師走の大掃討

作者:雨乃香

「まずは城ケ島制圧戦お疲れ様でした。皆さんの活躍により、オーク、螺旋忍軍、ドラゴンを退ける事に成功しました」
 ニア・シャッテン(サキュバスのヘリオライダー・en0089)は深く頭を下げケルベロス達に労いの言葉をかけたあと、再び姿勢を戻すと、ひとつ咳払いをしてから言葉を続けた。
「ですが、レフィス・トワイライト(灰色ノ死神・e09257)さんの調査の結果、城ケ島大橋で戦闘していた竜牙兵が城ケ島に残存していることが確認されています。
 この竜牙兵達は城ケ島へ近づくものを自動的に迎撃するだけなので近づかなければ害はないですが、これらが残っているうちは城ケ島には近づけませんし、復興はまぁ、無理でしょう」
 ニアは言葉を切ると笑みを作り、小さく頷く。
「もうお気づきでしょうが、皆さんにはこの竜牙兵を倒してもらいたい、というわけですね」
 城ケ島大橋から城ケ島へと向かうことで多くの竜牙兵を橋までおびき寄せる事ができ、こちらが逃走を開始すれば戦闘を終了し元の持ち場へと戻っていく、その性質を利用し多くの竜牙兵を倒した後撤退をする、というのが今作戦の要だとニアは話す。
「ただ、敵の数は非常に多いので一度に大量に倒そうと無理をすれば敵の大群相手に退路を断たれそのままお陀仏、なんてこともありえます。くれぐれも周囲には気を配って退路だけは確保して無理はしないよう、ニアとの約束です、フフっ」
 そう言って茶化すように笑い声をあげ、ニアは周辺の状況と今回の作戦について詳細を語りはじめる。
 戦闘場所となる城ケ島大橋は片側一車線の狭い橋であること、今作戦は単独での作戦となるが、連携を考慮しなければ城ケ島制圧戦での戦闘が参考になるだろうということだ。
「戦線を維持する意味は特にないですから、ある程度敵を片付けたらあまり増えすぎる前に撤退するのが得策です。重ね重ね言いますが、退路の確保だけは怠らないようにお願いします。これさえできていればさほど脅威ではありませんし、皆さんの力を試すいい機会になるかと」
 最後に付け加えるよう、ニアはいいことを思いついたとでも言いたげに口を開く。
「相手は連携も取れない烏合の衆、とはいえ、数という面においては一級品です。文字通り石橋を叩く慎重さは忘れないようお願いしますよ」


参加者
小華和・凛(夢色万華鏡・e00011)
クラウス・ロードディア(無頼剣客チンピラ系・e01920)
逆黒川・龍之介(剣戟の修練者・e03683)
ソラネ・ハクアサウロ(暴竜突撃・e03737)
ユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876)
小鞠・景(春隣枯葎・e15332)
京・和紗(ウェアライダーの巫術士・e18769)

