残塊の青

作者:雨音瑛

●動塊
 漁船が揺れる。だが、それは風のせいではない。船底が何かにぶつかった感触に、漁師が舌打ちをする。一週間前に直したばかりの塗装が剥げたのは、確実だろう。
 だが、次の瞬間。目の前に現れた「塊」に、漁師は目を丸くして黙りこむ。
 巨大な、青白い塊。何やら筒状のものがいくつか生えているのも見える。漁船の真正面に現れた塊は、次第に漁船に近づいて来る。漁師が気がついた時には、後の祭りだ。目にも留まらぬ速度で、青白い塊は漁船を貫く。真っ二つになった漁船はは転覆、次いでやってくる荒波に漁師が巻き込まれ、飲み込まれていく。
 その間、数分。
 自らを揺らしたものが消え失せたことに満足したのか、塊は静かに潜水した。
 やがて海は凪ぐ。海中に、不穏な塊を残したまま。
 
●海へ
 ヘリポートでケルベロスたちを出迎えるセリカ・リュミエール(シャドウエルフのヘリオライダー・en0002)が、深々と頭を下げる。
「狐村・楓(闊達自在な螺旋演舞・e07283)さんの調査で判明したことがあります。城ヶ島の南の海にいた『戦艦竜』が、相模湾で漁船を襲うなどの被害を出しているようなのです」
 戦艦竜は、城ヶ島の南の海を守護していたドラゴンだ。体に戦艦のような装甲や砲塔があり、非常に高い戦闘力を持っている。城ヶ島制圧戦で南側からの上陸作戦が行われなかったのは、この戦艦竜の存在が大きかったためと言える。
「戦艦竜は、数は多くないものの、非常に強力です。このまま放置すれば、漁船などが相模湾を安心して航行できなくなってしまうでしょう」
 そこで、とセリカがケルベロスたちの顔を見る。
「皆さんにはクルーザーを利用して相模湾に移動していただき、戦艦竜の撃退をお願いしたいのです」
 戦艦竜には、強力な戦闘力と引き換えにダメージを自力で回復する事ができないという特徴がある。また、海中での戦いということもあり、一度の戦いで戦艦竜を撃破する事は不可能だ。
「しかし、ダメージを積み重ねていくことでいつかは撃破できると思います。厳しい戦いになるのは確実ですが、皆さんならきっとやり遂げてくれると信じています」
 戦艦竜が現れるのは相模湾です、とセリカが地図を広げる。
「今回戦闘となる戦艦竜について判明していることはそんなに多くありません」
 まずはその外観。青白い大きな塊で、筒状のものが生えているということ。
 次に攻撃手段。なにか鋭いもので貫く攻撃を仕掛けてくる。他にも攻撃手段はあるようだが、現時点では不明だ。
 そして能力。体力と攻撃力こそ高いが、命中や回避はそれほど高くない。
「さらに、戦艦竜は攻撃してくるものを迎撃するような行動をします。戦闘が始まれば、まず撤退はしないかと思われます」
 それと同時に、敵を深追いする可能性も低いという。ケルベロス側が撤退しても、追撃されることはないだろう。
「とても危険な戦いになることが見込まれます。一度で撃破することは不可能ですが、どうか次に繋げられるような戦果を残せるよう、お願いいたします」
 セリカは丁寧に頭を下げ、ケルベロスたちをヘリオンへと促した。


参加者
ワルゼロム・ワルゼー(枢機卿・e00300)
リュートニア・ファーレン(紅氷の一閃・e02550)
木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)
干支・郷里(紅夜の亡霊・e03186)
エレノア・クリスティン(オラトリオの鹵獲術士・e03227)
宵鳴・散華(宵闇に散る刃鳴・e05628)
リリー・リーゼンフェルト(一輪の黒百合・e11348)
クレーエ・スクラーヴェ(白く穢れる宵闇の・e11631)

