恋する電流マシン~輝きとトキメキの中で

作者:深淵どっと


「この忙しい年の瀬によく集まってくれた、ケルベロスの諸君……どうした?」
 いつもの黒衣に身を包んだフレデリック・ロックス(シャドウエルフのヘリオライダー・en0057)の頭頂部には赤い三角帽……サンタっぽい帽子が乗っている。
「……少しはそれらしい雰囲気を出してみたのだが。いや、僕の話はいいから、話を進めよう」
 話は本日発見された新たなダンジョンに関わる事らしい。
 体内に残霊発生源を内包した巨大ダモクレスの残骸であった件のダンジョンだが、それを修復するための部品をダモクレスが回収していると言うのだ。
「その部品だが……いわゆる恋人同士である人間2人を同時に殺害、合成させた物、らしいのだ」
 そこでダモクレスはデートスポットとされる場所に潜伏、そこを訪れる人間たちに恋心を増幅させる特殊な電流を浴びせてから殺す事で、修復に必要な部品を回収しているとの事である。
「通称『恋する電流』……言っておくが僕が考えたわけじゃないぞ」
 こほん、と軽く咳払いをしてフレデリックは作戦の概要を伝える。
「このダモクレスの戦闘能力は決して高くはない。しかし、問題はその『恋する電流』を浴びない限り発見する事ができない隠密性にある……ここまで言えばキミたちにしてもらいたい事も何となく察しが付くんじゃないか?」
 要するに、恋人同士、あるいはその振りをして敵が潜伏していると思われるデートスポットを歩いて回って敵を誘き出す、と言う事である。
「この際、本物の恋人同士である必要は無い、それっぽく見えれば問題は無いのだからな」
 ただし、偽装であっても本物であっても、必ず二人一組で行動する必要があると言う事だ。
「一箇所のデートスポットにはそれぞれ8体のダモクレスが潜んでいる事が判明している。8組のカップルが満遍なく捜索することで全てのダモクレス……通称を『恋する電流マシン』を破壊できるだろう……言っておくが、これも僕が考えたんじゃあないからな」
 敵はバスターライフルに近いグラビティを武器に使用してくる。個々の強さはそれほどでは無いがこちらもそれぞれ2人で戦う事になる、戦力的には互角と言ったところだろう。
「さて、キミたちの担当地域だが……静岡県伊東市にある大きな公園を当たってもらいたい」
 公園、とは言うがその規模はかなり大きく様々なアトラクションもあるテーマパークに近い物だ。
 今回は敵の潜伏に備え、一般人は全て先に避難させている。言わば貸切状態である。
「作戦は夜、日が沈んでから行うものとする。と言うのも、現在園内は敷地中を埋め尽くす程の幻想的なイルミネーションで彩られている、恋人同士のロマンチックな一時を過ごすには最適だろうと言う判断だ」
 その雰囲気満載な公園内をカップルらしく徘徊すれば、敵は恋する電流を浴びせてくる。後はその発生源を確認し、破壊するだけだ。
「折角のクリスマスに随分と無粋な連中もいたものだ……ヤツらを見逃せば、強大なダモクレスの修復にも繋がってしまう……頼んだぞ、ケルベロスの諸君」


参加者
猿・平助(申忍・e00107)
福富・ユタカ(橙陽・e00109)
佐原・エイキチ(普通のカフェ店員・e00251)
三和・悠仁(憎悪の種・e00349)
付喪神・愛畄(白を洗う熊・e00370)
大御堂・千鶴(幻想胡蝶・e02496)
アウィス・ノクテ(月ノ夜ニ謳ウ鳥・e03311)
ルリナ・ルーファ(ないしょのきもち・e04208)

