多摩川防衛戦~バトル・オブ・ハチオウジ

作者:深淵どっと


 ――その日、八王子は巨大な影に包まれた。
 巨大なアラビア風の城から4本の脚が生えた異形の要塞、周囲にはヴァルキュリアの大群が警戒のために飛び交っている。
 存在自体が人々に威圧と恐怖を振りまくようなその巨体は、真っ直ぐに東京都心部を目指して動いていた。
 怒号のような地響きに人々はただただ逃げ惑うしかできない。
 エインヘリアル第五王子イグニスの侵略と反撃が、今本格的に始まろうとしていた。


「思ったより動くのが早かったな、イグニスめ……随分思い切った采配をしてきたものだ」
 集まったケルベロスたちを見渡しフレデリック・ロックス(シャドウエルフのヘリオライダー・en0057)続ける。
「よく来てくれた、ケルベロス諸君。エインヘリアル第一王子だったザイフリートの情報にあった人馬宮ガイセリウムが動き出したようだ」
 ガイセリウムは巨大な城に4本の脚がついた移動要塞であり、現在八王子市を経由して東京都心へ向かっている。
 そのガイセリウムを動かした第五王子イグニスの目的はザイフリートの暗殺、先のシャイターンによる襲撃を阻止したケルベロスへの報復、そして一般人を虐殺する事でのグラビティ・チェイン奪取、と言ったところだろう。
「予想以上の侵攻速度だが、向こうから出向いてくれるなら話は早い。キミたちの力でこれを阻止、ヤツらの鼻を明かしてやるといい」
 とは言え、話はそう簡単でもない。
 ガイセリウムの周囲にはヴァルキュリアの軍勢によって警戒を固められており、接近は容易ではない。もし見つかればガイセリウムより出現する『アグリム軍団』と呼ばれるエインヘリアルに迎撃されてしまうだろう。
 そして現在、ガイセリウム進路上の一般人は既に避難を開始しているが、都心部に近づいた後の進路が予測できないため避難が完了しているのは多摩川までの地域となっている。
「異常を踏まえ、今回の作戦は次のようになる」
 目を付けたのはガイセリウムが万全の状態ではないと予測されている点。
 ガイセリウムを動かすには大量のグラビティ・チェインが必要となるが、それが確保できていないようなのだ。
「恐らくは先のシャイターン襲撃を阻止できたのが大きいだろう。綻びを狙うのは戦略の常だ、ここからイニシアチブを奪う」
 敵も侵攻途上で人間を虐殺しグラビティ・チェインを補給するつもりだと思われるが、当然それを許すわけにはいかない。
「キミたちには多摩川を背に布陣してもらい、八王子市内にてガイセリウムを迎え撃ってもらう。作戦の流れはこうだ」
 まずは作戦に参加する数百人のケルベロスによりガイセリウムに対しグラビティによる一斉砲撃を行う。
 これによりガイセリウムが陥落する事はないが、攻撃の中和のために少なくないグラビティ・チェインを消耗せざるを得ない筈である。
「ただでさえ残存のグラビティ・チェインが少ない状態だ。この一手は決定打にならずとも十分な有効打となる」
 この攻撃により、ガイセリウムからはアグリム軍団が迎撃に出てくると思われる。
「万が一キミたちが敗北すれば……アグリム軍団は避難の終わってない地域の一般人を襲う事になる。……まぁ、僕としてはそんな事にはならないと信じているつもりだ」
 そして、逆にアグリム軍団を撃退できれば、こちらからガイセリウムに突入する機会を得る事ができるかもしれない。
 つまり、この戦いが東京都心の運命とイグニスとの戦いの流れを左右すると言っても過言ではないのだ。
「アグリム軍団に関しても説明をしておこう」
 アグリム軍団は四百年前の戦いでも地球で暴虐の限りを尽くし、同族からすらも嫌悪されているエインヘリアル・アグリムとその配下の軍団である。
 恐らくこの軍勢は第五王子イグニスが地球侵攻のために揃えた切り札の一枚なのだろう。
 全身を深紅の甲冑で固め、力の限り好き勝手に暴れる姿は傍若無人の限りだが、個々の実力は間違いなく本物である。
「相手は強敵だ。だが、キミたちが力を合わせれば勝機はある筈だ。ケルベロスの力、思い知らせてやるといい」