■リプレイ


 師走の冷たい風が強く吹きすさぶ城ケ島大橋。
 コートの前を掻き抱く様にしながら京・和紗(ウェアライダーの巫術士・e18769)はその橋の先に続く城ケ島へと視線を向けている。
「うちの掃除すらまだなのに、ドラゴン退治の後片付けとは……」
 ぼやくように呟いたソラネ・ハクアサウロ(暴竜突撃・e03737)の隣では彼女の相棒でありまた装備でもあるAI搭載型咳嗽骨格GUIRTYRAが、彼女の片付ける気のない本心を見通しているのか、不満げな唸り声のような音を上げる。
「ソラネ様の御家の事情は存じ上げませんが、この様な掃除であればお任せください。掃除はメイドの嗜みでございますからね」
 悪気もなく若干の毒の様な一言を吐きながらユーカリプタス・グランディス(神宮寺家毒舌戦闘侍女・e06876)は掃除に向かうにはいささか物騒な笑みを浮かべる。それも当然の事、これより彼等ケルベロスが向かうのはただの掃除などではない。先の城ケ島制圧作戦の後、大量に城ケ島に残ってしまったままとなった竜牙兵の残党狩りなのだから。
「出来るだけ数は減らしておきたい所だが……」
「楽観できる相手でもありません、引き際は見極めましょう」
 逆黒川・龍之介(剣戟の修練者・e03683)と小鞠・景(春隣枯葎・e15332)は互いに頷きあい、事前に取り決めて置いた撤退条件の事を思い浮かべる。
 相手はドラゴンほどの強敵ではないとしてもその数は尋常ではない。一度に殲滅することは到底できないほどの数が群れているのだ。自分たちに倒せるだけの数を倒し、撤退し、次に繋げる。これ以上敵が増えることはないのだからそれが確実で間違いのない方法なのだ。
「申し訳ない、僕の体調が万全であればもっと楽に戦えたのに……」
 唇を引き結び、辛そうな顔で小華和・凛(夢色万華鏡・e00011)が頭を下げる。
 先日の戦いで手ひどい傷を負いながらも戦場に出ることを余儀なくされた彼の体にはまだ痛々しい治療の跡が見て取れたが、ケルベロス達の中に彼を責める者は誰一人としていなかった。
「この程度、気を張るほどの任務でもねぇ。ま、殺すだけなら任せとけや」
 腰に差した刀の柄を撫でながらクラウス・ロードディア(無頼剣客チンピラ系・e01920)が鼻を鳴らしながら凛の肩を軽く叩く。乱暴な言葉づかいではあったが、彼なりに気を使った言葉なのだろう。凛も仲間達もそれをわかっているからこそ、何も言わない。てっきり、敵を甘く見るなと突っ込むくらいはされると思っていたクラウスは調子が悪そうに、後頭部を乱暴にかいてその沈黙をごまかす。
「これだけ橋幅が狭ければ、囲まれることもないだろうし、なんとかなるよね」
 クラウスの言葉から少し遅れて、フリューゲル・ロスチャイルド(猛虎添翼・e14892)がフォローするように笑顔でそう言うと、釣られるように凛も破顔しながら頷いて返す。
「僕も白雪も出来るだけのことはするよ」
 ウィングキャットの相棒に視線を向け、凛は呟いたあとその視線を城ケ島の方へと向ける。
「奴さんも準備ができたようだな」
 龍之介が呟きと共に、刀に手をかけて構えを取る。
 城ケ島へと延びる橋のその先、対岸の側から徐々に迫ってくるその敵影をケルベロス達は捉えていた。
「うっし、敵さんのおでましだ。始めるぞ」
 クラウスがケルベロスコートの裾を翻し大きく一歩踏み出す。
 師走の大掃討がその幕を開ける。