■リプレイ


 静岡県伊東市某所、色鮮やかなイルミネーションに彩られた公園を付喪神・愛畄(白を洗う熊・e00370)とプラスマリー・コープシアン(世界を焼く愛の炎・e03628)は並んで歩いていた。
 長いマフラーを2人で巻いて寄り添い歩く。甘く幸せな恋人同士の時間が過ぎていく。
「イルミネーション綺麗だね? 依頼という形になっちゃったけど、2人きりでデートできて俺は嬉しいよ」
 きらめく大きなクリスマスツリーの下で愛畄は足を止め、プラスマリーに声をかける。
「いえ、戦いと愛の語らいを両立するなんて、私たちらしく合理的で刺激的なので問題ありませんよ」
 そんな2人を照らす輝きに混じり雷光が走る。潜んでいたダモクレスの放った『恋する電流』だ。
 電流は愛畄に直撃し、一瞬だけ眩い閃光となって散っていった。
「愛畄様、大丈夫ー―」
 姿を現した敵に向かう前に、愛畄はプラスマリーに目線を合わせ少し屈んだ。
 愛畄を襲った電流が、その想いを増幅させる。
 敵が来ている今この瞬間であっても気持ちを伝えたいと、熱を持つほどにだ。
「ちょっとごめんね……プラスマリーちゃん、愛してるよ」
 戦闘態勢に入りかけていたプラスマリーを愛畄は優しく抱き締める。
「前にダーリンって呼んでくれた事あったよね。実は凄く嬉しかったんだ。またいつか呼んでほしいな。は、ハニー?」
 少し照れながら、最愛の人に最愛の想いを込めて、呼ぶ。
「愛畄様……」
 気持ちを伝え終え、愛畄は鎖をダモクレスに放った。
 対するダモクレスも即座に反撃に乗り出すが、鎖に動きを抑えられ思うようにはいかない。
「……トキメキとは、『これ』を、そう呼ぶのでしょうか……」
 鎖に絡め取られもがくダモクレスを、プラスマリーの照準が捉える。
 そして、機械的には計りきれない何かを熱量に変えて、プラスマリーの愛の炎が敵を撃ち抜いた。
「……愛畄様、またいつか、などと言わず、いつでも今すぐにでも。私は貴方を愛していますよ、ダーリン?」
 愛畄の頬に触れる柔らかな感触。
 その暖かさに、電流に増幅された時よりも強い想いを込めてもう愛畄はプラスマリーをもう一度抱き締めるのだった。


「次の和装デート、いつにするでござ?」
「うーん、春が良いな……寒いし」
 すっかりデート気分になっている福富・ユタカ(橙陽・e00109)の隣を歩くのはグラディウス・レイソン(蒼月・e01063)。
「って、デートも良いけど、まずはダモクレスを倒すのが先だろ」
「え? あぁ、そういえばそうでござー―ひゃっ!?」
 不意に、文字通り電流が走った様にユタカの視界が弾ける。
 同時に奇妙な形をしたダモクレスが二人の前に姿を現した。
「出たか……行くぞ!」
「間の悪い……」
 電流を浴びても一見普段とあまり変わらないユタカは聞こえない様に小さく悪態を吐く。
 乱射されるビームを最小限で避けつつ、グラディウスは飛翔する斬撃でユタカを支援し、前衛を務めるユタカが一気に攻め立てていく。
「折角のグラと二人きり……邪魔しないでほしいでござっ!」
 そして、イルミネーションに紛れて揺れる橙が一瞬の隙を付いて敵を斬り裂いた。
「大丈夫かユタカ? さっき電流喰らっただろ――」
 敵が動かなくなり、駆け寄ったグラディウスの声をユタカの唇が塞いでいた。
 ダモクレスの攻撃よりよっぽど強力な、突然の不意打ち。
「どうだ、参ったか!」
 心なしか顔を赤くしながら笑って言って、ユタカはくるりと背を向ける。
 それが倒したダモクレスに向けた言葉だったのかはさて置き……。
「……参ったかもな」
 ユタカの笑顔はどんな攻撃よりもグラディウスに突き刺さっていた。