■リプレイ

●現
 年明けの相模湾を、ケルベロスたちの乗るクルーザーが航行する。
「さて、何が出るやら……楽しみだね」
 干支・郷里(紅夜の亡霊・e03186)が、双眼鏡をのぞきこんで戦艦竜を探す。ふと見えたのは、昨年激戦を繰り広げた城ヶ島だ。
(「それにしても戦艦化って凄いよね……まさかダモクレスと繋がってたりしないよね」)
 などと思考する郷里の横で、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・e02879)はビデオカメラを設置した。戦艦竜によってクルーザーが破壊されなければ、良い調査資料を持ち帰ることができるだろう。
「相模湾にこんなんがいたんじゃ、皆が安心して暮らしていけないよな」
 ケルベロスとして戦艦竜は見過ごせないぜ、と腕組みしてうなずくウタ。彼らとは異なる方向を索敵するリリー・リーゼンフェルト(一輪の黒百合・e11348)も、じっと海を眺めている。
「この海に平和を、取り戻さなきゃね!」
 とはいえ、雄大な海が視界に入れば嫌でもテンションは上がるというもの。これで戦闘さえなければいいのにと、小さく溜息をつく。
 戦艦竜は、まだ姿を表さない。波間に反射する陽光に目を細め、エレノア・クリスティン(オラトリオの鹵獲術士・e03227)が静かに呟く。
「しかし、巨大ドラゴンですか……気になりますね」
「そうだな。今回の攻撃で、少しでも無力化できればいいが……」
 宵鳴・散華(宵闇に散る刃鳴・e05628)も、油断なく海上を見渡して戦闘に備える。彼女の言葉に力強くうなずくのは、ワルゼロム・ワルゼー(枢機卿・e00300)だ。
「今までにない強大な相手だの。しかし倒せずとも次に繋げれば本望!」
「しっかりと次に繋げたいね。無理はしたくないけど、出来る事は全力でやっておかないと」
 クレーエ・スクラーヴェ(白く穢れる宵闇の・e11631)が、16歳という年齢にそぐわない落ち着きようで微笑んだ。

 真っ先に異変に気づいたのは、郷里だ。視界の端にクルーザーの前方で何やら波立つのを確認し、双眼鏡から目を離す。
「どうやらお出ましのようだよ。戦艦なら、乗せてくれてもいいのにね」
 余裕の軽口を叩いたあとは、戦闘態勢へと移行するだけだ。
 姿を表した戦艦竜は、聞いての通り「青白い塊」だった。体長は10メートルほどだろうか。全体的に淡青色で、末端が透き通っている。無骨な水晶の柱をいくつも生やしたような外観は、いっそ美しい。そこから、銀色の無骨な円筒が数本生えている。
 一言で言うならば、砲台を巻き込んだ巨大な流氷。
 リリーはサーフボードでクルーザーを飛び出し、颯爽と海を滑ってゆく。
 競泳水着を着用したワルゼロムは、海へと飛び込んで水中呼吸を発動した。クルーザーの被弾を避け、ドラゴンの向こう側に回り込んでの戦闘を展開するためだ。
 リュートニア・ファーレン(紅氷の一閃・e02550)も続けて海へと飛び込み、同じように戦艦竜の向こう側に回り込む。
 ケルベロスたちの動きに気づいた戦艦竜は、流氷めいた体の一部をリュートニアへと伸ばした。ヘリオライダーから告げられた「何か鋭いもので貫く近距離単体攻撃」だ。直撃していたならば、痛烈な洗礼となったことだろう。あまりにも素早い攻撃ではあったが、リュートニアは回避して体勢を立て直す。
「……目標補足。これより撃破」
 魔力をこめた弾丸をリュートニアが連射して、被弾した戦艦竜の様子をうかがう。これくらいではびくともしないのか、弱点の属性ではなかったのか。戦艦竜は、ケルベロスたちを静かに見回した。