 狭い橋の上を歩いてくるのは三体の竜牙兵。対岸にはまだ数体の竜牙兵が見て取れるが、まずは様子みということなのか。
「好都合、でございましょう」
 ユーカリプタスは迫りくる竜牙兵の前に立つと、スカートのすそを摘み上げ、一つ、頭を下げる。
「神宮寺家戦闘侍女ユーカリ参ります」
 その名乗りを敵が理解できたのか定かではないが、一番前の鎌を手にした一体が鎌を振り上げ、ユーカリプタスへと狙いを定め振り下ろす。しかしその竜牙兵が捉えたのは彼女の首ではなく舗装された道路。
「この一撃、当たれば辛いですよ」
 舞踏を思わせる軽快な足捌きでユーカリプタスの体は既に敵の背後。手にした武器を振るい、竜牙兵の体を切り付け、舞い踊る。
 武器に仕込まれた毒と翻弄するようなユーカリプタスの動きに、竜牙兵の視線は一瞬で彼女へと釘付けになる。一体一体はそれほどの強さを持たずとも、三体同時に攻められれば、彼女とて荷が重い。
 そこに突如として視界を遮るように道路から煙が吹き出し、煙を被った竜牙兵はユーカリプタスを追うのをやめ、煙の立ち上る周囲へと視線を彷徨わせる。
「煙たいですが、我慢して下さい」
 景が行ったその攻撃により、竜牙兵の狙いはユーカリプタスのみに集中することはなくなり、自然、剣を握る一体は景へと標的を変え、斬撃を見舞う。景はその攻撃をしっかりと受け止めて見せたが、重力の力を宿したその一撃は見た目以上に重く、その防御の上から強力な負荷をかける。
 じりじりと重みを増す圧力に景の膝が崩れかける。
 そこに響き渡る、抑揚のついたよく通る歌声。
 フリューゲルの歌い上げるそれは、和紗が展開する紙の軍勢の上げる音を、ソラネの操るドローンのローター音すらもバックミュージックとし、それを聞く仲間達の戦意を奮い立たせる。
 景は敵の剣を弾き飛ばし体勢を立て直し、逆に、武器を弾かれた竜牙兵の方は体勢を崩す形となる。
 機を狙っていた龍之介はすかさず、その竜牙兵に向かって切りかかる。竜牙兵はその攻撃を手にした盾で防ごうと刀に向かいそれを咄嗟に突き出すが、龍之介の振るう刀はその盾をするりとすり抜け、竜牙兵の体すらもすり抜けその内部を侵食し、破壊する斬撃を見舞う。
 竜牙兵は倒れる事こそなかったが、一度距離を取るために後ろへと下がろうとする。
 そこに追撃を入れようとクラウスが躍り出るが、それを防ごうとオーラを纏う竜牙兵が立ち塞がり、カウンター気味に拳を繰り出す。
「GUIRTYRA!」
 その拳を一瞬で鎧装を纏ったソラネが受け止めるが、竜牙兵の攻撃力も侮れたものではない、彼女の体が宙を浮き橋の際まで飛ばされる。
 ソラネが攻撃を肩代わりしている間に、クラウスはその目の前の竜牙兵へと狙いを変え、刀を振るう。大きな弧を描く派手な斬撃は竜牙兵の片足を砕き、その動きを鈍らせる。敵の隊列が乱れているその隙を狙い、凛がソラネへと向けて浮遊する光の盾を展開し、戦線へと戻るための手助けをする。
 同時に彼は橋の対岸へとその視線を向ける。そこには新たにこちらへと向かってくる竜牙兵の姿が数体。緩慢な動きではあるが、それ程距離があるわけではない、すぐにでも戦列に加わり、新たな脅威となるのは明白だった。
「敵の増援がこちらに向かっているようだ」
 凛のその言葉を受け、一瞬そちらへ視線を向けたフリューゲルは焦ったような表情を浮かべながらもすぐさま表情を引き締め声をあげる。
「急いで目の前の敵を倒さなきゃ、だね!」
 フリューゲルの魔力を込めた咆哮にが空気をビリビリと揺らし、竜牙兵の動きを封じ込める。
 敵軍が足を止めたのを確認し、ユーカリプタスは敵を薙ぎ払うべく、巨大光弾を放ち、竜牙兵体をまとめて攻撃する。
 ダメージの蓄積していた竜牙兵の内剣を握っていたものが音をたてて崩れ落ちる。
 しかし、相対するまだ竜牙兵はまだ二体残っている。彼等はユーカリプタスの攻撃を凌ぎきると、そのまま反撃へと移る。
 オーラを纏う一体はそのオーラを弾丸へと変え、ユーカリプタスへと撃ちだし、鎌を持つもう一体はその弾丸の後ろを走るようにして距離を一気に詰めていく。
 その連携をわかっていながらユーカリプタスは冷静な顔のまま微動だにしない、迫る弾丸は紙兵を引き連れ躍り出た景が片腕で弾き飛ばしあっさりとその攻撃を凌ぐ。
 その後ろから迫っていたもう一体の竜牙兵が鎌を振り上げ、無防備な景の体へとその刃を振り下ろす。
「トラッシュボックス仕事をなさい」
 ユーカリプタスは言葉と共に自らの使役するミミック、トラッシュボックスを蹴りだし鎌の軌道を捻じ曲げ、景の身を庇う。
 息の合った連係に攻撃を潰された竜牙兵に対し、和紗は容赦なく追撃をかける。
 投げ放たれた鎌は回転しながら鋭く竜牙兵の体を切り裂きながらそのわきを抜け、帰還の札の力により軌道を変え、戻り際にもう一度竜牙兵の体を背後から切り裂く。
 背後から押し出されるような形となった竜牙兵はたたらを踏みながら無防備に前へと飛び出す。
 そこに待ち構えていたかのように狙いを済ましていたソラネのアームドフォートの砲身が一斉に火を噴き、骨の体をバラバラに粉砕した。


