「人馬宮ガイセリウム侵攻の話はみんな、聞いたよね」
芹城・ユリアシュ(サキュバスのガンスリンガー・en0085) は困った、と言うような顔をして眉間にしわを寄せると、首を傾げて見せた。
都内には既に被害が出ている上、このまま放っておけばさらに大きな被害が出ることは避けられないだろう。
東京を守り切ることができても、ガイセリウムが通った市街の被害は免れない。最悪の場合は――、考えたくもない。
「皆がいるからきっと大丈夫、それは心配してないんだけどね」
緩やかに長い髪を揺らして首を横に振ったユリアシュは、今度は柔らかく笑みを浮かべてケルベロスたちを見回した。
「だから、ヒールしに行こう?」
戦後復興も、ケルベロスの大事なお仕事。
そしてどうせなら、素敵に楽しく過ごしたい。
「バレンタインも近いしね」
すうぃーつ、な雰囲気にヒールされるのはきっと、必然。
煌めくように可愛らしい雰囲気に変わったのなら、きっと気持ちも弾む、甘い甘い時間になるはず。
「せっかくだから、プレゼントも作っちゃうのはどうかな?」
自分たちだけでなく、周辺の住民たちも参加できるイベントにして、戦争で荒んだ気持ちを少しでも和らげることができるなら――。
市街地の復興、被災者のケア、バレンタインの準備、一石三鳥の大作戦、ということで。
「で、みんなには道路をヒールしてほしいんだよね」
交通が滞っては、復興もままならない。
「それで、せっかくだから、その木々にチョコとか、お菓子とか……そういうのを飾ったら楽しくないかなって」
立ち並ぶ街路樹は今は、葉が落ちてしまってずいぶんと寒そうだ。
それは冬らしくて、とてもいいのだけれど。
道々をスイーツな雰囲気にヒールするだけでは飽き足らず、木々まで飾ってしまおうという趣向だ。ちょっとワクワクして来ない? とユリアシュは軽やかな口調で告げる。
そうして、フルーツ狩りならぬ、スイーツ狩り。
木々に生ったチョコレートや、お菓子や、ぬいぐるみ、ちょっとした小物などなど、その中から好きなものを選んで、バスケットに詰めて世界に一つだけの贈り物を作る。
「と、いうワケだから……もちろん、気合を入れてプレゼントを作ってね。……それから、」
せっかくなら、飾るほうのお手伝いもお願いしたいな、とユリアシュはにっこり笑って見せた。
「食べたらだめなの?」
それまで静かに聞いていた、詩・こばと(ウェアライダーのヘリオライダー・en0087)が口を挟む。
くす、と笑ってユリアシュは軽く首を振る。
「もちろん、食べてもいいんだよ。パーティーだからね」
だって、大切な人に贈るのなら、味見だって大切、だよね?
たくさんの想いを詰めた、世界にひとつだけの贈り物。
愛しい気持ちも、切ない気持ちもありったけ、詰め込んで――。
●キラメク、並木道へ
晴れた空は高く、高く。
葉の落ちた木々はただ静かに佇み、瓦礫と化した道々を、寂し気な風が通り抜けていく。
「よし任せろ、すぐに通れるようにすっからな!」
風のように颯爽と現れた泰地は、筋肉美を見せつけるようにボディビルのポージングを決めつつ、並木道をヒールすれば、キャンディのようにキラキラ光る石畳が出来上がっていく。
甘い香りの漂ってきそうなチョコ色のメディカルレインはウィゼ。
一際大きな樹に、ヒールドローンがくるっとリボンを結び付ければ、そこはもう――メルヘンな世界。
「チョコレートツリーの完成なのじゃ」
えへん、と満足げに胸を張って、ウィゼは修理された並木道を見詰めた。
「どんどん飾りつけをしていくのじゃ!」
さあ、飾り付けを始めよう!