参加者
アイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)
白神・楓(魔術狩猟者・e01132)
スノーエル・トリフォリウム(四つの白天使・e02161)
湊川・亮一(地球人の鎧装騎兵・e02645)
キアラ・ノルベルト(天占屋・e02886)
天海・矜棲(ランブルフィッシュ海賊団船長・e03027)
峰谷・恵(暴力的発育淫魔少女・e04366)
霧生・ネイト(リコポリスの死神・e15696)

■リプレイ


 どこか鬱屈とした曇天の中、作戦に参加するケルベロスたちは多摩川を背にガイセリウムを待ち構えていた。
「やれやれ、新年早々移動要塞で突撃とはご苦労様な事で。ここはケルベロス風の丁寧におもてなしって奴をしてやるべきだな」
 遠く、重苦しい空気の中、迫り来る巨大な影を眺めながら、湊川・亮一(地球人の鎧装騎兵・e02645)は背部に装備したアームドフォート、試製15式複合兵装ユニットとバスターライフルを一斉に構える。
「よし、全員準備は良いか!? ……撃てぇぇぇ!!」
 それぞれのチームが武器を構え、ガイセリウムへ狙いを定める。
 総勢500名以上のケルベロスによるグラビティ一斉放射の中、天海・矜棲(ランブルフィッシュ海賊団船長・e03027)の号令で各々がガイセリウムへの攻撃を開始する。
「ザイフリートったらモテモテなんだねぇ……ははは、随分とでかい追っかけだな」
「でかい分、叩き込み甲斐もあるってものサ!」
 冗談を零しつつ限界まで引き絞った弓矢を放つ白神・楓(魔術狩猟者・e01132)に霧生・ネイト(リコポリスの死神・e15696)も続く。
「全兵装展開! 全弾発射!!」
「あれだけ大きいなら細かい狙いは要らない、詰め込んだ魔術回路を普段より使える!」
 グラビティ・チェインを消費させると言う作戦上、命中さえすればこちらの目的は果たせるのだ。
 バスターライフル、ビーム砲、ミサイル等々等々……亮一が文字通り全身から弾幕を一斉射する隣で峰谷・恵(暴力的発育淫魔少女・e04366)の全身が淡く光り出し、ケルベロスコートがはためく。
「行っけぇ!」
 露出した肌に浮き出す魔術回路を操作し、ガイセリウムへと解き放つ。
 ――そして、壮観とも言える大戦争さながらの一斉放射が収まる……だが。
「き、傷一つ付いてないんだよ!?」
 もうもうと立ち込める煙の中から出てきたのは、スノーエル・トリフォリウム(四つの白天使・e02161)の言葉通り全く無傷の状態のガイセリウムだった。
「ううん、グラビティ・チェインを防御に回した分、消耗は少なくない筈だよ……ほら、その証拠に」
 侵攻を止めたガイセリウム、明らかに変化し始めた空気。あくまでも冷静にアイリ・ラピスティア(宵桜の刀剣士・e00717)は状況を見定める。
「(出ておいで。殺してあげる)」
 形見の拳銃に弾丸を込め直し、夜色の刃を引き抜く。アイリの瞳は遠くから押し寄せる土煙を見据えていた。


