると、ギリッと奥歯を噛んだアマルティアの目配せを受けたパフがタンクを守る様に跳び、
(「……死神が鬱陶しいんだよ」)
 宴はキーリアが時折津波で攻撃するが、基本的に皆がドラグナーに集中し押える者が居ない為、好き勝手に怨霊弾を飛ばす死神に苛立ちを湛えたその緑の瞳を向ける。

「りゅーぼーふぁるけな」
「逃げちゃだめだ! 食い止めてみせます」
 鍔迫り合いを演じながら不意にタンクに向かって火球を放つドラグナー。
 だが、タンクを守る事を第一義としていたドエムもとい東西南北が、身を挺してタンクを庇ってその火球を受ける。
 小金井が拍手する応援動画を流して東西南北を癒す中、死神達の放つ怨霊弾に合わせてケルベロス達を押し返したドラグナーが、炎の壁を作ってその身を守る。
「炎の加護なんざ疾風の牙で食いちぎってやんよ」
 その壁を回し蹴りで掻き消して距離を詰めた爽に、炎の触手を伸ばすドラグナー。
「デルタ1より各機。これより支援行動を開始する」
 ガーネット・レイランサーの声と共に飛び立ったパープル2、ピクシー3、スカル4の3機の小型ドローンがその触手を迎撃し、ドラグナーの注意がこちらに向いている隙に、宴や麟太郎、冬馬が攻勢に出て圧力を掛けている。
「ぷるっしゅっわるぎゅお!」
 次々と更に続いたティ達の攻撃を受けたドラグナーが杖を天に掲げると、その杖に先に現れた火球が分裂して降り注ぎ、2つのタンクにも飛んでいく。
「やらせないんだぜ」
「名無しのサーカス団の出張ショー、脚を止めてとくとご覧あれ、ですわ」
 片方のタンクに跳ぶ炎には、夜魅が跳躍してその炎を叩き落とし、もう片方に向かって飛ぶ炎はシア・メリーゴーラウンドの元から飛ぶマルチプルミサイルに撃ち落される。
 残り火を消す様にシルキーがメディカルレインの雨を降らせる中、
「やーい お前のパソコン低スペックー! 動きカクカクのロードばっかりー!」
 東西南北がドラグナーを煽るがドラグナーはガン無視だ。だが、それだけで終わらないのが東西南北。
「スルー……ですか? おーけーおーけーその屈辱も全てこの闇に溜め込み……くらえ!」
 とトラウマボールを投げつけた。
「隙ありじゃん」
 それに反応するドラグナーの動きを見た爽が、シアやガーネットらに目配せすると、おぞましき黒き触手を招来して解き放つ。

「タンクが爆発したら……敵を全滅させても勝ったとは言えない……」
 シルキーは、そんなことを考えながら薬液の雨を降らせ続ける。押える者が居ない死神が縦横無尽に宙を泳ぎ、前衛陣を中心として怨霊弾を連発し、その打撃と毒で体力を削る為、列回復しないと追い付かないのだ。
「ぼーべりふぃくれしあ」
 詰め寄る前衛陣を死神達の援護を受けながら捌くドラグナーは、腕に咬み付いた千罠箱を怒鳴って杖で叩き落とすと、杖を掲げて前衛陣に火球を叩き付ける。
「やってくれるではないか、じゃが余り動くでないぞ?」
 素早く詠唱を紡いだキーリアが放った魔法光線が、ドラグナーの足元を石化して縛ると、
「るるぶいあ?」
 キッとキーリアを睨んで杖を振るうが何も起こらず、東西南北や宴の攻撃に晒されるドラグナー。その様を見た麟太郎が僅かに口角を上げる。
 炎の壁によって傷は癒せるものの、重ね塗られた各種バッドステータスを拭う手段を持たぬドラグナーに、その効果が現れ出したという事だろう。
「プリンケプス、畳み掛けるよ」
 怨霊弾の連射を受け下がる東西南北や冬馬達と入れ替わる形で、胸元のドッグタグを躍らせたティが、箱に入ったまま突っ込むプリンケプスとタイミングを合わせ、ドラグナーの身に十字を描く斬撃を刻んだ。
「もりゅいふるぅがぁ!」
 思う様に避けられず苛立ちを募らせ、切刻まれたローブの端や肉片が散らばり、足元にできた黒い染みの中で吼えるドラグナーが、死神達の放つ怨霊弾に合わせて炎の触手を撓らせる。
 狙われたのはキーリア。
「ほぅ、この状況下でわしを狙うとはなかなか良い眼をしておる。じゃがこの押し寄せる災厄の中を泳ぎ抜けるかのう……災いを宿し大海よ!」
 落ち着いたた表情でドラグナーを見据え、災厄の津波を巻き起こすキーリア。
 グラビティ同士が激しくぶつかりせめぎ合う中、左右に隙を作ったドラグナーに仕寄る爽ら仲間達に、そうはさせじと怨霊弾ぶつける死神達。
「いくら……怨嗟の球を吐こうが、全て……消し去る……わ」
 シルキーの降らす薬液の雨が仲間達の背を押し、千罠箱が金貨をばら撒いて死神達を惑わせる。
「目標補足、抵抗は無駄よ」
 その死神にドラグナー、そして仲間達と飛び交うグラビティの隙間を縫う様に、放たれたティの超長距離射撃の一撃。間隙を突くその前方に特殊な局所重力場を形成した弾丸は、吸い込まれる様に、
「ぱりえぬほむ……どごむっ!」
 咆えていたドラグナーの頭を撃ち抜くと、ドラグナーの体は吹っ飛ばされて地面に叩きつけられ動かなくなった。