 だが最初に相対した手負いの残りの一体をケルベロス達が倒すよりも先に、新たな竜牙兵が戦線へと加わってくる。まずは四体、対岸にはさらに両手では数えきれないほどの数がひしめき始めている。
「そよそよと、黒い花を咲かせよう」
 近寄ってくる竜牙兵に対して凛は武器に病魔から出でる黒い花を咲かせ、そこから麻痺を引き起こす花粉を拡散させることで、襲いくる数々の竜牙兵に対し牽制を仕掛ける。
 大きな効果は望めないにしても、目の前に迫る数体の動きはあからさまに緩慢になる。
 だが、その効果を受けなかった一体が、手にした鎌を凛へと向かい投げつける。
 迫りくる敵の対応に迫っていたケルベロス達が思わず息を飲む。
 死を覚悟した凛は目を見開き、迫りくるその鎌をただ見据える。血が飛び散り、道路に紅い花が咲く。
 それは凛のものではなく、咄嗟に庇いに入った景のものだ。
 力なくその場に膝をついた景の顔色は青い。
 それを見た和紗もまた表情を悲壮にそめながらも、急ぎオーラによる回復を試みるが傷は深く、全ては癒し切れない。ウイングキャットの白雪も加勢するが、それでもまだ足りない。
「ここいらが引き時だな」
 龍之介が呟きながら、目の前の竜牙兵に蹴りを入れ、流れるようにそのまま神速の抜き打ちで手負いであった最後の竜牙兵を仕留めて見せる。
 それでも目の前には四体の竜牙兵が隙を伺いながらジリジリと距離を詰め、その後ろからは更に大量の敵がぞろぞろと橋の上を歩き始めている。
「そうですね……今年最後の仕事、無理のない所で締めましょう」
 ソラネが同意しつつ、敵の目をくらませるようにミサイルを一斉に撃ちだし、爆風が敵軍を飲み込む。
 彼らの実力をもってすればまだ数体の敵を撃破することは十分に可能ではあったが、それには相応のリスクが伴う。今は無理をするべきところではない。ソラネの頭に浮かぶのは、先日の戦いで命を落とした知り合いの顔。急がずともこの作戦はいずれ終わるのだから、堅実な判断こそが正解だと言えた。
 クラウス、フリューゲル、龍之介の三人が殿を務めながら、ケルベロス達は撤退を始める。
 傷の深い景、凛の二人を守るようにソラネとユーカリプタスが配置につき、和紗が殿の三人を援護しつつじりじりと来た道を戻っていく。
 ケルベロス側の攻撃の手が緩んだことにより、竜牙兵は激しく殿の三人へと攻撃を仕掛ける。
 後ろから合流しはじめた竜牙兵達はそのまま前衛に陣取る竜牙兵の後ろから、オーラによる攻撃や鎌を飛ばし、攻撃を仕掛けてくる。それらをソラネとユーカリプタスが弾きつつ、前衛の激しい攻撃を殿の三人がなんとかいなし、和紗のヒールが三人を癒す。
 前を張る竜牙兵の一体の剣による斬撃がフリューゲルを襲う。大きく回避をすれば、その分背後へと回る余地を与えてしまう。冷静な判断を下し、フリューゲルはその攻撃をあえて受けるが、その小さな体に対し、竜牙兵の攻撃はとてつもなく重い。
 痛みに苦悶の表情を浮かべる彼は、しかし、それらをぐっとこらえ、声をはる。
「大丈夫……これぐらいじゃ倒れないよ!」
 焔の翼を顕現させ、朱いオーラを纏い、自らの傷を多少なりとも癒し、フリューゲルは竜牙兵の侵攻を食い止める。強くなることを誓った彼の心はこんなこと程度では折れたりはしない。
 その時、敵が揃って行軍を止めた。
 殿の三人が時間を稼ぐ間に、凛の散布していた花粉にが竜牙兵達に回りきり、その動きを止めさせたのだ。
 それを受けて龍之介がすかさず指を鳴らす。無数の刀剣が虚空より出で、龍之介が指で標的を指し示すと、それらは雨の様に竜牙兵の元に降り注ぎ、撤退戦の中消耗していた一体があっさりと崩れ落ちた。
「よくやった、後は任せろ」
 フリューゲルの脇を抜け、クラウスが単身敵の群れへと向かって飛び出す。
 迫りくる敵の間を最小限の動きでかわし、時に蹴り、弾き、目にも止まらぬ速さで刀剣の雨降る敵陣の中舞い踊る。
 彼の目に映るただ一筋の線だけを頼りに戦場を駆け抜け、撤退戦の合間に傷ついた竜牙兵の一体に狙いを定め、すれ違い様にその四肢を一刀の元に切り落とす。クラウスと龍之介の波状攻撃を前に、竜牙兵はたまらず前線を下げる形となる。
 その時には既に先を歩く五人は橋の向こう、撤退を完了している。
 和紗が大きく両腕で丸を作り、殿の三人に真っ直ぐに戻るよう伝える。
 ある程度距離離れたところで、竜牙兵達はまるで何事もなかったかのようにゆっくりと城ケ島へと戻りはじめる。それを見て、ケルベロス達は大きく一つ息を吐いた。