●伺
 各々が位置取り、戦艦竜へと対峙する。
 リュートニアのボクスドラゴン「クゥ」は、メディックとして主へと風の属性をインストールし、耐性を高めた。
 郷里はクルーザーから戦艦竜へと跳躍して、その背に取り付く。影の弾丸を撃ちこんで反応を見るがやはり無反応に見える。確かにダメージは与えられているはずなのだが。
 様子を探りながら攻撃を仕掛けるにしても、何らかの援護は必要だ。ウタが「紅瞳覚醒」を歌い上げ、前衛の防御力を高める。
 とにかく攻撃を叩き込むことに主軸を置いたエレノアは、脇目もふらず石化光線を浴びせてゆく。
「さあ、始めよう」
 続くのは、散華のスターゲイザー。さらにリリーの黒影弾が撃ち込まれる。彼女が持つグラビティの中でも高命中力を誇る攻撃が、艦底部側面を穿つ。ミミックの樽タロスもエクトプラズムで作り出した武器で戦艦竜へとダメージを与えていく。
 ワルゼロムの放った半透明の「御業」が鎧に変形すると、エレノアを守護した。余計な被弾を避けるため、味方への回復と援護をするためだ。もちろん、同時に戦艦竜の様子をうかがうのも忘れない。
 メディックを担うクレーエではあるが、回復の必要がない場合は攻撃へとシフトする。鋭く伸ばしたブラックスライムは、戦艦竜の体表を覆う流氷、その一部を剥落させた。
 様子を見ながらの攻撃ということもあってか、戦艦竜はケルベロスたちの攻撃に何の反応も示さない。体力にも余裕があるのだろう。
 戦艦竜は、胴体と同じく流氷のような突起物がいくつも生えた尾で水面を何度も叩いた。そしてちらりとケルベロスたちを見たかと思えば、その尾で前衛を容赦なく薙ぎ払った。前衛にいた者すべてが、その打撃を受ける。その瞬間、ディフェンダーの樽タロスが消し飛んだ。戦艦竜はびくりと一度だけ震え――毒でダメージを受けたのだろう――潜行した。
「なんと強力な……樽タロスが一撃とは……。この攻撃が後衛にまで届くのなら、たまったものではないぞ」
 ワルゼロムは歯噛みしながら海中へと潜った。郷里も同様に潜水し、戦艦竜の背へと足を触れさせる。その足下、投影された影から現れるのは十二支の動物を模した影。すぐさま影達は攻撃を行う。郷里の視線は、十二支の「辰」へと注がれていた。
(「影なら水なんて関係ないよね……さぁ、僕の龍がどこまで通じるかな」)
 あまり目立った反応を見せない戦艦竜に、リュートニアが凍結光線を撃ち込む。今回だけで倒してしまいたかったとはいえ、ここまで頑丈ならばそうも言っていられなさそうだ。焦らず、情報を持ち帰り、次へ繋げるのだ。
 続くクゥは、先ほどの攻撃を受けた郷里へと風の属性をインストールする。リュートニアに指示された通りの行動だ。
「さあ、ここが踏ん張り所だぜ!」
 ウタは水上で「紅瞳覚醒」を歌い上げ、後衛の防御を高めた。
 同じく水上にいる散華は、ブラックスライムを捕食モードに変形させ、戦艦竜を包み込むようにしてダメージを与える。そこでワルゼロムが散華へと護殻装殻術を施す。樽タロスを一撃で葬った攻撃が後衛まで届いた場合は少しでも軽減できれば、と。
 リリーは水中呼吸で深く静かに潜航し、敵へと近付く。次いで、鎌を回転させながら投げつけた。攻撃が命中した後は、じっと戦艦竜を観察する。だが、思うようなダメージは与えられていないようだ。
(「想像以上に、固い……」)
 だが、攻撃の手を休めるわけにはいかない。エレノアは、禁縄禁縛呪で戦艦竜を鷲掴みにする。
 修羅場をくぐり抜けてきたクレーエは「死なないため」の道を探る状況把握と判断は早いほうだ。すかさず前衛へFall in “NIGHTMARE”を使用し、戦艦竜の尾によるダメージを幾分か回復した。