「来たぜ!」
 一斉放射から数分、遠くから響く地響きの根源が赤い波となってケルベロスたちの視界に入る。
 イグニスがこの戦いのために用意した勇者の軍勢――アグリム軍団だ。
「正々堂々来た事は褒めてやる……だが、そこまでだ!」
『オモカジイッパーイ! リベル! ヨーソロー!』
 矜棲が腰に装着した変身ベルト『羅針ドライバー』に触れた瞬間、ドライバーが鬨の声を上げ、その身が強化外骨格に覆われていく。
 悪しきを倒すため、正しき心で邪悪を御し、矜棲は正義の海賊船長『マスカレイダー・リベル』として今日も戦うのだ!
「さあ、錨を上げるぜ!」
 矜棲の放った爆炎がアグリム軍団の一体を捉える。
「んじゃ、始めるか、お年玉替わりだ。遠慮なく受け取っとけよ!」
 その攻撃に続き、亮一はバスターライフルの狙いを定め、アイリ、楓も後方から一斉に弾幕を形成する。
「重力の鎖に囚われた脆弱なる犬共よ! 命が惜しくばそこを退けェェェい!」
 戦場に渦巻く轟音すらもろともしない、エインヘリアルの怒号がケルベロスたちに叩き付けられる。
 戦い慣れていない者なら、その気迫だけで足が竦んでいただろう。
「あんたみたいなヤツ……大っ嫌いなんだよね」
 陣形を組むケルベロスたちに突撃するように振り下ろされた戦斧を前に飛び出したのは、キアラ・ノルベルト(天占屋・e02886)だった。
 受けた攻撃をヒールしつつ、周囲を派手な爆炎で包み込む。
「このまま突っ切ろうったってそうはいかない、ツラ貸せ赤野郎、帰さないけどね!」
 受け止めた戦斧を気合いと共に弾いた隙に、テレビウムのスペラが跳びかかりその横っ面を殴り付ける。
「キアラさん! 大丈夫!?」
「これくらいなら……全然ッ!」
 すぐに恵が光の盾でキアラを援護するが、流石に手練と言われているだけありその一撃は強力、何度も喰らえばヒールでは補い切れないだろう。
「その気概は良いけどサ、あたし達にも遊ばせてよね?」
「無理は禁物なんだよ!」
 スペラの攻撃に続くようにネイトは敵の武器を狙い、スノーエルも更にヒールを重ねていく。
 ケルベロスたちの連携の取れた攻防を前に、エインヘリアルは感嘆するような呟きを漏らした。
 兜の上からでもわかる、獰猛な愉悦を孕んだ声。
「クックック、死に急ぐか、良いだろう! 地獄の番犬に相応しい地へ送ってくれよう!」
 気迫と共に戦斧を振るえば、破壊を司るルーン文字が武装に浮かび上がり、獲物を定めるように鈍くギラつく。
「良い気迫じゃない、ワクワクしてきたワ……でも、あんまり舐めないでよね!」
 ひしひしと伝わってくる威圧感。
 それすらも楽しげにネイトは笑い、音速の拳を打ち込んでいく。
 強者と戦う事の高揚感、それに関しては目の前の敵に共感できる。無論、それは勝利と言う形で幕を下ろすつもりだが。
「私は付き合う気は無いよ。この後ろへは一歩も行かせない、ここは私たちにしか守れないから」
「そういう事だ、『いかにも』って雰囲気を出してるところ悪いが、ここでキッチリ撃退させてもらうぜ!」
 対してアイリは手にした刃のように研ぎ澄まされた言葉を紡ぎ、影色の弾丸を撃ち込んでいき、亮一はそれに合わせて砲撃を繰り出す。
「マシュ、お願い!」
 敵のルーンによる加護を打ち壊すべく、ボクスドラゴンのマシュが敵の隙を突いて突撃を繰り出す。
「この前お前らが送り込んできたシャイターンは、躾の悪い脆弱な犬が食べてしまったみたいだね。死ぬ直前の往生際が悪かったよ」
 その間にスノーエルからの支援を受けた楓の弓矢が敵の肩口を貫いた。
「ヌぅ! ……ほう、貴様があのシャイターンを屠ったか!」
 重く低く響く声色。
 突き刺さった矢を抜き取り、エインヘリアルは、そのままわなわなと肩を震わせる。悲しみや怒り……ではない。
「クッ――フハハハハハァ! 成る程、少しばかり侮っていたようだな!」
 その感情は、歓喜。
 戦場を染め上げる焼け付くような闘気に、ケルベロスたちも気を引き締めざるを得ない。
 ここからが、本番だ。 