 城ケ島大橋の前、既に竜牙兵達は引き、橋の上には戦闘の跡と五体の竜牙兵の残骸が残るばかりで、先ほどまでの骨の音が奏でる大音量が嘘のように静まり返っている。
 クラウスは遠く城ケ島を眺めながら、ふっと口を開く。
「いい島じゃねェか……ドラゴンと派手にやりあっても見たかったが、復興したら行ってみたいもんだ」
「あれだけ戦ってまだたりないんです? まぁ、復興したら行ってみたいというのは同感です」
 くたびれた口調で、普段通りの格好に戻ったソラネも島を眺めながら同意する。
「当初の予定より多く狩れて五体倒せたんだ、案外すぐにでも終わるかもな」
 龍之介の言葉に和紗も頷きながら、速く復興が終わるといいですねと、スケッチブックに書き、小さく笑みを作る。
「今年の掃除は終わりでございましょう」
 遠く、未だ数多く残る竜牙兵の気配を感じながらユーカリプタスが呟き、それを継ぐ様にフリューゲルが続ける。
「あとは来年の部隊の人達にお任せだね」
 ケルベロス達はその言葉に頷いて、帰り支度を始める。既に傷の手当は終わり、ちょうど遠い空に彼らを迎えにやってきたヘリオンの影が見える。
 景が少し離れたところで座っていた凛へと手を差し出す。
「すまないね」
 その手を借りて凛は立ち上がる。
「気にするほどのことでもないでしょう」
 事もなげに景は返すと、手を離し、仲間の方へと歩いていく。
 こうして師走の大掃討は無事被害を出すこともなく上場の戦果をもって幕を閉じた。

作者:雨乃香 重傷:なし
死亡:なし
暴走:なし
種類:
公開:2015年12月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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