●カガヤク、彩を添えて
そわり。
「サトリの分も……いっ、いちおうあるから……ハイ、飾るの手伝って」
シイナは用意したプリザーブドフラワーのガーベラや薔薇の花籠を郷里に手渡して首を傾げて見せた。
普段はクールなシイナが心なしか瞳を輝かせるのに、郷里はなんだかちょっとだけ、嫉妬してしまう。植物に向けるその笑顔を、自分にも向けてくれたら――なんて、言葉にはできないけれど。
枯れ木に花を咲かせるように、二人で飾り付けを施していく。
二人で並木道を歩けば、そんな時間はあっという間で――。
「かっ、飾り付け全部終わった……っ?」
さりげなさゼロで籠を覗き込もうとするシイナに、郷里はきょとんと首を傾げた。
「なんかヘンなの余らなかった……?」
「ヘンなの?」
山盛りの花の下から現れたのは、クッキーの入った可愛らしい包み。
それは、シイナから郷里への贈り物。
「ありがと、灰塚さん」
お返しは、カラッポの花籠にクローバーを添えて。
いつものメイド服から、私服姿に着替えたリリキスと凛子は、仲睦まじく並木道を歩く。
ぎゅっとリリキスの腕を抱き締める凛子のふくよかなバストは、もはや当てている、というよりは挟む、という表現が正しいレベル。いつまで経っても顔を赤くするリリキスに、凛子はクスと微笑んで艶めいた視線を向けた。
「ふふ、嫌ではないのでしょう……?」
「ま、まあむしろ嬉しいですよ……」
そこは、可愛らしくても男の子のリリキス。素直に答えてそっと寄り添う彼に、凛子は嬉しそうに笑みを深めた。
そう、恋人同士になったのだから、遠慮しなくたっていいのに。
「どんな飾り付けがいいかしら?」
二人で寄り添い、相談しながらチョコレートをリボンで木々に飾っていく。甘い甘い二人の、甘い甘いチョコレートがゆらり、木々を彩るのだった――。
「高いとことかまだまだ飾れそうだよな~」
ルヴィルはほのかを抱き上げると、力強い翼で飛んだ。
「わあ……っ……こ、コールディさん……!」
ほのかは突然の出来事に、彼の肩にしがみつく。
高所から望む並木道は可愛らしく――けれど、それを眺める余裕もなく気恥ずかしさにほのかは頬を染めて俯く。
そんな彼女に首を傾げたルヴィルは、
「でも取りやすいほうがいいか」
高い場所に飾るのはスイーツ狩りには向かないかも、とまた地面へと降り立った。
「は、はい。その方が良いと思います……」
ほう、と人心地ついて、赤くなった頬を抑えるほのか。
心の準備がないと、緊張してしまう。けれど、相変わらず無邪気なルディルの顔を覗き込んでから、ほのかはそっと一口サイズのチョコを樹からもいで差し出した。
「コールディさん、良かったらどうぞ…」
「あっありがとう」
飾り付けるより食べる方が多い気がするけれど、楽しければ大丈夫!
「こういう風景は見ているだけでもちょっと楽しくなっちゃいませんか?」
「なんだか、おとぎの世界みたいですね」
イリヤとサクラも、うきうきと心踊るのを止めるのは難しい。
「取りやすい感じに飾った方がいいのかな」
「小さな子が見つけやすいように下の方にも飾らないと、ですね」
そんな相談をしているだけでも、楽しくて。
せっかくの翼を使わなければ損だから、上の方にはキラキラ輝く、見るだけでも楽しいものを。
下の方にはお菓子にぬいぐるみ、そして小さなアクセサリーも。
「あ、これ……」
そんな中、イリヤが飾りの中に見つけたのは彼女の名前と同じ、桜色のリボン。
「サクラさんにお似合いになるかと思うのですが。どうでしょう?」
「わあ、ありがとうございます……!」
受け取ったサクラは、慣れた手付きで自分の髪にリボンを飾って見せた。
「似合いますか?」
そう、首を傾げて。
「うん、いい感じ」
チョコメインのお菓子の詰め合わせ、それから手作りのフェルト飾りがウルズラの手によって飾られていた。
リンゴにミカン、それから苺。
それは、フルーツ狩りも一緒に楽しめたらいいなと、思うから。
四季折々を感じさせるたくさんの果物は、どれも選ぶことができなくてたくさんになってしまったけれど。