 キアラ、ネイト、そしてサーヴァントが敵の攻撃を受け、後方からの集中砲火で火力の差を埋める。
 作戦としては悪くない、むしろ方針は良かっただろう。
「は、んなみみっちい攻撃ばっかり。悪名高いアグリム軍団が聞いて呆れるよ、だっせえな」
 鋭い蹴撃を浴びせながら、キアラが挑発するように吐き捨てる。
 だが――戦闘開始から数分、既にサーヴァントは力尽き、前線の維持はギリギリの状況だった。
「その割りには息が上がっているようだな、どうしたケルベロス! もっと私を楽しませてみせろォ!」
 妨害を受けて尚、相手の攻撃力はこちらを大きく上回っていた。
 ただでさえ大きな身の丈よりも更に巨大な戦斧を振り回す姿はまるで深紅の暴風だ。
「あなたを楽しませるつもりは、ないよ」
「怯むな! まだ勝機はある!」
 矜棲の一撃が鎧を砕き、その下の肉を貫く。
 そして、その損傷をアイリの鋭い斬撃が広げていく。
 こちらの攻撃も手応えが無いわけではない、確実に敵を追い詰めている筈だ。
「くそっ、タフにも程がある!」
 しかし、その痛みすらもエインヘリアルは笑い、愉悦で塗り潰す。
 狂気に等しいその感情に薄ら寒さを感じながらも亮一は敵の戦斧を狙いバスターライフルを撃ち込んでいく。
「笑止! この程度の力ではイグニス第五王子は愚か、我が軍団長アグリムにも届かぬわ!」
「ご忠告わざわざどうも! でも、相手がより強いって言うなら、増々燃えてくるじゃない!」
 吹き荒ぶような凶刃をかい潜りながらネイトは鎧の破損した部分を狙って弾幕を叩き込んでいく――が。
「ネイトさん、危ない!」
「ッ!?」
 恵が警告と共に光の盾をネイトの前に作り出す。しかし、エインヘリアルの戦斧はその盾ごとネイトを弾き飛ばしていた。
「ぐ……た、助かったよ……今のはちょっと危なかったワ」
 盾が間に合ってなかったらこの程度では済まなかったかもしれない。とは言え、ちょっとすぐには戦線に復帰できそうも無いダメージだ。
「ネイトさんは休んでて、後は私たちにお任せだよ!」
 残る前衛のキアラを支援しつつ、スノーエルもネイトを労う。
 この状況下でも誰一人、まだ勝利を諦めてはいない。ここでの勝敗が戦況を左右する可能性だってあるのだから。
「(とは言え、流石に強いねあの赤鎧)」
 他の戦場も快勝とは行ってなさそうだ、とても援護を期待できる状況ではないだろう。
 戦意は鋭く保ち仲間と攻撃を重ねながらも、それでも楓の脳裏には『撤退』の2文字が過る。
 前線が完全に瓦解すれば、後衛が崩れるのも時間の問題だ。
 作戦は悪くなかった。大口を叩いてはいるが敵だって追い詰められている。だが、それでも――。
「キアラ!」
 戦斧の一撃がキアラを捉える。
 最大限防御に注力しそれを受け止めるも、遂にキアラは地に膝を付いてしまう。
「本格的にお互いギリギリって感じになってきたな……!」
 それでも砲撃の手は止めず、亮一が呟く。
 ボロボロになったエインヘリアルの兜の下、砕けて露出した口元は……それでもギラついた笑みを浮かべていた。