●壊
 戦艦竜は、なおも攻撃を仕掛けてくる。戦艦竜の脇腹から伸びた鋭い流氷は、気がつけばワルゼロムの目前まで迫っていた。回避できない、と思われた流氷と彼女の間に自身の身体をねじ込んだのは、郷里。受けた一撃は、呪的防御をも破壊する致命傷。郷里は朦朧とする意識で、事前にクルーザーから放っていたロープを掴んでいた。
(「すまない、郷里殿……!」)
 水上へと上がっていく郷里を、申し訳なさそうに視線で追う。
「呪的防御をも破壊する……おそらくあの攻撃のエフェクトは、ブレイクだね」
 クレーエが、戦艦竜を眺めながら呟く。郷里がワルゼロムをかばって攻撃を受けたことで、流氷による攻撃の情報がひとつ判明したのだ。
「なるほど……次は通りやすい攻撃を判明させたいところですね」
 リュートニアが凍結光線を発射し、戦艦竜の尾の付け根を凍らせる。続くクゥは、ワルゼロムへと風の属性をインストールした。
「気合を入れろ!」
 回復に徹するウタも、リュートニアに気力溜めでヒールを施す。
 エレノアは半透明の御業から炎弾を放ち、戦艦竜を構成する流氷の一部に炎を灯した。そこで戦艦竜の真上へと回りこむのは、かつて暗殺者だった散華。
「止め……とは行かないが……痛いぞ。――キミの生命、ここで散らそう」
 散華が漆黒の刃で砲塔をひとつ斬り落とせば、それは戦艦竜から分離し、水面へと到達する前に消え去った。
 リリーは縛霊手で殴りつけ、網状の霊力を放射して戦艦竜を緊縛する。すると、戦艦竜は再び水面へと浮上した。
「動きが変わった……? 弱点……かしら?」
 リリーも浮上し、息を呑む。だといいのだが、と、ワルゼロムがリリーの防御力を高めるグラビティを使用した。
「もしそれが弱点だとしたら――」
 クレーエは戦艦竜の目の前で惨殺ナイフを構えた。頑健属性の攻撃だ。どこどなく不快そうに目を細めた戦艦竜が、甲高い声で吼えた。
 戦艦竜は、再び前衛を尾で薙ぎ払う。ワルゼロムは素早く尾とリュートニアの間へ入り込んだ。尾に胸元を強く打たれたワルゼロムは、そのままクルーザーに身体を打ち付ける。戦闘不能となりながらも、必死に仲間へと告げる言葉は。
「この列攻撃が持つエフェクトはおそらく『足止め』! あとは頼む、ぞ……!」
「ありがとうございます……!」
 リュートニアはワルゼロムに頭を下げ、拳に力を込める。音速を超える拳を叩きつけると、戦艦竜は不快そうに鈍い声を出した。
 ウタは拳を握りしめ、きつく目を閉じる。だが、立ち止まるわけにはいかない。攻撃方法を調査しながら打撃を重ね、次へと繋げるためにも、メディックの支援は必要不可欠だ。
「くそっ、間に合わなかったか……ビートを燃やせっ!」
 リュートニアへと祝福の矢を放ち、少し前に受けたダメージを回復する。
 エレノアが再び禁縄禁縛呪で線韓流を鷲掴みにしたところで散華がスターゲイザーを見舞い、さらにリリーが黒影弾を撃ち込む。
 それを眺めながら、様子を伺いながらクレーエが竜の幻影を放つ。
「あの尾による攻撃……まだ後衛には仕掛けてこないということは、近距離の列攻撃、というなのかな?」
 クレーエの言葉に、ケルベロスたちは目線を交わした。