「残りも一気に片付けるよ、プリンケプス」
 ドラグナーが事切れた事を確認したティは、再び双剣を抜き放つとプリンケプスと共に、ドラグナーが死んだ事に抗議する様に牙をガチガチ鳴らす死神に詰め寄り、
「如何な種族であれ死は死であり、冒涜されるものではない。静かに眠ってるとこ叩き起こし、その器を好きにするその性根が更に気に入らない……さぁ、狩ってあげるんだよ」
 死神に侮蔑と怒りを湛えた瞳を向けた宴は、その両腕から噴き出す紅蓮の炎を、翼の如く翻して死神達に踊り掛かる。
「パフ、私達も負けてられないよ」
「まったく余計なものを蘇らせてくれよって、死者を冒涜する者にはそれ相応の報いというものがある。これがそうじゃ」
 その様を見たアマルティアも、パフと共に宴の炎から逃げようと泳ぐ死神に斬り掛り、語って咳払いしたキーリアも、千罠箱が巻き散らす黄金に惑わされた死神に、幾度目かになる津波を叩き付けた。
「これでタンクの心配は要らない、さぁド派手なのを一発、咬まして畳み掛けるぜ」
「名無しのサーカス団の出張ショーもこれにて閉幕。きっちりと幕を下ろしますの」
 爽が光閃星花を撃ち声を上げると、優雅に一礼したシアもマルチプルミサイルを撃ち放つ。
「少し暴れ足りなかったな」
「次に自分で行く依頼で大いに暴れれば良い」
 柄の長い鉄塊剣を抱えたクリスが歯を見せて笑うと、顔を向けずにそう返したガーネットが、上に向って逃げようとする死神にMotor Valkyrieの弾丸を浴びせて引き摺り落とす。
「なんどやっても……むだ。今日のわたし雨女だわ」
「シルキーにはお似合いだぜ」
 それでも怨霊弾を吐き抵抗する死神達だったが、シルキーが降らす雨がその怨霊弾で受けた皆の傷をたちまち癒し、軽口を叩いた夜魅が死神に踊り掛ってゆく。
「さぁ、ボクの純粋無垢なイノセントアイを見るのです。どうです、このキラキラと輝く普段モニターとスマホの画面ばかりを見つめている疲れ目」
 次々と攻撃を受け右往左往する死神に、東西南北が催眠魔眼で死神達の同士討ちを狙うと、
「ははっ、本当はこっちの戦い方が好きでな、憂さ晴らしに三枚おろしと行こうかっ!」
「そうですね。さっさと片付けてしまいましょう」
 麟太郎が腕を鳴らして前に出て冬馬と肩を並べると、虫の息の死神にその腕を振るうのだった。
 こうしてたいした手間も無く死神達は全て殲滅され、その姿を掻き消したのである。
「厄介ではあったが、私の琴線には触れなかったな。せめて会話が出来れば色々と聞いてみたかったが」
「ふう……何とか無事すみましたね。爆発炎上して焼野原になるのは、ボクのSNSだけで十分ですから」
 倒れたドラグナーの残滓を見てヒルダガルデが呟く横で、東西南北がとてもいい笑顔で眼鏡を押し上げる。
 こうして爆発は防がれ、死神達の妄動も防ぐ事が出来たケルベロス達は、工場の警備員や遠巻きに待機する消防隊員達に状況を報告すべく、その場を後にしたのだった。

作者:刑部 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年2月18日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 10/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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