「ねぇねぇアウィスは上手くやってるかなァ? 後で様子見に行ってあけようネェ?」
「ただ野次馬したいだけだろお前、どうでもいいからさっさと誘き出して片付けるぞ」
 既に目的が違っている大御堂・千鶴(幻想胡蝶・e02496)に鳴無・央(黒キ処刑ノ刃・e04015)は呆れた口調で吐き捨てる。
「えー、店長そんなに恋人ごっこしたいのォ? 仕方ないなァ、手でも繋いであげよっかァ?」
「握り潰すぞ」
「もー、そんなんじゃ誘き出せない……あ、もしかしてあれかなァ?」
 ただの口喧嘩でも場所が場所だけにカップルに見えたのか、意外とすぐに敵が姿を現した。
 放たれる光線をかわしながら、2人はすぐさま武器を構え突撃する。
「は? お前俺に前衛やれって言っただろうが、何一緒になって前出てんだよ?」
 千鶴に向かって怒鳴りながら、斬撃を叩き込む央。
「えぇー? 央ボクに前衛やれって言ったじゃん! ボクは央の言うこと聞いてあげただけだよォ!?」
 電流を浴びつつも、竜語魔法で炎を撒く千鶴。
 文句を言い合いながらもお互い攻撃の息は合っており、むしろ火力特化の陣形が功を成して敵は間も無く沈黙する。
「……ところでお前、さっき俺の事名前で――ッ!」
 言葉を途中で遮って、千鶴の拳が央の鼻先をかすめる。
「余計な事気にしてる暇があったらアウィスのとこ行こうネェ、『店長』?」


 一方、猿・平助(申忍・e00107)とアウィス・ノクテ(月ノ夜ニ謳ウ鳥・e03311)は恋人同士、手を繋いで歩いていた。
 ケルベロスと言う立場を忘れてしまいそうな、ありふれた他愛の無い話を続けている内に二人はイルミネーションの光で溢れた広場に出る。
「凄い……!」
「っと、あんまはしゃぎ過ぎるなよ、転んだら危ないだろ?」
 イルミネーションの輝きを瞳一杯に写し、そのまま突撃しかけたアウィスを平助が手を引いて止める。
 ――その瞬間、ダモクレスが姿を現した。
「アウィス、危ない!」
 アウィスに向かって放たれた電流を庇うようにして平助が受け止める。
「……人の女に手出してんじゃぁないぞ、ガラクタ!」
 敵の攻撃を受け止めつつ、平助はダモクレスへ雷を纏った突きを繰り出す。
 平助が敵の攻撃を受けつつ抑え、アウィスがそれに合わせて決定打を撃ち込んでいく。
 息の合った連携のお陰でそう苦戦することは無く、戦闘は終わった。
 平助の負ったダメージをヒールしつつ、アウィスはそっと確認するように平助の顔を覗き込んだ。
「平助、さっきのって……」
 電流を浴びた影響とは言え、本心からの言葉には違いない。平助は照れ臭そうに頬をかきながら、口を開く。
「……人の事を散々引っ張って惹きつけて、惚れさせたんだ。責任とれよな」
「惚れ……初めて平助からそういうの聞いた」
 少し驚いたような声色で、でもどこか嬉しそうに瞳を丸くするアウィスを見て、平助は自然と微笑みを向ける。
「……きっと、さっき受けた電流のせいじゃないか? ……おっと」
 照れ隠しに答える平助の腕にアウィスが飛び付く。大切な人のためだけの、特別な笑顔を浮かべて。
「ん。電流のせい。大好き」
「……ああ、わかってるよ。俺だってお前が好きだ」
 全てを電流のせいにして、今は大切な時間を堪能する2人だった。