撓った枝が軽くなる頃には、皆が笑顔になっていますように。
龍次のヒールドローンが航空ショーの如くひらひらと舞い、建物の修理を滞りなく進めていく。
「今日はファンタジックになってしまう心配もいらないようで何よりだね」
バレンタインらしく、可愛らしく。
メイザースも満足げに頷いて、思いっきりメルヘンに、ファンタジーにヒールを仕上げていく。とはいえ、お肉屋さんがお菓子の家になってしまわないように、くらいの注意は必要だけれど。
龍次は街路樹に、チョコレートの小箱にクッションの代わりの綿や、星飾りが乗せていく、
「まるで、クリスマスのようだね」
「確かに」
リース、リボンやオーナメントで飾られた街路樹はキラキラと輝いて、獅晏は眩しそうに目を細めるのに、困った、と言うように龍次は眉を潜めた。
「じゃあこういうのは?」
バレンタインらしさをアピールするのなら、とウォーレンはクマのぬいぐるみを二つ一組にして木の枝に座らせた。
ひとつのチョコを大事そうにふたりに抱えさせれば、ラブラブカップルのできあがり。
「うん、らぶ濃度すごく上がった感じ」
楽しげなウォーレンにメイザースも同調する。
「……ハートも増量しようか」
それから、ふわふわ浮かぶ風船も。
つまみ食い用のキャンディ包みにしたチョコレートも飾って、なかなかに可愛らしい雰囲気の出来上がり。
「ずっと思い出に残って行けばいいですね」
穣がそう、言葉にすれば叶うと言うように口にして見せる。戦争の辛い記憶より、幸せで楽しい記憶でみんなの心が満たされるように。
形に残る、大きめのビーズが輝くネックレスは陽光にキラキラと輝いて、まるでキャンディのよう。
それから、お年寄りのことも忘れずに。
座り心地のよさそうなふかふか座布団や、落ち着いた色合いのステッキを飾って、穣は完成、とばかりに手を腰に当てて頷くのだった。
「おーすっげー」
「きれー」
そんな周囲を、バスケットを振り回しながら、木々を見上げるのは待ちきれない子供たち。
「お気に入りは見つかりそうですか?」
瞳を輝かせる彼らにそっと、一呼吸置いて春臣は声を掛ける。
結い上げた髪に、大きな身体は時に子供たちを怖がらせてしまうこともあるけれど――。
「さあ、甘い物を食べると元気が出るよ」
獅晏はクッキーを、春臣はキャンディを。
「おっちゃんたち、ありがと!」
差し出された甘味に。子供たちは顔を見合わせると、嬉しそうに笑みを浮かべるのだった。
旅団『ゼノフィリア』の面々は女の子4人でわいわいきゃあきゃあ。
「アリアさん、高いところ、届きますか?」
「ん? 高い所? 任せろー!」
鈴は鳥のぬいぐるみを高いところへ飾りたくて、首を傾げてアリアに訊ねた。
「アリアちゃん、アリアちゃん、こっちの熊ちゃんも上の方に飾ってあげてくださいですのー」
ピョンピョン跳ねてクマのぬいぐるみを示すメリッサと鈴に応えて、アリアは勢いよく飛び上がった。翼って、本当に便利。
木のてっぺんの、いちばん目立つところにはことりさんとクマさんが二人仲良く鎮座することになる。
それから、自分の赤い薔薇に見立てたチョコレートも忘れずに。
「わぁ、さすがリリスお姉様は飾りつけもお洒落さんです……!」
惑星のショコラに、レジンで作った宝石を散りばめているリリスを、メリッサは覗き込んで瞳をキラキラ輝かせている。
「よく出来てるでしょ? 夜には色んな色で光るのよ?」
蓄光パウダー入りだから、昼にはお陽様の光を蓄えて、夜にはぼんやりと淡く輝きを放つだろう。
「写真撮って帰りましょう?」
旅団で帰りを待っている、男性陣へのお土産も兼ねて。鈴の提案に、4人は飾り付けられた木々の前に並ぶ。
「あ、待って待って」
気付いたメリッサは、黄色、橙、黒に紫。
近くの枝へ、きゅっと寄り添うようにリボンを結んだ。
並ぶ顔は、笑顔。キラキラの思い出をめいっぱい閉じ込めて――。
いつしか、寂しげでどこか憂いを帯びていた景色は華やかな、輝きに満ちた色を纏って。
甘い香りが漂う並木道の出来上がったのだった。
●ユラメク、想いを詰め込んで
「チョコレートのいい香り、どんなスイーツが狩れるのか楽しみですわ」