●退
 戦艦竜は、浮上したままケルベロスたちを睨むように見る。次いで繰り出したのは、流氷で穿つ攻撃。狙いは前衛最後の砦、リュートニア。どうにか回避しようとするが、戦艦竜の名は伊達ではない。直前で回避しきれず、直撃することとなった。
「この攻撃、おそらくは敏捷、破壊……」
 言葉半ばに意識を失う主を見て、クゥは悲しげな声を上げた。
 攻撃を受けた者のおかげで、有用な情報をまた一つ得ることができた。しかし、遂に前衛が不在の状況となる。
「回復の必要がない状態では攻撃をしようと思っていたが……それがまさか、こんな状況だとはな」
 ウタは大きく息を吐き、豪速の一閃を叩き込んだ。回復グラビティを使用する必要がないのは、クレーエも同じこと。少しでも体力を削減できればと惨劇の鏡像で攻撃を重ねる。エレノアも翼から聖なる光を放ち、必死にダメージを与えていく。再度「生命散華」で砲塔を斬り落とすのは散華。リリーもデスサイズシュートでさらに体力を削ってゆく。
「もうすぐ撤退条件を満たしちゃうね……」
 調査のための戦いと決めていたとはいえ、こうも仲間が戦闘不能にされていくと流石に焦りを覚えてしまう。事前に決めていた撤退条件のひとつが「半数が戦闘不能となること」。現在、既に3人が戦闘不能となっている。あと一人が撃破されれば、戦場から撤退だ。
「頑健属性の攻撃が通っているように見えるんだけど……リリーさん、どう思うかな?」
「そうね。ほんのちょっとだけれど、頑健属性の攻撃に反応を示したように見えるわ」
 だが、ケルベロスたちの思案など関係なしに戦艦竜は尾をうねらせる。後衛だけの戦列を襲うのは、尾による薙ぎ払いの攻撃だ。
「そんなんで俺の炎を消せるものかよ!」
 どうにか持ちこたえる、戦艦竜へと吼えるのはウタ。だが、エレノアが手酷いダメージを受け、戦闘不能となる。この攻撃の属性はおそらく頑健の斬撃による攻撃である、とエレノアがクレーエへと伝える。
 得られた情報がまたひとつ増えたとはいえ、戦闘不能の者は4名。すぐさまリリーが手を掲げ、撤退を促した。
「これ以上持たない! 予定通り撤収しよッ!」
「さて……では、さようなら」
 散華は戦艦竜を一瞥し、クルーザーへと向かう。淡々とした言葉とは裏腹に悲痛な面持ちだ。戦闘不能となった仲間を抱えて運ぶ途中、感謝の意を述べ、謝った。
 ケルベロスたちが戦艦竜に背を向けると、水中へと潜行していく音が聞こえた。そしてそのまま、戦艦竜はどこかへと泳ぎ去ったようだった。
 全員がクルーザーに戻れたところで、クレーエは胸をなでおろした。
 『怪我』は治るが『死』は絶対である、という思いがクレーエにはある。そのため、死の危険を感じると何としてでも回避しようとする傾向にあるのだ。今回、全員の死が回避されたことで、クレーエは心から安堵していたのだ。
 だが、無事とはいえ戦闘不能となっている。ウタは気を失っている仲間へと「世界を紡ぐ歌」を歌った。リリーも耀星伝承・第一節を歌い、舞う。やがて、戦闘不能となっていた四人は意識を取り戻し始めた。
 ケルベロスたちのさまざまな思いを乗せて、クルーザーは戦場から遠ざかってゆく。
(「あばよ……必ずまた来るぜ。お前を開放するその日まで、な」)
 ウタは波打つ海上を眺め、拳を握りしめた。

 クルーザーを背にしない位置取りで戦闘したことで、クルーザーは無事だった。結果、ウタの設置したビデオカメラに戦艦竜の姿が収められることとなった。戦闘で判明した情報とビデオカメラに映っていた内容は、次の戦いへ赴くものへと伝える重要な情報源となる。
 今回は決定的なダメージこそ与えられなかったが、得られた情報は大きい。
 これで、次へと繋ぐことができる。

作者:雨音瑛 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年1月9日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 6/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 2
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