 イルミネーションのエリアから少し外れた、物静かな雰囲気の道を三和・悠仁(憎悪の種・e00349)とラズ・ルビス(祈り夢見た・e02565)の2人が歩く。
 遠目にきらめく光を眺めながら、少し控えめに手を繋ぐ2人は正確には恋人同士では無い。
「……寒そうだし、俺のコート貸そうか?」
 寒さに自分の肩を抱くラズの白い息を見て、悠仁が着ていたコートを広げる。
「よろしいのですか? ……あ、待ってください」
「ん、どうした?」
 思い付いた様に言って、ラズは悠仁の懐に身を寄せていった。
「この方が……温かい、ですよ。 恋人っぽく、見えるかもしれませんし」
 その言葉通り、直後に暗がりからダモクレスが飛び出す。
 周囲のイルミネーションが少ないために、無差別に電流を撒き散らすダモクレスの姿は非常によく目立つ。
「出たか……」
 電流を浴びつつも、悠仁の瞳に映る地獄の炎は揺るがない。
 そしてそんな悠仁の姿を見て、彼を支援するラズの表情は、どこか暗い。
「これで終わりだ……!」
 憎悪を力に変え、悠仁は敵を焼き尽くす。
 イルミネーションの光に溶け込むように散っていく灰と、悠仁の背にラズは小さく口を開いた。
「三和様……貴方の生き方は、止めません……止められません」
 熱く燃え滾る地獄の業火はまるでいつか彼自身をも焼き尽くすようで、いつか言葉すら届かなくなるんじゃないか。そんな不安が、過る。
「でも、少しくらいは私たちの事も……見ていて、ください……寂しい、ですから」
 ラズの細々と紡ぐような声を聞いて悠仁が振り向けば、公園は先程よりずっと静まり返っているように思えた。
 イルミネーションが少なく雰囲気が落ち着いているせいもあり、より強調された無音の中で悠仁はラズを軽く抱きしめる。
「……有難う」
 今の悠仁には、ただそう答える事しかできなかった。
 いや、それが答えになってないとしても、それが彼に返せる精一杯だった。


「きらきらしてる、ね?」
「あ、ああ、そうだな、綺麗だな!」
 イルミネーションを横目にどこかそわそわとルリナ・ルーファ(ないしょのきもち・e04208)。
 そして、それに答える佐原・エイキチ(普通のカフェ店員・e00251)の視線はどちらかと言えば、ルリナの方へ。
 お互い見るからに緊張しながらも、仲間との合流地点へ向かう。
 ――そしてもうじき合流地点、と言うところで突如イルミネーションからダモクレスが姿を現した。
「ボク達、ちゃんと恋人に見え……な、なんでもないよっ、やっつけよ!」
 不意打ちに近い形でお互い電流を受けながらも、2人は戦闘態勢に入っていく。
 エイキチはルリナを庇いつつ、そしてルリナはそんなエイキチをヒール、支援しつつダメージを重ねる。
「ッ、ルリナ!」
 再度放たれた電流から、エイキチは覆い被さるような形でルリナを庇う。
 図らずして至近距離で鉢合わせた視線に、思わず息が止まった。
「あ……あのっ! ボク……エイキチさんの事が――」
「ルリナ、俺――」
 ほぼ同時。
 中途半端に止まった言葉に、今度は時間が止まる。
「……ッ!!」
 先に動いたのはルリナ。ヒールのグラビティを乗せた、元気のおまじない。
 恥ずかしさを紛らわすように、何度も。
「ちょっ……う……うぉおおおおおお!!」
 色々限界なのはエイキチも同じだった。
 爆発しそうな諸々の感情を鉄塊剣に乗せ、背後に迫る敵へと叩き付ける。
 両断、を通り越して粉々になったダモクレスが再び動くことは、無かった。
「え、エイキチさん……」
 口を開きかけたルリナをエイキチが手で制する。
「今は、待ってくれ。この戦いが終わったら……ちゃんと、言うから」