「さぁ、どうした? 貴様らケルベロスにはまだ最後の手段が残されているのでは無いか? 見せてみろ! そして私を楽しませろ!」
 最後の手段――グラビティ・チェインを暴走させ、戦闘力を上げれば、確かにこの危機を脱する事はできるだろう。
 事実、何人かはいざと言う時のためにその覚悟をしていた、が。
「勝った気になるのは早過ぎるぜ。俺たちはまだ負けてねぇ……こんな所で立ち往生している暇はないのさ!」
 一点の迷いの無い矜棲の言葉に仲間たちも頷く。
 自分たちは今、確かに敗北の瀬戸際にいる。
 だが、まだ負けたわけではないのだ。ならば、最後の瞬間まであがき通してみせなくては。
「クク……やはりそうでなくてはなァ! 潰し甲斐も無いと言うものだ!」
 振り上げられたエインヘリアルの戦斧が矜棲を捉える。
「させるかぁッ!」
 それを止めたのは――倒れたと思われたキアラだった。
 最後の気力を振り絞った、魂を凌駕する気合いが戦斧を受け止める。
「誰も傷付けさせるもんか……ここは、通さねえよ……!」
「貴様……ッ!」
 睨み上げる瞳に宿る気迫に、エインヘリアルの声色が初めて強張る。
 限界に限界を重ねたダメージにキアラはそのまま崩れ落ちてしまうが、この一瞬が『機』を分ける事になる。
「今がチャンスだ! みんな、気合い入れて行くよ!」
 キアラたちが体を張って作ってくれたこの好機、楓はそれを逃すまいと造り貯めていた『失敗作』を一斉に解き放つ。
 それは狂暴な欲に溢れた人造の魔物。喰らい、砕き、引き裂き、抉る、そんな暴虐に適した失敗作たち。
「ここで止めるぞ! 喰らえ!」
 回復に徹していた2人も援護に加わり、弾幕を浴びせる中で亮一も速射砲とビーム砲で動きを止める。
「動くなよ、当たらないからな……!」
 そして、そこに矜棲の作り出した巨大な錨が突き刺さる。
 鎧すらも打ち砕く強烈な一撃がエインヘリアルを捉えた、と思われた。
「大した技だ! だが……後一歩届かなかったようだな!」
 貫いたように見えた錨は、寸でのところで受け止められ、致命傷には至っていなかった。
「認めよう! 貴様らは確かに強者だ、だが所詮は定命と言う鎖に縛――」
「今だ!」
 敵の言葉を遮り、矜棲が叫ぶ。
 音も無ければ影すら無い。宵闇のような一閃にエインヘリアルが気付いたのは、刃が鎧の隙間を縫って、その身を斬り裂いた直後だった。
「付き合う気はない、って言った筈よ」
 まるで影から伸びて出てきたように、アイリがエインヘリアルの背後から姿を現す。
「これで、終わり」
 一拍の間を置いて、エインヘリアルは斬られた腹部から血が吹き出し、その巨体が揺らぐ。
「……ぐ、ヌゥ……ぅぅぅ!」
 よろよろと踏み止まりながら、最後にエインヘリアルはその口端をギリギリと噛み締め、吊り上げ、笑う。
「――見事!」
 そして、血を揺るがすような轟音を響かせ巨体が崩れ落ちる。
 ぴくりとも動かなくなった姿を見て、恵が小さく呟く。
「か、勝ったの?」
 信じられない。と言った口振りだが、その言葉でようやくケルベロスたちは自分たちの勝利を確信する。
 勝ったのだ、あのギリギリの状況から。
「ッ、戦況は概ね優勢、ってところかしらね?」
「ネイトさん、大丈夫!?」
 スノーエルにヒールを受けつつ、ネイトは周辺を見渡す。
 こちら側の被害も甚大だが、全体で見てもアグリム軍団を退ける事に成功したチームは多そうだ。
 ガイセリウムへの一斉放射、アグリム軍団との戦闘、そしてこの満身創痍の状況。
 ならば、後はこのまま多摩川を越えて敗走したように見せかけ、ガイセリウムに侵入するチームに託す、と言う形が最適だろう。
 怪我を負った者はいるが、作戦としては十二分に成功だ。傷付いた仲間たちを支えてケルベロスたちは撤退を開始する。
 ――後は、侵入部隊の成功を祈るばかりだ。

作者:深淵どっと 重傷:キアラ・ノルベルト(天占屋・e02886) 
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年1月22日
難度:やや難
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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