辺りに漂う甘い香りをカトレアはめいっぱい吸い込んで瞳を輝かせた。
それは、陽葉も紺も同じ。
「皆様はどんなプレゼントを作っておりますの?」
ひょい、とカトレアが覗き込めば、陽葉は5つの品を厳選して、品よくバスケットの中に並べている。
「どうして5個?」
きょとん、と紺が首を傾げて見せると、うーん、と考え込んでから、
「派手すぎて品が無いよりは、ね」
いい感じでしょ、と嬉しそうな陽葉のバスケットは、確かに小ぢんまりと収まっていてシンプルだ。
「紺はどんなのを作っているの?」
チョコをメインにクッキーやキャンディ、ドーナツまで詰めた欲張りさん仕様。うさぎのぬいぐるみまで鎮座ましまして、賑やかだ。
うん、どちらも可愛い。
対照的な二人のバスケットに笑むカトレアに、棍が首を傾げた。
「カトレアさんは?」
「わたくしはチョコレートケーキを作ってみたいですわ」
美味しそうなチョコ『だけ』を選りすぐった、カトレアのバスケット。
いろんな、たくさんのチョコレートを使って作るチョコレートケーキは、きっと美味しくなるはずだ。
心行くまで、甘い幸せを堪能して――。
なんだか、皆が普段よりもキラキラして見える、そんな気がして――紺の口元もほころぶのだった。
「まるで夢の様な空間ですわね」
「わたし、おなかが空いてきちゃった、わ」
華やかに彩られた並木道に、千鶴夜がほう、と感嘆のため息をつき、ロビンははやく、とその袖を引く。
「ふふ。ひぃさん、お菓子は直ぐには逃げませんわ」
でも。
逸る気持ちは千鶴夜も同じ。
バター香るクッキー、甘いショコラ。宝石みたいなキャンディーに、色とりどりのマカロン。あれも、これもと欲張れば、プレゼントを詰めるためのバスケットはあっという間にいっぱいになってしまいそう。
「入りきらなかったら、どうしよう」
大真面目に悩みながら、それでも手の止まらないロビンに、
「ひぃさんひぃさん」
千鶴夜は優しく呼びかける。
振り返ったロビンの目の前には、チョココーティングのストロベリー。
「……驚きました?」
「うん、でも」
ぱくり、その姿はまるで餌をねだる雛鳥のように。
「おいしい」
幸せな時間で、心も、おなかも、満たして――。
「うーん、これはキャラメルガナッシュかな? 美味しいー」
プレゼントに詰める前に、まずは味見。
幸せそうに満面の笑みの涼乃の姿に、大和の頬にも自然に笑みが零れ落ちる。
気になるチョコレートは全部、味見してしまいたい!
「あ」
高い場所に飾られた可愛らしいチョコレートに、涼乃の瞳が一際、キラキラと輝く。ぴょん、と跳ねて、採ろうとして届かなくて、大和は思わずその可愛らしさに吹き出しそうになる。
オラトリオだっていうことは、今日ばかりは内緒。……だって、女の子だもん。男の子に頼りたいときだって、ある。
背の高い大和が手を伸ばせば、それはあまりにあっさりと手の中に。
「はい、どうぞ?」
「食べる?」と彼女の口元へ差し出せば、涼乃は躊躇うことなく大和の指先からチョコを口にした。
「これも美味しいー」
幸せ。……と、不意に恥ずかしさが満ちてきて、赤くなる頬を涼乃は慌てて抑えた。
(「うわー、ドキドキが治るまで顔見られないかもー」)
そんな顔をされたら、こちらまで恥ずかしくなる。ぽん、と涼乃の銀の髪を優しく撫でて、恥ずかしさを誤魔化す大和だった。
ヒールされた並木道は、甘い香りとキラキラ輝く素敵なもので溢れていた。
「 何だか絵本の世界みたい!」
瞳を輝かせる紡。
「じゃあ、わたしたちはお伽の絵本の登場人物?」
ハクアは木々を見上げてきょろきょろと視線を彷徨わせる。
「ね、木からプレゼントが生えてる」
感嘆の吐息を漏らして、ジゼルもこくこくと頷きながら――。
「頑張ってたべ……じゃなくて作る。ね」
早速、チョコレートを詰め始める。
「あっあのシャンパントリュフ、絶対入れなくちゃ!」
日本酒入りに、お酒の瓶のかたちをしたアルコール入り。どうしても手が伸びてしまう紡のバスケットは、ほんのりビターに。
あっちのくまさん? それとも、そっちの雪だるまさん?