「手、繋ごうか?」
「はい、ダーリン。喜んで」
 同じく合流地点である公園の中央を目指す愛畄とプラスマリーは指を絡め、互いの温もりを感じ合いながら歩いていた。
 そんな2人に近付きながら電流を走らせるダモクレスを先に見つけたのは、ユタカとグラディウスだった。
「邪魔はさせないでござるよ!」
 横からの妨害にダモクレスは溜めていた電流をユタカへ放つ。
 それに合わせてグラディウスも攻撃を重ねていく。火力に特化した布陣にダモクレスは一気に劣勢に陥るが、それでも最後の最後まで命令に忠実に動き続ける。
 その一撃がユタカを捉えた。
「ユタカ!」
 すぐにグラディウスがヒールのために駆け寄るが、それを追うようにダモクレスの銃口が狙いを定める。
「やらせません」
 ――が、そんなダモクレスを無数のビットが襲う。
 間一髪、こちらに気付いたプラスマリーの攻撃だった。
「うぅ、結局お邪魔になっちゃったでござるな……」
「俺たちの事は気にしないでよ。それより大丈夫?」
 グラディウスに肩を借りて立つユタカは申し訳無さそうに口を開き、それに対して愛畄は軽く笑い返した。
 幸いダメージはそれほど大きくはなさそうだ。
「……それにしても、ユタカは電流を浴びてもあまり変わらないな?」
 その言葉に、ユタカは微笑みながらグラディウスの肩に頭を預けるように首を傾けた。
「それはきっと拙者が普段からグラに気持ちを真っ直ぐ伝えてるからでござるよ。拙者、グラと一緒なら……あ、でも子供はたくさん欲しいな」
 それでも、やっぱり普段より大胆な発言にグラディウスは少しだけ驚きながらも微笑み返す。
「子供は俺が18になったら結婚して、それから沢山作ろう」
 電流の効果が残っているのかもしれない。残ってなくても、そう返していたかもしれない。
「……愛畄様は、たくさん欲しいですか?」
「え!? えぇっと……どうだろうなぁ……」
 プラスマリーの突然の問いに、愛畄はすぐには答えられない。
 答えられるわけがない。それはとても大切な話なのだから。


「なーんでボクたちのところに2体目が出てくるのかなァ!?」
 一方、千鶴と央の2人も2体目のダモクレスに遭遇していた。
「知るか、出た以上はさっさと片付けるぞ、ちづ」
「え?」
 ちづ。
 突然の愛称呼びに一瞬固まる千鶴をよそに、央は先程同様一気に攻撃を集中させて撃破を試みる。
 お互い1体目との戦闘によるダメージは残っていたが、それでも半ば力押しの猛攻により、ダモクレスは難なく撃破に至った。
「……行くぞ」
「あれェ? もう『ちづ』って呼んでくれないのォ?」
 からかう口調の千鶴に対し、央は辛辣な視線を突き刺すように向ける。
「あ、千鶴、マスター。大丈夫だった?」
「な、何か険悪なんだが……大丈夫なのか?」
 今にも喧嘩に再突入しそうな空気の中、近くを通りがかったアウィスと平助が合流する。
 因みに2人の言う『大丈夫』はそれぞれ心配の先が違う。
「あ! アウィス、ねぇねぇこれ聞いてよ――きゃん!」
 アウィスの姿を見つけた千鶴の手にはいつの間にかボイスレコーダーが握られている。
 しかし、その内容を再生する前に央のブラックスライムが千鶴の足を取った。
「おい、そんなのよりもっと面白いものがあるぞ」
 転んでいる千鶴を放置しつつ、央もボイスレコーダーを取り出す。
 が、今度は飛び起きた千鶴のナイフが再生ボタンを押そうとした央をかすめた。
「……危ねぇだろうが、当たったらどうすんだよ」
「あれェ? 当てるつもりだったんだけどォ?」
 そして、本日既に何度目かと言う喧嘩が始まるのだった。
「アウィス、あれは止めなくていいのか?」
「ん、喧嘩するほど仲が良い、だと思う」
「良くねぇ」
「良くないよォ」
 ――『恋する電流』に様々なものが突き動かされた夜。
 それが本当に心の底から掬い上げられたの想いだったのか、はたまたその時の勢いでつい出て来た言葉だったのか。
 全ては当人たちだけが……あるいは、当人すら知らない、のかもしれない。

作者:深淵どっと 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2016年1月8日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 12
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