ハクアの視線が目移りしてしまうのも仕方のないことだ。
「みてみて、このぬいぐるみ紡とお揃い」
チョコを頬張りながらジゼルが持ってきたのは、大きな三角帽子の魔女さんな二人のテディベア(紡とお揃い)と、真っ白なハクアのようなベアと、対照的に真っ黒なのはサヤのベア。
「……なんかあたしのももっと可愛くしたらよかったかな」
シャンパントリュフに、日本酒入り。お酒の瓶を模ったチョコレート。
ほろ苦い大人味になってしまった自分のバスケットを覗き込み、うむぅ、と考え込んでしまう紡だった。
「自分に正直になってもよいのですよ、紡……」
プリザーブドフラワーに埋もれんばかりクマのぬいぐるみをぎゅうと押し込む、銀紙の星とまるいオランジェットの月の輝くやっぱり可愛らしいバスケットを作っているサヤの、暖かい視線が心に染みる。
でもどれも、誰かを喜ばせたい、こころのかたち。
「そいえば、みんなどなたかに差し上げるのです?」
「あげる人? あげる人は、えへへ、ないしょー」
サヤの問い掛けに、ハクアはほんのり頬を染めて、微笑んだ。
「あ、見て下さい、晴、景! チョコレートケーキ!」
はしゃぎながら辺りを見回すロッタがきらきらと、瞳を輝かせる。
だって、大好きなものがいっぱい!
「チョコレートケーキ……木に飾られているのを見ると不思議な感じです」
景は微かに首を傾げ、
……きゅう。
と、カワイイお腹の音は。
「ロッタ?」
ベネトナシュに視線を向けられて、ロッタが顔を真っ赤にする。
「ベネトナシュもお腹空きましたよね? ロッタだけじゃないですよね?」
「俺? 俺は」
応えるより先に、ぐう、とお腹の音。
「ふふ……ベネトもロッタも甘いものがお好きなのですね」
無邪気な二人があんまり可愛いので、思わずヒスイは笑ってしまってから、ごめんなさい、と肩を竦めた。
「2人とも食いしん坊さんだなー!」
「食い気には敵わないな」
「味見しても――いいんですよね!」
空腹には降参、白旗の二人に晴もくすくすと笑ってから、率先してチョコレートを取りに行く。
「えへへ、食べちゃおう食べちゃおう!」
はむはむと、幸せ。
「景、そっちのオランジェットとか美味いぞ」
「オランジェット、ですか……おいしそうですね。では、少し頂きますね?」
「アイスボックスクッキーとか晴は好きだからオススメするよ!」
見て美味しい、食べて美味しいクッキーはプレゼントにもぴったり。
もう、プレゼントを作るのか、試食大会なのかよくわからないのだけれど――楽しければ、なんだっていい、はず!
「……なんか、男子で甘味好きってのは少し恥ずかしいな。ヒスイは?」
賑やかにはしゃぐ女の子組を横目に、そう問う、ベネトナシュのバスケットは山盛りのスイーツがあっという間に詰め込まれている。
「実は私は甘いものがそこまで得意ではないので」
一方、厳選された甘すぎないスイーツのバスケットのヒスイが探すのは、紅茶のシフォンケーキ。それは、ちょっとやそっとでは届きそうにない高い木の枝に下げられていて――。
「ロッタに任せて下さいね!」
「あ、俺も」
翼で飛び上がったロッタに、負けじとベネトナシュも飛び上がる。
「これもどーぞっ」
ロッタが見つけてきた、うさぎのぬいぐるみにキャンディ、ベネトナシュは金貨のチョコレート。
ちょっと早い、プレゼント交換会が始まるのだった。
ハッピーバレンタイン!
どうか、明日が笑顔溢れる素敵な日になりますよーに。
作者:古伽寧々子 |
重傷:なし 死亡:なし 暴走:なし |
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種類:
公開:2016年2月13日
難度:易しい
参加:37人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 9/キャラが大事にされていた 3
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